2.17.2 消費電力目標の設定によるデータベース・サーバーの消費電力の削減
Oracle Exadata X11Mシステム・ファミリおよびOracle Exadata System Softwareリリース25.1.0以降では、データベース・サーバーごとに消費電力目標を指定できます。
この機能を使用すると、データベース・サーバーの消費電力を制限して、規制要件を満たしたり、冷却要件を制御したり、環境目標を満たすことができます。
サーバーの消費電力を制限すると、サーバーのピーク処理能力も制限されることに注意してください。処理要求が消費電力目標の範囲内で使用可能な処理能力より低い場合、消費電力を制限してもパフォーマンスには影響しません。しかし、消費電力目標の範囲内で使用可能な処理能力を上回る処理能力がワークロードで必要となる場合、システム・パフォーマンスに影響します。通常、消費電力とサーバーの処理能力の間には良好な相関関係があります。たとえば、消費電力を10%削減すると、ピーク処理能力も同様に低下することが予想されます。
cpuTargetWattsMaxValue
属性は、サーバーの想定される最大消費電力(ワット)を定義します。
たとえば、192個のCPUコアを備えた2ソケットの各Oracle Exadata X11Mデータベース・サーバーでは、cpuTargetWattsMaxValue=800
です。また、32個のCPUコアを備えたシングル・ソケットのOracle Exadata X11M-Zデータベース・サーバーでは、cpuTargetWattsMaxValue=240
です。
各サーバーの規定値は、属性値をリストすると確認できます。次に例を示します:
DBMCLI> LIST DBSERVER attributes cpuTargetWattsMaxValue
cpuTargetWatts
属性は、サーバーの消費電力目標を制御します。デフォルトでは、消費電力目標は無効になっており、cpuTargetWatts
属性に値が含まれていません。データベース・サーバーの消費電力目標を指定するには、cpuTargetWatts
属性を設定します。次に例を示します:
DBMCLI> ALTER DBSERVER cpuTargetWatts=720
cpuTargetWatts
属性を設定する場合、指定可能な値は、サーバーのcpuTargetWattsMaxValue
値の50%から100%の間で、サーバーCPUソケットごとに20ワット単位で増加します。
たとえば、192個のCPUコアを備えた2ソケットのX11Mデータベース・サーバー(cpuTargetWattsMaxValue=800
)では、cpuTargetWatts
属性を400
、440
、480
のように、最大800
まで設定できます。また、32個のCPUコアを備えたシングル・ソケットのX11M-Zデータベース・サーバー(cpuTargetWattsMaxValue=240
)では、cpuTargetWatts
属性を120
、140
、160
のように、最大240
まで設定できます。
cpuTargetWatts
属性をNULL
または空の文字列(""
)にリセットして、消費電力目標を無効にすることもできます。
現在の消費電力目標は、属性値をリストするといつでも確認できます。次に例を示します:
DBMCLI> LIST DBSERVER attributes cpuTargetWatts