3 Mavenを使用したWebLogic ServerのJakarta EEプロジェクトのビルド

WebLogic Maven原型を使用して、WebLogic Server Jakarta EEアプリケーションを作成、ビルドおよびデプロイすることができます。

Mavenを使用したJakarta EEプロジェクトのビルドの概要

Oracle WebLogic Serverには、1つのMavenプラグインおよび4つの原型が提供されています。

表3-1に、Maven座標を示します。

表3-1 WebLogic ServerでのMaven座標

名前 GroupId ArtifactId バージョン

WebLogic Serverプラグイン

com.oracle.weblogic

weblogic-maven-plugin

14.1.2-0-0

Basic WebApp原型

com.oracle.weblogic.archetype

basic-webapp

14.1.2-0-0

EJB Archetypeを持つWebApp

com.oracle.weblogic.archetype

basic-webapp-ejb

14.1.2-0-0

Basic MDB原型

com.oracle.weblogic.archetype

basic-mdb

14.1.2-0-0

Basic WebServices原型

com.oracle.weblogic.archetype

basic-webservice

14.1.2-0-0

一般のMaven原型と同様、Oracle WebLogic Maven原型は、独自のアプリケーションをビルドするための一連の開始点および例となります。

Basic WebApp Maven原型の使用

基本的なWebApp Maven原型を使用してJakarta EEプロジェクトをビルドするには、基本的なプロジェクトを作成してから、それをカスタマイズし、コンパイルしてパッケージします。そのうえで、デプロイしてテストします。

この項では、次の項目について説明します。

Basic WebAppプロジェクトの作成

Maven原型を使用して新しいBasic WebAppプロジェクトを作成するには、次のようなコマンドを発行する必要があります。

mvn archetype:generate
    -DarchetypeGroupId=com.oracle.weblogic.archetype
    -DarchetypeArtifactId=basic-webapp
    -DarchetypeVersion=14.1.2-0-0
    -DgroupId=org.mycompany
    -DartifactId=my-basic-webapp-project
    -Dversion=1.0-SNAPSHOT

このコマンドにより、原型から新規プロジェクトを作成できるようにする、Mavenの原型プラグインの生成ゴールが実行されます。表3-2に、パラメータを示します。

表3-2 Basic WebAppプロジェクトのパラメータ

パラメータ 用途

archetypeGroupId

新規プロジェクトの作成に使用する原型のgroup ID。これは、前の例に示したように、com.oracle.weblogic.archetypeである必要があります。

archetypeArtifactId

新規プロジェクトの作成に使用する原型のartifact ID。これは、前の例に示したように、basic-webapp,である必要があります。

archetypeVersion

新規プロジェクトの作成に使用する原型のバージョン。これは、前の例に示したように、14.1.2-0-0である必要があります。

groupId

新規プロジェクトのgroup ID。通常、これは組織のドメイン名を逆にした形式で始まります。

artifactId

新規プロジェクトのartifact ID。通常、これはプロジェクトの識別子です。

version

新規プロジェクトのバージョン番号。新規プロジェクトの場合、これは通常1.0-SNAPSHOTです。

また、次の例に示すように、引数なしでコマンドを実行することもできます。この場合、Mavenでは、使用可能な原型のリストが表示され、必要な情報の入力を求められます。

mvn archetype:generate

特定のリポジトリのみを参照するようにMavenを制限するには、-DarchetypeCatalogオプションを指定します。ローカル・リポジトリのみを参照する場合は値localを指定し、Mavenが参照するリポジトリを特定する場合はそのserverIdを指定します。これにより、表示される原型の数が制限され、コマンドの実行が高速になります。

プロジェクトの作成後、プロジェクトには次のファイルが含まれます。

これらのファイルは、そのままデプロイ可能な小さなサンプル・アプリケーションを構成します。このアプリケーションを、独自のアプリケーションをビルドするための開始点として使用できます。

