メトリック拡張のライフサイクル
メトリック拡張の開発は、プログラミングによるカスタマイズでは常に必要となる次の3つのフェーズで構成されます。
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メトリック拡張の開発
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メトリック拡張のテスト
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メトリック拡張のデプロイおよび公開

メトリック拡張の開発
最初のステップでは、監視要件を定義します。ここで、ターゲット・タイプ、収集する必要があるデータ、そのデータを収集するために使用できるメカニズム(アダプタ)、さらに資格証明の昇格が必要かどうかを決定します。これらの決定を行うと、メトリック拡張を開発する準備が整います。Enterprise Managerでは、順を追って作成プロセスを進められる直観的なユーザー・インタフェースが提供されます。

メトリック拡張ウィザードでは、自由に編集できる形式で、メトリック拡張の開発と調整を行うことができます。また、選択したターゲットに対してメトリック拡張を対話的にテストできることが重要です。専用のテスト環境にメトリック拡張をあらかじめデプロイする必要はありません。「テスト」ページで、リアルタイムのメトリック評価を実行して、スクリプトまたはメトリック拡張定義に構文エラーがないことを確認できます。
メトリック拡張の作業が終了したら、「終了」をクリックしてウィザードを終了します。新たに作成されたメトリック拡張が、「メトリック拡張ライブラリ」に表示され、ここで、さらに編集するためにメトリック拡張にアクセスしたり、複数のターゲットに対してテストできるデプロイ可能な下書きとして保存できます。
ノート:
メトリック拡張を編集できるのは、ステータスが「編集可能」の場合のみです。メトリック拡張をデプロイ可能な下書きとして一度保存すると、新たに編集を加えるには新しいバージョンを作成する必要があります。
メトリック拡張のテスト
リアルタイム・ターゲット・テストで、予期していたデータがメトリック拡張から返されたら、メトリック拡張をターゲットに対してデプロイし、データ収集を開始することで、Enterprise Managerで堅牢性と実際の動作をテストすることができます。この時点では、メトリック拡張はまだプライベート(開発者のみがターゲットにデプロイ可能)ですが、動作の点ではOracleの即時利用可能なメトリックと同じです。このステップには、ライブラリでの編集可能なメトリック拡張の選択とデプロイ可能ドラフトの生成が含まれます。
ここで、「ターゲットにデプロイ」アクションを進めて、メトリック拡張を実際のターゲットにデプロイできます。ターゲットにデプロイすると、返されるメトリック・データを確認し、アラート通知をテストできます。前に説明したように、デプロイ可能な下書きを作成するとメトリック拡張の編集はできなくなります。新しいバージョンのメトリック拡張を作成する必要があります。
メトリック拡張のデプロイ
複数のメトリック拡張バージョンやターゲット・デプロイメントを使用して綿密にテストした後で、メトリック拡張を本番環境にデプロイできるようになります。この時点まで、メトリック拡張は作成者にしか表示されません。Enterprise Managerのすべての管理者がアクセスできるようにするには、公開する必要があります。「アクション」メニューから、「メトリック拡張の公開」を選択します。
メトリック拡張を公開したら、予定していた本番ターゲットにデプロイすることができます。少数のターゲットをモニタリングしている場合は、「ターゲットにデプロイ」メニュー・オプションを選択し、一度に1つずつターゲットを追加します。ターゲット数が多い場合は、モニタリング・テンプレートを使用してメトリック拡張をターゲットにデプロイします。メトリック拡張は、正規のメトリックと同じ方法でモニタリング・テンプレートに追加します。その後、モニタリング・テンプレートをターゲットにデプロイします。
ノート:
公開していないメトリック拡張をモニタリング・テンプレートに追加することはできません。追加しようとすると、モニタリング・テンプレートのページに警告が表示され、そのメトリック拡張を削除しないと操作を続けることができません。
ノート:
エージェントにメトリック拡張デプロイメントがない場合、またはエージェントにターゲットのメトリック拡張の添付がない場合、EM CLI動詞resync_target
の使用を試してください。詳細は、「resync_target」を参照してください。
メトリック拡張の更新
Enterprise Managerリリース12.1.0.4以上では、Enterprise Managerの自己更新機能を使用してメトリック拡張を更新できます。詳細は、「Cloud Controlの更新」 を参照してください。