イベントに対する修正処理の作成

Enterprise Managerリリース13.1より前のリリースでは、修正処理を関連付けられるのはメトリック・アラートのみでした。Enterprise Managerリリース13.1では、スクリプトベースの修正処理によって修正処理をイベント・ルールに関連付けることにより、イベントをトリガーできるようになりました。これにより、コンプライアンス標準の違反、メトリック・エラー、ターゲット可用性など、修正処理を使用できる状況が大幅に増加しました。修正処理をイベント・ルールに関連付けることにより、修正処理を自動的に実行できます。

また、インシデント・マネージャの「ガイドされた解決」領域のイベント詳細を使用して、手動で修正処理を開始することもできます。修正処理の詳細は、「修正処理の作成」を参照してください。

イベント・ルールでの修正処理

一致するイベントが発生するとトリガーされるイベント・ルールを作成する場合、事前定義された適切な修正処理を「修正処理ライブラリ」から選択できます。選択可能な修正処理は、ルールに選択されたイベント・タイプおよびターゲット・タイプに応じて異なります。

イベント・ルール・セットがエクスポートまたはインポートされると、関連付けられている修正処理もエクスポート/インポートされます。イベント・ルールのインポート/エクスポートの詳細は、「インシデント・ルールのエクスポートとインポート」を参照してください。

修正処理の作成

修正処理をイベント・ルールに関連付けるには、最初にその処理を修正処理ライブラリに追加する必要があります。ライブラリに修正処理を保存すると、イベント・ルールに修正処理を定義する際にはいつでも、保存した修正処理の定義を再利用できます。

  1. 「エンタープライズ」メニューで「モニタリング」「修正処理」の順に選択します。「修正処理ライブラリ」ページが表示されます。

  2. 「ライブラリ修正処理の作成」ドロップダウンからジョブ・タイプを選択します。イベントについては、スクリプトを実行できるように、「OSコマンド」ジョブ・タイプを作成する必要があります。「OSコマンド」を選択して名前を指定し、「実行」をクリックします。「'OSコマンド'修正処理の作成」ページが表示されます。

    修正処理の名前と簡単な説明またはイベント・タイプを指定します。

  3. 「ターゲット・タイプ」ドロップダウン・メニューから、ターゲット・タイプを選択します。「パラメータ」タブをクリックします。

  4. 「コマンド・タイプ」ドロップダウン・メニューから、「スクリプト」を選択します。

  5. OSスクリプト・テキストを入力します。

    スクリプトで使用可能なすべてのターゲットとイベントのプロパティが、右側の表にリストされます。

    ヒント: インシデント・マネージャから「イベントの詳細」ページにアクセスする際に、「属性の内部値を表示します」をクリックすると、イベント属性の内部名および値を表示できます。これにより、修正処理のスクリプトを記述するときにアクセス可能な情報を判断できます。単に、ダイアログから情報をコピーしてテキスト・エディタに貼り付け、スクリプトの作成時に、属性のこのリストを参照します

    ノート:

    イベント・コンテキスト・パラメータを使用する場合は、接頭辞にEVTCTXを付ける必要があります。

  6. インタプリタを指定します。たとえば、%perlbin%/perl

  7. 終了後、「ライブラリに保存」をクリックします。「修正処理ライブラリ」ページが表示され、ライブラリ・リストに修正処理が表示されます。

    この時点で、修正処理はドラフト・ステータスとなります。この段階では、修正処理をテストおよび変更できます。ただし、所有者のみが、インシデント・マネージャからCAを手動で実行してCAをテストできます。

    修正処理をテストするには、イベント・ルールと一致するイベントを関連付けられている修正処理とともにトリガーし、処理が予測したものであるかを確認する必要があります。特に問題がなく、他の管理者が修正処理を使用する準備が整ったら、次のステップに進みます。

    ノート: OSコマンド修正アクションの作成ページのアクセス・タブには、この修正アクションへのアクセス権がある管理者およびロールが表示されます。必要に応じて、このタブから、この修正処理へのアクセス権を変更できます。

