3.4.4 Istioのインストールおよび構成

Istioバージョン1.12.1以降をデフォルトのIstioプロファイルを使用してKubernetesクラスタにインストールします。

Istioサービス・メッシュにMicroTxをインストールしない場合は、この項をスキップします。

本番環境ではデフォルトのIstioプロファイルを使用することをお薦めします。さらに、監査に使用できるログを作成し、分散トレースを有効にして、マイクロサービスベースの分散システムの監視とトラブルシューティングを行います。たとえば、分散トランザクションの監視、根本原因の分析、サービスの依存関係の分析、パフォーマンスまたはレイテンシの最適化などです。詳細は、https://istio.io/latest/docs/setup/additional-setup/config-profiles/を参照してください。

ローカル・マシンにIstioをインストールして構成するには、次のステップを実行します:

  1. 次のコマンドを実行してIstioをダウンロードします。
    curl -sL https://istio.io/downloadIstioctl | sh -
  2. Istioパッケージのディレクトリに移動します。たとえば、パッケージがistio-1.12.1の場合:
    cd istio-1.12.1
  3. binフォルダにあるistioctlクライアント・ツールをワークステーションのPATHに追加します。次の例では、サンプル値が指定されています。ご自身の環境に基づいてパスを指定します。
    export PATH=$PWD/bin:$PATH
  4. 前提条件チェックを実行して、クラスタがIstioのインストール要件を満たしているかどうかを検証します。
    istioctl x precheck

    次のメッセージが表示されます。次の手順に進み、問題がない場合はIstioをインストールできます。

    No issues found when checking the cluster. Istio is safe to install or upgrade!
    
  5. 次のコマンドを実行して、KubernetesにIstioをインストールおよび構成します。
    1. 次のコマンドを実行して、デフォルトのIstioプロファイルを使用してKubernetesにIstioをインストールします。
      istioctl install --set meshConfig.accessLogFile=/dev/stdout \
          --set meshConfig.accessLogEncoding=JSON \
          --set meshConfig.enableTracing=true \
          --set meshConfig.defaultConfig.tracing.sampling=100.0

      Oracle Linux 8環境の場合のみ、次のコマンドを実行して追加のフラグ--set components.cni.enabled=trueを渡します。たとえば:

      istioctl install --set meshConfig.accessLogFile=/dev/stdout \
          --set meshConfig.accessLogEncoding=JSON \
          --set meshConfig.enableTracing=true \
          --set meshConfig.defaultConfig.tracing.sampling=100.0 \
          --set components.cni.enabled=true
    2. 作成したネームスペースにistio-injection=enabledというラベルを付けて、サイドカーの自動インジェクションを有効にします。次のコマンドによって、otmmネームスペースにラベルが付けられます:

      サンプル・コマンド

      kubectl label namespace otmm istio-injection=enabled

      サンプル・レスポンス

      namespace/otmm labeled