表3-3ではプロジェクトに含まれるファイルについて説明します。

表3-3 Basic WebAppプロジェクト用に作成されるファイル

ファイル 用途

pom.xml

新規プロジェクトについて記述するMavenプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイル。プロジェクトに指定したMaven座標が含まれます。WebLogic Mavenプラグインを使用してプロジェクトをビルドするために必須の適切なプラグイン定義も含まれます。

src/main/java下のファイル

データを格納するためにWebアプリケーションで使用されるContexts and Dependency Injection (CDI) Beanの例。

src/main/webapp下のファイル

Webアプリケーションのユーザー・インタフェースを構成するHTMLファイルおよびその他のファイル。

プロジェクト・コードを記述した後に、Mavenを使用してプロジェクトをビルドできます。サンプルをそのままビルドすることもできます。

環境にあわせたプロジェクト・オブジェクト・モデル・ファイルのカスタマイズ

原型によって作成されるプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイルは、ほとんどの場合そのままで十分です。POMを確認し、提供されているデフォルト値が現在の環境で使用している値と異なる設定がある場合は、その設定を更新します。

Artifactoryなどの内部Mavenリポジトリ・マネージャを使用している場合は、pluginRepositoryをPOMファイルに追加します。次に例を示しますが、これを使用する環境にあわせて変更できます。

<pluginRepositories>
  <pluginRepository>
    <id>artifactory-internal</id>
    <name>Artifactory Managed Internal Repository</name>
    <url>https://artifactory:8082/artifactory/internal/</url>
    <releases>
      <enabled>true</enabled>
    </releases>
    <snapshots>
      <enabled>false</enabled>
    </snapshots>
  </pluginRepository>
</pluginRepositories>

Jakarta EEプロジェクトのコンパイル

プロジェクトでソース・コード(Java Beans、サーブレット、JSPなど)をコンパイルするには、次のコマンドを使用します。

mvn compile

このコマンドは標準のMavenプラグインを使用して、ソース・アーティファクトをクラス・ファイルにコンパイルします。クラス・ファイルは、プロジェクトのtargetディレクトリにあります。

注意:

プロジェクトをコンパイルするときに、次の警告が表示される場合があります。
[WARNING] File encoding has not been set, using platform encoding UTF-8,
      i.e. build is platform dependent!
この警告は、次のスタンザをpom.xmlファイルに追加することで削除できます。
<properties>
  <project.build.sourceEncoding>UTF-8</project.build.sourceEncoding>
</properties>

Jakarta EEプロジェクトのパッケージ化

WARやEARファイルなどのデプロイ・アーカイブをビルドするには、次のコマンドを使用します。

mvn package

このコマンドは標準のMavenプラグインを使用して、コンパイルされたアーティファクトおよびメタデータをデプロイ・アーカイブにパッケージ化します。packageなどのMavenゴールを実行すると、Mavenでは、そのゴールだけでなく、指定したゴールまで(そのゴールを含む)のすべてのゴールが実行されます。Mavenビルド・ライフ・サイクルに精通していない場合は、https://maven.apache.org/guides/introduction/introduction-to-the-lifecycle.htmlを参照してください。

このアプリケーションは、標準のJakarta EEアプリケーションと非常によく似ていますが、プロジェクトにWebLogicデプロイメント・ディスクリプタがある場合は、それらもデプロイ・アーカイブにパッケージ化される点が異なります。デプロイ・アーカイブ(この場合はWARファイル)は、プロジェクトのtargetディレクトリにあります。

Mavenを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイ

Mavenを使用してデプロイ・アーカイブをデプロイするには、次のコマンドを使用します。

mvn pre-integration-test

このコマンドにより、WebLogic Mavenプラグインのdeployゴールが実行されます。このゴールでは、標準タイプのすべてのデプロイ・アーカイブがサポートされます。

様々なオプションを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイ

プロジェクトをパッケージ化した後に、その他の既存(Maven以外)のメカニズムを使用してそれをWebLogic Serverにデプロイすることもできます。たとえば、WebLogicリモート・コンソール、weblogic.Deployerコマンド行ユーティリティまたはWLSTスクリプトです。

Basic WebAppプロジェクトのテスト

Basic WebAppをテストするには、そのアプリケーションをデプロイしたWebLogic Serverインスタンス上で次のURLにアクセスします。

  1. 次のURLを入力します。
    http://servername:7001/basicWebapp/index.xhtml
    
  2. 「アカウント名」および「金額」を指定し、「預入れ」を選択して、アプリケーションがどのように機能するかを確認します。

Basic WebApp with EJB Maven原型の使用

Basic WebApp with EJB Maven原型を使用してJakarta EEプロジェクトをビルドするには、基本的なプロジェクトを作成してから、それをカスタマイズし、コンパイルしてパッケージします。そのうえで、デプロイしてテストします。

