3 WebLogicドメインの作成と構成
この項には次のトピックが含まれます:
WebLogicドメインの構成
構成ウィザードを使用してWebLogicドメインを作成するには、このトピックのステップを使用します。
ドメインを作成するためのその他の方法については、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のWebLogicドメインの作成、拡張および管理のためのその他のツールに関する項を参照してください。
この項には次のトピックが含まれます:
構成ウィザードの起動
ドメインの構成を開始するには、ORACLE_HOME
/oracle_common/common/bin
ディレクトリに移動して、構成ウィザードを起動します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
./config.sh
Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合:
config.cmd
ドメインを構成するための構成ウィザード画面のナビゲート
構成ウィザードを使用してドメインを構成するには、この項の一連のトピックに従います。この手順を使用して、既存のドメインを拡張することもできます。
手順で示された指示と設定が一致しない場合、選択内容を適宜変更するか、サポート・ドキュメントで詳細を参照してください。
複数の製品を単一のドメインで構成する場合、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の同じドメインでの複数製品のインストールに関する項を参照してください。
構成タイプとドメイン・ホームの場所の選択
この画面を使用して、構成タイプとドメイン・ホーム・ディレクトリを選択します。
実行するドメイン構成のタイプを指定するには:
- 「構成タイプ」画面で、「新規ドメインの作成」を選択します。
- 「ドメインの場所」フィールドで、使用するドメイン・ホーム・ディレクトリを指定します。
Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリとはに関する項にまとめられているディレクトリ構造(Oracleホーム・ディレクトリの外部にドメイン・ホームがある)に従って、ドメイン・ホームを配置することをお薦めします。このディレクトリ構造は、ソフトウェアをアップグレードまたは再インストールする際の問題の回避に役立ちます。
ヒント:
ドメイン・ホーム・ディレクトリの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のドメイン・ホームの選択に関する項を参照してください。
ソフトウェアの再インストールの詳細は、「ソフトウェアの再インストール」を参照してください。
この画面上のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成タイプに関する項を参照してください。
構成テンプレートの選択
クラスタの管理対象サーバーが管理対象Coherenceサーバーになるように特定のテンプレートを選択でき、クラスタは管理対象Coherenceクラスタになります。これは、Coherence環境を設定するための開始点になります。
「テンプレート」画面で、次の構成用テンプレートを選択します。
-
基本的なWebLogic Serverドメイン(デフォルトで選択されています)
-
WebLogic Coherenceクラスタ拡張
ヒント:
この画面上のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のテンプレートに関する項を参照してください。
管理者アカウントの構成
「管理者アカウント」画面では、ドメインに対するデフォルトのWebLogic管理者アカウントにユーザー名とパスワードを指定します。
このアカウントは、ドメインの管理サーバーの起動および接続に使用されます。
ヒント:
ここで入力するように選択したユーザー名とパスワードをノートに記録する必要があります。管理サーバーを起動してアクセスするためにこれが必要になります。
ドメイン・モードとJDKの指定
「ドメイン・モードとJDK」画面を使用して、本番環境のドメイン・モードとJava Development Kit (JDK)を指定します。
「ドメイン・モードおよびJDK」画面では、次の操作を実行します。
-
「ドメイン・モード」フィールドで、「本番」を選択します。
ノート:
WebLogic Server 14.1.2.0.0では、「本番」モードを選択すると、WebLogic Serverにより、「保護された本番」のセキュリティ構成の一部が、よりセキュアな値に自動で設定されます。ただし、手動での構成が必要な特定のセキュリティ構成(SSL/TLSなど)があります。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』の保護された本番モードの使用に関する項を参照してください。
よりセキュアなデフォルト設定を無効にする場合は、「セキュア・モードの無効化」を選択できます。これにより、SSLではないリスニング・ポートが有効になります。
全般的に保護された本番モードのよりセキュアなデフォルト設定を保持するが、ドメインでデフォルトで有効にするポート(リスニング・ポート、SSLリスニング・ポートまたは管理ポート)を変更する場合は、次を実行できます:- 「セキュア・モードの無効化」を選択解除したままにする
