RCAの動作
RCAは、ターゲットの停止イベントが根本原因または兆候であるかどうかを特定する持続プロセスです。イベントの原因分析の更新属性が使用されて分析の結果が格納され、つまり、ターゲットの停止イベントが根本原因または兆候であるかどうかが特定されます。新しいターゲットの可用性イベントが入ってくると必ず、受信イベント上およびそれが関連付けられている既存のターゲットの停止イベント上でRCAが自動的に実行されます。分析に基づいて、受信イベントがターゲットの停止イベントである場合は原因分析の更新属性値が更新されます。変更がある場合は、関連するターゲットの停止イベントの原因分析の更新属性も更新されます。
関連ターゲットの特定に2つのタイプのターゲット関係、依存性および包含が使用されます。
あるターゲットが可用性に関して別のターゲットに依存する場合、それらの間に依存関係が存在します。たとえば、J2EEアプリケーション・ターゲットは、デプロイ先のWebLogic Serverターゲットに依存します。
原因分析の更新属性は、ターゲットの停止イベント(ターゲットの停止に関するターゲット可用性イベントなど)に対してのみ使用され、RCAプロセスによって次の値のいずれかを割り当てることができます。
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兆候 -- ターゲットの停止イベントが別のターゲットの停止イベントによって引き起こされています。
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原因 -- ターゲットの停止イベントが別のターゲットの停止イベントを引き起こし、他のターゲットの停止イベントの兆候ではありません。
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根本原因 -- ターゲットの停止イベントが別のターゲットの停止イベントを引き起こし、他のターゲットの停止イベントの兆候ではありません。
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N/A - 根本原因分析はこのイベントには適用されません。根本原因分析は、ターゲットの停止イベントにのみ適用されます。
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原因および兆候ではない - ターゲットの停止イベントは、他のターゲットの停止イベントの根本原因ではなく兆候でもありません。これは、インシデント・マネージャでダッシュ(-)と表示されます。
次のルールはRCAプロセスを説明しています。
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ルール1: 非コンテナ・ターゲット(メンバーを持たないターゲット)の停止イベントは、依存ターゲットが停止しており、他のターゲットの停止イベントの兆候ではない場合、原因としてマークされます。
例:
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スタンドアロンWebLogic ServerにデプロイされたJ2EEアプリケーションがあるとします。J2EEアプリケーションとWebLogic Serverターゲットの両方が停止している場合、WebLogic Serverの停止イベントが、デプロイされているJ2EEアプリケーションに対する原因になります。
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Weblogicクラスタの一部である2つのWebLogic ServerにデプロイされているJ2EEアプリケーションがあるとします。1つのWebLogic ServerがそのJ2EEアプリケーションとともに停止している場合、そのWebLogic Serverの停止イベントは、J2EEアプリケーション・ターゲットの停止の原因になります。これはWebLogicクラスタが停止していないと仮定しています。
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ルール2: 非コンテナ・ターゲット(メンバーを持たないターゲット)の停止イベントは、それが依存するターゲットがダウンしているかそれを含むターゲットがダウンしている場合、兆候としてマークされます。
例:
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スタンドアロンWebLogic ServerにデプロイされたJ2EEアプリケーションがあるとします。J2EEアプリケーションとWebLogic Serverターゲットの両方が停止している場合、J2EEアプリケーションの停止イベントは、停止しているWebLogic Serverの兆候になります。
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WebLogicクラスタの一部である2つのWebLogic Serverがあるとします。各WebLogic ServerにJ2EEアプリケーションがデプロイされています。Weblogicクラスタが停止している場合、両方のWebLogic Serverが停止していることを意味します。その結果、これらのサーバーにデプロイされるJ2EEアプリケーションも停止します。WebLogic Serverの停止イベントは、停止しているWeblogicクラスタの原因であるとマークされます。詳細は、ルール3を参照してください。
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クラスタ・データベース・ターゲットの一部である、2つのRACデータベース・インスタンス・ターゲットがあるとします。クラスタ・データベースが停止している場合、すべてのRACインスタンスも停止します。RACインスタンスの停止イベントは、停止しているクラスタ・データベースの原因としてマークされます。詳細は、ルール3を参照してください。
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ルール3: コンテナ・ターゲットの停止イベントは、すべてのメンバー・ターゲットが停止しており、それを含むターゲットが停止していない場合、兆候としてマークされます。
例:
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スタンドアロンWebLogicクラスタの一部である2つのWebLogic Serverがあるとします。WebLogicクラスタの停止イベントは、両方のWebLogic Serverが停止している場合は兆候としてマークされます。
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クラスタ・データベース・ターゲットの一部である、2つのRACデータベース・インスタンス・ターゲットがあるとします。クラスタ・データベース・ターゲットの停止イベントは、両方のデータベース・インスタンスが停止している場合、兆候としてマークされます。
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ルール4: コンテナ・ターゲットの停止イベントは、それを含むターゲットが停止している場合、兆候としてマークされます。
例:
WebLogicドメイン・ターゲットの一部である、2つのWebLogicクラスタがあるとします。WebLogicドメインが停止している場合、WebLogicクラスタも停止していることを意味します。WebLogicクラスタ・ターゲットの停止イベントは、停止しているWebLogicドメインの原因です。WebLogicドメインの停止イベントは兆候としてマークされます。