Oracle Fusion Middleware Oracle E-Business Suite Adapterユーザーズ・ガイド リリース14c (14.1.2.0.0) 部品番号G24046-01 | ![]() 目次 | ![]() 前 | ![]() 次 |
Oracle E-Business Suite Adapterを使用すると、離散データを意味のあるビジネス・プロセスに統合したり、Oracle E-Business Suite内の様々なインタフェース・タイプに対してWebサービスを作成できます。Oracle E-Business Suiteに対するサービス・プロバイダのロールを担っており、異種環境におけるビジネス・パートナ、プロセス、アプリケーションおよびエンド・ユーザー間のシームレスな統合を可能にします。
Oracle E-Business Suite Adapterには次の機能が備えられており、各機能についてこの章で詳しく説明します。
Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle E-Business Suiteで使用される非常に柔軟な統合インタフェースです。Oracle E-Business Suiteアプリケーションを統合する、次のインタフェース・タイプがサポートされています。
PL/SQL API
これらのAPIを使用すると、PL/SQLを使用してOracle E-Business Suiteにデータを挿入および更新できます。
ビジネス・イベント
ビジネス・イベントとは、システム内の他のオブジェクトや外部エージェントにとって重要な、インターネット・アプリケーション内のオカレンスです。ビジネス・イベントの例には、新規発注の作成や既存受注の変更があります。
ビジネス・イベント・システムは、Oracle Advanced Queuing (AQ)インフラストラクチャを活用してシステム間でビジネス・イベントを伝達するアプリケーション・サービスです。ビジネス・イベント・システムは、重要なイベントへのサブスクリプションを登録できるようにするイベント・マネージャで構成されます。
ローカル・イベントが発生すると、イベントを発生させたコードと同じトランザクションでサブスクライブ・コードが実行されます。サブスクリプション処理には、イベント情報のカスタム・コードの実行、ワークフロー・プロセスへのイベント情報の送信、他のキューまたはシステムへのイベント情報の送信が含まれます。
ビジネス・イベント・グループ
ビジネス・イベント・グループは、個別のビジネス・イベントのセットが含まれるイベント・タイプです。イベント・グループを一度定義すると、イベント・グループに登録されていたサブスクリプションは、そのグループ内のいずれかの個別イベントがトリガーされると実行されます。
ビジネス・イベント・グループのサポートにより、イベント・グループに属する別々のビジネス・イベントを、単一のパートナ・リンクを経由して扱えるようになります。イベント・グループ用に作成されたサービスは、グループ内の任意のイベントに対応するペイロードをデキューできます。
オープン・インタフェース表
インタフェース表を使用すると、Oracle E-Business Suiteにデータを挿入または更新できます。インタフェース表から実表にデータを移動するには、関連するコンカレント・プログラムが動作している必要があります。
コンカレント・プログラム
コンカレント・プログラムを使用すると、インタフェース表から実表へのデータ移動や任意のアプリケーション・ロジックの実行が可能となります。
Oracle XML Gateway
XML Gatewayは、Oracle E-Business Suiteと双方向に統合できます。これは、Oracle E-Business Suiteのデータの挿入や取得に役立ちます。XML Gatewayは、一般的に使用されるOracle E-Business Suiteビジネス・オブジェクトおよびビジネス・インタフェースに対応したOAGIS形式のXMLドキュメントを公開する、よりレベルの高いインタフェースです。XML Gatewayは、インタフェース表、Oracle Workflowビジネス・イベント・システム(BES)およびインタフェース・ビューと統合し、Oracle E-Business Suiteのデータの挿入や取得を行います。また、基礎となる表データをXMLにマップします(その逆も行います)。
Oracle E-Commerce(EDI) Gateway
Oracle E-Commerce Gatewayは、Oracle E-Business Suiteとサード・パーティ・アプリケーションとの電子データ交換(EDI)統合のための共通の標準的アプローチを提供します。
インタフェース・ビュー
インタフェース・ビューを使用すると、アプリケーション表を使用してOracle E-Business Suiteからデータを取得できます。
ここで、Oracle E-Business Suite Adapterは、Oracle Integration Repositoryではなく、Oracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザが公開している次のカスタム統合インタフェース・タイプもサポートしていることに注意してください。
カスタムPL/SQL API
カスタム・ビジネス・イベント
ノート: ビジネス・イベント統合インタフェース・タイプも、Oracle Integration RepositoryではなくOracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザにより公開されます。
カスタムXML Gatewayマップ
カスタマイズされたコンカレント・プログラム