- 「ドメインのデフォルト・ポートの有効化または無効化」でデフォルトのポート選択を変更する
詳細は、『Oracle WebLogic Server本番環境の保護』のドメイン・モードがデフォルトのセキュリティ構成に与える影響の理解に関する項を参照してください。
-
「JDK」フィールドで、Oracle HotSpot JDKを選択します。
詳細な構成の選択
トポロジのドメイン構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択します。
-
管理サーバー
管理サーバーのリスニング・アドレスを適切に構成するために必要です。
-
ノード・マネージャ
-
トポロジ
管理対象サーバーとクラスタの構成で必要ですが、マシンを構成して管理対象サーバーをマシンにターゲット指定するためにも必要です。
ヒント:
動的クラスタを構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』の動的クラスタの作成に関する項を参照してください。
管理サーバーのリスニング・アドレスの構成
「管理サーバー」画面を使用して、リスニング・アドレスを選択し、管理サーバー・ポートを構成します。
ノート:
デフォルトのポート値は、ドメインの構成方法によって異なります。「SSLリスニング・ポートの有効化」はデフォルトで有効になっていますが、デフォルト値は変更できます。デフォルト値のリストは、製品およびコンポーネントごとのポート番号に関する項を参照してください。
- 管理サーバーの名前を入力します。「名前」フィールドはnullまたは空にできません。また、特殊文字は使用できません。
- 「リスニング・アドレス」の横のドロップダウン・リストを選択し、管理サーバーが置かれるホストのIPアドレスを選択するか、単一のIPアドレスにマップされたシステム名またはDNS名を使用します。
「すべてのローカル・アドレス」
を使用しないでください。 - ポートの設定を確認します。ドメイン・タイプが「本番」に設定されている場合、「SSLリスニング・ポートの有効化」オプションはデフォルトで有効になります。管理サーバーにサーバー・グループは指定しないでください。
ノート:
必要に応じてポート値を変更できますが、一意にする必要があります。別々のポートに同じポート番号が使用されていると、構成ウィザードの次のステップに移動できません。
詳細は、構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のリスニング・アドレスの指定を参照してください。
ノード・マネージャの構成
「ノード・マネージャ」画面を使用して、構成するノード・マネージャのタイプおよびノード・マネージャ資格証明を選択します。
「ノード・マネージャ・タイプ」に「ドメインごとのデフォルトの場所」を選択し、ノード・マネージャ資格証明を指定します。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のノード・マネージャに関する項を参照してください。
ノード・マネージャのタイプの詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの概要に関する項を参照してください。
管理対象サーバーの構成
「管理対象サーバー」画面で、新しい管理対象サーバーを作成します。
このドキュメントの残りの箇所では、サーバー名wls_server_1
およびwls_server_2
が使用されます。別の名前を選択する場合は、必ずwls_server_1
とwls_server_2
を、使用するサーバー名で置き換えてください。ポート番号は自動的に増分されます。
ヒント:
この画面のそれ以外のオプションについては、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の管理対象サーバーに関する項を参照してください。
クラスタの構成
管理対象サーバーをグループ化するためのクラスタを構成します。
新しいクラスタを作成するには:
- 「追加」ボタンをクリックします。
wls_cluster_1
を「クラスタ名」フィールドに入力します。- 「クラスタ・アドレス」フィールドは、空白のままにしておきます。
デフォルトでは、クラスタのサーバー・インスタンスはユニキャストを使用して相互に通信します。クラスタ通信を変更してマルチキャストを使用する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のユニキャストまたはマルチキャストの選択についての考慮事項に関する項を参照してください。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のクラスタに関する項を参照してください。
サーバー・テンプレートの定義
高可用性設定のために動的クラスタを作成する場合は、「サーバー・テンプレート」画面を使用して1つ以上のサーバー・テンプレートをドメイン用に定義します。
ノート:
デフォルトのポート値は、ドメインの構成方法によって異なります。「SSLリスニング・ポートの有効化」はデフォルトで有効になっていますが、デフォルト値は変更できます。デフォルト値のリストは、製品およびコンポーネントごとのポート番号に関する項を参照してください。
- 「追加」をクリックして、
new_ServerTemplate_1
