5 エンタープライズ・デプロイメント用のリソースの取得
Oracle WebCenter Content参照用トポロジを構成する前に、必要なハードウェア、ソフトウェアおよびネットワーク設定を取得することが不可欠です。
この章では、エンタープライズ・デプロイメントに必要なIPアドレスを予約し、ソフトウェア・ダウンロードを識別して取得する方法について説明します。
エンタープライズ・デプロイメント・トポロジ用のハードウェアおよびソフトウェアの要件
エンタープライズ・デプロイメント・トポロジのハードウェア・ロード・バランサの要件、ホスト・コンピュータのハードウェア要件およびオペレーティング・システム要件を理解することが重要です。
この項の内容は、次のとおりです。
ハードウェア・ロード・バランサの要件
この項では、外部ロード・バランサの必要機能を示します。
このエンタープライズ・トポロジでは、外部のロード・バランサを使用します。外部ロード・バランサの機能を次に示します。
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仮想ホスト名を使用してトラフィックを実際のサーバーのプールにロード・バランシングする機能: クライアントは仮想ホスト名を使用してサービスにアクセスします(実際のホスト名は使用しない)。ロード・バランサは、リクエストをプールのサーバーにロード・バランスできるようになります。
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ポート変換構成が可能である必要があります。これによって、仮想ホスト名とポートにおける入力リクエストが、バックエンド・サーバーにある別のポートにリダイレクトされます。
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プールにあるサーバーのポートを監視してサービスの可用性を判定する機能。
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名前とポートを外部ロード・バランサ上に構成する機能。仮想サーバー名とポートは、次の要件を満たす必要があります。
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ロード・バランサは複数の仮想サーバーの構成が可能である必要がある。各仮想サーバーに対して、ロード・バランサは複数のポート上でトラフィック管理の構成を行える必要があります。たとえば、Web層のOracle HTTP Serverの場合、ロード・バランサでは、HTTPSトラフィックに対して仮想サーバーとポートで構成されている必要があります。
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仮想サーバー名は、IPアドレスに関連付けられていて、DNSの一部である必要がある。クライアントは仮想サーバー名を使用して外部ロード・バランサにアクセスできる必要があります。
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ノード障害を検出し、障害が発生したノードへのトラフィックのルーティングをすぐに停止する機能。
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ロード・バランサをフォルト・トラレント・モードに構成することを強くお薦めします。
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トラフィックの転送先となるバックエンド・サービスが使用不可の場合に、即座にコール元クライアントに戻るようにロード・バランサの仮想サーバーを構成しておくことを強くお薦めします。これは、クライアントのマシンのTCP/IP設定に基づくタイムアウトの後、自ら接続解除するクライアントに対して好ましい構成です。
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コンポーネントへのスティッキーな接続を維持する機能。この例には、Cookieベースの永続性やIPベースの永続性などが含まれています。
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このエンタープライズ・デプロイメント・ガイドでは、SSLリスナーがOracle HTTP ServerおよびOracle WebLogic Serverに使用されます。ロード・バランサは、プール内のバックエンド・サーバーとのSSL通信を確立できる必要があります。
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SSLアクセラレーション(これは強く推奨する機能ですが、エンタープライズ・トポロジに必須ではありません)。
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TCP/IPリクエストをルーティングする機能。これはsFTP/FTPプロトコルを使用できるManaged File Transferの要件です。
ホスト・コンピュータのハードウェア要件
