4 Oracle Database Applianceベア・メタル・システムのプロビジョニング
Oracle Database Applianceベア・メタル・システムを構成するプロセスを説明します。
ベア・メタル・プラットフォーム構成をデプロイするには、ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用する方法をお薦めします。ブラウザ・ユーザー・インタフェースでは、システム、ネットワーク、データベースおよびOracle Auto Service Request (Oracle ASR)の構成など、Oracle Database Applianceのプロビジョニングに必要なフィールドがすべて提供されます。コマンドライン・インタフェースを使用する場合は、JSONファイルを作成してデプロイメント・オプションを構成する必要があります。
- ケーブル接続とネットワーク接続の確認
Oracle Database Applianceの電源をオンにした後、ネットワーク接続が正しく設定されていることを確認します。 - ネットワークのplumb
ノードに割り当てられたパブリック・インターネット・プロトコル(IP)情報でOracle Database Applianceネットワークをplumbして、Oracle Database Applianceソフトウェアのプロビジョニングを有効にします。 - Oracle Database Applianceソフトウェアのダウンロード
アプライアンスに更新を適用する前に、Oracle Database Applianceソフトウェアをダウンロードして一時的な場所にコピーします。 - Oracle Database Applianceソフトウェアのインストール
アプライアンスを作成する前に、Oracle Database Applianceソフトウェアをインストールします。 - アプライアンスの作成
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用してアプライアンスを作成します。 - ローカル・ボリュームの管理
論理ボリュームLOGVOLOPT
およびLOGVOLU01
のサイズを変更する方法を説明します。
ケーブル接続とネットワーク接続の確認
Oracle Database Applianceの電源を投入したら、ネットワーク接続が正しく設定されていることを確認します。
ネットワークのplumb
ノードに割り当てられたパブリック・インターネット・プロトコル(IP)情報を使用してOracle Database Applianceネットワークをplumbし、Oracle Database Applianceソフトウェアのプロビジョニングを有効にします。
重要:
Oracle Database Appliance X9-2、X10およびX11では、odacli configure-firstnet
コマンドで、同じタイプの2つのサポート対象ネットワークPCIカードの間でのポートの結合がサポートされています。
注意:
システムのデプロイ後にネットワーク結合を変更するには、cleanup.pl -cleanDefNet
コマンドを実行して、結合インタフェースにネットワーク設定が存在しないようにしてから、odacli configure-firstnet
コマンドを実行して新しい結合を構成します。
ノート:
odacli configure-firstnet
コマンドの実行時に、結合インタフェースでLink Aggregation Control Protocol (LACP)を有効にすると、lacp_rate
は1 (高速)に設定されます。このlacp_rate
をサポートできるようにスイッチ設定を調整する必要があります。
例4-1 結合構成の例
結合構成の場合は、結合パブリック・インタフェースの使用についてyesを選択し、DHCPを構成せずにbtbond3
インタフェースを使用するように最初のネットワークを構成します。
# /opt/oracle/dcs/bin/odacli configure-firstnet
Select the Interface to configure the network on (btbond1 btbond3 btbond4) [btbond1]:btbond3
Use LCAP bonding on btbond3 (yes/no) [no]:yes
INFO: network interface [btbond3] in LACP mode
Configure DHCP on btbond3 (yes/no) [no]:
INFO: You have chosen Static configuration
Use VLAN on btbond3 (yes/no) [no]:yes
Configure VLAN on btbond3, input VLAN ID [2 - 4094] 119
INFO: using network interface btbond3.119
Enter the IP address to configure : 10.31.129.36
Enter the Netmask address to configure : 255.255.255.240
Enter the Gateway address to configure [10.31.129.33] :
INFO: Restarting the network
Shutting down interface btbond1: [ OK ]
Shutting down interface btbond2: [ OK ]
Shutting down interface p3p1: [ OK ]
Shutting down interface p3p2: [ OK ]
Shutting down interface sfpbond1: [ OK ]
Shutting down loopback interface: [ OK ]
Bringing up loopback interface: [ OK ]
Bringing up interface btbond1: Determining if ip address 10.209.13.109 is already in use for device btbond1...
[ OK ]
Bringing up interface btbond2: [ OK ]
Bringing up interface sfpbond1: [ OK ]
例4-2 VLANの構成の例
# /opt/oracle/dcs/bin/odacli configure-firstnet
Select the Interface to configure the network on (btbond1 btbond3 btbond4) [btbond1]:btbond3
Use LCAP bonding on btbond3 (yes/no) [no]:yes
INFO: network interface [btbond3] in LACP mode
Configure DHCP on btbond3 (yes/no) [no]:
INFO: You have chosen Static configuration
Use VLAN on btbond3 (yes/no) [no]:yes
Configure VLAN on btbond3, input VLAN ID [2 - 4094] 119
INFO: using network interface btbond3.119
Enter the IP address to configure : 10.31.129.36
Enter the Netmask address to configure : 255.255.255.240
Enter the Gateway address to configure [10.31.129.33] :
INFO: Restarting the network
Shutting down interface btbond1: [ OK ]
Shutting down interface em1: [ OK ]
Shutting down interface p1p1: [ OK ]
Shutting down interface p1p2: [ OK ]
Shutting down loopback interface: [ OK ]
Bringing up loopback interface: [ OK ]
Bringing up interface btbond1:
Determining if ip address 192.0.2.24 is already in use for device btbond1...
