8 エンド・ユーザーのモニタリング

この章では、エンド・ユーザーをモニターするためにEnterprise Managerによって提供される管理パックについて説明します。次の管理パックが含まれています:

Enterprise Manager Service Level Management

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)は、高機能なモニタリング・ソリューションであり、IT組織がビジネス・サービスにおいて高可用性と高パフォーマンスを確保し、最適化されたサービス・レベルを実現するために役立ちます。SLMは、エンドユーザー・ビジネス機能、Webアプリケーション、インフラストラクチャ・コンポーネントなどの各サービスについて、可用性とパフォーマンスをアクティブにモニターし、それらをレポートします。リモート・ユーザーの場所(ビーコン)から実行されるサービス・テストや統合トランザクションを使用することにより、エンドユーザーの観点からサービスをモニターしたり、基礎となるITインフラストラクチャとの相関関係をモニターできます。また、SLMでは、サービスの問題や障害がビジネスに対してどのような影響を与えるかを評価したり、サービス・レベルの目標が満たされているかどうかを確認することもできます。

次の表で、Enterprise Managerによって提供されるこの管理パックについて説明します。

管理パック ライセンス情報のタイプ ライセンス情報

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)

スタンドアロン・ライセンス

Enterprise Manager Service Level Managementは、Enterprise Managerバージョン10g リリース2ではスタンドアロンのService Level Management Packとして導入されました。Enterprise Manager 11g以降、Service Level Managementはいずれかの一部としてライセンス化されています。

  • Oracle Real User Experience Insight

  • WebLogic Server Management Pack Enterprise Edition

  • SOA Management Pack Enterprise Edition

  • Management Pack for WebCenter

  • Management Pack for Non-Oracle Middleware

  • Business Intelligence Management Pack

  • Management Pack Plus for Identity Management

Service Level Management Packの一部の機能サブセットは、以前はApplication ServerライセンスのDiagnostics Packの一部として提供されていました。Application Server 10gリリース1のDiagnostics Packのライセンスを保有するユーザーは、前述のどのパックのライセンスがなくても次に示す機能を使用できます。

  • HTTPおよびHTTPSプロトコルを使用したWebアプリケーションのサービス・テストのモニタリング(テスト・タイプ自体は非推奨、既存のテストは引き続き動作します)。

  • pingプロトコルを使用したホストのモニタリング。

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)

機能

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)には次の機能が含まれています:

  • ビーコンは、代表となる主要ユーザーの場所から可用性およびパフォーマンスを測定します。

  • 完全なサービスは、可用性、パフォーマンス、使用状況およびサービス・レベルのコンプライアンスをモニターします。

  • サービス・ダッシュボードは、一部のサービスを設定して格納し、「サービス・ダッシュボード」ページと詳細ページを介してそれらをレポートできるため、ダッシュボードの直接的な確認とメール送信が可能です。

  • サービスは、広範なサポート対象プロトコルに基づいて重要なビジネス機能をモデル化します。

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)

ライセンスが必要なサービス・リンク

この項では、SLMのライセンスを必要とするEnterprise Managerのリンクについて説明します。一部の機能リンクは、テストやビーコンを作成した後でそれらに関連付けられる可能性がありますが、そのようなリンクはこの項には記載しません。ただし、それらのリンクにもSLMのライセンスが必要となります。次に示すリストでは、メインのEnterprise Managerのホームページから操作を開始するものとします:

構成ページを使用するには、「ターゲット」メニューから、「サービス」を選択します。

  • 「サービス」ページで、汎用サービス作成の「サービス・テスト」手順の一環として、サービス・テストの実行に基づいてサービスの可用性を定義するには、Oracle Real User Experience Insight (RUEI)のライセンス機能が必要です。