を作成します。サーバー・テンプレート名は、サーバー・テンプレートがさらに追加されると自動的に増分されます(new_ServerTemplate_2
)。 - 保護された本番モードの場合は、「SSLポートの有効化」オプションが選択されていることを確認します。デフォルトのSSLリスニング・ポートは、新しいサーバー・テンプレートを追加しても自動的には増分されません。デフォルトを「リスニング・ポートの有効化」に変更できますが、デフォルトのままにし、SSLを有効にしておくことをお薦めします。リスニング・ポートを有効にすると、SSLリスニング・ポートが無効になります。
ノート:
ポート値は、1から65535の範囲の整数を使用して必要に応じて変更できますが、一意にする必要があります。別々のポートに同じポート番号が使用されていると、ポートの競合エラーが発生し、サーバーを起動できなくなります。
- 管理ポートは、サーバー・テンプレートをさらに追加しても増分されません。
ノート:
リスニング・ポートが無効になっている場合は、数字ではなく
「無効」
と表示されます。
高可用性設定用の動的クラスタを作成するステップは、高可用性ガイドの動的クラスタの使用を参照してください。
動的サーバーの構成
高可用性設定のために動的クラスタを作成している場合は、「動的サーバー」画面を使用して動的サーバーを構成します。
動的クラスタを構成していない場合は、「次へ」をクリックしてドメインの構成を続行します。
ノート:
動的クラスタを作成するときには、マシン名マッチング式の割当後に動的クラスタのためにマシンを作成する必要がないことを覚えておいてください。高可用性設定用の動的クラスタを作成するには、『高可用性ガイド』の動的クラスタの使用に関する項を参照してください。
クラスタへの管理対象サーバーの関連付け
wls_server_1
とwls_server_2
を新規クラスタwls_cluster_1
に割り当てるには、「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用します。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のクラスタへのサーバーの割当に関する項を参照してください。
Coherenceクラスタの構成
「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。Coherenceクラスタのリスニング・ポートとして、デフォルトのポート番号の7574をそのまま使用します。
ノート:
ユニキャストのリスニング・ポートを7574に設定すると、管理対象サーバーの各ポート番号にオフセットが作成されます。このオフセットは5000です。つまり、管理対象サーバーのポート番号として割当て可能な最大許容値は、65535ではなく60535になります。
Coherenceの構成の次のステップについては、その他の構成タスクの実行に関する項を参照してください。Coherenceライセンス情報は、Oracle Fusion Middlewareライセンス情報のOracle Coherenceを参照してください。
新しいマシンの作成
ドメインに新しいマシンを作成するには、「マシン」画面を使用します。ノード・マネージャの場合、マシンでサーバーの起動と停止ができるようにする必要があります。
ヒント:
高可用性環境を作成する予定があり、ターゲット・トポロジで必要なマシンのリストを把握している場合、このトピックのステップを実行して、この時点ですべてのマシンを作成できます。『高可用性ガイド』のオプションのスケール・アウト手順に関する項を参照してください。
ドメインに新しいマシンを作成するには:
サーバーのマシンへの割当て
両方の管理対象サーバーをマシンに割り当てます。
作成したばかりの新しいマシンに管理サーバーと管理対象サーバーを割り当てるには:
-
「マシン」ペインで、サーバーを割り当てるマシンを選択します。この場合、
wls_machine_1
になります。 -
「サーバー」ペインで、次のいずれかを実行して、
AdminServer
をwls_machine_1
に割り当てます。-
AdminServer
を1回クリックして選択し、右矢印をクリックして「マシン」ペインで選択マシン(wls_machine_1
)の下に移動します。 -
AdminServer
をダブルクリックして、「マシン」ペインで選択マシン(wls_machine_1
)の下に移動します。
-
-
wls_server_1
とwls_server_2
の両方をwls_machine_1
に割り当てるように繰り返します。
ヒント:
『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のサーバーのマシンへの割当てに関する項を参照してください。
構成の指定内容の確認とドメインの構成
「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインの構成情報の詳細が含まれています。この画面を確認して、情報が正しいかどうかを検証します。
変更を行うには、戻るボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することによって前の画面に戻ります。
ドメイン作成は、「作成」をクリックするまで開始されません。
ヒント:
この画面のオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成のサマリーに関する項を参照してください。