[ OK ]
Bringing up interface em1: [ OK ]
Bringing up interface p1p1:
Determining if ip address 192.0.2.24 is already in use for device p1p1... [ OK ]
Bringing up interface p1p2:
Determining if ip address 192.0.2.24 is already in use for device p1p2...
[ OK ]
Bringing up interface btbond1.122:
Determining if ip address 192.0.2.24 is already in use for device btbond1.122...
[ OK
INFO: Restarting the DCS agent
initdcsagent stop/waiting
initdcsagent start/running, process 32104
デプロイ後のLACPの構成
-o
オプションをodacli configure-firstnet
コマンドで使用して、結合インタフェースでLACPを有効または無効にします。
# odacli configure-firstnet -o
INFO: Configure network option
Select the Interface to configure the network on (btbond1 btbond3 btbond5) [btbond1]:btbond3
Use LACP bonding on btbond3 (yes/no) [no]: yes
INFO: network interface [btbond3] setup in LACP mode
# odacli configure-firstnet -o
INFO: Configure network option
Select the Interface to configure the network on (btbond1 btbond3 btbond5) [btbond1]:btbond3
Use LACP bonding on btbond3 (yes/no) [yes]: no
INFO: network interface [btbond3] setup in active-backup mode
Oracle Database Applianceソフトウェアのダウンロード
アプライアンスに更新を適用する前に、Oracle Database Applianceソフトウェアをダウンロードして一時的な場所にコピーします。
Oracle Database Applianceソフトウェアのインストール
アプライアンスを作成する前に、Oracle Database Applianceソフトウェアをインストールします。
/u01
および/opt
は、以前のリリースにおけるそれらよりもサイズが小さくなっています。/u01
のサイズは40GBになり、/opt
のサイズは30GBになりました。プロビジョニング中に、/opt/oracle/oak/pkgrepos/orapkgs/clones
にマウントされた新しいACFSファイル・システムが作成されます。DATAディスク・グループは、ファイル・システムに150 GBの領域を提供します。Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのクローン・ファイルは、このファイル・システムに格納されます。
重要:
サードパーティ製ソフトウェアをOracle Database Applianceにインストールする場合は、そのソフトウェアによるOracle Database Applianceソフトウェアへの影響がないことを確認してください。サードパーティ製ソフトウェアによってOracle Database Appliance RPMのオーバーライドが試みられた場合は、Oracle Database Appliance RPMのバージョン・ロックで警告が表示されます。パッチ適用の正常な完了のためには、Oracle Database Applianceにパッチを適用する前に、影響を受けるRPMをリストアする必要があります。重要:
デプロイメントに最新のOracle Database Applianceファームウェアがあることを確認するには、最新のサーバー・パッチをダウンロードし、リポジトリを更新します。次に、odacli describe-component
コマンドを実行して、ファームウェアが最新か最新でないかを確認します。ファームウェアが最新でない場合は、Oracle Database Applianceソフトウェアをデプロイする前にodacli update-server
およびodacli update-storage
コマンドを実行します。ファームウェアが最新の場合は、サーバーおよびストレージを更新せずに、このトピック内の説明に従ってOracle Database Applianceソフトウェアをデプロイできます。サーバーまたはストレージを更新する前に、必ずodacli create-prepatchreport
コマンドを実行して事前チェック・レポートを生成してください。そうしないと、エラーが表示されます。
ノート:
パブリック・ネットワーク・ゲートウェイはpingリクエストに応答する必要があります。Oracle Clusterwareは、Oracle Database Appliance高可用性環境でのVIPフェイルオーバーを容易にするために、pingターゲットとしてパブリック・ネットワーク・ゲートウェイを使用します。ノート:
Oracle Database Applianceリリース19.27以降では、アプライアンスのプロビジョニング中にOracle ASMフィルタ・ドライバ(ASMFD)は自動的に構成されません。プロビジョニングJSONファイルにenableAFD
パラメータを指定しないでください。
アプライアンスの作成
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用してアプライアンスを作成します。