この項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジをサポートするように構成されるホスト・コンピュータの取得に役立つ情報を提供します。
内容は次のとおりです。
エンタープライズ・デプロイメントのホスト・コンピュータに関する一般的な考慮事項
この項では、エンタープライズ・デプロイメントのホスト・コンピュータに必要な一般的な考慮事項を示します。
Oracle Fusion Middlewareエンタープライズ・デプロイメントを構成するプロセスを開始する前に、適切なキャパシティ・プランニングを実施して、ノードの数、特定のシステムへの負荷に応じてノードごとにおけるCPUとメモリーに関する要件、スループットとレスポンスに関する要件を決める必要があります。これらの要件は、アプリケーションごと、あるいは使用しているカスタムOracle WebCenter Contentシステムごとに異なります。
この章で提供する情報は、ホスト・コンピュータ要件を判断するために役立つ一般的なガイドラインおよび情報です。これにより、個別の本番環境に対するキャパシティ・プランニングを実行する必要がなくなるわけではありません。
ノート:
この項でホスト・コンピュータを取得し確保したら、ホスト名とシステム特性をエンタープライズ・デプロイメント・ワークブックに記録してください。これらのアドレスは、後で各ホスト・コンピュータでIPアドレスを有効化するときに使用します。「エンタープライズ・デプロイメント・ワークブックの使用」を参照してください。
Oracle Fusion Middlewareシステム要件の確認
この項では、環境が必要最小限の要件を満たしていることを確認するために役立つシステム要件情報の参照先を示します。
Oracle Fusion Middlewareのシステム要件および仕様を参照し、インストールする製品の最小インストール要件を環境が満たしていることを確認します。
要件および仕様のドキュメントには、Oracle Fusion Middlewareの一般的なハードウェアとソフトウェアの要件、ディスク領域とメモリーの最小要件、データベース・スキーマの要件、および必要なオペレーティング・システム・ライブラリおよびパッケージに関する情報が記載されています。
また、Oracle Fusion Middlewareデプロイメントのメモリー要件を見積るための一般的なガイドラインも記載されています。
エンタープライズ・デプロイメントに必要な標準的なメモリー、ファイル・ディスクリプタおよびプロセス数
この項では、エンタープライズ・デプロイメントに必要な標準的なメモリー、ファイル・ディスクリプタ数、オペレーティング・システム・プロセス数およびタスクの詳細を示します。
次の表は、標準的なOracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントにおける管理サーバーおよび各管理対象サーバー・コンピュータに必要なメモリー、ファイル・ディスクリプタおよびプロセス数をまとめたものです。これらの値はあくまで例にすぎませんが、初期エンタープライズ・デプロイメントに最小限必要なメモリー量の見積りに使用できます。
この項の例は、参照用トポロジに示されている、WCCHOST1で必要な管理対象サーバーおよび他のサービスを構成するための最小限の要件を反映しています。
マシンの調達時には、各ホスト・コンピュータに搭載する必要がある最小物理メモリーを判断するときの目安として、「概算最大メモリー」列の情報を使用してください。
ホスト・コンピュータ・ハードウェアを調達し、オペレーティング・システム要件を確認したら、ソフトウェア構成を調査して、オペレーティング・システムの設定が「ファイル・ディスクリプタ」列に記載されているオープン・ファイル数と「オペレーティング・システムのプロセスおよびタスク数」列に記載されているプロセス数に対応できるように構成されていることを確認します。「UNIXシステムでのオープン・ファイル制限とプロセス数の設定」を参照してください。
| 管理対象サーバー、ユーティリティまたはサービス | 概算最大メモリー | ファイル・ディスクリプタ数 | オペレーティング・システムのプロセスおよびタスク数 |
|---|---|---|---|
|
管理サーバー |
3.5 GB |
3500 |
165 |
|
WLS_WCC |
4.0 GB |
3100 |
240 |
|
WLS_WCCUI |
4.0 GB |
3100 |
100 |
|
WLS_CPT |
3.0 GB |
1300 |
100 |
|
WLS_IBR |
3.0 GB |
1300 |
100 |
|
WLS_SOA |
4.0 GB |
3100 |
240 |
|
WLST (ノード・マネージャへの接続) |
1.5 GB |
910 |
20 |
|
構成ウィザード |
1.5 GB |
700 |
20 |
|
ノード・マネージャ |
1.0 GB |
720 |
15 |
|
合計 |
11.5 GB* |
未定 |
未定 |
*オペレーティング・システムとその他の追加メモリー要件を考慮した概算合計。
