Forms管理対象サーバーでの作業

デフォルト(特別な設定をしていないインストール)では、Forms ServicesのJava EEアプリケーション(formsapp.ear)はForms管理対象サーバー(WLS_FORMS)に配布されます。

Oracle WebLogic管理コンソールまたはOracle Fusion Middleware Controlを使用して、WLS_FORMSおよびformsapp.earを管理できます。次のリンクを参照してください。

Forms Java EEアプリケーションのカスタム・デプロイメント

ユーザーは、デフォルトのForms JavaEEアプリケーションのコンテキスト・ルート(/forms)およびデフォルトのFormsサーブレットの別名(frmservlet)をオーバーライドし、カスタマイズできます。

デフォルトのFormsアプリケーションのアクセスURL: http://host:port/forms/frmservlethttp://host:port/<user-context>/<user-servlet-alias>に変更できます。

カスタム管理対象サーバーを作成し、そこにFormsアプリケーションをデプロイするには、次のステップを実行します。

カスタム・アプリケーションの作成およびデプロイ

カスタム・アプリケーションを作成してデプロイするステップは、次のとおりです。

  1. 構成ウィザードを使用して別の管理対象サーバーを作成します。この管理対象サーバーは、デフォルトのFormsクラスタ(cluster_forms)の一部であってはならず、選択したJRF_MAN_SRVサーバー・グループを使用する必要があります。

    図-15 個々の管理対象サーバーの作成

    図-15の説明が続きます
    「図-15 個々の管理対象サーバーの作成」の説明
  2. deploy_appオプションを使用してfrmconfighelperスクリプトを実行します。
frmconfighelperスクリプトの詳細は、「Oracle Formsの構成ヘルパー・スクリプト」を参照してください。

パッチ適用後のタスク

Formsに追加の管理対象サーバーが作成されており、Oracle Forms固有のパッチが適用されている場合は、下記ステップに従います。これにより、パッチに含まれているFormsサーブレットに対する更新が、追加された管理対象サーバーに適用されます。

  1. ドメイン内のサーバーが停止していることを確認します。
  2. パッチを適用した後、update_appオプションを使用してfrmconfighelperスクリプトを実行します。
  3. update_appオプションを実行後に有効にするには、管理対象サーバーを再起動する必要があります。

frmconfighelperスクリプトの詳細は、「Oracle Formsの構成ヘルパー・スクリプト」を参照してください。

カスタム・デプロイメントのテスト

http://<Host>:<Port Number>/<context root>/<servlet name>のURLを使用して、デプロイメントをテストします。

この項の例の場合、URLはhttp://<Host>:<Port Number>/customapp/customservlet.となります。SSO (ssoMode=trueまたはwebgate)を使用してフォームを実行している場合、DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/system-jazn-data.xmlファイルに権限のある設定を追加する必要があります。

Forms管理対象サーバー・クラスタの拡張

ハイエンド・マシン(マルチプロセッサと大容量メモリーを搭載したマシン)でFormsデプロイメントのスケーラビリティとパフォーマンスの向上を図るには、Forms管理対象サーバー・クラスタ(cluster_forms)を拡張します。次の手動のステップを実行してForms管理対象サーバー・クラスタを拡張します。

  1. 次のステップを実行して、新しい管理対象サーバーをデフォルトのFormsアプリケーション・クラスタ(cluster_forms)に追加します。
    1. 構成ウィザードを使用して別の管理対象サーバーを追加します。必ずFORMS-MAN-SRVサーバー・グループを選択してください。

      図-16 管理対象サーバーの追加

      図-16の説明が続きます
      「図-16 管理対象サーバーの追加」の説明

      新規管理対象サーバーの追加。

    2. 管理対象サーバーの作成後にcluster_formsに追加されていることを確認します。

      図-17 クラスタへのサーバーの割当て

      図-17の説明が続きます
      「図-17 クラスタへのサーバーの割当て」の説明

      新規管理対象サーバーの追加。

    3. 新しく作成した管理対象サーバーを起動します。
  2. forms.confのWebLogicClusterエントリに、新しい管理対象サーバーのホストとポートの情報を追加します。
    <Location /forms>
     
    SetHandler weblogic-handler
     
    WebLogicCluster <HostName>:9001, <HostName>:9010
     
    DynamicServerList OFF
     
    </Location>
  3. OHSを再起動します。

同じ物理マシンでの複数のFormsシステム・コンポーネント・インスタンスの作成

同じ物理マシンで複数のFormsシステム・コンポーネント・インスタンスを設定する場合、Forms管理対象サーバーをそれぞれのFormsシステム・コンポーネント・インスタンスに関連付ける必要があります。

この設定を行うには、Forms管理対象サーバーでforms.instanceシステム・プロパティを定義し、Formsシステム・コンポーネント・インスタンス名に設定します。

次に例を示します。

Machine 1	forms1	WLS_FORMS
		forms2	WLS_FORMS2

WLS_FORMS1forms.instanceシステム・プロパティをforms1に設定します。同様に、WLS_FORMS2forms.instanceシステム・プロパティをforms2に設定します。これは、Oracle WebLogicリモート・コンソールで管理対象サーバーの設定を使用して行うことができます。