  8. 「修正処理ライブラリ」ページに移動して修正処理を選択し、「公開」をクリックします。確認メッセージが表示されます。「はい」をクリックして、公開を確認します。

  9. 優先資格証明の設定「設定」メニューから、「セキュリティ」を選択し、「優先資格証明」を選択します。「優先資格証明」ページが表示されます。ルールにリンクされた修正処理では、ルール・セット所有者の優先資格証明が使用されることに注意してください。

    ノート:

    修正処理では、これらの資格証明を使用してシステムにアクセスし、アクション(この場合にはスクリプトの実行)を実行します。たとえば、修正処理が特定のホストを対象として実行される場合、ホストに資格証明を設定します。

  10. まだ設定していない場合は、修正処理によってアクセスされるターゲット・タイプを選択して、「優先資格証明の管理」をクリックします。CAでアクションを実行する対象となる特定のターゲット・タイプについて、デフォルトの優先資格証明を定義する必要があります。ターゲット・タイプの「優先資格証明」ページが表示されます。「プリファレンス」タブで、「デフォルトの優先資格証明」リージョンに移動し、適用可能な資格証明を選択します。「設定」をクリックします。

    ノート:

    優先資格証明の設定は必須であり、設定しない場合、修正処理は失敗します。

修正処理とイベント・ルールとの関連付け

イベントと関連付ける修正処理を作成すると、その修正処理を使用するイベント・ルールを作成できるようになります。ルールの条件付きアクションごとに関連付けることのできる修正処理は、1つのみです。

  1. 「設定」メニューで「インシデント」「インシデント・ルール」の順に選択します。「インシデント・ルール - すべてのエンタープライズ・ルール」ページが表示されます。
  2. 「インシデント・ルール・セットの作成」をクリックします。「ルール・セットの作成」ページが表示されます。
  3. ルール・セットの名前および説明を入力します。
  4. 適切なターゲットを選択します。
  5. 「ルール」セクションまでスクロールして、「作成...」をクリックします。ルールのタイプを選択ダイアログが表示されます。「受信イベントおよびイベントの更新」を選択して、「続行」をクリックします。ルール・セットの作成ウィザードが表示されます。
  6. 「タイプ」ドロップダウン・メニューから、イベントのタイプを選択します。デフォルトでは、「メトリック・アラート」が選択されています。「コンプライアンス標準ルール違反」など、イベント・タイプのいずれかを選択します。「詳細な選択オプション」を展開し、イベント・ルールを適用する必要があるイベント・パラメータをすべて設定します。
  7. 「次へ」をクリックしてアクションの追加ページに進みます。
  8. アクションの追加ページで、「追加」をクリックします。条件付きアクションの追加ページが表示されます。
  9. 「修正処理の発行」セクションまでスクロールし、「訂正処理の選択」をクリックします。訂正処理を選択するダイアログが表示されます。
  10. アタッチする修正処理を選択して、「OK」をクリックします。

    ノート:

    ルールはバックグラウンドで実行されるため、資格証明の入力を求められることはなく、修正処理の実行には、ルール・セット所有者の優先資格証明が使用されます。

  11. 「続行」をクリックします。メインの「アクションの追加」ページに戻ります。必要に応じて、さらにアクションの追加を続行します。
  12. ルール・セット定義を完了し、「インシデント・ルール - すべてのエンタープライズ・ルール」ページにあるインシデント・ルール・セットのリストに、そのルール・セット定義が表示されることを確認します。

CAをテストするために、特定のルール違反を再作成する必要があります。

手動による修正処理の実行

現在のイベントを解決できる修正処理が修正処理ライブラリに存在することを把握している場合、その修正処理をライブラリから手動で実行できます。「イベントの詳細」ページの「ガイドされた解決」セクションにある「修正処理」領域に、「ライブラリから発行」リンクが表示されます。

「ライブラリから発行」をクリックして、「修正処理ライブラリ」ダイアログを表示します。このダイアログには、現在のイベント条件に適用される修正処理のみがリストされます。リストから修正処理を選択します。資格証明設定が表示されます。デフォルトでは、優先資格証明が表示されます。別の資格証明を使用することもできます。

設定後、「発行」をクリックします。「修正処理<CA名>が正常に発行されました。」というダイアログが表示されます。リンク「ここをクリックして実行の詳細を表示します。」をクリックして、ジョブ実行ページに移動します。ここで、ジョブ・ステータスおよび出力を表示できます。