10 入力の検証および変換

Oracle JETには、oj-comboboxoj-input*oj-text-areaなど、多数のOracle JET編集可能要素に対するバリデータおよびコンバータが含まれています。これらをそのまま使用することも、Oracle JETアプリケーションでの入力を検証および変換するためにカスタマイズすることもできます。

oj-checkboxsetoj-radiosetoj-selectなどの一部の編集可能要素には、組込みバリデータを暗黙的に作成するrequired値の単純な属性が含まれます。

ノート:

前述のoj-input*は、特に、oj-input-date-timeoj-input-textoj-input-passwordなどの入力コンポーネントのファミリを指します。

Oracle JETバリデータおよびコンバータについて

Oracle JETには、ユーザー入力文字列をアプリケーションで使用できるデータ型に変換するコンバータ・クラス、およびそれらの入力文字列に検証ルールを強制するバリデータ・クラスが用意されています。

たとえば、Oracle JETのIntlDateTimeConverterを使用して、ユーザー入力の日付をアプリケーションのViewModelで使用するDateオブジェクトに変換し、次にDateTimeRangeValidatorを使用して、指定の期間範囲に対してその入力を検証できます。コンバータを使用すると、DateまたはNumberオブジェクトを表示に適した文字列に変換する、またはカラー・オブジェクトの形式を変換することもできます。

Oracle JETには、登録済タイプのコンバータ・ファクトリまたはバリデータ・ファクトリを取得するために、コンバータ・ファクトリおよびバリデータ・ファクトリを登録して取得するメソッドが含まれるValidationクラスがあります。

Oracle JETに含まれるコンバータまたはバリデータがアプリケーションにとって十分でない場合は、カスタムのコンバータまたはバリデータを作成できます。必要に応じて、コンバータ(ConverterFactoryを使用)またはバリデータ(ValidatorFactoryを使用)の規約を実装するカスタム・ファクトリを指定し、そのコンバータまたはバリデータをValidationクラスに登録できます。Validationクラスを使用すると、Oracle JETの標準コンバータおよびバリデータを使用する場合と同じメカニズムでカスタム・コンバータまたはバリデータにアクセスできます。

バリデータについて

すべてのOracle JET編集可能要素はvalue属性をサポートし、ユーザーが値を入力または選択できるUI要素を提供します。これらの要素は、要素に対して値の検証方法を指示するためにページ作成者が設定できる、その他の属性もサポートしています。

編集可能要素では、特定の属性が設定されると、標準機能に対する組込みコンバータまたは組込みバリデータ(あるいはその両方)を暗黙的に作成できます。

たとえば、requiredプロパティをサポートする編集可能要素では、プロパティがtrueに設定されると必須バリデータを暗黙的に作成します。oj-input-dateoj-input-date-timeoj-input-timeなどの要素では、日時コンバータを作成してその基本機能を実装します。

Oracle JETバリデータについて

次の表では、Oracle JETバリデータについて説明し、APIドキュメントへのリンクを示します。

バリデータ 説明 APIへのリンク モジュール

DateTimeRangeValidator

入力日付が、2つの日付間、2つの時刻間、または2つの日時範囲内にあることを検証します

DateTimeRangeValidator

ojvalidation-datetimerange

DateRestrictionValidator

入力日付が制限された日付でないことを検証します

DateRestrictionValidator

ojvalidation-daterestriction

LengthValidator

入力文字列が指定された長さ以内であることを検証します

LengthValidator

ojvalidation-length

NumberRangeValidator

入力数値が指定された範囲内であることを検証します

NumberRangeValidator

ojvalidation-numberrange

RegExpValidator

正規表現が指定のパターンに一致していることを検証します

RegExpValidator

ojvalidation-regexp

RequiredValidator

必須エントリが存在していることを検証します

RequiredValidator

ojvalidation-required

Oracle JETコンポーネントの検証属性について

コンポーネントがサポートする属性はAPIの一部で、次の検証固有の属性がほとんどの編集可能要素に適用されます。

要素の属性 説明

converter

指定すると、要素で作成される内部コンバータに対してconverterインスタンスが使用されます。oj-input-textなどの要素では、値を数値または日付値に変換する(その逆も同じ)場合にこの属性の指定が必要になることがあります。

countBy

LengthValidatorに対してcountByを指定すると、バリデータのデフォルトのカウント動作を変更できるようになります。デフォルトでは、このプロパティはcodeUnitに設定され、JavaScriptの文字列長のプロパティを使用して、UTF-16サロゲート・ペアをlength === 2としてカウントします。これをcodePointに設定すると、サロゲート・ペアがlength ===1としてカウントされます。

max

Oracle JET要素(oj-input-dateoj-input-numberなど)に対して指定すると、要素では暗黙的な範囲バリデータを作成します。

min

Oracle JET要素(oj-input-dateoj-input-numberなど)に対して指定すると、コンポーネントでは暗黙的な範囲バリデータを作成します。

pattern

Oracle JET要素(oj-input-textoj-input-passwordoj-text-areaなど)に対して指定すると、コンポーネントでは、指定されたパターンを使用して暗黙的なregExpバリデータを作成します。正規表現パターンにバックスラッシュが必要で、Oracle JET要素内に式を指定する場合、二重のバックスラッシュを使用する必要があります。詳細は、「Oracle JETコンポーネントでのOracle JETバリデータの使用」を参照してください。

placeholder

指定すると、ほとんどの要素にプレースホルダ値が表示されます。

required

Oracle JET要素に対して指定すると、要素では暗黙的な必須バリデータを作成します。

validators

指定すると、要素ではこれらのバリデータと暗黙的なバリデータを使用して、UI値を検証します。ValidatorsまたはAsyncValidatorsを使用して実装し、サーバー上のユーザー入力を非同期的に検証できます。

