残高初期化に関するその他の考慮事項
残高初期化プロセスと予算引当残高、留保利益、前日付トランザクション、補助元帳およびプライマリ貸借一致セグメント値による複製の制御に関連するその他の考慮事項を次に示します。
予算引当残高の初期化方法
レポート通貨またはセカンダリ元帳の予算引当残高は、実績勘定残高と同様に初期化されます。
Oracle Applicationsの予算引当の性質により、差異が生じます。元帳に予算引当を入力するときに、予算引当金額は元帳通貨でのみ入力できます。結果の入力済金額と計上済金額は同じになります。
「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスを実行すると、計上済予算引当金額がレポート通貨またはセカンダリ元帳に換算されます。レポート通貨またはセカンダリ元帳での予算引当の入力済金額と計上済金額の両方が、換算済金額と同じになります。
残高初期化が留保利益に与える影響
「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスでは、ターゲット元帳の留保利益勘定に対する初期化仕訳の貸借一致が行われます。
これは、異なる換算レートを使用して元帳残高をレポート通貨またはセカンダリ元帳に換算するときに発生する累積換算調整を考慮するために必要です。
このプロセスは留保利益勘定の不均衡を調整しますが、残高初期化プロセスによって入力された金額のみが移入されるため、仕訳インポートでの換算により不均衡が生じる可能性があります。プロセスを発行する前にフレックスフィールド・フィルタを選択した場合も、不均衡が発生する可能性があります。
前日付トランザクションが残高初期化に与える影響
ターゲット元帳の初期化期間の前に前日付トランザクションがある場合、残高初期化プロセスではそれらのトランザクションが考慮され、デルタ残高のみが作成されます。
初期化プロセスの後、初期化仕訳の転記までにソース元帳に入力および転記された前日付トランザクションは、初期化プロセスでは考慮されません。これらの仕訳は、自動的にターゲット元帳に複製されます。
残高初期化期間の前の期間にソース元帳に入力および転記されたトランザクションは、ターゲット元帳にその期間が存在しない場合、エラーになります。
残高初期化と補助元帳の連携
次の補助元帳を使用して残高を初期化する場合は、次の点を考慮してください。
- 固定資産: 固定資産がプライマリ元帳の資産台帳に存在する場合は、新しい補助元帳レベルのレポート通貨を使用可能にしないことをお薦めします。新しいレポート通貨を使用可能にする場合は、既存の資産台帳を非アクティブ化し、当期間を最初のオープン期間として資産台帳を作成する必要があります。
- リース会計: リース、償却費、使用権またはリース負債の残高などのリース会計残高がすでに存在する既存のプライマリ元帳に新しいレポート通貨を追加すると、これらの残高は、この機能に従ってレポート通貨で初期化されます。同様に、セカンダリ元帳を追加すると、リース会計残高がセカンダリ元帳に初期化されます。
- 原価管理: 評価方法に対してソース元帳が使用可能である場合、ターゲット元帳の勘定科目残高は、ソース元帳に定義された原価計算ポリシーに基づきます。評価方法に対してターゲット元帳が使用可能である場合、原価台帳の開始日が換算日より後であることを確認してください。これにより、ターゲット元帳を新しい原価台帳に関連付けるときに、この新しい元帳で履歴トランザクションが処理されなくなります。ターゲット元帳を評価方法に対応した会計ハブ補助元帳に使用する場合は、ビジネス・ユーザーが補助元帳の評価方法に基づいて一部の勘定科目を手動で修正する必要があります。
- 予算管理: 期首残高を初期化するために生成された仕訳は、予算管理検証から除外されます。「予算管理および予算引当会計の編集」ページで新しい元帳が使用可能になっている場合は、「追加の元帳オプション」リージョンの「予算管理仕訳例外」タブで「初期残高」仕訳ソースが例外としてデフォルト設定されます。
残高初期化と複製制御の連携
プライマリ元帳からの複製の制御とともに残高初期化を使用する場合の考慮事項を次に示します。
- 残高初期化プロセスでは、セカンダリ元帳が部分的な法的エンティティの複製用に設定されているかどうかに関係なく、すべての貸借一致セグメントについて常にプライマリ元帳からセカンダリ元帳に残高が初期化されます。
- 残高の再初期化は、特定のプライマリ貸借一致セグメント値に対してサポートされていません。