7.7.1.5 ALTER GRIDDISK

用途

ALTER GRIDDISKコマンドは、すべてのグリッド・ディスクまたは指定したグリッド・ディスクの属性を変更します。

注意:

Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクの名前を変更する前に、Oracle ASMディスク・グループがオフラインになっていることを確認します。

構文

ALTER GRIDDISK { ALL [[ CAPACITYOPTIMIZED | PERFORMANCEOPTIMIZED ] FLASHDISK | HARDDISK ] | gdisk_name1 [,gdisk_name2] ... }
      { [ attribute_filters ] [ ACTIVE | INACTIVE ] [ FLUSH [NOWAIT] | CANCEL FLUSH ] } |
        attribute_name = attribute_value [, attribute_name = attribute_value] ...
              [ attribute_filters ] [NOWAIT] }

コマンド・オプション

  • Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0以降では、オプションで、FLASHDISKの前にCAPACITYOPTIMIZEDまたはPERFORMANCEOPTIMIZEDを指定して、指定したフラッシュ・メディア・タイプに関連付けられたセル・ディスク上のグリッド・ディスクを変更できます。

    フラッシュ・メディア・タイプを完全には指定しない場合、ALL FLASHDISKは、容量最適化フラッシュ・デバイスを含むExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーではALL CAPACITYOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。他のすべてのストレージ・サーバーでは、ALL FLASHDISKALL PERFORMANCEOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。

  • ALLオプションをメディア・タイプ修飾子(FLASHDISKまたはHARDDISK)とともに指定すると、指定したメディア・タイプに関連付けられたセル・ディスク上のグリッド・ディスクのみが変更されます。

    Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0以降では、メディア・タイプ修飾子(FLASHDISKまたはHARDDISK)なしでALLオプションを指定すると、ストレージ・サーバー上のプライマリ・ストレージ・メディアに関連付けられたセル・ディスク上のグリッド・ディスクが変更されます。具体的には、次のとおりです:

    • 容量最適化フラッシュ・デバイスを含むExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーでは、メディア・タイプ修飾子のないALLALL CAPACITYOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。

    • パフォーマンス最適化フラッシュ・デバイスを含むExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーでは、メディア・タイプ修飾子のないALLALL PERFORMANCEOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。

    • ハード・ディスク・ドライブ(HDD)を含むすべてのストレージ・サーバーでは、メディア・タイプ修飾子のないALLALL HARDDISKと同等です。

    Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0より前のリリースでは、ALLオプションをメディア・タイプ修飾子なしで指定すると、メディア・タイプに関係なく、一致するすべてのグリッド・ディスクが変更されます。

  • ACTIVEオプションでは、指定したグリッド・ディスクで通常どおりにI/Oを受信するようにCELLSRVに通知します。グリッド・ディスクはデータベース・クライアントに表示されます。

  • INACTIVEオプションでは、グリッド・ディスクがセル管理者に表示されますが、データベース・クライアントには表示されません。CELLSRVでは、グリッド・ディスクがオフラインであるかのように処理します。このモードでは、グリッド・ディスクでの管理操作が可能です。グリッド・ディスクをデータベース・ユーザーに表示する前に、グリッド・ディスクでアップグレードとテストを実行できます。この機能は、RESTRICTEDモードでのデータベースの起動と似ています。

    ノート:

    データベース・クライアントで現在使用中のグリッド・ディスクがOracle ASMによって使用され、かつINACTIVEになっている場合、ディスクとのI/Oに障害が発生すると、対応するOracle ASMディスクがOracle ASMによってオフラインにされます。ディスクを再度使用可能にするには、セルのグリッド・ディスクをACTIVEにし、対応するOracle ASMディスクをOracle ASMでオンラインに戻します。
  • FLUSHオプションでは、フラッシュ・キャッシュのダーティ・データとグリッド・ディスクを同期します。ダーティ・データとは、グリッド・ディスクと同期されていないデータです。

    ダーティ・データの同期プロセスは、同期するバイト数に応じて時間がかかる場合があります。進捗状況をチェックするには、次のコマンドを使用します。

    LIST GRIDDISK ATTRIBUTES name, flushstatus
  • CANCEL FLUSHオプションでは、前のフラッシュ操作を終了します。

