新規レポート通貨またはセカンダリ元帳での残高の初期化
新規レポート通貨またはセカンダリ元帳(ターゲット元帳とも呼ばれる)で残高を初期化するためのタスクを次に示します。
- 初期化期間を決定します。
- 残高初期化を設定します。
- データ・アクセス・セットを割り当てます。
- ソース元帳の仕訳転記を停止します。
- 新しいターゲット元帳の期間をオープンします。
- 「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスを実行します。
初期化期間の決定
残高初期化期間は、新規レポート通貨またはセカンダリ元帳でトランザクションと残高をレポートできるようにする最初の会計期間です。
また、対応するソース元帳の最初の先日付入力可能期間または過去未オープン期間でもあります。ソース元帳とターゲット元帳でカレンダが異なる場合は、ターゲット元帳の期間の開始日が、ソース元帳の最初の先日付入力可能期間または過去未オープン期間の開始日と同じである必要があります。
初期化期間に使用する期間を決定するときは、次の点を考慮してください。
- ビジネス上の観点から、レポート通貨またはセカンダリ元帳でのレポート勘定科目残高はいつ開始しますか。元帳ごとに残高初期化期間が異なる場合は、レポート通貨またはセカンダリ元帳の段階的な実装を検討する必要があります。
- 会計カレンダはいつ開始されますか。レポート通貨またはセカンダリ元帳は、いつでも有効にできます。
- EMUのメンバー国で事業を行っていますか。その場合は、残高初期化期間の選択を、ユーロの会計およびレポートの計画実装と調整します。
「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスでは、残高初期化期間が最初の先日付入力可能期間であること、または先日付入力可能期間を許可していない場合は、ソース元帳の最初の過去未オープン期間であることが検証されます。そうでない場合、プロセスはエラーで終了し、勘定残高は変換されません。
たとえば、レポート通貨実装を2023年3月に実行する予定で、2023年3月1日が残高初期化期間の初日であるとします。2023年3月が最初の先日付入力可能期間であること、または先日付入力可能期間を許可していない場合は、ソース元帳の最初の過去未オープン期間であることを確認しました。また、プロセスを実行する前に、2023年3月が最初の先日付入力可能期間ではなくなり、先日付入力可能期間を許可していない場合は、ソース元帳の最初の過去未オープン期間ではなくなるように、追加の会計期間をオープンするとします。
新しい期間をオープンした結果、2023年3月は残高初期化期間ではなくなりました。2023年3月を残高初期化期間として、残高初期化プロセスを実行することはできません。選択した新規期間が、プロセスの実行時にソース元帳の最初の先日付入力可能期間または最初の過去未オープン期間であることを確認する必要があります。
残高初期化の設定
「設定および保守」作業領域にナビゲートして、新しいターゲット元帳の残高初期化を設定します。
新規レポート通貨の場合は、「一般会計」機能領域の「レポート通貨の管理」タスクを使用し、スコープをソース元帳に設定します。新規セカンダリ元帳の場合は、「一般会計」機能領域の「元帳オプションの指定」タスクを使用し、スコープをセカンダリ元帳に設定します。
この表は、「レポート通貨の作成」またはレポート通貨の編集ページおよび「元帳オプションの指定」ページの「残高初期化」セクションのフィールドについて説明しています。
フィールド | 説明 |
---|---|
期間 |
最初の先日付入力可能期間、または先日付入力可能期間を許可していない場合は、ソース元帳の最初の過去未オープン期間です。調整期間にすることができます。 フィールドには値が事前移入されます。 |
換算日 | 残高を初期化するためのレートを識別する換算レート・タイプと組み合せて使用される日付。デフォルト値は、初期化期間より前の期間の最終日です。初期化期間の初日より前の日付を入力できます。 |
換算レート・タイプ |
ソース元帳からターゲット元帳への残高の初期化に使用される換算日のレートのタイプです。 特に「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスに使用する新しい換算レート・タイプを定義することをお薦めします。元帳に入力した外貨トランザクションやプロセスが正常に完了した後にレポート通貨により換算されるすべてのトランザクションなど、通常のトランザクション処理に使用する換算レート・タイプは使用しないでください。 |
「期間」フィールドに関する追加ポイントを次に示します。