一部の編集可能要素は、固有の機能に関連がないため特定の検証属性をサポートしていません。たとえば、oj-radiosetおよびoj-checkboxsetは、コンバータが変換する対象がないため、converter属性をサポートしていません。属性の正確なリストおよび使用方法は、要素のAPIドキュメントの属性に関する項を参照してください。Oracle JETのAPIドキュメントについては、『Oracle® JavaScript Extension Toolkit (OracleJET) APIリファレンス』を参照してください。APIリストから表示するコンポーネントを選択してください。

Oracle JETコンポーネントの検証メソッドについて

Oracle JET編集可能要素は、検証目的で次のメソッドをサポートしています。このメソッドのコール方法、およびパラメータと戻り値の詳細は、コンポーネントのAPIドキュメントを参照してください。

要素メソッド 説明

refresh()

このメソッドは、ロケールでの変更のためにoj-labelのヘルプ属性ツールチップが変更されるなど、要素が依存するDOMが変更された場合に使用します。

reset()

このメソッドは、すべてのメッセージおよびメッセージ属性(messagesCustom)をクリアして要素をリセットし、属性値を使用して要素の表示値を更新するために使用します。このメソッドがコールされると、ユーザーが入力した値が消去されます。

validate()

このメソッドは、現在の表示値を使用してコンポーネントを検証するために使用します。

要素のメソッドのコール方法、パラメータおよび戻り値の詳細は、『Oracle® JavaScript Extension Toolkit (Oracle JET) APIリファレンス』で、要素のAPIドキュメントのMethodsに関する項を参照してください。コールバックの登録方法、イベントへのバインド方法、およびイベントがトリガーする対象の詳細も記載されています。APIリストから表示するコンポーネントを選択してください。

コンバータについて

Oracle JETコンバータには、次の表で説明するように、日付、日時、数値および色コンバータが含まれています。

コンバータ 説明 APIへのリンク

ColorConverter

Colorオブジェクト形式を変換します

ColorConverter

IntlDateTimeConverter

文字列をDateに、またはDate を文字列に変換します

IntlDateTimeConverter

IntlNumberConverter

文字列を数値に変換したり、数値またはNumberオブジェクト値を文字列に書式設定します

IntlNumberConverter

LocalDateConverter

日付のみのISO文字列を書式設定された文字列に、または文字列を日付のみのISO文字列に変換します

LocalDateConverter

Oracle JETコンポーネントのコンバータ・オプションについて

Oracle JETコンバータではoptions属性を使用して、色、数値、日付および日時の値に様々な書式設定オプションを使用できます。

色コンバータ

色コンバータでは次のオプションがサポートされます。

オプション名 説明

format

変換された色指定の書式を設定します。使用可能な値は、"rgb" (デフォルト)、"hsl"、"hsv"、"hex"および"hex3" (3桁の16進コード)です。

オプションとメソッドの正確なリストおよび使用方法は、ColorConverterクラスのAPIドキュメントを参照してください。ColorConverterに関する項を参照してください。

数値コンバータ

数値コンバータでは、小数、通貨、パーセンテージまたは単位の書式設定に使用可能な多数のオプションがサポートされます。重要なオプションの一部を次に示します。

オプション名 説明

style

数値の書式設定のスタイルを設定します。使用可能な値は、"decimal" (デフォルト)、"currency"、"percent"または"unit"です。

小数、パーセンテージおよび単位の場合、小数点文字(点またはカンマ)と桁区切り(桁区切りが有効な場合)にはロケールに適した記号が使用されます。

currency

style"currency"の場合は必須です。数値の書式設定時に使用される通貨を指定します。値は、アルファベットのISO 4217通貨コード(USDEURなど)にする必要があります。

currencyDisplay

使用可能な値は、"code"、"name"および"symbol" (デフォルト)です。stylecurrencyの場合、このオプションは通貨の表示を名前(Euroなど)にするか、アルファベットのISO 4217通貨コード(EURなど)にするか、または一般に認識されている記号(など)にするか指定します。

unit

style"unit"の場合は必須です。使用可能な値は、"byte"または"bit"です。このオプションは書式設定のみに使用され、解析には使用できません。

このオプションは、10Mb (ビット単位)や10MB (バイト単位)などのデジタル単位の書式設定に使用します。スケールは自動的に書式設定されます。たとえば、1024 (byte単位の設定)は1 KBとして解釈されます。

minimumIntegerDigits

小数点前の最小桁数を設定します。数値の桁数が足りない場合は、前にゼロを付けて埋め込みます。使用可能な値は、1から21までの任意の整数です。

minimumFractionDigits

小数点後の最小桁数を設定します。数値の桁数が足りない場合は、後ろにゼロを付けて埋め込みます。使用可能な値は、0から20までの任意の整数です。

maximumFractionDigits

小数点後の最大桁数を設定します。設定された最大桁数を超える場合、その数値は丸められます。使用可能な値は、0から20までの任意の整数です。

pattern

他のオプションをオーバーライドして数値に使用するパターンを設定します。パターンでは、数値、パーセントおよび通貨書式に対してUnicode CLDRで指定された記号を使用します。