エンタープライズ・デプロイメントの標準的なディスク領域要件
この項では、このエンタープライズ・デプロイメントに通常必要なディスク領域について説明します。
Oracle WebCenter Content製品を含むOracle Fusion Middleware 14c (14.1.2.0.0)製品の最新のディスク領域要件は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を確認してください。
また、次の表では、Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントで通常必要となるディスク容量をまとめています。
この情報と「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」の情報に基づいて、デプロイメントに必要なディスク領域を判断してください。
| サーバー | ディスク |
|---|---|
|
データベース |
nXm n = ディスクの台数、最少4台 (1台のディスクはストライプ) m = ディスクの容量(30GB以上) |
|
WEBHOSTn |
10 GB |
|
WCCHOSTn |
20GB* |
*共有記憶域のOracleホーム構成の場合、2つのインストールで合計20GBになるようにすると十分です。
エンタープライズ・デプロイメント・トポロジのオペレーティング・システム要件
この項では、オペレーティング・システム要件について説明します。
このガイドで説明するOracle Fusion Middlewareソフトウェア製品およびコンポーネントは、Oracle Fusion Middlewareシステム要件と仕様に記載されている様々なオペレーティング・システムおよびプラットフォームで動作保証されています。
ノート:
このガイドでは、Oracle Linuxシステムにおけるエンタープライズ・デプロイメント参照用トポロジの実装を中心に取り上げています。
このトポロジは、動作保証済でサポートされている任意のオペレーティング・システムで実装可能ですが、このガイドの例には、多くの場合、Oracle Linux上でbashシェルを使用して実行する必要があるコマンドと構成ステップが示されています。
エンタープライズ・デプロイメント用の必須IPアドレスの予約
エンタープライズ・トポロジをインストールおよび構成する前に、一連のIPアドレスを取得して予約する必要があります。予約する必要のある一連のIPアドレスは、このセクションにリストされています。
エンタープライズ・トポロジのインストールおよび構成を開始する前に、次の一連のIPアドレスを取得および予約する必要があります。
-
トポロジのために取得した各ホスト・コンピュータの物理IP (IP)アドレス
-
管理サーバーの仮想IP (VIP)アドレスと、このVIPにマップされた仮想ホスト名
-
サーバー全体の移行に構成された、各管理対象サーバーの追加のVIPアドレス
自動サービス移行をサポートするFusion Middleware 12c製品の場合、管理対象サーバーのVIPは通常は必要ありません。
-
各VIPにマップされる一意の仮想ホスト名。
ネットワーク管理者と協力して、これらの必須VIPが、ご使用のDNSサーバーに定義されていることを確認できます。非本番環境では、かわりに/etc/hostsファイルを使用してこれらの仮想ホストを定義できます。
詳細な情報は、次のトピックを参照してください
仮想IP (VIP)アドレスとは
この項では、仮想IPアドレスについて定義し、その用途を示します。
仮想IPアドレスは、ホストの主要IPアドレスと同じサブネットに属する、未使用のIPアドレスです。これは、ホストに手動で割り当てられます。ホスト・コンピュータで障害が発生した場合、トポロジ内の新しいホストに仮想アドレスを割り当てることができます。このガイドの目的のために、あるホストから別のホストに再割当てできるものを仮想IPアドレス、ハードウェア・ホスト・コンピュータに永続的に割り当てられるものを物理IPアドレスと呼びます。
仮想ホスト名と仮想IPアドレスを使用する理由
特にエンタープライズ・デプロイメントの場合、一連のVIPおよびそれらがマップされている仮想ホスト名を、社内ネットワーク上で予約して有効化することが重要です。
ホスト名は、様々なノードを通して伝播される適切な/etc/hostsファイルをかわりに使用して解決できます。
IPアドレスが割り当てられたホスト・コンピュータに障害が発生した場合は、割り当てられた管理対象サーバーの実行を新しいホストが引き継げるように、このIPアドレスを同じサブネット内の別のホストに割り当てることができます。
管理サーバーの仮想IPアドレスの再割当ては手動で実行する必要がありますが、管理対象サーバーの仮想IPアドレスの再割当ては、Oracle WebLogic Serverのサーバー全体の移行という機能を使用して自動的に実行できます。
サーバー全体の移行を使用する必要があるかどうかは、デプロイする製品およびそれらが自動サービス移行をサポートするかどうかによって決まります。
エンタープライズ・トポロジで必要とされる物理IPアドレスと仮想IPアドレス
