スクリーン・リーダーによる読上げ

スクリーン・リーダーで音声プロンプトを使用できるように、Oracle Forms内では、すべてのアイテムにヒント・テキスト、プロンプト、ラベルまたはツールチップ・テキストが追加されている必要があります。画面上の物理的位置などの他の手がかりがないため、スクリーン・リーダーのユーザーには音声プロンプトが一意であることが重要です。

さらに、スクリーン・リーダーのユーザーには次に示すすべての機能が必要です。

キーボード・アクセス

プロンプト

Oracle Formsでは次の優先順序で音声プロンプトが認識されます。

  1. ヒント・テキスト

  2. プロンプト

  3. ラベル

  4. ツールチップ・テキスト

ヒント・テキストから始めて、NULLでない最初の属性(先頭と末尾のスペースは削除)が音声プロンプトとして解釈され、スクリーン・リーダーに送られます。これらの属性のすべてが各アイテムで使用可能だとはかぎりません。使用できない場合はその属性が単にスキップされます。

ノート:

ヒント・テキストを使用する場合、「ヒントの自動表示」プロパティは「いいえ」に設定してください。そうでない場合、ユーザーが製品を操作する際に、追加されたヒント・テキストがメッセージ行に表示され、スクリーン・リーダーによって再度読み上げられます。

表示項目

表示項目はキーボードでナビゲーション可能ではありませんが、テキストのみの形式でポップアップ・ウィンドウにプロンプトと値を表示できるため、Oracle E-Business Suiteで使用されます。

各アイテム・タイプに使用可能な属性

次の表は、各アイテムに使用可能な属性(使用可能)、各アイテムに優先的に使用される属性(優先)、および使用できない属性(使用不可)を示しています。
アイテム ヒント・テキスト プロンプト ラベル ツールチップ・テキスト

テキスト・アイテム

使用可能

優先

使用不可

使用可能

チェック・ボックス

使用可能

優先

優先

使用可能

ポップリスト

使用可能

優先

使用不可

使用可能

表示項目

使用不可

優先

使用不可

使用可能

ラジオ・グループ

優先

使用不可

使用不可

使用可能

ラジオ・ボタン

使用不可

優先

優先

使用不可

ボタン(テキスト)

使用可能

使用可能

優先

使用可能

ボタン(アイコン)

使用可能

使用可能

使用可能

優先

ツリー

使用可能

優先

使用不可

使用可能

特殊なケースのプロンプト

明白なプロンプト

一般に画面上の物理的位置からフィールドの目的が明白にわかるため、プロンプトが表示されないフィールドがあります。

一意でないプロンプト

関連オブジェクト名など、一意でないプロンプトまたはそれ自体では意味がないプロンプトを持つフィールドもあります。

このようなすべてのフィールドには画面上のプロンプト用のプロンプト属性を使用し、さらに音声プロンプト用のヒント・テキストを付ける必要があります。

マトリックス・レイアウト

もう1つの一般的な構造としてマトリックス形式のフィールドがあります。この場合、ボイラープレート(グラフィック・テキスト)とプロンプトを使用して画面上のフィールドにラベルを付ける必要があります。各フィールドに行および列のプロンプトを組み合せたヒント・テキストが必要です。複数行ブロックの場合は、WHEN-NEW-ITEM-INSTANCEトリガーでヒント・テキストを動的に変更し、現在のレコードのプロンプトを反映する必要があります。

プロンプトを模倣する表示項目の使用

動的プロンプトを模倣する表示項目を利用する方法は避けてください。ただし、次のように絶対に必要な場合は除きます。

  • 特殊な特徴を示す必要があるプロンプト。たとえば、ベベルなど(実際のプロンプト属性にこのようなプロパティはありません)。

  • 表示項目に必要なクリッピング動作。つまり、表示項目の幅を越えてテキストを表示しない場合(実際のプロンプト属性にwidthプロパティはありません)。

  • 複数行のプロンプトが必要な場合(プロンプト属性は複数行テキストをサポートしますが、開発者が適切な位置に復帰改行文字を挿入する必要があり、翻訳後にこれが保持されない可能性があります。逆に、ボイラープレートまたは表示項目の場合は自動的にテキストを折り返すことができます)。

表示項目を画面上の動的プロンプトに使用する必要がある場合は、関連するフィールドにヒント・テキストを追加し、スクリーン・リーダーが音声プロンプトにアクセスできるようにしてください。

ただし、この目的で表示項目を使用する場合は、KEY-CLRFRMトリガーにフィールドに再移入するためのコードが必要です。コードがない場合、ユーザーがフォーム・クリアを実行すると値が消えます。

グラフィック・テキスト

グラフィック・テキスト(ボイラープレート・テキストとも呼ばれる)は使用しないでください。画面上のグラフィック・テキストには、可能なかぎりプロンプトおよびラベル属性で対応してください。グラフィック・テキストを使用する必要がある場合は、関連するアイテムにフォーカスしたときにスクリーン・リーダーで読上げ可能な同様のテキストを含むヒント・テキストを付ける必要があります。

追加属性

Oracle Formsでは、音声プロンプトの後に属性を追加して、スクリーン・リーダーで特定のアイテムについての追加属性を読み上げると便利な場合があります。
アイテム 属性 プロンプトに追加するテキスト

テキスト・アイテム

必須

必須

テキスト・アイテム

値リスト

値リスト

テキスト・アイテム

必須、値リスト

必須、値リスト

複数行アイテム

複数行

複数行

ラジオ・ボタン

グループ内のラジオ・ボタンの数

n個のうちn個

メニュー・アイテム

割り当てられるニーモニック・キー

ニーモニックx

タブ・ページ

タブ・ページ

タブ・ページ