ヒューマン・ワークフローの概要
多くのエンドツーエンドのビジネス・プロセスでは、プロセスに人的な操作が必要です。たとえば、承認や例外管理、またはビジネス・プロセスの進行に必要なアクティビティの実行には、人的な操作が必要です。
ヒューマン・ワークフロー・コンポーネントには、次の機能があります。
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プロセスの人的な操作。適切なユーザーまたはグループへのタスクの割当てやルーティングなどがあります。
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期限、エスカレーション、通知および他の機能。タスク(ヒューマン・アクティビティ)の適時実行を保証するために必要です。
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エンド・ユーザーへのタスクの提示。ワークリスト・アプリケーション(Oracle BPM Worklist)などの様々な方法を使用します。
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編成、フィルタ処理、優先度設定および他の機能。エンド・ユーザーがタスクを効率的に実行するために必要です。
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レポート、再割当、ロード・バランシングおよび他の機能。監督者およびビジネス所有者がタスクのパフォーマンスを管理するために必要です。
図27-1に、ヒューマン・ワークフローの概要を示します。
図27-1では、次のアクションが発生しています。
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BPELプロセスは、タスクの実行に人的な操作が必要になると、ヒューマン・タスク・タイプの特別なアクティビティを起動します。
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このアクティビティによって、ヒューマン・タスク・サービス・コンポーネントにタスクが作成されます。このプロセスは、タスクが完了するまで待機します。プロセスでは、タスクからのその他のコールバックを監視し、そのコールバックに対応することも可能です。
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タスクにはメタデータが関連付けられています。このメタデータは、タスクのライフサイクルを管理するために、ヒューマン・タスク・サービス・コンポーネントで使用されます。このメタデータには、次の指定が含まれています。
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タスクを実行するユーザー。タスクの実行に複数のユーザーが必要な場合は、その順序。
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他のステークホルダー。
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タスクの完了期限。
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ユーザーによるタスクの実行方法、ユーザーに提示する情報、ユーザーの入力内容と実行可能なアクション。
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ヒューマン・タスク・サービス・コンポーネントでは、アイデンティティ・ディレクトリを使用して、ユーザーのロールと権限を判断します。
アイデンティティ・ストアを構成して、埋込みWebLogic LDAP、Oracle Virtual Directory、サード・パーティのLDAPおよびActive Directory RDBMSを使用できます。詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』を参照してください。
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ヒューマン・タスク・サービス・コンポーネントでは、次のような様々なチャネルを使用してユーザーにタスクを提示します。
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Oracle BPM Worklist。監督者やプロセス所有者の考え方をサポートするロール・ベースのアプリケーションで、タスクを検索、編成、管理および実行するための機能を提供します。
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ワークリスト機能。エンタープライズ・ポータルに公開可能なポートレットとして使用することもできます。
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通知。電子メール、電話、SMSおよびその他のチャネルで送信できます。電子メール通知はアクション可能で、ユーザーは、Oracle BPM WorklistまたはOracle WebLogic Serverに接続しないで、電子メール・クライアント内からタスクに対してアクションを実行できます。
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