  • 「サービス」ページで、汎用サービス作成の一環である「ビーコン」ページはRUEIのライセンスを必要とします。

  • 「サービス」ページで、表内のいずれかの「名前」リンク(「集約サービス」を除く)をクリックします。表示される「サービス」ページで、「モニタリング構成」サブタブを選択します。「モニタリング構成」ページの「サービス・テストとビーコン」リンクは、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 「サービス」ページで、表内の「汎用サービス」または「Formsアプリケーション」の「名前」リンクをクリックします。表示される「サービス」ページで、「モニタリング構成」サブタブを選択します。「モニタリング構成」ページで、「Formsトランザクション・モニタリングの有効化」リンクは、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 「モニタリング構成」ページで、「可用性定義」を選択します。「可用性定義」ページにあるドロップダウン・リストから、「サービス・テスト」を選択します。実行するサービス・テストに基づいたサービスの可用性の定義は、RUEIのライセンスを必要とします。

モニタリング・ページを使用するには、Enterprise Managerのホームページで「ターゲット」メニュー、「サービス」の順に選択します。

  • 「サービス」ページで、表内のいずれかのサービスの「名前」リンクをクリックします。表示される「サービス」ページで、「テスト・パフォーマンス」サブタブと「ブラックアウト」ボタンはRUEIのライセンスを必要とします。

  • 「サービス」ページで、表内のいずれかのサービスの「名前」リンクをクリックします。表示される「サービス」ページで、「テスト・パフォーマンス」サブタブを選択します。このページにあるすべてのリンクおよびコントロールは、RUEIのライセンスを必要とします。

次の「関連リンク」もRUEIの要素です。

  • アラート履歴

  • ブラックアウト

  • メトリック・ベースライン

  • 過去の変更

  • 保留中の変更(該当する場合)

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)

ライセンスが必要なFormsアプリケーションのリンク

この項では、SLMのライセンスを必要とするEnterprise Managerのリンクについて説明します。一部の機能リンクは、テストやビーコンを作成した後でそれらに関連付けられる可能性がありますが、そのようなリンクはこの項には記載しません。ただし、それらのリンクにもSLMのライセンスが必要となります。次に示すリストでは、メインのEnterprise Managerのホームページから操作を開始するものとします:

構成ページを使用するには、「ターゲット」メニューから、「サービス」を選択します。

  • 「サービス」ページで、ドロップダウン・リストから「Formsアプリケーション」を選択し、「実行」をクリックします。Formsアプリケーションの作成・ウィザードの「可用性」ページにあるドロップダウン・メニューから、「サービス・テスト」を選択します。実行するサービス・テストに基づいたフォーム・アプリケーションの可用性の定義は、Oracle Real User Experience Insight (RUEI)のライセンスを必要とします。

  • 「サービス」ページで、ドロップダウン・リストから「Formsアプリケーション」を選択し、「実行」をクリックします。Webアプリケーションの作成ウィザードの「ビーコン」ページは、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 「サービス」ページで、いずれかのFormsアプリケーションのリンクをクリックし、次に「モニタリング構成」サブタブを選択します。「モニタリング構成」ページの「汎用タスク」セクションにある「サービス・テストとビーコン」リンクは、RUEIのライセンスを必要とします。

  • 「モニタリング構成」ページで、「汎用タスク」セクションから「可用性定義」を選択します。「可用性定義」ページにおけるドロップダウン・リストからの「サービス・テスト」の選択は、RUEIのライセンスを必要とします。

モニタリング・ページを使用するには、「ターゲット」メニューから、「サービス」を選択します。

  • 「サービス」ページで、表のFormsアプリケーションのリンクをクリックして、Formsアプリケーションのホームページに移動します。「テスト・パフォーマンス」リンクおよび「ブラックアウト」ボタンは、RUEIのライセンスを必要とします。

次の「関連リンク」もRUEIの要素です。

  • アラート履歴

  • ブラックアウト

  • メトリック・ベースライン

  • 過去の変更

  • 保留中の変更(該当する場合)

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)

ライセンスが必要なCLI動詞

次のEnterprise Managerコマンドライン・インタフェース(CLI)動詞を使用するにはEnterprise Manager Service Level Managementのライセンスが必要です:

add_beacon
apply_template_tests
assign_test_to_target
delete_test
disable_test
enable_test
extract_template
remove_beacon
set_availability
set_key_beacons_and_tests
sync_beacon

Enterprise Manager Service Level Management (SLM)

使用制限付きライセンス

Oracle Functional Testingの使用制限付きライセンスが、テスト・スクリプトを記録するためにのみ含まれています。