メトリック拡張とは

メトリック拡張によって、どのタイプのターゲットでもメトリックを作成できます。ユーザー定義メトリック(以前のEnterprise Managerリリースでモニタリングを拡張するために使用された)とは異なり、メトリック拡張では、次のような多数のターゲット・タイプに対して本格的なメトリックを作成できます。

  • ホスト

  • データベース

  • Fusion Applications

  • IBM Websphere

  • Oracle Exadataデータベースおよびストレージ・サーバー

  • Siebelコンポーネント

  • Oracle Business Intelligenceコンポーネント

メトリック拡張は「メトリック拡張」ページで管理します。このページでは、すべてのメトリック拡張がリストされるだけでなく、メトリック拡張を作成、編集、インポート/エクスポートおよびデプロイできます。


図にメトリック拡張のホームページを示します。

メトリック拡張はOracle Integration Adapterに基づいています。アダプタは、特定のプロトコルを使用して、ターゲットに関するデータの収集手段を提供します。アダプタが使用できるかどうかは、メトリック拡張でモニターするターゲットのタイプによって異なります。

メトリック拡張とユーザー定義メトリックの違い

Enterprise Managerの以前のリリースでは、ユーザー定義メトリックを使用してモニタリング機能を拡張していましたが、制限がありました。OSスクリプトの実行によるポイント値の収集や、SQLによる少し複雑な値セット(オブジェクトごとに1つ)の収集を行うことができました。メトリック拡張とは異なり、ユーザー定義メトリックには次のような制限がありました。

  • 統合の制限: OSまたはSQLのユーザー定義メトリックが、カスタム・スクリプトまたは必須の追加依存ファイルを実行する場合、ユーザーはそれらのファイルをターゲットのファイル・システムに手動で転送する必要がありました。

  • 問合せプロトコルの適用制限: OSユーザー定義メトリックは、メトリックから複数の行を返して、サーバーの子オブジェクトをモデル化することができません(この機能はSQLユーザー定義メトリック専用です)。

  • データ収集の制限: 正規のEnterprise Managerメトリックは、1つの問合せで複数のデータを収集でき、関連するデータをアラート・コンテキストに反映することができます。ただし、ユーザー定義のメトリックの場合は、複数のユーザー定義メトリックを作成することによって、データの複数のピースを収集する必要があります。データは個別に収集されているため、アラートの生成時に関連付けられたデータを参照することはできません。

  • 問合せプロトコルの制限: ユーザー定義メトリックで使用できるのはOSプロトコルとSQLプロトコルのみです。メトリック拡張では、SNMPやJMXなど、その他のプロトコルも使用できます。

  • ターゲット・アプリケーションの制限: ユーザー定義メトリックで作成できるのは、ホスト・ターゲットにはOSユーザー定義メトリック、データベース・ターゲットにはSQLユーザー定義メトリックのみです。その他のターゲット・タイプには対応していません。たとえば、ご使用の環境でWebLogicインスタンスに対してユーザー定義メトリックをデプロイしようとしても、それはホスト・ターゲット・タイプでもデータベース・ターゲット・タイプでもないため、デプロイできません。

メトリック拡張とユーザー定義メトリックの最も重要な違いは、メトリック拡張はユーザー定義メトリックとは異なり、Enterprise Managerに用意されているメトリックと同じ本格的なメトリックであるということです。これらは、Enterprise Manager提供のメトリックと同じく、Enterprise Managerのすべてのモニタリング機能で操作および公開できます。また、導入されるすべての新機能に自動的に適用されます。