ルール・セット

インシデント・ルールおよびルール・セットはイベント、インシデントおよび問題に関連するアクションを自動化します。重要なイベントに基づくインシデントの作成を自動化し、電子メールの送信やヘルプデスク・チケットのオープンなどの通知アクションを実行したり、インシデントの所有権、優先度またはエスカレーション・レベルなどのインシデント・ワークフロー・ライフサイクルの管理操作を実行できます。

以前のバージョンのEnterprise Managerでは、通知ルールを使用して、アクションの実行またはEnterprise Managerからの通知の受信(電子メールの送信、ページ、ヘルプデスク・チケットのオープン)を行う個々のターゲットと条件を選択しました。Enterprise Manager 13cでは、通知ルールの概念と機能は、インシデント・ルールとルール・セットに置き換えられました。

  • ルール: ルールは、Enterprise Managerに対して、インシデント、イベントまたは問題が発生したときに、通知の実行などの特定のアクションの実行を指示します。ルールでは、通知のみではなく、インシデントの生成、インシデントや問題の更新などのアクションの実行をEnterprise Managerに指示することもできます。アクションには、条件的な性質も含まれます。たとえば、ルール・アクションを定義して、インシデントの重大度がクリティカルの場合にページを表示し、警告の場合には電子メールを送信するのみにできます。

  • ルール・セット: インシデント・ルール・セットは、ターゲット(ホスト、データベース、グループ)、ジョブ、メトリック拡張、または自己更新などのオブジェクトの共通セットに適用され、基礎となるイベント、インシデントおよび問題管理のビジネス・プロセスを自動化する適切なアクションをとる、ルールのコレクションです。

運用では、ルール・セット内の各ルールは、ルール・セット自体と同様に指定された順序で実行されます。ルール・セットは指定された順序で実行されます。デフォルトでは、ルールおよびルール・セットの実行順序はどちらも作成された順序ですが、インシデント・ルールのUIから並替えが可能です。

次の図は、標準的なルール・セットの構造、および個々のルールがどのように異種のターゲット・グループに適用されるかを示しています。

図5-3 インシデント・ルール・セットの適用

図はインシデント・ルール・セットの適用を示しています。

この図は、ターゲット・グループに関係するすべてのルールを、1つのルール・セットにまとめることのできる様子を表しています(これがベスト・プラクティスでもあります)。前述の例では、PROD-GROUPという名前のグループは、ある会社の管理対象環境に存在するホスト、データベースおよびWebLogicサーバーから構成されています。このグループを管理する単一のルール・セットが作成されています。

ルール・セットは、実際のルールを含むのに加え、次の属性を持ちます。

  • 名前: ルール・セットを説明する名前。

  • 説明: ルール・セットの目的を示す簡単な説明。

  • 適用先: ルール・セット内のすべてのルールを適用するオブジェクト。有効なルール・セットのオブジェクトは、ターゲット、ジョブ、メトリック拡張および自己更新です。

  • 所有者: ルール・セットを作成したEnterprise Managerのユーザー。ルール・セットの所有者は、ルール・セットおよびルール・セット内のルールを更新または削除できます。

  • 有効: そのルール・セットが、現在適用されているかどうか。

  • タイプ: エンタープライズまたはプライベート。「ルール・セット・タイプ」を参照してください。