  • NOWAITオプションでは、サイズ変更またはフラッシュ操作などの続行中にALTERコマンドを完了できます。

  • Oracle Exadata System Softwareリリース20.1.0以降では、ALTER GRIDDISKコマンドはWHERE句を受け入れるため、グリッド・ディスクの特定のサブセットを変更できます。たとえば、グリッド・ディスクが2セット(DATA用とRECO用)ある場合、WHERE句を使用して1つのディスク・グループのグリッド・ディスクのみをサイズ変更できます。次に例を示します。

    ALTER GRIDDISK size=5T WHERE name like 'RECO.*' 

    WHERE句は、グリッド・ディスクのリストまたはALL {FLASHDISK|HARDDISK}オプションを指定して使用できます。WHERE句を使用し、グリッド・ディスクのリストまたはALL {FLASHDISK|HARDDISK}オプションを指定しない場合、WHERE句はすべてのディスクに対して機能します。この構文の例は次のとおりです。

    ALTER GRIDDISK WHERE name like 'DATA.*' INACTIVE
    
    ALTER GRIDDISK ALL FLASHDISK FLUSH NOWAIT

使用上のノート

ALTER GRIDDISKコマンドで変更可能な属性は、例7-104modifiableと示されています。

  • グリッド・ディスク名の長さの制限は30文字です。

  • FLUSHオプションでは、CELLSRVが再起動するか、フラッシュ操作が取り消されるまで、指定したグリッド・ディスクで新しいデータがキャッシュされないようにします。

  • FLUSHオプションは、ライトスルー・ディスクではなく、ライトバック・ディスクで有効です。

  • size属性を指定すると、グリッド・ディスクに割り当てる領域を増減できます。

    接尾辞M(MB)またはG(GB)が数値に含まれている場合を除き、size属性はバイト数で指定されます。グリッド・ディスクの領域は、割当て単位と呼ばれる16MB単位で割り当てられます。実際の割当てサイズは、指定したサイズ以下の割当て単位の倍数の中で最も大きいサイズになります。最小値は16MBです。16MB未満の値は16MBに繰り上げられます。

    グリッド・ディスクがOracle ASMで使用されている場合は、対応するOracle ASMディスクのサイズ変更は個別に行う必要があります。

  • アクセス中のグリッド・ディスクの名前は変更しないでください。

    アクセス中のグリッド・ディスクの名前を変更しようとすると、操作が失敗します。グリッド・ディスクがOracle ASMで使用されている場合は、名前を変更する前に、グリッド・ディスクを非アクティブにするか、Oracle ASMディスク・グループをディスマウントしてグリッド・ディスクへのアクセスを停止してください。

  • インターリーブ・グリッド・ディスクのサイズを変更すると、セル・ディスク全体にインターリーブ領域の割当てを行うようにグリッド・ディスクの内容が移動されます。サイズ変更操作には、数分間かかることがあります。NOWAITオプションを使用して、データ移動操作をバックグラウンド・プロセスとして実行することもできます。ステータスをチェックする場合は、LIST GRIDDISKコマンドを使用してください。

    ノート:

    インターリーブ・グリッド・ディスクは、Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0では非推奨です。
  • cachingPolicy属性は、グリッド・ディスクのフラッシュ・キャッシング・ポリシーを指定します。

    フラッシュ・キャッシュは、cachingPolicynoneに設定されているグリッド・ディスクで構成されるディスク・グループにあるデータベース・ファイルに対して効果的に無効化されます。次の場合に選択できます。

    • 特定のデータベース・ファイルを、フラッシュ・キャッシュを使用するかわりに、ディスクに直接永続化する場合。

    • フラッシュ・キャッシュ・リソースを他のデータベース・ファイルのオブジェクト専用にする場合。

    次のコマンドを使用して、cachingPolicy属性をnoneに設定します。

    ALTER GRIDDISK grid_disk_name CACHINGPOLICY="none"
    ALTER GRIDDISK grid_disk_name FLUSH
    -- Wait for the FLUSH to complete.
    ALTER GRIDDISK grid_disk_name CANCEL FLUSH

    グリッド・ディスクのキャッシングを再有効化するには:

    ALTER GRIDDISK grid_disk_name CACHINGPOLICY="default"

例7-37 グリッド・ディスク属性の変更

この例は、GRIDDISKオブジェクトを指定したALTERコマンドを示しています。

CellCLI> ALTER GRIDDISK data1_CD_01_cell01, data2_CD_01_cell01
         comment = "This grid disk is on cell01"

CellCLI> ALTER GRIDDISK ALL INACTIVE