トランザクションの予算管理と予算引当会計を実行するにはどうすればよいですか。
プロジェクト・トランザクションに対して、直接費および間接費の両方の予算管理を実行し、間接費の予算引当会計を実行することができます。
「設定および保守」作業領域から予算管理の管理タスクまたは予算引当会計の管理タスクを使用して、予算管理を使用可能にします。
プロジェクト会計ビジネス機能においては、予算引当会計を使用可能にする前に、ビジネス・ユニットの予算管理を使用可能にする必要があります。
在庫または作業オーダー移動先用のプロジェクト固有調達に対して予算管理を実行するにはどうすればよいですか。
Oracle Projectsは、スポンサード・プロジェクトまたは非スポンサード・プロジェクトの在庫移動先へ資材を調達する際に、資金可用性をチェックし、管理予算に対して資金を引き当てて、予算引当を計上します(該当する場合)。
この機能は、プロジェクト固有の製造または保守作業オーダーから作業オーダー移動先へ資材を直接調達する際にも使用可能です。
在庫または作業オーダー移動先、およびバック・トゥ・バック購買依頼で作成されたプロジェクト固有の購買依頼を使用し、これらのトランザクション・タイプに対して予算管理が使用可能になっているときに、資金をプロジェクトまたは勘定体系ベースの管理予算(あるいはその両方)に対する取引約定として予約できます。 これらの資金には、直接費(購買依頼原価)と関連間接費の両方を含めることができます。
調達で購買依頼をレビューするときに、購買依頼および関連する購買依頼明細に対して資金が予約されているかどうかを確認できます。 購買依頼の移動先や、プロジェクト番号や予算日といったプロジェクト原価計算の詳細を確認することもできます。
独立して作成された購買オーダーまたはそのような購買依頼から作成された購買オーダーに対して予算管理検証を実行すると、資金が義務として予約されているかどうかを確認できます。 購買依頼の予約済資金の清算は、購買依頼が購買オーダーに変わったときに行われます。 買掛/未払金請求書はこのプロセスに含まれません。 購買オーダーの資金ステータスは、コストがプロジェクト原価計算にインポートされるまで、調達ライフサイクル全体で更新されます。
このような購買オーダーの品目の在庫受入および原価計算は、受入会計またはコスト管理で予算管理されません。 購買オーダー義務が清算され、在庫コストがプロジェクト支出として予約されるのは、購買オーダー関連の在庫コストをサプライ・チェーン・コスト管理からプロジェクト原価計算にインポートするときです。 これには、直接費(在庫)および関連する間接費が含まれます。 プロジェクトに関連付けられた間接費スケジュールが購買オーダー作成とプロジェクトへの在庫コストのインポートの間に新規レートで更新されている場合は、改訂された間接費レートを使用して資金が予約されます。 プロジェクト原価計算では、当初予約された直接費および間接費も購買オーダーに対して清算されます。
予算管理分析レポートを使用して非スポンサード・プロジェクトの管理予算残高を表示し、「交付の管理」ページを使用してスポンサード・プロジェクトの管理予算残高を表示します。
次の図には、購買依頼、購買オーダーおよび購買オーダー在庫受入に対して作成されたプロジェクト・コスト(図内で「Project Expenditure」と表記されているプロジェクト・コスト)が表示されています。

予算管理分析レポートでは、サプライ・チェーン関連のプロジェクト・コストのライフサイクルにおいて、購買依頼が購買オーダーになったステージ、取引約定が義務になったステージ、受入になったステージ、プロジェクト・コストになったステージを確認できます。 このレポートでは、購買依頼の作成、資金の予約および購買依頼の承認がいつ行われたかを追跡できます。 たとえば、このレポートでは、購買依頼の承認、関連資金の予約および購買依頼による取引約定の作成がいつ行われたかを確認できます。 さらに購買オーダー・ステージでは、商品の受入と支払に至るまでの間に、取引約定の清算および購買オーダー金額の義務として予約がどのように行われたかを確認できます。 義務が清算されると、プロジェクト・コストが作成されます。
