ルール・セットのテスト

ルール・セットを開発する際、考えられるすべてのイベント条件に一致するルールを作成することが困難になる可能性があります。以前は、ルールをテストする唯一の方法は、モニター対象の環境でイベントをトリガーし、イベントに一致するルールとルールが実行する操作を確認することでした。Enterprise Managerリリース12.1.0.4以上では、既存のイベントをシミュレートできるため、ルール・セットの開発フェーズでルール操作をテストでき、特定のイベント条件が発生するまで待機することはありません。ルールのシミュレーション機能によって、特定のイベントがルールでどのように実行されるかを確認できます。特定のイベントに一致するルールをすぐに確認し、どのような操作を実行するかを確認します。

ノート:

ルールのシミュレート機能は、イベント・ルールでのみ使用できます。この機能でインシデント・ルールをテストすることはできません。

ルールをシミュレートするには、次のようにします。

この手順では、ルール・セットが作成済であることが前提になります。ルール・セットの作成の手順については、「ルール・セットの作成」を参照してください。ルール・タイプが「受信イベントおよびイベントの更新」であることを確認します。

  1. 「設定」メニューで「インシデント」、「インシデント・ルール」の順に選択します。「インシデント・ルール - すべてのエンタープライズ・ルール」ページが表示されます。
  2. 「ルールのシミュレート」をクリックします。「ルールのシミュレート」ダイアログが表示されます。

    「ルールのシミュレート」ダイアログ

  3. 一致するイベントを検索するために必要な検索パラメータを入力し、「検索」をクリックします。
  4. 結果のリストからイベントを選択します。

    結果のリスト

  5. 「シミュレーションの開始」をクリックします。イベントが新しく発生したかのように、ルールによってイベントが渡されます。ルールは、現在の通知構成に基づいてシミュレートされます(電子メール・アドレス、割り当てられた管理者のスケジュール、繰返し通知設定など)。

    ターゲット名の変更: 特定の状況下では、ルール・ターゲットではないターゲットで、ルール基準に一致するイベントが発生する可能性があります。イベントは、テストを目的としているだけです。シミュレーション用に別のターゲットを使用するには、「ターゲット名の変更およびシミュレーションの開始」をクリックします。

    結果が表示されます。


    結果が表示されたシミュレーション

    本番ターゲットに対するイベント・ルールのテスト: テスト・ターゲットに対してイベントを生成することもできますが、最終確認のために本番ターゲットで動作を確認したい場合もあるでしょう。本番ターゲットに対するイベント・ルールのテストを、ルール・アクション(電子メールの送信、SNMPトラップ、トラブル・チケットのオープン)を実行することなく安全に行うことができます。本番ターゲットに対しイベント・ルールをテストするには、「ターゲット名」を本番ターゲットに変更します。シミュレーションの実行中、Enterprise Managerによって実行されるアクションのリストが表示されます。ただし、実際にはこれらのアクションが本番ターゲットで実行されることはありません。

  6. ルール操作が意図しないものの場合は、ルールを編集し、目的の操作が実行されるまで、ルールのシミュレーション・プロセスを繰り返します。予想または期待したとおりのシミュレーション結果を得るために、次のガイドラインを参考にしてください。

    電子メールに関するルール・アクションが実行されない場合の対処は次のとおりです。

    • 当該イベントを対象にして電子メールを送信するアクションを実行するルールが存在することを確認します。

    • Enterprise Managerの管理者が電子メールの受信者として指定されている場合、管理者に電子メール・アドレスが与えられ、通知スケジュールが設定されていることを確認します。

    • イベントのターゲットに対して、電子メールの受信者が少なくとも表示権限を持っていることを確認します。

    • SMTPのゲートウェイ設定を確認し、さらに管理者で「電子メールのテスト」が実行済であることを確認します。

    インシデントの作成やチケットのオープンのようなその他のルール・アクションが実行されない場合の対処は次のとおりです。

    • 当該イベントを対象にして対応するアクション(インシデントの作成など)を実行するルールが存在することを確認します。

    • ルール・セットがターゲットを対象にしていることを確認します。

    • イベントのターゲットに対して、ルール・セット所有者が少なくともターゲットのイベント管理権限を持っていることを確認します。

    • チケットのオープン、SNMPトラップの送信またはイベント・コネクタの呼出しのような通知に関して、これらがイベント・ルールのアクションとして指定されていることを確認します。