通貨書式ではcurrencyオプションが設定されている必要があります。それが表示されるかどうかは、通貨記号(¤)を使用して示します。たとえば、{pattern: '¤#,##0', currency: 'USD'}のように指定します。

パーセンテージ書式では、styleオプションが'percent'に設定されている場合、それが表示されるかどうかはパーセンテージ記号(%)を使用して示します。styleオプションがpercentに設定されていない場合は、パーセンテージ記号が必要です。たとえば、{style: 'percent', pattern: "#,##0"}のように指定します。

小数または指数パターンの場合は、{pattern: "#,##0.00"}または{pattern: "0.##E+0"}のように指定します。

roundingMode

丸め動作を指定します。使用可能な値は、HALF_UPHALF_DOWNおよびHALF_EVENです。

roundDuringParse

解析時に丸めるかどうかを指定します。デフォルトはfalseです。数値コンバータでは書式設定時には丸め、解析時には丸めません。

オプションとメソッドの正確なリストおよび使用方法は、IntlNumberConverterクラスのAPIドキュメントを参照してください。IntlNumberConverterに関する項を参照してください。

Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。数値コンバータに関する項を参照してください。

日時コンバータ

日時コンバータでは、日時の値を複数のロケール間ですべて共通のスタイルに書式設定するための使用可能なオプションが幅広くサポートされています。重要なオプションの一部を次に示します。

オプション名 説明

year

使用可能な値は、"2–digit" (00–99)および"numeric" (完全年の値、デフォルト)の文字列です。

month

使用可能な値は、"2–digit" (01–12)、"numeric" (1や11などの可変の数値、デフォルト)、"narrow" (JanuaryのJなどの縮小名)、"short" (Janなどの省略名)および"long" (Januaryなどの完全な名前)の文字列です。

day

使用可能な値は、"2–digit" (01–31)および"numeric" (1や18などの可変桁の値、デフォルト)の文字列です。

formatType

使用する標準の日付/時間書式の長さを指定します。使用可能な値は、"date"、"time"、"datetime"です。設定する場合は、必要に応じてdateFormatまたはtimeFormatの値を指定する必要があります。

dateFormat

formatTypeが"date"または"datetime"に設定されている場合に使用する標準の日付書式の長さを指定します。使用可能な値は、"short" (デフォルト)、"medium"、"long"、"full"です。

timeFormat

formatTypeが"time"または"datetime"に設定されている場合に使用する標準の時間書式の長さを指定します。使用可能な値は、"short" (デフォルト)、"medium"、"long"、"full"です。

hour

使用可能な値は、"2–digit" (01–12または01–24)および"numeric" (1や23などの可変桁の値)の文字列です。

minute

使用可能な値は、"2–digit"および"numeric"の文字列です。この値は常に2桁(00–59)で表示されます。

second

使用可能な値は、"2–digit"および"numeric"の文字列です。この値は常に2桁(00–59)で表示されます。

オプションとメソッドの正確なリストおよび使用方法は、IntlDateTimeConverterクラスのAPIドキュメントを参照してください。IntlDateTimeConverterに関する項を参照してください。

Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。日時コンバータに関する項を参照してください。

日付コンバータ

日付コンバータでは、日付のみの値を複数のロケール間ですべて共通のスタイルに書式設定するための使用可能なオプションがサポートされています。LocalDateConverterは、オプション数がIntlDateTimeConverterより少なく、時間またはタイムゾーンに関連するオプションはありませんが、ユーザー入力を書式設定された日付文字列に解析する場合は効率的で柔軟性があります。

オプション名 説明

dateStyle

使用する標準の日付書式の長さを指定します。使用可能な値は、short (9/20/15)、medium (Sep 20, 2015)、long (September 20, 2015)およびfull (Sunday, September 20, 2015)です。指定しない場合、デフォルトはdateStyle: shortです。

locale

このコンバータ・インスタンスで使用するロケールを指定します。このオプションが指定されていない場合、コンバータはConfig.getLocale()をコールして現在のJETページのロケールを決定します。

オプションとメソッドの正確なリストおよび使用方法は、LocalDateConverterクラスのAPIドキュメントを参照してください。LocalDateConverterに関する項を参照してください。

Oracle JETコンバータについて

Oracle JETの色コンバータ、日付コンバータ、日時コンバータおよび数値コンバータであるColorConverterLocalDateConverterIntlDateTimeConverterおよびIntlNumberConverterによって、コンバータ実装の基本規約を定義するConverterオブジェクトが拡張されます。

コンバータAPIは、ECMAScript国際化API仕様(ECMA-402 Edition 1.0)に基づき、ロケール・データに対してUnicode共通ロケール・データ・リポジトリ(CLDR)を使用します。両方のコンバータはコンストラクタを介して初期化され、API仕様で定義されたオプションを受け入れます。ECMA-402 API仕様の詳細は、https://www.ecma-international.org/publications-and-standards/standards/ecma-402/を参照してください。Unicode CLDRの詳細は、http://cldr.unicode.orgを参照してください。

Oracle JET実装では、ユーザー定義パターンのオプションを含む追加オプションを導入することによって、ECMA-402仕様が拡張されます。追加オプションのリストは、ColorConverterIntlDateTimeConverterIntlNumberConverterおよびLocalDateConverter APIドキュメントを参照してください。

ノート:

