2 Oracle APEXのインストール要件

ローカルの自己管理型インストールでOracle APEXをインストールする前に、構成が最小インストール要件を満たしていることを確認する必要があります。

2.1 Oracle Databaseの要件

Oracle APEXリリース24.2には、Oracle Databaseリリース19c以降が必要です。APEXは、Enterprise Edition (EE)、Standard Edition (SE)およびOracle Database Freeを含むすべてのデータベース・エディションで動作します。APEXは、単一インスタンス・データベースおよびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースにインストールできます。

2.1.1 ターゲット・データベースのメモリー設定の確認

Oracle APEXでは、システム・グローバル領域(SGA)に少なくとも1200 MB、プログラム・グローバル領域(PGA)に少なくとも300 MBが必要です。

通常、データベースには、メモリー割当てを制御する2つのパラメータ(SGA_TARGETおよびPGA_AGGREGATE_TARGET)があります。Oracle Databaseのメモリー構成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照して、手動メモリー・パラメータ(SGA_TARGETPGA_AGGREGATE_TARGETSHARED_POOL_SIZEなど)の構成方法を確認してください。

ターゲット・データベースのメモリー・パラメータを確認するには:

  1. データベースを起動します:
    SQL> STARTUP
  2. (オプション)次のコマンドを入力し、システムで初期化パラメータ・ファイル(initsid.ora)が使用されているか、サーバー・パラメータ・ファイル(spfiledbname.ora)が使用されているかを確認します:
    SQL> SHOW PARAMETER PFILE;

    このコマンドを実行すると、サーバー・パラメータ・ファイルまたは初期化パラメータ・ファイルの名前および場所が表示されます。

  3. メモリー・パラメータの現在の値を特定し、次のいずれかを実行します:
    SQL> SHOW PARAMETER SGA_TARGET
    SQL> SHOW PARAMETER PGA_AGGREGATE_TARGET
    • SGA_TARGETの値が0の場合、データベースは自動メモリー管理を使用しています。MEMORY_TARGETパラメータを使用して同等のメモリー・サイズを構成する方法を学習するには、『Oracle Database管理者ガイド』「自動メモリー管理の使用」を参照してください。この手順を終了します。
    • SGA_TARGETまたはPGA_AGGREGATE_TARGETの値が推奨サイズより小さい場合は、データベースでサーバー・パラメータ・ファイルが使用されているか、初期化パラメータ・ファイルが使用されているかに応じて、値を増やす必要があります。次のステップに進みます。
  4. システムでサーバー・パラメータ・ファイルが使用されているか、初期化パラメータ・ファイルが使用されているかを確認するには:
    SQL> SHOW PARAMETER PFILE;
    • ファイルがサーバー・パラメータの接頭辞spで始まる場合は、次を発行します:

      SQL> ALTER SYSTEM SET SGA_TARGET='1200M' SCOPE=spfile;
      SQL> ALTER SYSTEM SET PGA_AGGREGATE_TARGET='300M' SCOPE=spfile;
    • それ以外の場合、システムでは初期化パラメータ・ファイルが使用されています。初期化パラメータ・ファイル(init<sid>.ora)で、MEMORY_TARGETパラメータの値を300 MB以上に変更します。

  5. データベースを停止します。
    SQL> SHUTDOWN
  6. データベースを再起動します:
    SQL> STARTUP
  7. 新しいメモリー設定を確認します:
    SQL> SHOW PARAMETER SGA_TARGET
    SQL> SHOW PARAMETER PGA_AGGREGATE_TARGET

参照:

『Oracle Database管理者ガイド』自動メモリー管理の使用

2.1.2 ターゲット・データベースのWORKAREA_SIZE_POLICYの確認

Oracle APEXのインストールまたはアップグレード・プロセスでは、WORKAREA_SIZE_POLICYセッション・パラメータをAUTOに設定する必要があります。

ターゲット・データベースのWORKAREA_SIZE_POLICYを確認するには:

  1. SQLclを起動し、SYSDBAロールが指定されているSYSとしてデータベースに接続します。たとえば:
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sql /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sql /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
  2. WORKAREA_SIZE_POLICYパラメータの現在の値を確認します。
    SQL> SHOW PARAMETER WORKAREA_SIZE_POLICY
  3. パラメータの値がMANUALの場合は、現在のデータベース・セッション用にAUTOに変更します。たとえば:
    SQL> ALTER SESSION SET WORKAREA_SIZE_POLICY = AUTO;
  4. 同じデータベース・セッション内で、Oracle APEXのインストールまたはアップグレードを実行します。

ノート:

Oracle APEXをCDBにインストールする場合は、WORKAREA_SIZE_POLICYをシステム全体で設定する必要があります。たとえば:

SQL> ALTER SYSTEM SET WORKAREA_SIZE_POLICY=AUTO SCOPE=BOTH;

次に、必要な場合は、Oracle APEXのインストールまたはアップグレード後にMANUALに戻します。

参照:

Oracle DatabaseリファレンスWORKAREA_SIZE_POLICY

2.1.3 Database Vaultが有効になっているデータベースへのAPEXのインストール

Oracle Database Vaultが有効になっているデータベースにOracle APEXをインストールするための追加の構成ステップを完了します。

初めに、『Oracle Database Vault管理者ガイド』Oracle Database VaultとOracle APEXの統合を参照してください。

また、ワークスペースのプロビジョニングやSQLワークショップなど、一部のAPEX機能の追加の構成ステップも実行する必要があります。

Database Vaultのセキュリティ統制は、アプリケーション・データを不正アクセスから守るとともに、プライバシおよび規制の要件の順守に役立ちます。Database Vaultは、Oracle Database Enterprise Editionのライセンス可能なオプションです。その目的は、特権アカウントの不正使用、誤用、内部および外部の脅威、および機密データに対するヒューマン・エラーによる潜在的な影響を軽減することです。

2.2 ブラウザの要件

Oracle APEXでは、JavaScript対応のブラウザが必要であり、Google Chrome、Mozilla Firefox、Apple SafariおよびMicrosoft Edgeの現行リリースおよび以前のメジャー・リリースがサポートされています。

2.3 Webサーバーの要件

Oracle APEXには、Oracle REST Data Services (ORDS) 23.3以降が必要です。

Oracle REST Data Services (ORDS)は、JavaベースのWebサーバーです。Oracle REST Data Servicesは、RESTful Webサービスの発行の機能、および優れたファイル・アップロード機能を備えており、Oracle WebLogic ServerおよびApache Tomcatでの動作が保証されています。

ヒント:

リリース22.1で、APEXベースのRESTサービスはサポートされなくなりました。Oracle REST Data Services (ORDS)リリース21.4.2以降には、残っているAPEXベースのRESTサービスをORDSベースのサービスにアップグレードできる移行スクリプトが付属しています。詳細は、『Oracle REST Data Servicesリリース・ノート』の「Oracle APEX RESTfulサービス・モジュールの移行」を参照してください。

2.4 ディスク領域の要件

Oracle APEXのディスク領域の要件はこの項に記載されています。

APEXのディスク領域の要件は、次のとおりです。

  • ファイル・システム上のAPEXソフトウェア・ファイルの空き領域: 英語版のみのダウンロード(apex_24.2_en.zip)を使用する場合は670 MB、完全ダウンロード(apex_24.2.zip)を使用する場合は1,178 MB。
  • APEX表領域の空き領域: 260MB
  • SYSTEM表領域の空き領域: 128MB
  • 追加インストールした各言語(英語以外)用のAPEX表領域の空き領域: 60MB

2.5 Oracle XML DBの要件

完全開発環境をインストールする場合は、使用するOracleデータベースにOracle XML DBをインストールしておく必要があります。インストール中またはDatabase Configuration Assistant(DBCA)によって作成された事前構成済のデータベースを使用している場合、Oracle XML DBはインストールおよび構成済です。

ヒント:

インストーラは、Oracle XML DBに対して前提条件チェックを実行します。Oracle XML DBがインストールされていない場合は終了します。

ヒント:

Oracle XML DBのインストールでは、ユーザーANONYMOUSが作成されます。ANONYMOUSユーザーをデータベースから削除しなくても、Oracle APEXのワークスペースのプロビジョニングは正常に機能します。

ヒント:

既存のデータベースに手動でOracle XML DBを追加する方法の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』Oracle XML DBの管理に関する項を参照してください