Maven原型によるBasic WebApp with EJBプロジェクトを使用するには:

  1. Maven原型を使用して新しいBasic WebAppプロジェクトを作成するには、次のようなコマンドを実行します。
    mvn archetype:generate
        -DarchetypeGroupId=com.oracle.weblogic.archetype
        -DarchetypeArtifactId=basic-webapp-ejb
        -DarchetypeVersion=14.1.2-0-0
        -DgroupId=org.mycompany
        -DartifactId=my-basic-webapp-ejb-project
        -Dversion=1.0-SNAPSHOT
    

    このコマンドにより、原型から新規プロジェクトを作成できるようにする、Mavenの原型プラグインの生成ゴールが実行されます。表3-4に、パラメータを示します。

    表3-4 Basic WebApp with EJBプロジェクトのパラメータ

    パラメータ 用途

    archetypeGroupId

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のgroup ID。これは、前の例に示したように、com.oracle.weblogic.archetypeである必要があります。

    archetypeArtifactId

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のartifact ID。前の例で示したように、これはbasic-webapp-ejb,である必要があります。

    archetypeVersion

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のバージョン。これは、前の例に示したように、14.1.2-0-0である必要があります。

    groupId

    新規プロジェクトのgroup ID。通常、これは組織のドメイン名を逆にした形式で始まります。

    artifactId

    新規プロジェクトのartifact ID。通常、これはプロジェクトの識別子です。

    version

    新規プロジェクトのバージョン番号。新規プロジェクトの場合、これは通常1.0-SNAPSHOTです。

    また、次の例に示すように、引数なしでコマンドを実行することもできます。この場合、Mavenでは、使用可能な原型のリストが表示され、必要な情報の入力を求められます。

    mvn archetype:generate
    

    プロジェクトの作成後、プロジェクトには次のファイルが含まれます。

    図3-1 Basic WebApp with EJB Maven原型



    これらのファイルは、そのままデプロイ可能な小さなサンプル・アプリケーションを構成します。このアプリケーションを、独自のアプリケーションをビルドするための開始点として使用できます。

    表3-5ではプロジェクトに含まれるファイルについて説明します。

    表3-5 Basic WebApp with EJBプロジェクト用に作成されるファイル

    ファイル 用途

    pom.xml

    新規プロジェクトについて記述するMavenプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイル。プロジェクトに指定したMaven座標が含まれます。WebLogic Mavenプラグインを使用してプロジェクトをビルドするための適切なプラグイン定義も含まれます。

    src/main/java下のファイル

    データを格納するためにWebアプリケーションで使用されるサンプルのEnterprise Java Bean。

    src/main/webapp下のファイル

    Webアプリケーションのユーザー・インタフェースを構成するHTMLファイルおよびその他のファイル。

  2. プロジェクト・コードを記述した後に、Mavenを使用してプロジェクトをビルドできます。サンプルをそのままビルドすることもできます。
  3. 環境にあわせてPOMをカスタマイズします。環境にあわせたプロジェクト・オブジェクト・モデル・ファイルのカスタマイズを参照してください。
  4. Basic WebApp with EJBプロジェクトをコンパイルします。Jakarta EEプロジェクトのコンパイルを参照してください。
  5. Basic WebApp with EJBプロジェクトをパッケージ化します。Jakarta EEプロジェクトのパッケージ化を参照してください。
  6. Basic WebApp with EJBプロジェクトをデプロイします。Mavenを使用したデプロイの詳細は、Mavenを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイを参照してください。他のオプションを使用したデプロイの詳細は、様々なオプションを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイを参照してください。
  7. Basic WebApp with EJBプロジェクトをテストします。

    Basic WebApp with EJBをテストするには、そのアプリケーションをデプロイしたWebLogic Serverインスタンス上で次のURLにアクセスします。

    http://servername:7001/basicWebapp/index.xhtml
    
  8. 「アカウント名」および「金額」を指定し、「預入れ」を選択して、アプリケーションがどのように機能するかを確認します。

Basic WebService Maven原型の使用

基本的なWebService Maven原型を使用してJakarta EEプロジェクトをビルドするには、基本的なプロジェクトを作成してから、それをカスタマイズし、コンパイルしてパッケージします。そのうえで、デプロイしてテストします。

