5.20.3 ベクトル・プロバイダの管理

ベクトル・プロバイダを使用して、テキスト文字列のベクトル埋込みを作成します。

ノート:

ベクトル・プロバイダには、Oracle Database 23ai以降が必要です。

5.20.3.1 ベクトル・プロバイダについて

ベクトル・プロバイダについて学習します。

Oracle Database 23ai以降では、VECTORデータ型を使用して、ビジネス・データとともにベクトル埋込みをデータベースに格納できます。埋込みモデルを使用すると、非構造化データをベクトル埋込みに変換して、ビジネス・データに対するセマンティック問合せに使用できます。

ベクトル・プロバイダについて

ベクトル・プロバイダにより、テキストを埋込みに変換できます。この機能は、AIサービスによって適用できますが、データベース内のONNXモデル、またはユーザー定義のPL/SQLファンクションによってローカルで適用することもできます。

ベクトル・プロバイダはワークスペース・レベルで格納され、すべてのアプリケーションで使用できます。アプリケーションをエクスポートするときに、使用されているベクトル・プロバイダがエクスポート・ファイルに追加されます。アプリケーションを別のワークスペースにインポートするときに、Oracle APEXによって、ターゲット・ワークスペースにすでに同じ静的IDのベクトル・プロバイダが含まれているかどうかがチェックされます。ベクトル・プロバイダがすでに存在する場合は、アプリケーションでそれが使用されます。そうでない場合は、インポート・ファイルにあるベクトル・プロバイダが、ターゲット・ワークスペース内に作成されます。

埋込みの取得と使用

APEX_AIパッケージ内のGET_VECTOR_EMBEDDINGSファンクションを使用してベクトル・プロバイダから埋込みを取得できます。さらに学習するには、『Oracle APEX APIリファレンス』APEX_AIを参照してください。

埋込みを取得した後は、ご使用のベクトル・プロバイダに基づいてOracleベクトル検索の構成を作成できます。さらに学習するには、「Oracleベクトル検索の作成」を参照してください。

5.20.3.2 ベクトル・プロバイダの作成

「ワークスペース・ユーティリティ」にある「ベクトル・プロバイダ」ページでベクトル・プロバイダを作成します。

ノート:

ベクトル・プロバイダには、Oracle Database 23ai以降が必要です。

ベクトル・プロバイダを作成するには:

  1. 「ベクトル・プロバイダ」ページに移動します:
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーション・ビルダーのホームページで、「ワークスペース・ユーティリティ」アイコンをクリックします。
    3. 「ワークスペース・ユーティリティ」ページで、「ベクトル・プロバイダ」をクリックします。

      「ベクトル・プロバイダ」ページが表示されます。

  2. 「作成」をクリックします。

    作成/編集ページが表示されます。

  3. 「指定」で、次の項目を指定します。
    1. 「識別」、「プロバイダ・タイプ」 - ベクトル・プロバイダ・タイプを選択します。オプションは次のとおりです。
      • データベースONNXモデル
      • 生成AIサービス
      • カスタムPL/SQL