RequireJSおよびojs/ojvalidation-datetimeまたはojs/ojvalidation-numberモジュールを使用する場合、Oracle JETコンバータで使用するロケール記号およびデータを保持するバンドルは、ページに設定されたロケールに基づいて自動的にダウンロードされます。アプリケーションでRequireJSを使用しない場合、ロケール・データは自動的にダウンロードされません。

コンバータは、Oracle JETコンポーネントで使用したり、ページで直接インスタンス化して使用できます。

Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。次を参照してください:

Oracle JETコンポーネントでのOracle JETコンバータの使用

ユーザー入力を受け入れるOracle JET要素(oj-input-dateなど)には、ユーザー入力の解析時に使用される暗黙的なコンバータがすでに含まれています。ただし、ページに表示するモデルからのデータを変換(逆も同様)するときに使用される明示的なコンバータを要素に指定することもできます。タイムゾーン・データを含める場合は、明示的なコンバータが必要です。

たとえば、次のコード・サンプルは、コンポーネントによって暗黙的に提供されるデフォルト・コンバータを使用するoj-input-dateコンポーネントを含むフォームの一部を示しています。強調表示されているコードは、oj-input-dateコンポーネントを示しています。

<oj-form-layout id="datetime-converter-example">
  <oj-input-date id="date1" value="{{date}}"
                 label-hint="input date with no converter"
                 help.instruction="enter a date in your preferred format and we 
                                   will attempt to figure it out">
  </oj-input-date>
</oj-form-layout>

次に、この例のビュー・モデルを作成するためのスクリプトを示します。

import * as ko from 'knockout';
import 'ojs/ojformlayout';
import 'ojs/ojdatetimepicker';
import { IntlConverterUtils } from 'ojs/ojconverterutils-i18n';

class DemoViewModel {

  date: ko.Observable<string>;

  constructor() {

    this.date = ko.observable
        (IntlConverterUtils.dateToLocalIsoDateString(new Date()));
    
  }
}

export = IncidentsViewModel;
define(['knockout', 'ojs/ojconverterutils-i18n', 'ojs/ojknockout', 
  'ojs/ojdatetimepicker', 'ojs/ojformlayout'],

  function (ko, ConverterUtilsI18n) {

    function DemoViewModel() {

        const date = new Date();
        this.value = ko.observable
                (ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.dateToLocalIso(date));
     }
 
  return DemoViewModel;
  }
);

ユーザーがページを実行すると、oj-input-date要素によって入力フィールドが適切な日付書式で表示されます。この例では、さらにこの要素によって、ユーザーが入力フィールドにカーソルを重ねたときにはヒントが、ユーザーが入力フィールド内をクリックしたときにはカレンダが表示されます。ユーザーが入力したデータが適切な書式でない場合は、組込みコンバータによってエラー・メッセージと適切な書式が表示されます。

解析操作または書式設定操作時にエラーが発生した場合にコンバータがスローするエラーはConverterErrorオブジェクトで表され、エラー・メッセージはMessageをダック・タイピングで型付けするオブジェクトによって表されます。Oracle JETコンバータが使用するメッセージは、Oracle JETに付属している翻訳バンドルに定義されたリソースです。Oracle JETでのメッセージの詳細は、「ユーザー支援の使用」を参照してください。

コンバータを要素のconverter属性に直接指定することもできます(存在する場合)。次のコード引用では、サンプル・フォームに別のoj-input-date要素を定義し、ページに設定されたロケールの規則に従って、ユーザーの入力をnumericの年、longの月、numericの日に変換するオプションを指定してIntlDateTimeConverterコンバータを指定します。optionsパラメータは、ECMA-402オプションを名前-値ペアとして含むオブジェクト・リテラルです。

<div class="oj-flex">
  <div class="oj-flex-item">
    <oj-label for="date2">input date</oj-label>
  </div>
  <div class="oj-flex-item">
    <oj-input-date
      id="date2"
      value="{{date}}"
      help.instruction="enter a date in your preferred format and we will attempt 
                        to figure it out"
      converter='{ "type":"datetime",
                    "options": {"year": "numeric", "month": "long", 
                    "day": "numeric"}}'>
    </oj-input-date>
  </div>
</div>

ユーザーがen-usロケールでページを実行すると、oj-input-date要素によって入力フィールドが表示されます。このフィールドは、ユーザーの入力日付がmmmm d, yyyy書式である必要があります。コンバータは、18/07/17 (MM/dd/yy)などの代替入力を受け入れて(妥当な場合)、変換を実行しますが、入力を解析できない場合はエラーをスローします。Oracle JETコンバータおよび寛大な解析のサポートの詳細は、「Oracle JETコンバータの寛大な解析について」を参照してください。

年代、曜日または月の短縮名の解析は、適切な値の選択する際にあいまいさが生じるためサポートされていません。たとえば、オプション{weekday: 'narrow', month: 'narrow', day: 'numeric', year: 'numeric'}を指定して日時コンバータを初期化すると、en-USロケールの場合、コンバータは、May 06, 2014と表す日付をT, M 6, 2014に書式設定します(TはTuesday (火曜日)を表します)。ユーザーがT, M 6, 2014と入力した場合、コンバータは、ユーザーが意図するのがThursday, March 6, 2014なのか、またはTuesday, May 6, 2014なのか判断できません。したがって、Oracle JETでは、ユーザー入力が短い形式または長い形式のいずれか(例: Tues, May 06, 2014)で入力される必要があります。