Maven原型によるBasic WebServiceプロジェクトを使用するには:

  1. Maven原型を使用して新しいBasic WebServiceプロジェクトを作成するには、次のようなコマンドを発行します。
    mvn archetype:generate
        -DarchetypeGroupId=com.oracle.weblogic.archetype
        -DarchetypeArtifactId=basic-webservice
        -DarchetypeVersion=14.1.2-0-0
        -DgroupId=org.mycompany
        -DartifactId=my-basic-webservice-project
        -Dversion=1.0-SNAPSHOT
    

    このコマンドにより、原型から新規プロジェクトを作成できるようにする、Mavenの原型プラグインの生成ゴールが実行されます。表3-6に、パラメータを示します。

    表3-6 Basic WebServiceプロジェクトのパラメータ

    パラメータ 用途

    archetypeGroupId

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のgroup ID。これは、前の例に示したように、com.oracle.weblogic.archetypeである必要があります。

    archetypeArtifactId

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のartifact ID。前の例で示したように、これはbasic-webservice,である必要があります。

    archetypeVersion

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のバージョン。これは、前の例に示したように、14.1.2-0-0である必要があります。

    groupId

    新規プロジェクトのgroup ID。通常、これは組織のドメイン名を逆にした形式で始まります。

    artifactId

    新規プロジェクトのartifact ID。通常、これはプロジェクトの識別子です。

    version

    新規プロジェクトのバージョン番号。新規プロジェクトの場合、これは通常1.0-SNAPSHOTです。

    また、次の例に示すように、引数なしでコマンドを実行することもできます。この場合、Mavenでは、使用可能な原型のリストが表示され、必要な情報の入力を求められます。

    mvn archetype:generate
    

    プロジェクトの作成後、プロジェクトには次のファイルが含まれます。

    これらのファイルは、そのままデプロイ可能な小さなサンプル・アプリケーションを構成します。このアプリケーションを、独自のアプリケーションをビルドするための開始点として使用できます。

    表3-7ではプロジェクトに含まれるファイルについて説明します。

    表3-7 Basic WebServiceプロジェクト用に作成されるファイル

    ファイル 用途

    pom.xml

    新規プロジェクトについて記述するMavenプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイル。プロジェクトに指定したMaven座標が含まれ、WebLogic Mavenプラグインを使用してプロジェクトをビルドするための適切なプラグイン定義も含まれます。

    SayHello.java

    サンプルのWebサービス。

  2. プロジェクト・コードを記述した後に、Mavenを使用してプロジェクトをビルドできます。サンプルをそのままビルドすることもできます。
  3. 環境にあわせてPOMをカスタマイズします。環境にあわせたプロジェクト・オブジェクト・モデル・ファイルのカスタマイズを参照してください。
  4. Basic WebServiceプロジェクトをコンパイルします。Jakarta EEプロジェクトのコンパイルを参照してください。
  5. Basic WebServiceプロジェクトをパッケージ化します。Jakarta EEプロジェクトのパッケージ化を参照してください。
  6. Basic WebServiceプロジェクトをデプロイします。Mavenを使用したデプロイの詳細は、Mavenを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイを参照してください。他のオプションを使用したデプロイの詳細は、様々なオプションを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイを参照してください。
  7. Basic WebServiceプロジェクトをテストします。

    Basic WebServiceをテストするには、そのサービスをデプロイしたWebLogic Serverインスタンス上で次のURLにアクセスします。

    http://servername:7001/basicWebservice/SayHello
    
  8. WebサービスのWSDLにアクセスし、「テスト」リンクを選択して、WebLogic Webサービス・テスト・クライアントを開くことができます。これにより、Webサービスを呼び出し、出力を確認できます。
  9. Webサービスをテストするには、左側ペインのSayHello操作を選択し、arg0の値を入力してから、「呼出し」を選択します。
  10. 下までスクロールしてテスト結果を確認します。

Basic MDB Maven原型の使用

基本的なMDB Maven原型を使用してJakarta EEプロジェクトをビルドするには、基本的なプロジェクトを作成してから、それをカスタマイズし、コンパイルしてパッケージします。そのうえで、デプロイしてテストします。