- 会計カレンダが異なる新しいセカンダリ元帳の場合、これは、開始日がプライマリ元帳の最初の先日付入力可能期間または過去未オープン期間の開始日と一致するセカンダリ元帳期間です。そのような期間がセカンダリ元帳に存在しない場合、「期間」フィールドは空白になります。
- 選択した期間が、プロセスの発行時にソース元帳で先日付入力可能または過去未オープン・ステータスではなくなった場合、プロセスは警告で終了します。プロセスの実行時にも初期化期間が基準を満たすように、手順を設定することをお薦めします。
- 残高初期化の前に、ソース元帳の初期化期間の前の調整期間に転記されたバッチは、残高初期化プロセスで考慮されません。
データ・アクセス・セットの割当
残高初期化プロセスを実行する前に、ターゲット元帳へのフル・アクセスをユーザーに割り当てます。
ソース元帳での仕訳転記の停止
「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスを実行する前に、ソース元帳のすべての仕訳転記を一時停止する必要があります。
また、プロセスの実行中は仕訳を転記しないでください。ターゲット元帳の仕訳の転記を停止し、残高を初期化してからターゲット元帳の仕訳を転記するのが理想的です。転記されていない、ソース元帳から複製された仕訳がある場合、残高初期化プロセスは警告で終了します。
新規ターゲット元帳での期間のオープン
初期化プロセスを実行する前に、指定した残高初期化期間の直前の期間をレポート通貨またはセカンダリ元帳でオープンします。
「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスの実行
「レポート通貨またはセカンダリ元帳での期首残高仕訳の作成」プロセスを発行して、残高を初期化します。
プロセスのパラメータを次に示します。
- ソース元帳: リストには、仕訳レベルまたは補助元帳レベルのレポート通貨またはセカンダリ元帳が少なくとも1つ関連付けられ、プロセスを発行しているユーザーが少なくとも読取りアクセス権を持っているすべてのプライマリ元帳とセカンダリ元帳が表示されます。
- ターゲット元帳: リストには、プロセスを発行しているユーザーがフル・アクセス権を持ち、初期化設定が「元帳オプションの指定」ページ、「レポート通貨の作成」ページまたはレポート通貨の編集ページでそれぞれ定義されているすべてのセカンダリ元帳およびレポート通貨が表示されます。
- プライマリ貸借一致セグメント値による仕訳バッチの作成
- 選択しない場合、実績残高に対して1つの仕訳バッチ(複数通貨と複数のプライマリ貸借一致セグメントを含む1つの仕訳ヘッダーを持つ1つのバッチ)が生成されます。予算引当会計を使用している場合は、予算引当残高に対して1つの仕訳バッチ(複数通貨と複数のプライマリ貸借一致セグメントを含む1つの仕訳ヘッダーを持つ1つのバッチ)が生成されます。
- 選択した場合、実績残高に対してプライマリ貸借一致セグメント値ごとに1つの仕訳バッチ(1つの仕訳ヘッダーと、複数通貨を含む単一のプライマリ貸借一致セグメント値を持つ1つのバッチ)が生成されます。予算引当会計を使用している場合は、予算引当残高に対してプライマリ貸借一致セグメント値ごとに1つの仕訳バッチ(1つの仕訳ヘッダーと、複数通貨を含む単一のプライマリ貸借一致セグメント値を持つ1つのバッチ)が生成されます。
ノート: ターゲット元帳で法的エンティティによる連番が有効になっている場合は、「プライマリ貸借一致セグメントによる仕訳バッチの作成」チェック・ボックスが選択されていない場合でも、初期化プロセスは法的エンティティ別に仕訳を分割します。 - 勘定科目フィルタ: すべての勘定体系セグメントのオプションのフレックスフィールド・フィルタ。すべての元帳勘定科目残高を初期化するか、特定範囲の勘定科目のみを初期化するかを決定します。ソース元帳とターゲット元帳は、プロセスの実行後に同期および消し込みできないことがあるため、ある範囲の勘定科目のみを初期化する場合は注意してください。ノート: サポートされている演算子は、「次の間にある」、「子孫である」、「次と等しい」です。
- 換算開始期間: このパラメータは、経済通貨同盟(EMU)関係を持つソース元帳とターゲット元帳にのみ適用されます。換算開始期間を選択して、勘定科目残高を換算する初期化期間より前の期間数を決定できます。ターゲット元帳の期間累計勘定残高の照会およびレポートを開始する時期に基づいて、初期化期間を選択することをお薦めします。
プロセスが完了し、仕訳がインポートされた後、「仕訳の管理」ページから仕訳をレビューし、初期化期間に転記できます。