複数のコスト配分があるサプライ・チェーン・トランザクションの予測およびレポート
Oracle Projectsでは、サプライ・チェーン管理で複数のコスト配分があるプロジェクト関連品目(コストまたはリソース)のコスト・トランザクションの実績数量をグループとして追跡します。 これにより、コスト金額に加えてトランザクション数量を使用して、プロジェクト・タスクおよびリソースを予測およびレポートできます。
Fusion Cost Managementに複数のコスト配分があるプロジェクト関連のサプライ・チェーン・コストは、複数のプロジェクト・コスト・トランザクションとしてプロジェクトにインポートされますが、グループとして処理されます。 グループ化は、Fusion Cost Managementで適用可能なコスト配分の在庫コスト配分レイヤー識別子に基づきます。 資材またはリソース・コストのいずれかのグループ内の1つのプロジェクト・コスト・トランザクションのみに数量値が表示されます。 グループ内の他のすべてのトランザクションでは、数量値はゼロとなります。 「ソース・トランザクション数量」属性では、グループ内のすべてのトランザクションの数量値が引き続き取得されます。 数量情報はグループ・レベルで保存されるため、予測とレポートはより正確になります。 同時に、各プロジェクト・コスト・トランザクションに関連付けられた数量情報を個別に表示できます。
次に、グループ化および数量追跡がどのように行われるかを説明します。
プロジェクトで、資材および間接費のコスト・コンポーネントがある品目「ケーブル」のプロジェクト関連のサプライ・チェーン・コストをインポートします。 Fusion Cost Managementでは、コスト要素ごとにコスト配分が作成され、プロジェクトでは複数のコスト配分が個々のプロジェクト・コスト・トランザクションとしてインポートされます(次の表を参照)。 Fusion Cost Managementで在庫コスト配分レイヤー識別子を使用して在庫の減耗を追跡するか、プロジェクトでトランザクション受入を使用してFusion Cost Managementからのこれらのコスト配分をグループ化します。 「ソース配分レイヤー参照」属性は、このグループ化識別子を示します。 数量情報は、グループ内の資材またはリソース・コスト・トランザクションに対してのみ取得されます。 グループ内の他のトランザクションは数量ゼロの値で更新され、属性「ソース・トランザクション数量」では各トランザクションの数量が引き続き取得されます。 「ソース・トランザクション・タイプ」は、グループに関連付けられた在庫トランザクション・タイプを示します。
「ソース・トランザクション・タイプ」、「ソース・トランザクション数量」および「ソース配分レイヤー参照」列が「プロジェクト・コストの管理」ページにどのように表示されるかを示す表を次に示します。
| トランザクション番号 | プロジェクト番号 | タスク番号 | 在庫品目 | 支出タイプ | 数量 | ソース・トランザクション数量 | ソース・トランザクション・タイプ | ソース配分レイヤー参照 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 7234500 | PDSC-TEST-001 | 1.2.2 | ケーブル | 資材 | 3 | 3 | その他入金 | 12345 |
| 7234501 | PDSC-TEST-001 | 1.2.2 | ケーブル | 間接費 | 0 | 3 | その他入金 | 12345 |
| 7234502 | PDSC-TEST-001 | 1.2.2 | ケーブル | 間接費 | 0 | 3 | その他入金 | 12345 |
「プロジェクト・コスト計算」および「プロジェクト管理」作業領域の「未処理コストの管理」、「コスト配分の管理」および「プロジェクト・コストの管理」ページのトランザクション・リスト・ビューに「ソース・トランザクション数量」、「ソース配分レイヤー参照」および「ソース・トランザクション・タイプ」列を選択して追加し、複数のコスト配分があるサプライ・チェーン・コストを識別および管理します。
複数のコスト配分があるインポート済サプライ・チェーン・トランザクションに対する修正
