2.17.3 低電力モードの使用によるデータベース・サーバーの消費電力の削減

Oracle Exadata X11Mシステム・ファミリおよびOracle Exadata System Softwareリリース25.1.0以降では、低需要期間中に低電力モードを使用することで、データベース・サーバーの消費電力を削減できます。

この機能を使用すると、夜間や週末など、予測可能な低需要期間中にサーバーを自動的に低電力モードに切り替えるスケジュールを定義できます。いつでも、手動で低電力モードのオン/オフを切り替えることができます。システムは常に需要を監視し、必要に応じて低電力モードを自動的にオフにしてシステム・パフォーマンスを保護します。

データベース・サーバーで低電力モード・スケジュールを指定するには、lowPowerModeSchedule属性を設定します。lowPowerModeSchedule属性値には、スケジュールされた各低電力モード期間の開始時間、分単位の期間(上限1440)および頻度(dailyまたはweekly)を定義するエントリが1つ以上含まれます。

たとえば、次のコマンドは、3つのエントリを含む低電力モード・スケジュールを作成します:

  • 最初のエントリは、2025年1月3日から毎日午後6時から翌日の午前6時まで実行するように、低電力モードをスケジュールします。

  • 2番目のエントリは、2025年1月4日から毎週土曜日午前6時から午後6時まで実行するように、低電力モードをスケジュールします。

  • 3番目のエントリは、2025年1月5日から毎週日曜日午前6時から午後6時まで実行するように、低電力モードをスケジュールします。

DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeSchedule=((startTimestamp="2025-01-03T18:00:00-07:00",durationMinutes=1440,frequency=daily),
                                             (startTimestamp="2025-01-04T06:00:00-07:00",durationMinutes=1440,frequency=weekly),
                                             (startTimestamp="2025-01-05T06:00:00-07:00",durationMinutes=1440,frequency=weekly))

前述の例では、低電力モード・スケジュールは、指定されたエントリによって完全に上書きされます。また、既存のスケジュールを変更することもできます。既存のスケジュールに追加するには、+=演算子を使用します。次に例を示します:

DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeSchedule+=((startTimestamp="2024-01-06T06:00:00-07:00",durationMinutes=120,frequency=weekly))

同様に、-=演算子を使用して、既存のスケジュールから特定のエントリを削除できます。次に例を示します:

DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeSchedule-=((startTimestamp="2025-01-03T18:00:00-07:00",durationMinutes=1440,frequency=daily))

低電力モード・スケジュールのすべてのエントリを削除するには、lowPowerModeSchedule=NULLと指定します。次に例を示します:

DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeSchedule=NULL

lowPowerModeSchedule属性値をリストすることで、現在の低電力モード・スケジュールはいつでも確認できます。次に例を示します:

DBMCLI> LIST DBSERVER attributes lowPowerModeSchedule

低電力モード・スケジュールを指定する他に、lowPowerModeUntil属性を次のように設定することで、低電力モードを手動で調整できます。

  • 指定された時間まで、低電力モードを手動でオンにできます。次に例を示します:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeUntil="2025-01-10T23:30:00-07:00"
  • lowPowerModeUntil=""またはlowPowerModeUntil=NULLを設定すると、すぐに低電力モードをオフにできます。次に例を示します:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeUntil=""

    この設定を使用して、スケジュールされた低電力モード期間または手動で開始された期間をオフにできます。

  • lowPowerModeUntil=NEVERを設定すると、低電力モードをすぐにオフにし、低電力モード・スケジュールを無効にできます。次に例を示します:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER lowPowerModeUntil=NEVER

    低電力モード・スケジュールを再度有効にするには、lowPowerModeUntil属性をNEVER以外の値に設定します。

現在のlowPowerModeUntil属性値は、いつでも確認できます。次に例を示します:

DBMCLI> LIST DBSERVER attributes lowPowerModeUntil

いずれの低電力モード期間中も、システムはシステム・パフォーマンスを保護するために継続的に自身を監視します。アクティブなワークロードが5分間検出されると、低電力モードは自動的にオフになります。アクティブなワークロードは、次のいずれかの特徴を持っています:

  • CPU使用率が30%を超えている。

  • I/O使用率が30%を超えている。

  • クライアント・ネットワークまたはRDMAネットワーク・ファブリックのスループットが200 MB/秒を超えている。

アクティブなワークロードのために低電力モードが自動的にオフになると、次のスケジュールされた期間まで、または手動でオンにするまでオフのままになります。