サーバーの起動
構成の完了後、次のステップを実行して、ドメインの管理に使用するツールにアクセスすることをお薦めします。
ノート:
既存のセキュリティ設定によっては、保護された本番モードが有効なドメインを管理するために、追加の構成が必要な場合があります。詳細は、WebLogicリモート・コンソールを使用した管理サーバーへの接続に関する項を参照してください。
ノード・マネージャの起動
ドメインごとのノード・マネージャを起動するには、DOMAIN_HOME
/bin
ディレクトリに移動します。
UNIXオペレーティング・システムでは、次に示すようにnohup
とnm.out
をサンプル出力ファイルとして使用して、ノード・マネージャを起動します。
nohup ./startNodeManager.sh > nm.out&
Windowsオペレーティング・システムの場合は、次のコマンドを実行します。
startNodeManager.cmd
ノート:
Windowsを使用している場合は、ノード・マネージャをインストールして起動サービスとして実行することをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。(サーバーの起動には、ノード・マネージャは必要ありませんが、他の方法よりもノード・マネージャを使用することをお薦めします。)
『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動サービスとしてのノード・マネージャの実行に関する項を参照してください。
管理サーバーの起動に関する項
管理サーバーを起動するには、DOMAIN_HOME
/bin
ディレクトリに移動します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
./startWebLogic.sh
Windowsオペレーティング・システムの場合:
startWebLogic.cmd
「ドメイン・モードとJDK」画面で「本番モード」を選択した場合、「管理者アカウントの構成」の「管理者アカウント」画面に、管理者ログイン資格証明のプロンプトが表示されます。
ヒント:
管理サーバーの起動の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動および停止に関する項を参照してください。
本番モードでは、起動アイデンティティ・ファイルを作成することで、管理サーバーの起動時にユーザー名とパスワードを指定する必要がなくなります。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の管理サーバーの起動IDファイルの作成に関する項を参照してください。
管理対象サーバーの起動
管理対象サーバーを起動するには、DOMAIN_HOME
/bin
ディレクトリに移動してコマンドを実行します。
ノート:
既存のセキュリティ設定によっては、保護された本番モードが有効なドメインの管理対象サーバーの管理を開始するために、追加の構成が必要な場合があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のWebLogicリモート・コンソールを使用した管理対象サーバーの起動に関する項を参照してください
UNIXオペレーティング・システムの場合:
./startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_server_url
Windowsオペレーティング・システムの場合:
startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_server_url
managed_server_name
を、起動する管理対象サーバーの名前で置き換えます。このトポロジの場合、管理対象サーバーの名前は、(「管理対象サーバーの構成」の「管理対象サーバー」画面で定義された)wls_server_1
とwls_server_2
です。このコマンドを2回(管理対象サーバーごとに1回)実行する必要があります。
「構成仕様の確認およびドメインの構成」の「構成に成功しました」画面に示すように、admin_server_url
を管理サーバーの完全URLで置き換えます。
次の例は、UNIXオペレーティング・システムでwls_server_1
とwls_server_2
を起動するためのコマンドを示しています。
./startManagedWebLogic.sh wls_server_1 https:\\examplehost.exampledomain.com:8003 & ./startManagedWebLogic.sh wls_server_2 https:\\examplehost.exampledomain.com:8004 &
ヒント:
管理対象サーバーの起動の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動および停止に関する項を参照してください。
構成の確認
この項では、ドメインが適切に構成されていることを確認する方法について説明します。
構成を確認するには、「基本的な管理タスクの実行」を参照してください。ドメインが適切に構成されていることを確認するために、この項に記載されているタスクについて理解し、それらを実行することをお薦めします。