スポンサード・プロジェクトで作業していて、これらの機能を使用している場合は、「交付管理」>「交付」>「交付の管理」>「交付」ページで同様の詳細を表示できます。
在庫および作業オーダー搬送先があるプロジェクト固有の購買オーダーに関連付けられた買掛/未払金請求書は、予算管理検証には適用できません。 請求書差異(ある場合)は、取得修正コストがサプライ・チェーン・コスト管理からインポートされたときに、プロジェクト原価計算の「コストのインポート」プロセスによって予算管理されます。 買掛/未払金請求書では、プロジェクト固有の購買オーダーと照合された請求書のプロジェクト属性が請求書明細および配分レベルで表示されるようになりました
関連するビジネス機能およびトランザクション・サブタイプに対して予算引当会計が有効になっている場合は、購買依頼、購買オーダー、受入会計およびプロジェクト・コストの会計を作成するときに、引当直接費および引当間接費の会計と清算が実行されます。
在庫または作業オーダー移動先およびバック・トゥ・バック・オーダーに対するプロジェクト固有の購買オーダーの返品、取消およびその他の修正は予算管理されます。 適用可能な予算引当も計上されます。
サプライ・チェーン・コスト管理アプリケーションからの購買オーダー・コストのインポート時にプロジェクト原価計算の補助元帳で予約された資金が、同じトランザクションの計上済予算引当と異なる場合があります。 これは、サプライ・チェーン・コスト管理アプリケーションで品目コスト間接費が課せられ、当初引当の購買オーダー・コストに追加コストが生じる可能性があるためです。 プロジェクト原価計算での予算引当は、サプライ・チェーン・コスト管理アプリケーションから受け取ったこれらの実績コストに基づきます。
ヒントと検討事項
この機能の使用中に注意する必要があるいくつかのヒントと考慮事項を次に示します:
予算管理
- 在庫または作業オーダー移動先およびバック・トゥ・バック・オーダーへのプロジェクト固有調達の予算管理および勘定科目予算引当をサポートするトランザクション・サブタイプは、予算管理を使用可能な新規作成ビジネス・ユニットおよび元帳に対してデフォルトで有効になります。 これらのトランザクション・サブタイプが作成される前に予算管理を使用可能にしていたビジネス・ユニットおよび元帳では、これらのトランザクション・サブタイプは引き続き使用不可の状態になります。 在庫または作業オーダー移動先およびバック・トゥ・バック・オーダーへのプロジェクト固有調達の予算管理および勘定科目予算引当を行う場合は、手動で有効にする必要があります。
- 在庫または作業オーダー移動先およびバック・トゥ・バック・オーダーへの購買依頼と購買オーダーの両方の使用を含むプロジェクト固有調達の予算管理および勘定科目予算引当を正常に実行するには、購買依頼発行および調達ビジネス機能の両方に対して予算管理トランザクション・サブタイプを有効にする必要があります。 両方のビジネス機能に対してこれらのサブタイプを有効にしないと、資金が誤って予約または清算されます。
購買依頼
在庫または作業オーダー移動先に対するプロジェクト固有購買依頼、および購買依頼トランザクション・サブタイプの予算管理または予算引当会計が使用可能になる前に作成されたバック・トゥ・バック購買依頼は、予算管理および予算引当会計に適用されないままです。 購買依頼発行ビジネス機能に対して、これらの新しいトランザクション・サブタイプを有効にすると、新しい購買依頼のみが予算管理および予算引当会計の対象になります。
購買オーダー
- 勘定科目、プロジェクトまたは予算日の変更
- バック・トゥ・バックまたはプロジェクト固有の明細、スケジュールまたは配分の追加
受入会計およびコスト管理
- コスト会計および受入会計の仕訳ソースが、「予算管理および予算引当会計の編集」ページの元帳オプション・リージョンにある予算管理仕訳例外セクションに表示されていることを確認します。 これらのソースが以前に含まれていない場合は追加します。
- 直接費(購買オーダー)の予算引当清算は、次のトランザクション・タイプを使用して受入会計補助元帳によって行われます。
トランザクション・フロー | トランザクション・タイプ |
---|---|
在庫への受入の搬送 | 在庫移動先への搬送 |