ノート:
マルチユーザー・アクセスを有効にする予定がある場合は、アプライアンスを作成する前に、「Oracle Database Applianceでのマルチユーザー・アクセスの実装」の章を参照してください。ODACLIコマンドを使用したアプライアンスの作成
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用するかわりに、odacli create-appliance
コマンドおよびアプライアンス構成設定を含むJSONファイルを使用して、アプライアンスをデプロイできます。提供されているJSONサンプル・ファイルとともに、/opt/oracle/dcs/sample
ディレクトリのreadmeを慎重に確認します。環境および要件に基づいて、必要な変更を加えたJSONファイルを作成します。
関連項目:
JSONサンプル・ファイルおよびJSONファイルを作成する手順は、このガイドの「JSONファイルを使用したアプライアンスの作成」を参照してください。ノート:
JSONファイルを作成する前に、readmeおよび例を慎重に検討することが重要です。設定に基づいてネットワークおよびOracle ILOMの情報を正しく入力していない場合は、ホストおよびOracle ILOMへのネットワーク・アクセスが失われます。ブラウザ・ユーザー・インタフェース(BUI)を使用したアプライアンスの作成
BUIを使用してアプライアンスを作成するには、次のステップに従います:
デプロイメント後に、root
ユーザーとデータベース・ユーザーSYS
、SYSTEM
およびPDBADMIN
はシステム・パスワードに設定されます。oracle
およびgrid
のパスワードはデフォルト・パスワードに設定されます。これらのパスワードをユーザー・セキュリティ・プロトコルに従うように変更します。
ローカル・ボリュームの管理
論理ボリュームLOGVOLOPT
およびLOGVOLU01
のサイズを変更する方法を説明します。
ローカル・ボリュームについて
VolGroupSys
に完全に割り当てられているこの3番目のパーティションで初期化されます。LogVolRoot
、LogVolU01
、LogVolOPT
およびLogVolSwap
という複数の論理ボリュームがVolGroupSys
に作成されます。単一ノードのOracle Database Applianceシステムでは、さらに2つの論理ボリューム(LogVolRECO
とLogVolDATA
、それぞれのサイズは1 GB)も作成されます。Oracle Database Applianceでは、LogVolRoot
、LogVolU01
およびLogVolOPT
がext4
(4番目の拡張ファイル・システム)としてフォーマットされ、それぞれ/
、/u01
および/opt
にマウントされます。これらの論理ボリュームでは、使用可能なストレージの一部(約125 GB)のみが使用されます。
ノート:
ローカル・ボリュームという用語は、オペレーティング・システム・ディスク上の初期化された論理ボリュームおよび物理ボリュームを指します。LOGVOLOPT
およびLOGVOLU01
には、Oracle Grid Infrastructureホームの作成、その他のソフトウェアのインストール、Oracle Grid Infrastructureログ・ファイルの作成などのための領域が十分にない場合があります。このような場合は、これらのローカル・ボリュームのサイズを拡張すると便利です。
ノート:
拡張後、Oracle Database Applianceツールを使用してローカル・ボリュームのサイズを縮小することはできません。ローカル・ボリュームの拡張は、慎重に計画する必要があります。ODACLIコマンドを使用したローカル・ボリューム・サイズの表示および拡張
odacli list-localvolumes
このコマンドでは、物理ボリュームの合計サイズ、ボリューム・グループで使用可能な空き領域、およびパッチ適用時にODABRバックアップのサポートに必要な領域が表示されます。また、ODABRバックアップ用に十分なバッファが確保されるように、ローカル・ボリュームを安全な方法で拡張するために使用できる領域も表示されます。さらに、システム内のすべてのローカル・ボリュームの詳細が表示されます。
odacli extend-localvolume --name volume_name --size increment_size_in_GB --force
このコマンドでは、LogVolU01
およびLogVolOPT
の拡張のみが可能になります。これにより、odacli list-localvolumes
の出力のSpace for extension
フィールドに示されるサイズまで拡張できます。
BUIを使用したローカル・ボリューム・サイズの表示および拡張
- ブラウザ・ユーザー・インタフェースに移動します。
oda-admin
ユーザーのパスワードを設定するよう求められます。https://ODA-host-ip-address:7093/mgmt/index.html
- アプライアンスのホームページで、左側のペインにある「Local Volumes」リンクをクリックします。
- 「Local Volumes Details」ページで、物理ボリュームおよび論理ボリュームの詳細を表示できます。高可用性システムの場合は、両方のノードについて、これらの詳細を表示できます。
- ローカル・ボリューム
LOGVOLOPT
およびLOGVOLU01
のサイズを増やすには、「Extend」をクリックします。ポップアップ・ウィンドウで、アクションを確認します。 - 「Extend Local Volume」ページで、「Volume Name」を選択し、「Increment Size」をGB単位で指定します。「Force Run」をクリックしてODABRバックアップ領域要件をオーバーライドします。
LOGVOLOPT
ボリュームとLOGVOLU01
ボリュームの両方を拡張できます。 - 操作を確認し、ジョブを発行します。ジョブ完了のステータスを追跡し、正常に完了したことを確認します。