2.1.5 ASMリバランス操作の自動チューニング

場合によっては、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)でデータ・リバランス操作を実行する必要があります。データ・リバランス操作は、次のような様々な理由で必要になる場合があります:

  • ストレージ・サーバーのローリング更新後にデータを再同期化するため。

  • ハード・ディスク障害後に必要なデータ冗長性をリストアするため。

  • ストレージ・サーバーの追加後に均等なデータ分散を維持するため。

Oracle ASMでは、asm_power_limitパラメータを使用して、データ・リバランス操作のリソース制限を制御します。asm_power_limitを低い値に設定すると、最小限のリソースが提供されるため、他のデータベース・ワークロードの中断を最小限に抑えながら、操作をゆっくりと進めることができます。asm_power_limitを高い値に設定すると、提供されるリソースが多くなるため、データ・リバランス操作が速くなります。ただし、これは他のデータベース・ワークロードに悪影響を及ぼす可能性があります。

Oracle Grid Infrastructureリリース23ai以降と組み合せたOracle Exadata System Softwareリリース25.1.0では、asm_power_limitを動的にチューニングして、他のデータベース・ワークロードに悪影響を及ぼすことなく、データ・リバランス操作を可能なかぎり高速に実行できるようにする機能拡張およびアルゴリズムが提供されます。

この機能では、Oracle Exadata System SoftwareはI/Oパフォーマンスを継続的に監視し、システムに使用可能なI/O帯域幅が十分にある場合にasm_power_limit値を自動的に引き上げます。同様に、クライアント・データベース・ワークロードが検出されると、asm_power_limit値が自動的に引き下げられ、それらのワークロードが優先されます。