作業オーダーへの受入の搬送 | 作業オーダー移動先への搬送 |
搬送イベントの訂正 | 在庫の搬送の訂正 |
作業オーダーの搬送の訂正 | |
受入返品 | 在庫の受入返品 |
作業オーダーの受入返品 | |
在庫購買オーダーの価格更新 | コスト修正 - 在庫移動先の購買オーダー価格更新 |
作業オーダー購買オーダーの価格更新 | コスト修正 - 作業オーダー移動先の購買オーダー価格更新 |
- 購買オーダーへの価格更新による直接費の予算引当清算は、「コスト修正 - 在庫移動先の購買オーダー価格更新」および「コスト修正 - 作業オーダー移動先の購買オーダー価格更新」トランザクション・タイプを使用して、受入会計の未請求受入数量に対してのみ行われます。
- 在庫および作業オーダー移動先へのプロジェクト固有購買オーダーの請求書差異コストに対して資金を正常に予約するには、プロファイル・オプションのコスト管理から請求書差異を除外,を使用不可にします(使用可能な場合)。
- 作業オーダー移動先への品目参照のない摘要ベースの購買オーダーの場合、予算引当清算および予算チェックは、トランザクション・タイプの「搬送先費用」を使用して受入会計で直接実行されます。
プロジェクト
- 在庫または作業オーダー移動先に対するプロジェクト固有購買オーダー、および新しいトランザクション・サブタイプが使用可能になる前に作成されたバック・トゥ・バック・オーダーが存在する場合があります。 これには、在庫受入および返品を含めることもできます。 新しいトランザクション・サブタイプが使用可能になった後に、これらのプロジェクト・コストがプロジェクト原価計算の補助元帳にインポートされると、プロジェクト原価計算で予算管理の対象になります。 プロジェクト原価計算では、購買オーダーの作成時に資金が当初予約されたかどうかに関係なく、このようなシナリオで予算引当が発生します。 これらの予約を許可するように管理予算をレビューおよび修正することをお薦めします。
- 予算管理(この機能に対して使用可能にした場合)は、プロジェクト・タイプ・コスト除外の管理タスクでコスト収集からの除外が有効になっていないプロジェクト・タイプを使用するプロジェクトでのみ成功します。
- 購買オーダー直接費の予算引当清算は受入会計によって行われ、購買オーダーに関連付けられた間接費の予算引当清算はプロジェクト原価計算によって行われます。 各アプリケーションについて、関連する配分および会計の作成プロセスを遅延なく実行して、予算引当が迅速に計上されるようにすることをお薦めします。
買掛管理
- この機能の前は、予算管理対応元帳の場合、請求書が在庫移動先へのプロジェクト固有購買オーダーと照合されたときに、買掛管理は適用可能な管理予算の請求価格差異に対して資金を予約しました。 この機能により、買掛管理は請求価格差異に対する資金の予約を停止し、かわりにプロジェクト原価計算によって予約が実行されます。 この変更によって影響を受ける可能性がある既存のユーザー定義ビジネス・フローをレビューすることをお薦めします。
- 在庫および作業オーダー移動先へのプロジェクト固有購買オーダーに対して請求書価格差異が存在する場合、そのような配分の資金ステータスは適用不可として表示されます。 また、これらの配分明細は、一般会計でそれ以上の予算引当の対象になりません。
- この機能の前は、資産プロジェクトまたは建設仮勘定(CIP)プロジェクトの場合、経過勘定が資産精算勘定でもあるとき、資産計上または資産明細が2回(買掛管理で1回、プロジェクトで1回)作成される可能性がありました。 買掛管理でプロジェクト詳細を取得すると、これは発生しなくなります。 この変更によって影響を受ける可能性がある既存のユーザー定義ビジネス・フロー(ある場合)をレビューすることをお薦めします。
- OTBIサブジェクト領域の買掛/未払金請求書>トランザクション・リアルタイムを使用して、買掛/未払金請求書明細および配分のプロジェクト詳細を表示およびレポートします。
その他
- 外注加工サービスまたは契約製造に関連する購買オーダーの予算管理は、現時点ではサポートされていません。
- 在庫移動先へのプロジェクト固有内部資材転送購買依頼に対して、予算管理および予算引当会計はサポートされていません。