7.7.4.6 CREATE GRIDDISK

用途

CREATE GRIDDISKコマンドは、指定したセル・ディスクにグリッド・ディスク・オブジェクトを作成したり、ストレージ・サーバーの各セル・ディスクに1つ以上のグリッド・ディスクを作成します。また、このコマンドでは、新規の各グリッド・ディスクに初期属性を割り当てます。

構文

CREATE GRIDDISK  
   { ALL [[ CAPACITYOPTIMIZED | PERFORMANCEOPTIMIZED ] FLASHDISK | HARDDISK ] PREFIX={[']gdisk_name_prefix[']|'gdisk_name_prefix1[,gdisk_name_prefix2]...'}
      [,multi_attribute_name={[']attribute_value[']|'attribute_value1[,attribute_value2]...'} ]...
   | gdisk_name CELLDISK=cell_disk_name }
   [,attribute_name=[']attribute_value[']]...

使用上のノート

  • 個別のグリッド・ディスク名(gdisk_name)が指定されている場合、CELLDISK引数で指定したセル・ディスクにグリッド・ディスクが作成されます。グリッド・ディスク名は、すべてのストレージ・サーバーで一意にする必要があります。ディスク名が一意でない場合は、グリッド・ディスクをOracle ASMディスク・グループに追加できないことがあります。

  • グリッド・ディスク名の長さの制限は30文字です。

  • Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0以降では、オプションで、FLASHDISKの前にCAPACITYOPTIMIZEDまたはPERFORMANCEOPTIMIZEDを指定して、指定したフラッシュ・メディア・タイプに関連付けられたセル・ディスク上にグリッド・ディスクを作成できます。

    フラッシュ・メディア・タイプを完全には指定しない場合、ALL FLASHDISKは、容量最適化フラッシュ・デバイスを含むExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーではALL CAPACITYOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。他のすべてのストレージ・サーバーでは、ALL FLASHDISKALL PERFORMANCEOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。

  • ALLオプションをメディア・タイプ修飾子(FLASHDISKまたはHARDDISK)とともに指定すると、指定したメディア・タイプに関連付けられたセル・ディスク上にのみグリッド・ディスクが作成されます。

    Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0以降では、メディア・タイプ修飾子(FLASHDISKまたはHARDDISK)なしでALLオプションを指定すると、ストレージ・サーバー上のプライマリ・ストレージ・メディアに関連付けられたセル・ディスク上にグリッド・ディスクが作成されます。この動作により、ALLオプションを使用して作成されたグリッド・ディスクでは同じメディア・タイプが使用されるようになり、ストレージ・メディアが混在するOracle ASMディスク・グループまたはExascaleストレージ・プールを誤って構成しようとする可能性が大幅に低くなります。具体的には、次のとおりです:

    • 容量最適化フラッシュ・デバイスを含むExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーでは、メディア・タイプ修飾子のないALLALL CAPACITYOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。

    • パフォーマンス最適化フラッシュ・デバイスを含むExtreme Flash (EF)ストレージ・サーバーでは、メディア・タイプ修飾子のないALLALL PERFORMANCEOPTIMIZED FLASHDISKと同等です。

    • ハード・ディスク・ドライブ(HDD)を含むすべてのストレージ・サーバーでは、メディア・タイプ修飾子のないALLALL HARDDISKと同等です。

    Oracle Exadata System Softwareリリース24.1.0より前のリリースでは、ALLオプションをメディア・タイプ修飾子なしで指定すると、メディア・タイプに関係なく、使用可能なすべてのセル・ディスク上にグリッド・ディスクが作成されます。

  • ALLが使用されている場合は、PREFIXオプションを指定する必要があります。

    PREFIXオプションには、1つ以上のカンマ区切りの接頭辞文字列を指定します。各接頭辞を使用して、基礎となるセル・ディスクにグリッド・ディスクを作成します。生成されるグリッド・ディスク名は、グリッド・ディスクの接頭辞の後ろにアンダースコア(_)、セル・ディスク名が続きます。

    たとえば、CREATE GRIDDISK ALL PREFIX=data01は、使用可能なセル・ディスクごとに1つのグリッド・ディスクを作成します。この場合、セル・ディスクの名前がCD_01_cell01CD_02_cell01CD_03_cell01などであれば、対応するグリッド・ディスク名はdata01_CD_01_cell01data01_CD_02_cell01data01_CD_03_cell01のようになります。

    グリッド・ディスクを消費するOracle ASMディスク・グループまたはExascaleストレージ・プールに一致する接頭辞を使用します。これは、グリッド・ディスクが使用されている場所を識別するのに役立ちます。また、短い接頭辞値を使用して、生成されるグリッド・ディスク名が30文字の制限内に収まるようにします。

  • multi_attribute_nameには、カンマ区切りの値リストを受け入れることができる、次の属性のいずれかを指定します。

    • size

    • offset

    • virtualSize

    • comment

    • storagePool

    コマンドでカンマ区切りの複数のPREFIX値を指定する場合は、各multi_attribute_nameに対して、値を1つのみ指定するか、接頭辞リストと同じ数の値を指定する必要があります。1つの値を指定した場合は、接頭辞リストのすべての値に適用されます。それ以外の場合、属性値のリストの各エントリは、接頭辞リストの対応する値に適用されます。

    たとえば、CREATE GRIDDISK ALL PREFIX='data01,data02', size='500G,300G'は、使用可能な各セル・ディスクに2つのグリッド・ディスクを作成します。この場合、size=500GPREFIX=data01に関連付けられ、size=300GPREFIX=data02に関連付けられます。