      なお、UIページは選択したプロバイダ・タイプに応じて異なります。

    2. 「識別」、「名前」 - ベクトル・プロバイダの名前を入力します。この名前は、一意である必要があり、ベクトル・プロバイダの概要ページに表示されます。
    3. 「識別」、「静的ID」 - ベクトル・プロバイダの静的IDを入力します。この静的IDは、一意である必要があり、APEX_AIパッケージのAPEX_AI.GET_VECTOR_EMBEDDINGSでそのサービスを使用するときに参照されます。
      例: VP_OPENAI_EMBEDDING
  4. 「プロバイダ・タイプ」が「データベースONNXモデル」の場合:
    1. 「識別」、「名前」 - ベクトル・プロバイダの名前を入力します。この名前は、一意である必要があり、ベクトル・プロバイダの概要ページに表示されます。
    2. 「識別」、「静的ID」 - ベクトル・プロバイダの静的IDを入力します。この静的IDは、一意である必要があり、APEX_AIパッケージのAPEX_AI.GET_VECTOR_EMBEDDINGSでそのサービスを使用するときに参照されます。
    3. 「ローカル埋込み」、「ONNXモデル所有者」 - そのベクトル・プロバイダ用に使用するONNXモデルの所有者を選択します。自分のワークスペースに割り当てられているすべてのスキーマがリストされます。
    4. 「ローカル埋込み」、「ONNXモデル名」 - 指定された用語の埋込みを取得するために使用する、ONNXモデルを選択します。
  5. 「プロバイダ・タイプ」が「生成AIサービス」の場合:
    1. 「識別」、「名前」 - ベクトル・プロバイダの名前を入力します。この名前は、一意である必要があり、ベクトル・プロバイダの概要ページに表示されます。
    2. 「識別」、「静的ID」 - ベクトル・プロバイダの静的IDを入力します。この静的IDは、一意である必要があり、APEX_AIパッケージのAPEX_AI.GET_VECTOR_EMBEDDINGSでそのサービスを使用するときに参照されます。
    3. 「識別」、「AIプロバイダ」 - このベクトル・プロバイダ用に使用するAIプロバイダを選択します。オプションは次のとおりです。
      • OCI生成AIサービス
      • Open AI
      • Cohere

      UIは、選択したAIプロバイダに応じて異なります。属性の詳細は、アイテム・ヘルプを参照してください。

  6. 「プロバイダ・タイプ」が「カスタムPL/SQL」の場合:
    1. 「識別」、「名前」 - ベクトル・プロバイダの名前を入力します。この名前は、一意である必要があり、ベクトル・プロバイダの概要ページに表示されます。
    2. 「識別」、「静的ID」 - ベクトル・プロバイダの静的IDを入力します。この静的IDは、一意である必要があり、APEX_AIパッケージのAPEX_AI.GET_VECTOR_EMBEDDINGSでそのサービスを使用するときに参照されます。
    3. 「ローカル埋込み」、「カスタム・ファンクション名」 - エンド・ユーザーの入力を埋込みに変換するカスタムPL/SQLファンクションの名前を指定します。このファンクションでは、エンド・ユーザーの入力をVARCHAR2として取り、VECTORデータ型を結果として返す必要があります。
  7. 「作成」をクリックします。

5.20.3.3 ベクトル・プロバイダの編集と削除

「ワークスペース・ユーティリティ」にある「ベクトル・プロバイダの詳細」ページでベクトル・プロバイダを編集または削除します。

ベクトル・プロバイダを編集または削除するには:

  1. 「ベクトル・プロバイダ」ページに移動します:
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーション・ビルダーのホームページで、「ワークスペース・ユーティリティ」アイコンをクリックします。
    3. 「ワークスペース・ユーティリティ」ページで、「ベクトル・プロバイダ」をクリックします。

      「ベクトル・プロバイダ」ページが表示されます。

  2. ベクトル・プロバイダを編集するには:
    1. 「ベクトル・プロバイダ」ページで、そのベクトル・プロバイダの名前をクリックします。

      「ベクトル・プロバイダの詳細」が表示されます。

    2. 対象となる属性を編集します。特定の属性についてさらに学習するには、アイテムのヘルプを参照してください。
    3. 「変更の適用」をクリックします。
  3. ベクトル・プロバイダを削除するには:
    1. 「ベクトル・プロバイダ」ページで、そのベクトル・プロバイダの名前をクリックします。

      「ベクトル・プロバイダの詳細」が表示されます。

    2. 「削除」をクリックします。
    3. 選択内容を確認して、「削除」を再度クリックします。

5.20.3.4 「ベクトル・プロバイダ履歴」レポートの表示

このワークスペース内でベクトル・プロバイダに対して行われた最近の変更について、レポートを表示します。

ベクトル・プロバイダを編集または削除するには:

  1. 「ベクトル・プロバイダ」ページに移動します:
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーション・ビルダーのホームページで、「ワークスペース・ユーティリティ」アイコンをクリックします。
    3. 「ワークスペース・ユーティリティ」ページで、「ベクトル・プロバイダ」をクリックします。

      「ベクトル・プロバイダ」ページが表示されます。

  2. 「ベクトル・プロバイダ」ページで、「履歴」をクリックします。

    「ベクトル・プロバイダ履歴」レポートが表示されます。