Maven原型によるBasic MDBプロジェクトを使用するには:

  1. Maven原型を使用して新しいBasic MDBプロジェクトを作成するには、次のようなコマンドを実行します。
    mvn archetype:generate
        -DarchetypeGroupId=com.oracle.weblogic.archetype
        -DarchetypeArtifactId=basic-mdb
        -DarchetypeVersion=14.1.2-0-0
        -DgroupId=org.mycompany
        -DartifactId=my-basic-mdb-project
        -Dversion=1.0-SNAPSHOT
    

    このコマンドにより、原型から新規プロジェクトを作成できるようにする、Mavenの原型プラグインの生成ゴールが実行されます。表3-8に、パラメータを示します。

    表3-8 Basic MDBプロジェクトのパラメータ

    パラメータ 用途

    archetypeGroupId

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のgroup ID。これは、前の例に示したように、com.oracle.weblogic.archetypeである必要があります。

    archetypeArtifactId

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のartifact ID。前の例で示したように、これはbasic-mdb,である必要があります。

    archetypeVersion

    新規プロジェクトの作成に使用する原型のバージョン。これは、前の例に示したように、14.1.2-0-0である必要があります。

    groupId

    新規プロジェクトのgroup ID。通常、これは組織のドメイン名を逆にした形式で始まります。

    artifactId

    新規プロジェクトのartifact ID。通常、これはプロジェクトの識別子です。

    version

    新規プロジェクトのバージョン番号。新規プロジェクトの場合、これは通常1.0-SNAPSHOTです。

    また、次の例に示すように、引数なしでコマンドを実行することもできます。この場合、Mavenでは、使用可能な原型のリストが表示され、必要な情報の入力を求められます。

    mvn archetype:generate
    

    プロジェクトの作成後、プロジェクトには次のファイルが含まれます。

    これらのファイルは、そのままデプロイ可能な小さなサンプル・アプリケーションを構成します。このアプリケーションを、独自のアプリケーションをビルドするための開始点として使用できます。

    表3-9ではプロジェクトに含まれるファイルについて説明します。

    表3-9 Basic MDBプロジェクト用に作成されるファイル

    ファイル 用途

    pom.xml

    新規プロジェクトについて記述するMavenプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイル。プロジェクトに指定したMaven座標が含まれます。WebLogic Mavenプラグインを使用してプロジェクトをビルドするための適切なプラグイン定義も含まれます。

    src/main/java下のファイル

    データを格納するためにWebアプリケーションで使用されるサンプルのメッセージドリブンBean。

    src/main/webapp下のファイル

    Webアプリケーションのユーザー・インタフェースを構成するHTMLファイル。

    configure_resources.py

    MDBのサポートに必要なJMSリソースを作成するためにビルドで使用されるWLSTオンライン・スクリプト。

  2. プロジェクト・コードを記述した後に、Mavenを使用してプロジェクトをビルドできます。サンプルをそのままビルドすることもできます。
  3. 環境にあわせてPOMをカスタマイズします。環境にあわせたプロジェクト・オブジェクト・モデル・ファイルのカスタマイズを参照してください。
  4. Basic MDBプロジェクトをコンパイルします。Jakarta EEプロジェクトのコンパイルを参照してください。
  5. Basic MDBプロジェクトをパッケージ化します。Jakarta EEプロジェクトのパッケージ化を参照してください。
  6. Basic MDBプロジェクトをデプロイします。Mavenを使用したデプロイの詳細は、Mavenを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイを参照してください。他のオプションを使用したデプロイの詳細は、様々なオプションを使用したWebLogic ServerへのJakarta EEプロジェクトのデプロイを参照してください。
  7. Basic MDBプロジェクトをテストします。

    Basic MDBをテストするには、それをデプロイしたWebLogic Serverインスタンス上で次のURLにアクセスします。

    http://servername:7001/basicMDB/index.xhtml
    
  8. 「アカウント名」および「金額」を指定し、「預入れ」を選択します。
  9. ユーザー・インタフェースで示されるように、WebLogic Serverの出力をチェックして、MDBによって出力されるメッセージを見つける必要があります。次の例のようになります。
    The money has been deposited to frank, the balance of the account is 500.0