    その他すべての属性設定には、常に1つの値のみが必要です。

  • size属性は、グリッド・ディスクに割り当てられるストレージ領域の量を決定します。size属性が指定されていない場合、グリッド・ディスクはセル・ディスク上の使用可能なすべての領域を消費します。

    グリッド・ディスクの領域は、割当て単位と呼ばれる16MB単位で割り当てられます。size属性が指定されている場合、割り当てられるサイズは、指定したサイズ以下の割当て単位の最大倍数です。たとえば、size属性に300Mが指定されている場合、16の倍数で300以下の最も大きい値は288になるため、288 MB (16×18)が割り当てられます。

    最低でも1割当て単位が常に割り当てられるため、グリッド・ディスクの最小サイズは16MBになります。16MB未満のサイズ値は16MBに繰り上げられます。

    size属性を指定する前に、LIST CELLDISKコマンドを使用して、各ターゲット・セル・ディスクで使用可能な空き領域を最初に確認してください。たとえば、LIST CELLDISK cdisk ATTRIBUTES freespaceです。

  • offset属性は、グリッド・ディスクが割り当てられるハード・ディスク上の位置を決定します。最も外側のトラックが最も低いオフセット値になります。offset属性を指定しないと、グリッド・ディスクの作成順に、使用可能な最も低いオフセットが自動的に選択されます。

    ノート:

    offset属性はフラッシュ・ストレージには適用されません。
  • sizeおよびoffset属性は、size=300Msize=150Gなど、数値に接尾辞のM (MB)、G (GB)またはT (TB)が含まれている場合を除き、バイト数として指定されます。

  • CREATE GRIDDISK ALL ...コマンドでは、最小サイズのグリッド・ディスク(16 MB)を作成するのに十分な空き領域がないディスクはスキップされます。この場合、スキップされたグリッド・ディスクはコマンド出力で識別され、コマンドは続行されます。

  • availableTo属性の値は、DBを有効範囲にしたセキュリティに登録されているクライアントの名前に設定されます。各クライアント名の値は、データベースの一意の名前(DB_UNIQUE_NAME)です。指定したクライアントは、グリッド・ディスクにアクセスできます。availableToに値が入力されている場合、グリッド・ディスクにアクセスできるのは指定したクライアントのみです。値が入力されていない場合は、どのクライアントもグリッド・ディスクにアクセスできます。

  • idp.typeまたはidp.boundaryの値は編集しないでください。Oracle Exadata System Softwareでは、「標準」の冗長性と「高」の冗長性のいずれかのインターリーブ・グリッド・ディスクのタイプについてのヒントをOracle ASMに渡します。Oracle ASMでは、idp.typeのデフォルト値はstaticに設定され、idp.boundaryのデフォルト値は基礎となるグリッド・ディスクで使用される冗長性のタイプに設定されます。インターリーブ・グリッド・ディスク上に作成されたOracle Exadata Storage Serverディスク・グループについては、idp.type属性のデフォルト値はstaticです。

    ノート:

    インターリーブ・グリッド・ディスクは、Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0では非推奨です。
  • cachingPolicy属性はdefaultまたはnoneに設定できます。defaultオプションでは、グリッド・ディスク内のデータをフラッシュ・キャッシュにキャッシュできます。フラッシュ・キャッシュは、cachingPolicy=noneのグリッド・ディスクに格納されたデータには使用されません。

  • virtualSize属性を使用して、Oracle ASM SPARSEディスク・グループで使用されるグリッド・ディスクを作成します。スパース・グリッド・ディスクの最大仮想サイズは、約100TBです。スパース・グリッド・ディスクは、Oracle Exadata Database Machine X3-2以上に対して使用できます。

    ノート:

    スパース・グリッド・ディスクを使用する場合は、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureソフトウェアはリリース12.1.0.2.0 BP5以上である必要があります。
  • storagepool属性は、Exascaleストレージ・プールで使用するために指定されたExascale固有のグリッド・ディスクである、Exascaleプール・ディスクの作成に使用されます。storagepool属性の値は、プール・ディスクを消費するExascaleストレージ・プールの名前です。

    storagepool属性を指定すると、結果のグリッド・ディスクはExascaleプール・ディスクとしてマークが付けられ、ストレージ・プール名がプール・ディスク・メタデータに書き込まれます。

    CREATE GRIDDISKコマンドでは、指定したストレージ・プールにプール・ディスクがすぐに追加されるわけではありません。プールディスクは、ストレージ・プールの作成中または既存のストレージ・プールの再構成後に、ストレージ・プールに組み込まれた後でしかデータ・ストレージに使用できません。

例7-84 グリッド・ディスクの作成

この例は、グリッド・ディスクを作成する方法を示しています。

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX='data01,data02', size='500G,300G'

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=data03

CellCLI> CREATE GRIDDISK data1_CD_01_cell01 CELLDISK=CD_01_cell01, size=200G

CellCLI> CREATE GRIDDISK data2_CD_02_cell01 CELLDISK=CD_02_cell01, size=200G

CellCLI> CREATE GRIDDISK data3_CD_03_cell01 CELLDISK=CD_03_cell01

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL PREFIX=data10, availableTo='+asm,db1,db2'

CellCLI> CREATE GRIDDISK hr7_CD_07_cell01 CELLDISK=CD_07_cell01, availableTo='asm_hr,hrdb0'

CellCLI> CREATE GRIDDISK GD123 CELLDISK=RECO_CD123, size=100G, cachingPolicy=none

例7-85 スパース・グリッド・ディスクの作成

CellCLI> CREATE GRIDDISK spar01 celldisk=CD_01_cel01, size=10G, virtualsize=100G

例7-86 Exascaleプール・ディスクの作成

CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK prefix=pool1, storagepool=POOL1