IntlDateTimeConverterおよびIntlNumberConverterコンポーネントのオプションの詳細は、IntlDateTimeConverterおよびIntlNumberConverterを参照してください。

Oracle JETコンバータの寛大な解析について

Oracle JETコンバータは、ユーザー入力が適切なパターンと完全に一致しない場合に、数値および日付の寛大な解析をサポートしています。パーサーは、特定のコンバータの寛大さルールに基づいて寛大な解析を実行します。

IntlDateTimeConverterでは、ユーザー入力を日付に変換するときに寛大な解析が実行され、ユーザーは次のことを実行できます。

  • 関連付けられたパターンで指定されているセパレータに関係なく、任意の文字をセパレータとして入力できます。たとえば、適切な日付パターンがy-M-dに設定されている場合、日付コンバータは次の値を有効として受け入れます: 2020-06-162013/06-16および2020aaa06xxx16。同様に、適切な時刻パターンがHH:mm:ssに設定されている場合、コンバータは次の値を有効として受け入れます: 12.05.35

  • 日と月に対して任意の位置に4桁の年を指定できます。たとえば、11-2013-1616-11-2013は両方とも有効な入力値です。

  • グレゴリオ暦を使用している場合は、日の値が12を超える場合にかぎり、月と日の位置を交換できます。たとえば、y-M-dが適切な場合にユーザーが 2020-16-06と入力すると、コンバータは日付を2020-06-16に自動修正します。ただし、日と月の両方が12以下の場合、日または月に関して推定は行われず、コンバータは適切なパターンに対して値を解析します。

  • 文字列の任意の場所に、曜日名と月名、または短い名前と長い名前を混在させて入力できます。たとえば、適切なパターンがE, MMM, d, yの場合、ユーザーは次のどの日付でも入力できます。

    Tue, Jun 16 2020
    Jun, Tue 2020 16
    2020 Tue 16 Jun
    
  • 曜日を省略できます。たとえば、適切なパターンがE, MMM d, yの場合、ユーザーはJun 16, 2020と入力でき、コンバータは日付をTuesday, Jun 16, 2020に自動修正します。無効な曜日はサポートされていません。たとえば、ユーザーがWednesday, Jun 16, 2020と入力した場合、コンバータは例外をスローします。

IntlNumberConverterでは、次のように寛大な解析をサポートしています。

  • 入力が適切なパターンに一致しない場合、Oracle JETでは、入力文字列内で数値パターンを特定しようとします。たとえば、パターンが#,##0.0で、入力文字列がabc-123.45deの場合、 -123.45と解析されます。

  • 通貨スタイルの場合は、通貨記号を省略できます。また、マイナス接頭辞やマイナス接尾辞のかわりに、マイナス記号を使用できます。たとえば、patternオプションが"\u00a4#,##0.00;(\u00a4#,##0.00)"に指定されている場合、($123)(123)および-123-123.と解析されます。

  • スタイルがパーセントの場合は、パーセント記号を省略できます。たとえば、5%および5は両方とも0.05と解析されます。

Oracle JETにおけるタイムゾーン・サポートの理解

デフォルトでは、oj-input-date-timeおよびoj-input-time要素、ならびにIntlDateTimeConverterはローカル・タイムゾーン入力のみをサポートしています。タイムゾーン・サポートを追加するには、ojs/ojtimezonedataモジュールを含めて、必要なパターンでコンバータを作成します。

Oracle JETは、次のパターンを使用したタイムゾーンの変換および書式設定をサポートしています。

トークン 説明

z、zz、zzz

省略されたタイムゾーン名、書式サポートのみ

PDT、PST

zzzz

完全なタイムゾーン名、書式サポートのみ

太平洋標準時、太平洋夏時間

Z、ZZ、ZZZ

記号、時、分

-0800

X

記号、時

-08

XX

記号、時、分

-0800

XXX

記号、時:分

-08:00

VV

タイム・ゾーンID

アメリカ/ロサンゼルス

次の図は、タイムゾーン・サポート用に構成した基本的なoj-input-date-time要素を示しています。Oracle JETクックブックのこの例では、Zパターンを使用してコンポーネントが変換されます。

oj-input-date-time要素は、そのconverter属性(この場合はdateTimeConverterという名前のメソッド)を使用して初期化されます。

<oj-input-date-time
  id="timezone"
  value="{{dateTimeValue}}"
  converter="[[dateTimeConverter]]">
</oj-input-date-time>

viewModelには、dateTimeConverter()定義が含まれます。DateTimeConverter APIを使用するには、ojs/ojconverter-datetimeモジュールも追加する必要があることに注意してください。Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。日時の入力 - タイム・ゾーンに関する項を参照してください。

Oracle JETでのカスタム・コンバータの使用

Converterを拡張またはダック・タイピングして、カスタム・コンバータをOracle JETに作成できます。さらに、カスタム・コンバータ・ファクトリを作成して、コンバータをOracle JETに登録し、コンバータのインスタンス化を容易にできます。

カスタム・コンバータは、Oracle JETコンポーネントの整合性に違反しないかぎり、Oracle JETコンポーネントで使用できます。組込みのOracle JETコンバータと同様に、ページで直接使用することもできます。

次の図は、現在の日付を相対的な期間に変換するカスタム・コンバータの実装を示しています。Schedule For列では、RelativeDateTimeConverterを使用して、ページが実行されている日付をen-USロケールで変換し、TodayTomorrow、および2日間の日付を表示します。

Oracle JETでカスタム・コンバータを作成および使用するには:

  1. カスタム・コンバータを定義します。

    Oracle JETクックブックのカスタム・コンバータのサンプルでは、RelativeDateTimeConverterが使用されています。現在の日付に近い日付を表示用の相対的な期間に変換する特殊なformat()メソッドを指定することで、Oracle JETのIntlDateTimeConverterをラップします。たとえば、en-USロケールでは、相対的な期間はTodayYesterdayおよびTomorrowと表示されます。日付値の相対的な表記が存在しない場合は、Oracle JETのIntlDateTimeConverterでサポートされている正規のOracle JET format()メソッドを使用して、日付が書式設定されます。

    カスタム・コンバータは、IntlDateTimeConverterコンバータのformatRelative()メソッドに依存します。IntlDateTimeConverterコンバータでサポートされているメソッドの詳細は、IntlDateTimeConverter APIドキュメントを参照してください。

  2. 次の例のように、カスタム・コンバータを使用するアプリケーションにコードを追加します。

    次のコード・サンプルは、コードをスクリプトに追加してカスタム・コンバータを使用する方法を示しています。

    let rdConverter = new RelativeDateTimeConverter(relativeDayOptions);
  3. カスタム・コンバータを使用するOracle JET要素(1つまたは複数)をページに追加します。

    Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。コンバータ(カスタム)に関する項を参照してください。

Oracle JETコンポーネント以外でのOracle JETコンバータの使用

コンバータをOracle JETコンポーネントにバインドせずに使用する場合は、選択したコンバータに対するコンストラクタを使用してコンバータを作成します。

Oracle JETクックブックには、数値コンバータおよび日時コンバータをOracle JETコンポーネントにバインドせずに、直接ページで使用する方法を示すデモが含まれています。デモの図では、給与は通貨として書式設定された数値で、開始日は日付として書式設定されたISO文字列です。

viewModelでは、Amy Flanaganの給与と開始日の次のスニペットに示すように、数値を通貨として書式設定するsalaryConverterメソッドと、日付書式スタイルと標準の日付書式を使用して開始日を書式設定するdateConverterを定義し、HTMLの表示は戻り値にバインドされます。

. . .
<p>Product Manager</p>
 <span style="white-space:nowrap;"><b>Salary</b>:
<span>
  <oj-bind-text value="[[amySalary]]"></oj-bind-text>
</span>
 </span>
 <br />
 <span style="white-space:nowrap;"><b>Joined</b>:
<span>
  <oj-bind-text value="[[amyStartDate]]"></oj-bind-text>
</span>
. . . 

Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。コンバータ・ファクトリに関する項を参照してください。

Oracle JETバリデータについて

Oracle JETバリデータは、コール元がバリデータ・インスタンスをカスタマイズできるようにするプロパティを提供します。プロパティはバリデータのAPIの一部として記述されます。コンバータのインスタンスを1つしか要素に設定できないコンバータとは異なり、ページ作成者は1つ以上のバリデータを要素に関連付けることができます。

ユーザーが要素と対話してその値を変更すると、その要素に関連付けられたバリデータが順に実行されます。値が検証ルールに違反する場合、value属性は移入されず、バリデータによって、エラーが発生した要素が強調表示されます。

バリデータは、Oracle JET要素で使用したり、ページで直接インスタンス化して使用できます。

Oracle JETコンポーネントでのOracle JETバリデータの使用

Oracle JET編集可能要素(oj-input-textoj-input-dateなど)は、サポートする特定の属性(requiredminmaxなど)に基づいて暗黙的にバリデータを設定したり、コンポーネントのvalidators属性を使用して1つ以上のバリデータを設定する方法を提供して明示的にバリデータを設定できます。Oracle JETコンバータと同様に、validators属性はJSON配列表記または実際のバリデータ・インスタンスの配列を使用して指定できます。

たとえば、次のコード・サンプルは、コンポーネントによって暗黙的に提供されるデフォルト・バリデータを使用するoj-input-date要素を含むフォームの一部を示しています。強調表示されているコードは、oj-input-date要素に設定されたHTML5属性を示しています。oj-input-dateは、min属性を読み取ると、暗黙的なDateTimeRangeValidatorを作成します。

<oj-form-layout id="validator-example">
  <oj-input-date
    id="dateTimeRange1"
    value="{{dateValue1}}"
    min="2000-01-01T08:00:00.000"
    help.instruction="enter a date that falls in the current 
                  millenium and not greater than today's date."
    max="[[todayIsoDate]]"
    label-hint="'min' attribute and 'max' option">
  </oj-input-date>
</oj-form-layout>

次に、この例のビュー・モデルを作成するためのスクリプトを示します。

import * as ko from "knockout";
import * as ConverterUtilsI18n from "ojs/ojconverterutils-i18n";
import "ojs/ojknockout";
import "ojs/ojformlayout";
import "ojs/ojdatetimepicker";

class DemoViewModel {
 
  dateValue1: ko.Observable<string>;
  dateValue2: ko.Observable<string>;
  todayIsoDate: ko.Observable<string>;
  milleniumStartIsoDate: ko.Observable<string>;

constructor() {

  this.dateValue1 = ko.observable("");
  this.dateValue2 = ko.observable("");
  this.todayIsoDate = ko.observable(
    ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.dateToLocalIso(new Date())
  );
  this.milleniumStartIsoDate = ko.observable(
    ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.dateToLocalIso(new Date(2000, 0, 1))
    );
  } 
}

export = DemoViewModel;
define([
  "knockout",
  "ojs/ojconverterutils-i18n",
  "ojs/ojknockout",
  "ojs/ojdatetimepicker",
  "ojs/ojformlayout",
], function (
  ko,
  ConverterUtilsI18n
) {
  function DemoViewModel() {

  this.dateValue1 = ko.observable();
  this.dateValue2 = ko.observable();
  this.todayIsoDate = ko.observable(
   ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.dateToLocalIso(new Date())
  );
  this.milleniumStartIsoDate = ko.observable(
   ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.dateToLocalIso(new Date(2000, 0, 1))
  );
 }
  return DemoViewModel;
});