この項では、通常のOracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの管理サーバーと各管理対象サーバーに必要な物理IP (IP)および仮想IP (VIP)アドレスについて説明します。
エンタープライズ・デプロイメントのインストールおよび構成を開始する前に、表5-1のVIPに対応する一連のホスト名およびIPアドレスを予約します。
VIPには任意の一意のホスト名を割り当てることができますが、このガイドでは、この表の推奨ホスト名を使用して各VIPを参照します。
ノート:
この項でIPアドレスおよびそれらに対応する仮想ホスト名を取得および予約したら、それらのIPアドレスとホスト名の値をエンタープライズ・デプロイメント・ワークブックに記録してください。これらのアドレスは、後で各ホスト・コンピュータでIPアドレスを有効化するときに使用します。「エンタープライズ・デプロイメント・ワークブックの使用 」を参照してください。
表5-1 エンタープライズ・デプロイメントに必要な仮想IPアドレスのサマリー
| 仮想IP | VIPのマップ先 | 説明 |
|---|---|---|
|
VIP1 |
ADMINVHN |
ADMINVHNは、管理サーバーのリスニング・アドレスとして使用される仮想ホスト名であり、管理サーバーの手動フェイルオーバーによりフェイルオーバーします。管理サーバー・プロセスが実行されているノードで有効化されます。 |
エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェア・ディストリビューションの特定と取得
エンタープライズ・トポロジのインストールおよび構成を開始する前に、トポロジの実装に必要なソフトウェア・ディストリビューションを取得する必要があります。
次の表に、このガイドで使用されるディストリビューションを示します。
Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの入手方法の一般情報は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品ディストリビューションの入手に関する項を参照してください。
特定のOracle Fusion Middleware製品の入手先とダウンロードの詳細は、OTNの「Oracle Fusion Middlewareダウンロード、インストール、構成のReadmeファイル」を参照してください。
ノート:
このガイドの情報は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成に記載されている情報を補完するためのものです。このガイドの情報と動作保証マトリックスの情報に相違がある場合は、動作保証マトリックスの情報を適切なバージョンとしてください。動作保証マトリックスの方が頻繁に更新されています。| ディストリビューション | 説明 |
|---|---|
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Oracle Fusion Middleware 14c (14.1.2.0.0) Infrastructure |
このディストリビューションをダウンロードしてOracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールします。これには、Oracle WebLogic ServerおよびOracle Fusion Middleware製品に必要なJava Required Filesソフトウェアが含まれています。 このディストリビューションによってリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)もインストールされます。これは、以前のOracle Fusion Middlewareリリースでは独自のディストリビューションにパッケージされていました。 |
|
Oracle HTTP Server 14c (14.1.2.0.0) |
このディストリビューションをダウンロードして、Oracle HTTP ServerソフトウェアをWeb層にインストールします。 |
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Oracle Fusion Middleware 14c (14.1.2.0.0) WebCenter Content |
このディストリビューションをダウンロードしてOracle WebCenter Contentをインストールします。 |
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Oracle Fusion Middleware 14c (14.1.2.0.0) SOA Suite |
Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・トポロジの一部としてOracle SOA Suiteをインストールおよび構成する場合は、このディストリビューションをダウンロードします。 |