動的グループの概要
グループのメンバーシップ管理は、通常、手動で行うか、実質的に静的です。メンバーシップの手動での管理は、小さいデプロイメントには正しく機能しますが、新規ターゲットがシステムに頻繁に入ってくる大規模で動的な環境では、必ずしも正しく機能するわけではありません。メンバーが頻繁に追加されるグループは、グループに直接ターゲットを追加するのではなく、メンバーシップ基準により定義された方が容易に管理できます。メンバーシップ基準を一度定義すると、Enterprise Managerは自動的にターゲットを追加します。
動的グループは、メンバーシップがメンバーシップ基準によって決定されるグループです。動的グループの所有者は、動的グループの作成(または変更)時にメンバーシップ基準を指定し、グループ内のメンバーシップは、指定した基準によってのみ決定されます。動的グループのメンバーシップは直接変更できません。動的グループにはターゲットを直接追加できないからです。Enterprise Managerは、動的グループの作成時に、メンバーシップ基準に一致するターゲットを自動的に追加します。また、新規ターゲットが追加されるかターゲット・プロパティが変更され、ターゲットがグループのメンバーシップ基準に一致するとき、グループ・メンバーシップも更新されます。
静的グループは動的グループをメンバーとして含めることができますが、その逆はできないことに注意してください。静的グループを動的グループのメンバーとして含めることはできません。
動的グループの「メンバーシップ基準の定義」機能を使用して、グループ・メンバーシップの基準を定義します。基準を定義すると、基準によって選択されるターゲットは、グループ・ページの「メンバー」領域にある読取り専用の表に表示されます。動的グループは基準によって定義されるため、結果として非常に大きいグループとなる基準を、意図的にまたは意図せずに定義することがあります。
動的グループには、次の要件が適用されます。
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動的グループは、静的グループ、他の動的グループ、または管理グループを含めることはできません。
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管理グループは動的グループを含めることはできませんが、静的グループはメンバーとして動的グループを含めることができます。
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ORベースの基準はサポートされていません。基準ページで選択されたすべての基準は、ANDベースです。
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サポートされるプロパティは、グローバル・プロパティ、ユーザー定義プロパティ、およびバージョン、プラットフォーム、ターゲット名、タイプなどのグループに特にサポートされているその他の属性です。他のインスタンス・プロパティおよび構成データ要素は、メンバーシップ基準としてサポートされていません。
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動的グループを作成するには、「任意のターゲットの表示」および「任意のターゲットの追加」権限が必要です。
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権限伝播の動的グループを作成するには、「完全な任意のターゲット」、「任意のターゲットの追加」、「権限伝播グループの作成」権限が必要です。