Oracle Integration RepositoryはOracle E-Business Suiteに不可欠な機能であり、Oracle E-Business Suiteで提供される様々なパブリック統合インタフェースの情報のビルトイン・カタログです。Oracle E-Business Suite全体を一体化した統合インタフェースの包括的なビューが備えられています。
Oracle Integration Repositoryが提供できるのは、開発者が公開のために特に注釈を付けた統合インタフェースに関する情報のみです。Oracle E-Business Suite Adapterは、作成済みのアノテーションを利用して、Oracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザに次の統合インタフェース・タイプを表示します。
XML Gatewayメッセージ・マップ
PL/SQL API
コンカレント・プログラム
オープン・インタフェース表
インタフェース・ビュー
E-Commerce Gateway EDIメッセージ
これらの統合インタフェースはWebサービスとして公開され、Oracle BPEL Process Managerを介したプロセスの統合に利用できます。
Oracle Integration Repositoryの詳細は、Oracle E-Business Suite統合SOAゲートウェイ・ユーザーズ・ガイドのOracle Integration Repositoryのナビゲートに関する項を参照してください。このガイドは、Oracle Technology Network(OTN)上でアクセスできるOracle E-Business Suite Documentation Libraryの一部です。
ノート: Oracle Integration Repositoryは、リリース12.0以降のOracle E-Business Suiteに統合されます。
Oracle E-Business Suite Adapterでは、Oracle Integration Repositoryを統合コンテンツの真のソースとして利用し、Oracle E-Business Suiteリリース12.2のカスタム統合インタフェースをサポートします。
重要: Oracle E-Business Suite Adapter 14cの必要なOracle E-Business Suiteデータベースのバージョンの詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1594274.1、Oracle E-Business Suiteリリース12.2: Oracle Databaseパッチおよびバグ修正の統合リストを参照してください。
ビジネス・サービスの作成時と実行時で、パッケージがAPPSスキーマで使用できるかぎり、Oracle E-Business Suite AdapterではカスタムPL/SQL APIがサポートされます。Oracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザでは、統合を目的として、これらのカスタムPL/SQL APIを設計時に公開できます。
Oracle E-Business Suiteリリース12.2のサポート
リリース12以降、Oracle Integration RepositoryがOracle E-Business Suiteに同梱されています。これにより、Oracle E-Business Suite AdapterからOracle Integration Repositoryの本番データベースに直接接続し、publicインタフェースを問い合せて、カスタム統合インタフェースのリストをOracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザの「その他インタフェース」→「カスタム・オブジェクト」
ノードの下に表示できます。
リリース12.2のOracle E-Business Suiteモジュール・ブラウザ・ページ
Oracle E-Business Suite Adapterでは、Oracle E-Business Suiteに接続する本番データベースからIntegration Repositoryデータファイルを抽出し、Integration Repositoryデータ・ファイルのローカル・コピーをワークプレイスに作成できることに注意してください。次回にpublicインタフェースを検索する際には、システムでワークプレイス内のキャッシュからデータを取得できます。
Oracle E-Business Suiteリリース12への接続の詳細は、各統合インタフェースの「パートナ・リンクの作成」または「パートナ・リンクの追加」設計時タスクを参照してください。
Oracle E-Business Suite Adapterは、ベースとなるOracle Database AdapterおよびOracle AQ Adapterの機能に完全に依存することにより高可用性をサポートし、Real Application Cluster (RAC)データベース構成やクラスタ化構成などのシナリオに対応します。
Oracle Database AdapterおよびOracle AQ Adapterの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareテクノロジ・アダプタの理解』を参照してください。
潜在的な構成の問題を効率的に診断、トラブルシューティングするために、アダプタ構成レポートを有効化し、Oracle Fusion Middleware Controlに表示することができます。
このような構成レポートの詳細は、『Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』「Oracle JCAアダプタのモニタリング」を参照してください。