ゾーン・ファイルのリソース・レコード
ゾーン・ファイルのリソース・レコードには次のフィールドが格納され、レコード・タイプによってはその一部はオプションです。
- 名前
-
ドメイン名またはIPアドレス。
- TTL (有効期間)
-
ネーム・サーバーが、より新しいレコードが使用可能かどうかをチェックせずにレコードをキャッシュする最大時間。
- クラス
-
インターネットの場合は常に
INです。 - タイプ
-
レコードのタイプ。たとえば:
A(アドレス)-
ホストに相当するIPv4アドレス。
AAAA(アドレス)-
ホストに相当するIPv6アドレス。
CNAME(正規名)-
ホスト名に相当する別名。
MX(メール交換)-
ドメインに対応する電子メールの宛先。
NS(ネーム・サーバー)-
ドメインのオーソリタティブ・ネーム・サーバーの完全修飾ドメイン名。
PTR(ポインタ)-
アドレスから名前への参照(逆引き名前解決)のIPアドレスに対応するホスト名。
SOA(オーソリティ開始)-
ゾーンに関するオーソリタティブ情報(プライマリ・ネーム・サーバー、ドメイン管理者の電子メール・アドレス、ドメインのシリアル番号など)。
SOAレコードの後に続く、次のSOAレコードまでのすべてのレコードは、定義するゾーンに関係します。
- データ
-
AレコードのIPアドレスやCNAMEまたはPTRレコードのホスト名など、レコードに保存される情報。
次の例では、/var/named/master-dataなどの典型的なゾーン・ファイルの内容を示します。
$TTL 86400 ; 1 day
@ IN SOA dns.us.example.com. root.us.example.com. (
57 ; serial
28800 ; refresh (8 hours)
7200 ; retry (2 hours)
2419200 ; expire (4 weeks)
86400 ; minimum (1 day)
)
IN NS dns.us.example.com.
dns IN A 192.168.2.1
us.example.com IN A 192.168.2.1
svr01 IN A 192.168.2.2
www IN CNAME svr01
host01 IN A 192.168.2.101
host02 IN A 192.168.2.102
host03 IN A 192.168.2.103
...セミコロン(;)の後ろは、行のコメントです。
$TTLディレクティブには、ゾーンの全リソース・レコードのデフォルトの有効期間値を定義します。 各リソース・レコードには、グローバル設定をオーバーライドする独自の有効期間値を定義できます。
SOAレコードは必須で、次の情報が含まれます。
-
us.example.com -
ドメインの名前。
-
dns.us.example.com. -
ネーム・サーバーの完全修飾ドメイン名で、ルート・ドメインの後のピリオド(
.)も指定します。 -
root.us.example.com. -
ドメイン管理者の電子メール・アドレス。
- serial
-
カウンタの増分時に、ゾーン・ファイルをリロードするように
namedに伝達します。 - refresh
-
プライマリ・ネーム・サーバーが、データベースをリフレッシュする必要があることをバックアップ・ネーム・サーバーに通知するまでの経過時間。
- retry
-
リフレッシュに失敗した場合に、バックアップ・ネーム・サーバーが再度リフレッシュを試みるまで待機する時間。
- expire
-
バックアップ・ネーム・サーバーのゾーン・レコードがすでにオーソリタティブでなくなり、問合せの応答を停止するまでに、バックアップ・ネーム・サーバーがリフレッシュを完了する必要がある最長経過時間。
- minimum
-
他のサーバーがこのゾーンから取得した情報をキャッシュする最小時間。
NSレコードは、ドメインのオーソリタティブ・ネーム・サーバーを宣言します。
各Aレコードには、ドメインのホスト名に相当するIPアドレスを指定します。
CNAMEレコードは、svr01の別名wwwを作成します。
詳細については、「BIND 9管理者リファレンス・マニュアル」を参照してください。