2 デフォルト永続ストアの使用方法

この章では、WebLogic Server永続ストアを構成およびモニターする方法について説明します。永続ストアは、永続性を必要とするWebLogic Serverのサブシステムおよびサービスに対し、組込みの高性能なストレージ・ソリューションを提供します。

デフォルト永続ストアの使用方法

管理サーバーを含め、すべてのサーバー・インスタンスには、構成が不要なデフォルトの永続ストアがあります。デフォルト・ストアはファイルベースのストアで、サーバー・インスタンスのdata\store\defaultディレクトリに格納された一連のファイルにデータを保持します。デフォルト・ストア用のディレクトリは、存在しない場合には自動的に作成されます。

このデフォルト・ストアは、特定のストアを明示的に選択する必要がなく、システムのデフォルトのストレージ・メカニズムを使用することで最適に動作するサブシステムから使用することができます。たとえば、永続ストアが構成されていないJMSサーバーは、管理対象サーバー用のデフォルトのストアを使用して永続メッセージングをサポートします。

デフォルト・ストアは、DefaultFileStoreMBeanパラメータを直接操作して構成できます。このMBeanがドメインの構成ファイルで定義されていない場合は、DefaultFileStoreMBeanには、構成サブシステムによってデフォルト値が確保されます。

デフォルト・ストアの場所

デフォルト・ストアのデータは、ドメインのルート・ディレクトリのservernameサブディレクトリにあるdata\store\defaultディレクトリに保持されます

たとえば、デフォルト・ファイル・ストアのディレクトリ名が指定されていない場合、次のディレクトリがデフォルトになります。

ORACLE_HOME\user_projects\domains\domain-name\servers\server-name\data\store\default

domainnameはドメインのルート・ディレクトリ(通常は c:\oracle\user_projects\domains\domainname)です。これは、WebLogic Serverプログラム・ファイルが格納されるディレクトリ(通常は c:\oracle\wlserver_12.1)に対応するディレクトリです。

デフォルト・ファイル・ストアの例

この項では、ドメインの構成ファイルでのデフォルト・ファイル・ストアの定義例を示します。この例では、デフォルトのディレクトリの場所と同期書込みポリシーの設定がオーバーライドされています。

<server
  <name>myserver</name>
  <default-file-store>
  <directory>C:/store</directory>
  </default-file-store>
</server>