4.3.6.1 CLONE COMPUTE

このコマンドは、既存の物理計算クラスタ・ノードをクローニングするために使用します。

構文

CLONE COMPUTE
   { SRCNAME=source_compute_node TGTNAME=target_compute_node | 
     TGTNAMES=target_compute_nodes }
[ WHERE 
     STEPNAME=stepname ]
SET ADMINNET NAME=admin_name IP=admin_ip
SET PRIVNET NAME1=priv_name_1 IP1=priv_ip1 [ NAME2=priv_name_2 IP2=priv_ip2 ]
[ SET INTERCONNECT NAME1=priv_name_1 IP1=priv_ip1 [ NAME2=priv_name_2 IP2=priv_ip2 ] ]
[ SET CLIENTNET NAME=client_name IP=client_ip ]
[ SET VIPNET NAME=vip_name IP=vip_ip ]
[ SET BACKUP NAME=backup_name IP=backup_ip ]
SET ILOMNET NAME=ilom_name IP=ilom_ip
SET RACK NUM=rack_number ULOC=ulocation

引数

  • SRCNAME: 計算サーバーの生成元にする既存の計算サーバーの名前を指定します。

  • TGTNAME: 追加する新しいコンピュート・サーバーの名前を指定します。

  • TGTNAMES: 追加する新しいコンピュート・サーバーのカンマ区切りリストを指定します。

  • STEPNAME: オプションで実行するデプロイメント・ステップを指定します。次のうちのいずれかになります。

    • CREATE_USERS
    • CELL_CONNECTIVITY
    • ADD_NODE
    • EXTEND_DBHOME
    • ADD_INSTANCE

    STEPNAMEの指定がない場合は、すべてのステップが実行されます。

クローンの計算ノードには次のオプションを設定できます。

  • ADMINNET : 管理ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。DNS名には、オプションでドメイン名を含めることもできます。

  • PRIVNET : 1つ目と2つ目のプライベート・ネットワークに使用する名前とIPアドレスを指定します。この名前には、オプションでドメイン名を含めることができます。

  • INTERCONNECT: 計算ノードがExadata Secure RDMA Fabric IsolationまたはInfiniBandセキュリティ(PKEYS)で構成されている場合にのみ必要です。1つ目と2つ目のプライベート・ネットワークに使用する名前とIPアドレスを指定します。この名前には、オプションでドメイン名を含めることができます。

  • CLIENTNET : クライアント・ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。DNS名には、オプションでドメイン名を含めることもできます。仮想マシン(VM)ホスト(Oracle Linux KVMまたはOracle VM)には不要です。

  • VIPNET: 仮想IP (VIP)ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。DNS名には、オプションでドメイン名を含めることもできます。仮想マシン(VM)ホスト(Oracle Linux KVMまたはOracle VM)には不要です。

  • BACKUP : バックアップ・ネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。DNS名には、オプションでドメイン名を含めることもできます。バックアップ・ネットワークのないサーバーには不要です。

  • ILOMNET: ILOMネットワークに使用するDNS名とIPアドレスを指定します。DNS名には、オプションでドメイン名を含めることもできます。

  • RACK: マルチ・ラック構成でのラック番号を指定します。番号1は1つ目のラックであり、ラック内のサーバーの物理的な位置(スロット番号)です。

使用上のノート

  • Exadata Secure RDMA Fabric IsolationまたはInfiniBandセキュリティ(PKEYS)による構成の場合、INTERCONNECTではデータベース・ノードを接続するプライベート・ネットワークを定義し、PRIVNETではプライベート・ストレージ・ネットワークを定義します。
  • TGTNAMESを使用して、DEPLOY ACTIONSで複数のコンピュート・サーバーを同時にクローニングします。追加のSET文を指定せずにTGTNAMESを使用します。この引数を使用する前にSAVE ACTION FORCEを使用します。次の例を参照してください。

例4-11 計算ノードのクローニング

この例では、dbadm13コンピュート・サーバーを新しいサーバーdbadm14にクローニングします。

CLONE COMPUTE srcname=dbadm13 tgtname=dbadm14
SET ADMINNET name=dbadm04 ip=10.128.161.192
SET PRIVNET name1=dbadm04-priv1 ip1=192.168.161.195 name2=dbadm04-priv2 ip2=192.168.161.196
SET CLIENTNET name=dbadm04-client ip=198.51.100.112
SET VIPNET name=dbadm04-vip ip=10.128.177.116
SET ILOMNET name=dbadm04-ilom ip=10.128.161.203
SET RACK num=1 uloc=17

SAVE ACTION
MERGE ACTIONS
DEPLOY ACTIONS

例4-12 TGTNAMESを使用した複数のコンピュート・ノードのクローニング

この例では、dbadm23をクローニングし、新しいコンピュート・サーバーdbadm24およびdbadm25を作成します。TGTNAMES引数を使用すると、新しいノードはいずれも最終のDEPLOY ACTIONSで同時にデプロイされます。

CLONE COMPUTE SRCNAME='dbadm23' TGTNAME='dbadm24'
SET ADMINNET name=dbadm24 ip=10.128.161.192
SET PRIVNET name1=dbadm24-priv1 ip1=192.168.161.195 name2=dbadm24-priv2 ip2=192.168.161.196
...
SAVE ACTION FORCE

CLONE COMPUTE SRCNAME='dbadm23' TGTNAME='dbadm25'
SET ADMINNET name=dbadm25 ip=10.128.161.193
...
SAVE ACTION FORCE

CLONE COMPUTE TGTNAMES='dbadm24,dbadm25'

SAVE ACTION
MERGE ACTIONS
DEPLOY ACTIONS

例4-13 ステップを使用した計算ノードのクローニング

この例では、個別のステップを実行して、dbadm33コンピュート・サーバーを新しいサーバーdbadm34にクローニングします。この例では、最初の3つのステップのみを示します。コンピュート・ノードのクローニングに関連するすべてのステップを示すわけではありません。

CLONE COMPUTE srcname=dbadm33 tgtname=dbadm34 WHERE STEPNAME=CREATE_USERS
SET ADMINNET name=dbadm04 ip=10.128.161.192
SET PRIVNET name1=dbadm04-priv1 ip1=192.168.161.195 name2=dbadm04-priv2 ip2=192.168.161.196
SET CLIENTNET name=dbadm04-client ip=198.51.100.112
SET VIPNET name=dbadm04-vip ip=10.128.177.116
SET ILOMNET name=dbadm04-ilom ip=10.128.161.203
SET RACK num=1 uloc=17

SAVE ACTION
MERGE ACTIONS
DEPLOY ACTIONS

CLONE COMPUTE compute  srcname=dbadm33 tgtname=dbadm34 WHERE STEPNAME=CELL_CONNECTIVITY

SAVE ACTION
MERGE ACTIONS
DEPLOY ACTIONS

CLONE COMPUTE srcname=dbadm33 tgtname=dbadm34 WHERE STEPNAME=ADD_NODE

SAVE ACTION
MERGE ACTIONS
DEPLOY ACTIONS

...