ユーザーがページを実行すると、oj-input-date要素により、カレンダ・アイコンの付いた入力フィールドが表示されます。要素に設定されたhelp.instruction属性は、入力フィールドをクリックすると入力フィールドの下に表示されます。入力したデータが適切な範囲内でない場合は、組込みバリデータによってエラー・メッセージと適切な範囲が表示されます。

検証が失敗したときにOracle JETバリデータがスローするエラーはValidatorErrorオブジェクトで表され、エラー・メッセージはタイプがMessageのオブジェクトで表されます。Oracle JETバリデータがエラーをスローするときに使用するメッセージとヒントは、Oracle JETに付属している翻訳バンドルに定義されたリソースです。Oracle JETでのメッセージの詳細は、「ユーザー支援の使用」を参照してください。

要素のvalidators属性にバリデータを指定することもできます(存在する場合)。次のコード・サンプルでは、別のoj-input-date要素をサンプル・フォームに追加し、DateTimeRangeValidatorバリデータ(dateTimeRange)をvalidators属性に指定する関数をコールします。

<oj-form-layout id="validator-example">
 <oj-input-date
  id="dateTimeRange2"
  value="{{dateValue2}}"
  validators="[[validators]]"
  help.instruction="enter a date that falls in the current millenium and
                    not greater than today's date."
  label-hint="'dateTimeRange' type in 'validators' option">
 </oj-input-date>
</oj-form-layout>

次のコードは、有効な最小日付と最大日付を設定するオプション、およびユーザーがフィールドにフォーカスを設定すると表示されるヒントを設定するオプションを使用したviewModelへの追加を示しています。

import * as ko from "knockout";
import * as ConverterUtilsI18n from "ojs/ojconverterutils-i18n";
import AsyncDateTimeRangeValidator 
                = require("ojs/ojasyncvalidator-datetimerange");
import * as DateTimeConverter from "ojs/ojconverter-datetime";
import "ojs/ojknockout";
import "ojs/ojformlayout";
import "ojs/ojdatetimepicker";

class DemoViewModel {
  dateValue1: ko.Observable<string>;
  dateValue2: ko.Observable<string>;
  todayIsoDate: ko.Observable<string>;
  milleniumStartIsoDate: ko.Observable<string>;
  validators: ko.Computed<AsyncDateTimeRangeValidator<string>[]>;

  constructor() {
    this.dateValue1 = ko.observable("");
    this.dateValue2 = ko.observable("");
    this.todayIsoDate = ko.observable(
      ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.dateToLocalIso(new Date())
    );
    this.milleniumStartIsoDate = ko.observable(
    ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.
                   dateToLocalIso(new Date(2000, 0, 1))
    );

    this.validators = ko.computed(() => {
      return [
        new AsyncDateTimeRangeValidator({
          max: this.todayIsoDate(),
          min: this.milleniumStartIsoDate(),
          hint: {
            inRange: "Enter a date that falls in the 
                      current millennium.",
          },
          converter: new DateTimeConverter.IntlDateTimeConverter({
            day: "2-digit",
            month: "2-digit",
            year: "2-digit",
          }),
        }),
      ];
    });
  } 
}

export = DemoViewModel;
define([
  "knockout",
  "ojs/ojconverterutils-i18n",
  "ojs/ojasyncvalidator-datetimerange",
  "ojs/ojconverter-datetime",
  "ojs/ojknockout",
  "ojs/ojdatetimepicker",
  "ojs/ojformlayout",
], function (
  ko,
  ConverterUtilsI18n,
  AsyncDateTimeRangeValidator,
  DateTimeConverter
) {
  function DemoViewModel() {
    
    this.dateValue1 = ko.observable();
    this.dateValue2 = ko.observable();
    this.todayIsoDate = ko.observable(
      ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.
                      dateToLocalIso(new Date())
    );
    this.milleniumStartIsoDate = ko.observable(
      ConverterUtilsI18n.IntlConverterUtils.
             dateToLocalIso(new Date(2000, 0, 1))
    );

    this.validators = ko.computed(
      function () {
        return [
          new AsyncDateTimeRangeValidator({
            max: this.todayIsoDate(),
            min: this.milleniumStartIsoDate(),
            hint: {
              inRange: "Enter a date that falls 
                        in the current millennium.",
            },
            converter: new DateTimeConverter.
                              IntlDateTimeConverter({
              day: "2-digit",
              month: "2-digit",
              year: "2-digit",
            }),
          }),
        ];
      }.bind(this)
    );
  }

  return DemoViewModel;
});