分割、分割および転送、転送などの数量ベースの修正を、グループの一部であるプロジェクト・ベースのサプライ・チェーン・コストに対して実行すると、修正はグループ内のすべてのプロジェクト・コスト・トランザクションに影響します。 このようなトランザクションに対して数量ベースの修正を行うと、「ソース・トランザクション数量」および「数量」の値が更新されます。 「分割」、「分割および転送」および「転送」の各修正ページでは、このようなトランザクションの修正を試行したときにその影響が通知されます。 これらのページにはさらに、修正の一部として影響を受けるグループに関連するトランザクションのリストも表示されます。 このようなトランザクションに対して修正を実行する場合、ソース・アプリケーションとの数量残高の突合せを試行する際には、加えられたすべての修正の数量情報を必ず考慮する必要があります。
請求可能値や資産計上可能値の修正や、請求書および収益への保留の適用およびリリースといった非数量修正は、個々のトランザクション・レベルで許可されます。
複数のコスト配分があるインポート済サプライ・チェーン・トランザクションの請求
請求適格基準を満たすゼロおよびゼロ以外の数量トランザクションがすべて請求に含められます。 また、トランザクションの請求可能または請求不可ステータスに基づく金額ベースの請求書の請求書明細配分のトランザクションも含まれます。 レート・ベースの請求は、数量ゼロのトランザクションには適用されません。
複数のコスト・トランザクションが必要な在庫品目のプランニングおよび予測
アプリケーションは、グループ内のプロジェクト・コスト・トランザクションの数量を合理化して、サプライ・チェーン・アクティビティに記録された実績数量を反映します。 これにより、計画値と実績値をレビューし、正確な数量情報を使用して、プロジェクトで計画されているサプライ・チェーン在庫品目の要件を確実に予測できます。
複数のコスト配分があるサプライ・チェーン・トランザクションのレポート
プロジェクト原価計算の次のOTBIサブジェクト領域には、「ソース・トランザクション数量」、「ソース・トランザクション・タイプ」およびソース配分レイヤー識別子属性があり、プロジェクト・ベースのサプライ・チェーン・コストに関連付けられた数量関連情報を表示できます。
- 実績コスト・リアルタイム
- 支出項目パフォーマンス・リアルタイム
- 未処理トランザクション・リアルタイム
- プロジェクト相互サブジェクト領域分析 - 相互トランザクション・メジャー
複数のコスト配分があるサプライ・チェーン・トランザクションを管理するREST API
複数の原価配分があるサプライ・チェーン・トランザクションを管理するには、プロジェクト・コストおよび未処理プロジェクト・コストREST APIの「ソース・トランザクション数量」、「ソース・トランザクション・タイプ」およびソース配分レイヤー識別子属性を使用します。
複数のコスト配分があるサプライ・チェーン・トランザクションの管理に関する考慮事項
- PJC_ZERO_QTY_NONBILLプロファイルを定義すると、プロジェクト・ベースのサプライ・チェーン・コストのグループのゼロ数量トランザクションが、インポートおよび修正時に請求不可としてマークされます。 適用可能なプロジェクト・コスト・トランザクションの請求可能情報は、トランザクション・レベルでのみ手動で更新できます。
- グループに属するサプライ・チェーン・ベースのプロジェクト・コスト・トランザクションの支出タイプを更新する場合は、同じ性質の支出タイプ(レート・ベースの支出タイプからレート・ベースの支出タイプへ、またはレート・ベースではない支出タイプからレート・ベースではない支出タイプ)で変更または更新することをお薦めします。
- 「分割」および「分割および転送」修正は、請求価格差異などの取得原価修正を伴うサプライ・チェーン・ベースのプロジェクト・コストではサポートされていません。
- グループに属するサプライ・チェーン・ベースのプロジェクト・コストの均等数量修正は、「分割および転送」修正でのみサポートされます。 たとえば、数量100の適用可能トランザクションを50%で分割し、後でこれを別のプロジェクトおよびタスクに転送する場合は、分割や転送を個別に実行するのではなく、「分割および転送」修正タイプを使用することをお薦めします。