次のステップを実行します。
  1. WebLogicリモート・コンソールから、左側のペインの「ツリーの編集」垂直タブを選択します。
  2. 「環境」「サーバー」の順にクリックして、両方のノードを展開します。
  3. 編集する管理対象サーバー(WLS_FORMS2など)を選択します。
  4. 「詳細」タブ、「ノード・マネージャ」サブタブの順にクリックします。
  5. 「引数」フィールドに、必要なインスタンス設定と名前を次のように入力します。
    -Dforms.instance=forms2
  6. 変更内容を受け入れるには、「保存」をクリックします。
  7. 右上のショッピング・カート・アイコンをクリックし、「変更のコミット」をクリックします。
  8. 更新された管理対象サーバーを再起動します。

図-18 Oracle WebLogic Server管理コンソールでの管理対象サーバーの設定


図-18の説明が続きます
「図-18 Oracle WebLogic Server管理コンソールでの管理対象サーバーの設定」の説明

Forms J2EEアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタの変更

Forms J2EEアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタをカスタマイズするには、Forms J2EEアプリケーションのデプロイメント・プランに、カスタマイズしたデプロイメント・ディスクリプタを追加し、新しいデプロイメント・プランの変更を適用してアプリケーションを更新します。

例: デプロイメント・プランの変更

配布後は、Forms J2EEアプリケーションのデプロイメント・ディスクリプタ(weblogic.xmlweb.xmlapplication.xmlおよびweblogic-application.xml)をOracle WebLogic Serverで変更することはできなくなります。

回避策として、次のステップを実行します。

  1. デフォルトのformsappデプロイメント・プラン$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/deployment-plans/formsapp/14.1.2/plan.xmlのバックアップを作成します。
  2. Forms J2EEアプリケーションのデプロイメント・プランに、デプロイメント・ディスクリプタのカスタマイズを追加します。

    ノート:

    デプロイメント・プランを変更する方法については、次の例を参照してください。

    デプロイメント・プランを更新するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』を参照してください。

  3. WebLogic管理コンソールを使用して、Formsアプリケーションを更新(再デプロイ)し、「このアプリケーションを新しいデプロイメント・プランの変更とあわせた場所に更新します(このオプションには、デプロイメント・プランを指定する必要があります)。」オプションを選択します。
  4. WebLogic管理コンソールを使用してForms J2EEアプリケーションを再起動します。

この例では、FormsサーブレットのtestModeパラメータをオーバーライドしてその値をtrueに設定するようにデプロイメント・プランを変更します。これを行うには:

  1. 次のコマンドを入力します。
    mkdir –p $FMW_HOME/forms/j2ee/backup
    cd $FMW_HOME/forms/j2ee
    cp $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/deployment-plans/formsapp/14.1.2/plan.xml
    vi $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/deployment-plans/formsapp/14.1.2/plan.xml
    
  2. デプロイメント・プランを変更します。次はデプロイメント・プランの例で、追加したエントリを太字で強調表示しています。
    <deployment-plan xmlns="http://xmlns.oracle.com/weblogic/deployment-plan" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://xmlns.oracle.com/weblogic/deployment-plan http://xmlns.oracle.com/weblogic/deployment-plan/1.0/deployment-plan.xsd">
      <variable-definition>
    <variable>  
          <name>vd-/scratch/t_work/Oracle/Middleware/Oracle_Home/forms</name>
          <value>/scratch/t_work/Oracle/Middleware/Oracle_Home/forms</value>
       </variable>
        <variable>       
           <name>FormsServlet_InitParam_testMode</name>      
           <value>true</value>    
        </variable>
      </variable-definition>
      <application-name>formsapp</application-name>
      <module-override>
        <module-name>formsapp.ear</module-name>
        <module-type>ear</module-type>
        <module-descriptor external="false">
          <root-element>weblogic-application</root-element>
          <uri>META-INF/weblogic-application.xml</uri>
        </module-descriptor>
        <module-descriptor external="false">
          <root-element>application</root-element>
          <uri>META-INF/application.xml</uri>
        </module-descriptor>
        <module-descriptor external="true">
          <root-element>wldf-resource</root-element>
          <uri>META-INF/weblogic-diagnostics.xml</uri>
        </module-descriptor>
      </module-override>
      <module-override>
        <module-name>formsweb.war</module-name>
        <module-type>war</module-type>
        <module-descriptor external="false">
          <root-element>weblogic-web-app</root-element>
          <uri>WEB-INF/weblogic.xml</uri>
    					<variable-assignment>      
           <name>vd-/scratch/t_work/Oracle/Middleware/Oracle_Home/forms</name>
    					<xpath>/weblogic-web-app/virtual-directory-mapping/[url-pattern="java/*"]/local-path</xpath>
    				</variable-assignment>
    			  </variable-assignment>
            <name>vd-/scratch/t_work/Oracle/Middleware/Oracle_Home/forms</name> <xpath>/weblogic-web-app/virtual-directory-mapping/[url-pattern="webutil/*"]/local-path</xpath>
          </variable-assignment>
        </module-descriptor>
        <module-descriptor external="false">
          <root-element>web-app</root-element>
          <uri>WEB-INF/web.xml</uri>
          <variable-assignment>
            <name>FormsServlet_InitParam_testMode</name>
    <xpath>/web-app/servlet/[servlet-name="frmservlet"]/init-param/[param-name="testMode"]/param-value</xpath>
          </variable-assignment>
        </module-descriptor>
      </module-override>
    </deployment-plan>
  3. WebLogic管理コンソールを使用してForms J2EEアプリケーションを再起動します。