ポリシーの概要

Oracle Fusion Middlewareは、ポリシー・ベースのモデルを使用して、組織全体のWebサービスを管理および保護します。ポリシーはメッセージの配信にセキュリティを適用します。ポリシーは、開発者が設計時環境で管理することも、システム管理者が実行時環境で管理することもできます。

ポリシーは、1つ以上のアサーションで構成されています。1つのポリシー・アサーションが、特定のアクションを実行するポリシーの最小単位となります。ポリシー・アサーションはリクエスト・メッセージとレスポンス・メッセージで実行され、どちらのタイプのメッセージでも同じアサーション・セットが実行されます。アサーションは、それらがポリシーに表示される順序で実行されます。

表47-1に、サポートされるポリシー・カテゴリを示します。

表47-1 サポートされるポリシー・カテゴリ

カテゴリ 説明

メッセージ送信最適化メカニズム(MTOM)

添付がMTOM形式であることが保証されます。この形式を使用することで、バイナリ・データをWebサービスとの間で送受信できます。これによりワイヤ上の伝送サイズが削減されます。

信頼性

WS-Reliable Messagingプロトコルをサポートします。これにより、メッセージのエンドツーエンドの配信を保証します。

アドレッシング

Simple Object Access Protocol (SOAP)メッセージに、WS-Addressing仕様に準拠したWS-Addressingヘッダーが含まれていることを検証します。トランスポート・レベル・データは、この情報を渡すためにネットワーク・レベル・トランスポートに依存するのではなく、XMLメッセージに含まれます。

セキュリティ

WS-Security 1.0および1.1標準を実装します。ユーザーの認証と認可、アイデンティティ伝播およびメッセージ保護(メッセージ整合性とメッセージの機密性)を適用します。

管理

リクエスト、レスポンスおよびフォルト・メッセージをメッセージ・ログに記録します。管理ポリシーにもカスタム・ポリシーを含めることができます。

カテゴリ・タイプごとに、1つ以上のアタッチ可能なポリシー・タイプがあります。たとえば、信頼性カテゴリを選択した場合、次のタイプを選択できます。

  • oracle/no_reliable_messaging_policy

    上位のスコープで構成された、信頼性のあるメッセージングの無効化をサポートします

  • oracle/no_wsrm_policy

    グローバルにアタッチされたWeb Services信頼できるメッセージング・ポリシーの無効化をサポートします

  • oracle/reliable_messaging_policy

    Webサービスの信頼性のあるメッセージングの有効化をサポートします

  • oracle/wsrm10_policy

    バージョン1.0のWeb Services信頼できるメッセージング・プロトコルをサポートします

  • oracle/wsrm11_policy

    バージョン1.1のWeb Services信頼できるメッセージング・プロトコルをサポートします

使用可能なポリシー、自分の環境で使用するポリシーおよびグローバル・ポリシーの詳細は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』を参照してください。