1 アップグレードの準備
Oracle Forms BuilderとOracle Forms Servicesは、3層アーキテクチャでのFormsアプリケーションの開発とデプロイを簡素化するために更新されました。多数の機能が追加されています。
また、Oracle Forms製品の再編成により、一部のレガシー機能が削除または縮小されています。今後は、3つのすべての層でJavaが統合されるため、Javaベースのユーザー・インタフェースが強化され、製品の開放性が広がります。
この節の内容は以下のとおりです。
Formsアプリケーションのアップグレードについて
Forms 6i以前のアプリケーションを最新のFormsバージョンにアップグレードする基本ステップ
Oracle Formsアプリケーションをアップグレードするには、Forms 6iのソース・ファイル(FMB、MMB、PLLなど)を最新のOracle Forms Builderで開き、保存してからコンパイルします。Forms 6iアプリケーションのアップグレードには、Oracle Forms Compilerも使用できます。
ノート:
ほとんどの場合、新しいバージョンに移行する前に、アプリケーション・モジュールをバージョン10.1.2.xにアップグレードすることをお薦めします。モジュールの「アップグレード」は、バージョン10.1.2のBuilderでモジュールを開いて保存することです。これが必須である(オプションではない)場合、現在のバージョンでそのようなモジュールを開こうとすると、FRM-18130エラーがスローされます。これは、開こうとしているモジュールがサポートされていない古いバージョンで作成されたことを示します。この場合、モジュールを新しいバージョンで開く前に、まずv10.1.2で開いて保存する必要があります。または、Forms Migration Assistantを使用すると、バッチ・アップグレードを実行できますが、前述のノートと同じ制限が適用されます。非常に古いバージョンで作成されたモジュールは、まずv10.1.2にアップグレードしてから続行する必要があります。「Oracle Forms Migration Assistantの使用について」を参照してください。
ノート:
Formsがこのライブラリに依存する場合は、rp2rro.pllをrp2rro.plxにコンパイルする必要があります。rp2rro.pllは、ORACLE_HOME/forms/rp2rro.pll
にあります。生成されたplx
は、FORMS_PATH
内に置く必要があります。
Oracleが提供したファイルを古いインストールから新しいインストールにコピーしないようにしてください。以前のバージョンからOracleファイルをコピーすると、アプリケーションが新しいFormsバージョンで生成または適切に実行されない場合があります。
Oracle Formsから削除されたForms 6iの機能
Oracle Forms 9.0.2以上から削除されている機能をリストします。
削除された機能は次のとおりです。
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クライアント/サーバー・ランタイム
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キャラクタ・モード・ランタイム
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各種のランフォーム・コマンドライン・オプション
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キャラクタ・モード・プロパティおよび論理属性
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オペレーティング・システム固有の項目タイプ
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各種ビルトイン
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各種プロパティ
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次の各種メニュー機能
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キャラクタ・モード・メニュー・プロパティ
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メニュー項目コマンド・タイプ・プロパティから廃止されたタイプ
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メニュー・パラメータ
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メニュー・ビルトイン
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全画面メニュー・スタイル
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バー(Lotus)メニュー・スタイル
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Formsバージョン2スタイルのトリガーおよび値リスト(LOV)
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グラフィック・チャート・ウィザード
また、トリガーの適用ルールがより厳しくなりました。
削除された6i Developer製品スイートのコンポーネント
6i以降にForms Developerスイートから削除されている廃止されたコンポーネントのリスト。
表1-1 Developerスイートから削除されたコンポーネント
廃止されたコンポーネント | アップグレードのノート |
---|---|
Oracle Graphics | アプリケーションでGraphics Web CartridgeまたはOracle Graphics Runtimeを使用している場合、それらのアプリケーションをリライトして、他の方法(Java、BI Beansを使用するなど)でグラフィックを再開発する必要があります。 |
Oracle Formsリスナーおよびロード・バランシング・コンポーネント |
Formsリスナー・サーブレットを使用してWebでのFormsセッションを管理します。Formsリスナー・サーブレットには次の特徴があります。
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Oracle Forms ServerカートリッジとCGI | Formsサーブレットを使用します。Oracle Forms ServerカートリッジとCGIで使用できた機能は、Oracle Formsリリース6iパッチ・セット2から利用可能になったFormsサーブレットに組み込まれました。 |
Oracle Procedure Builder | ローカル側とサーバー側のPL/SQLコードを編集およびデバッグする場合は、Forms Developerの機能を使用します。Forms Developerはこのリリースで大幅に機能が向上しています。 |
Oracle Project Builder | アップグレード・パスまたはその代替機能はありません。 |
Oracle Translation Builder |
業界準拠のXLIFFファイルを作成するには、Forms XLIFFの抽出およびマージ・ツール(12.2.1.19で導入)を使用します。 XLIFFバージョン1.0をサポートする任意のサード・パーティXLIFFエディタを使用して、これらのファイルに必要な翻訳を追加できます。 ノート: これらのファイルをプレーン・テキスト・エディタで編集することもできますが、お薦めしません。 |
Oracle クエリー・ビルダー/Schema Builder | アップグレード・パスまたはその代替機能はありません。 |
Oracle Terminal | Webデプロイされたフォームで使用されるリソース・ファイルはテキストベースであり、Fusion Middleware Controlを使用して編集できます。この結果、Oracle Terminalは不要になりました。 |
Open Client Adapters(OCA) | Oracle以外の広範なデータ・ソースにプラットフォームに依存せずにアクセスできるように、OCAのかわりにOracle Transparent GatewayおよびGeneric Connectivityソリューションを使用します。 |
Tuxedo統合 | アップグレード・パスまたはその代替機能はありません。 |
Performance Event Collection Services(PECS) | アップグレード・パスはありません。トレースおよび診断の説明に従って、Forms TraceおよびOracle Traceを使用します。 |
Forms 6iアプリケーションのアップグレード時における廃止項目タイプの管理
Oracle Forms BuilderでFormsアプリケーションを開くと、廃止された項目タイプが「プロパティ・パレット」の「項目タイプ」ポップリストにリストされます。
廃止された項目のプロパティ値は廃止値として示されます。たとえば、VBXのプロパティ値は「VBXコントロール(廃止)」と表示されます。
ノート:
6iより前からアップグレードする場合は、10gにアップグレードしてから最新バージョンにアップグレードする必要があります。6i以降からアップグレードする場合、「Forms 6iより前のアプリケーションからのアップグレード」で説明しているように、最新バージョンに直接アップグレードできます。「Oracle Forms Migration Assistantの使用について」で説明しているように、Oracle Forms Migration Assistantを使用すると、アップグレードに関する様々な問題を解決できます。
廃止機能の移行用のツール
Oracle Forms Migration Assistantは、Formsアプリケーションのアップグレードを支援します。
「Oracle Forms Migration Assistantの使用について」で説明しているように、Oracle Formsには、Forms 6iアプリケーションのアップグレードに役立つOracle Forms Migration Assistantが用意されています。