ユーザーがen-USロケールでページを実行すると、oj-input-date要素によって入力フィールドが表示されます。このフィールドは、ユーザーの入力日付が01/01/2000から現在日付の間である必要があります。日付値をフィールドに入力するとき、日付コンバータは、日付を明確に解析できる場合にかぎり代替入力を受け入れます。これによって、エンド・ユーザーが日付値を入力するときの許容範囲が大きく広がります。たとえば、1-2-3と入力すると、Dateは2003年1月2日に変換されます。Date値が、バリデータに設定されたDate範囲内である場合も、その値は受け入れられます。検証に失敗すると、コンポーネントでエラーが表示されます。

Oracle JET要素では、regExpバリデータも使用できます。正規表現パターンにバックスラッシュが必要で、Oracle JET要素内に式を指定する場合、二重のバックスラッシュを使用する必要があります。各バリデータが受け入れるオプションは、『Oracle® JavaScript Extension Toolkit (Oracle JET) APIリファレンス』に指定されています。

Oracle JETクックブックには、この項で説明した完全な例に加え、日付制限、長さ、数値範囲、正規表現および必須フィールドに対する組込みバリデータを示す例があります。詳細は、バリデータを参照してください。

Oracle JETコンポーネントの検証の詳細は、「Oracle JET編集可能コンポーネントでの検証およびメッセージ機能の理解」を参照してください。

Oracle JETでのカスタム・バリデータの使用

Validatorを拡張またはダック・タイピングして、カスタム・バリデータをOracle JETに作成できます。

カスタム・バリデータは、Oracle JETコンポーネントの整合性に違反しないかぎり、Oracle JETコンポーネントで使用できます。組込みのOracle JETバリデータと同様に、ページで直接使用することもできます。Oracle JETでのメッセージの詳細は、「messages-custom属性の使用」を参照してください。次の図は、ユーザーのパスワードが一致しない場合にエラー・メッセージを表示するカスタム・バリデータを示しています。

Oracle JETでカスタム・バリデータを作成および使用するには:

  1. カスタム・バリデータを定義します。

    Oracle JETクックブックのサンプルでは、ValidatorタイプのequalToPasswordカスタム・バリデータを定義しています。カスタム・バリデータでは、バリデータ・インスタンスに必要なメソッドを提供するため、Oracle JETで使用できます。

  2. カスタム・バリデータを使用するコードをアプリケーションに追加します。

    次のコード・サンプルは、コードを表示ページに追加してカスタム・バリデータを使用する方法を示しています。この例では、両方の入力フィールドがoj-c-input-password要素として定義されています。1つ目のインスタンスは、ユーザーがアプリケーションのパスワード要件を満たすパスワードを入力したことを検証します。2つ目のインスタンスは、equalToPasswordバリデータを使用して、2つ目のフィールドのパスワードが、1つ目のフィールドに入力されたパスワードと一致することを検証します。

    <oj-form-layout id="custom-validator-example">
      <oj-c-input-password
        id="password"
        required
        value="{{password}}"
        validators="[[validators]]"
        label-hint="Password"
        mask-icon="visible"></oj-c-input-password>
      <oj-c-input-password
        id="cpassword"
        value="{{passwordRepeat}}"
        validators="[[[equalToPassword]]]"
        label-hint="Confirm Password"
        mask-icon="visible"></oj-c-input-password>
    </oj-form-layout>

    Oracle JETクックブックには、この項で説明したコード・サンプルの完全版があります。バリデータ(カスタム)に関する項を参照してください。

非同期バリデータについて

Oracle JET入力コンポーネントでは、validators属性を介した非同期サーバー側検証をサポートしています。つまり、フォームを送信したり、ページをリフレッシュすることなく、サーバー・データに対する入力値をチェックできます。

次の2つのシナリオ例は、どのような場合に、非同期のサーバー側検証を使用できるかを示しています:

  • 新しいユーザー・データを収集するフォームで、電子メール・フィールドの入力内容を検証し、入力値が事前に登録されているかどうかを確認します。
  • 揮発性データを確認する数値範囲バリデータを設定します。たとえば、e-コマースのWebサイトで、ユーザーのカートを利用可能在庫に対してチェックし、商品の利用可能在庫がなければ、ユーザーがカートを送信して支払に進む前に、そのことをユーザーに通知できます。

Oracle JET Cookbookには、validators属性およびダミー・データを使用してサーバー側検証をシミュレーションするサンプルが用意されています。

次のコードはoj-input-text要素を示しています。ここでは、validators属性がviewModelコードでvalidatorsおよびasyncValidatorオブザーバブルに設定されています。非同期バリデータの作成に必要なAPI規約に準拠するためには、validators属性はタイプをAsyncValidatorにする必要があります。

<oj-form-layout id="fl1">
  <oj-c-input-text
    id="input-text"
    required
    label-hint="Quantity Limit"
    on-valid-changed="[[validChangedListener]]"
    validators="[[[validators, asyncValidator]]]"
    value="{{quantityLimit}}"
    converter="[[currencyConverter]]">
  </oj-c-input-text>
</oj-form-layout>

viewModelコードには、asyncValidatorオブジェクトに作成された、Promiseを返す数値範囲バリデータが含まれています。Promiseオブジェクトとは、まだ利用可能になっていない可能性があるが、将来のある時点で解決される値を表しています。非同期検証では、AsyncValidator.validate()関数は、検証に合格すればBoolean trueに評価されるPromiseを返し、検証に合格しなければErrorを返します。詳細は、ojInputTextvalidators属性の項を参照するか、「Promise」(MDN)を参照してください。

Oracle JETクックブックには、次の場所で説明されているオプションの実装が含まれています。非同期バリデータに関する項を参照してください。