ソフトウェアRAIDレベル
通常、Oracle Linuxでは、次のソフトウェアRAIDレベルが実装されます:
- リニアRAID (スパンニング)
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複数のドライブをより大きい仮想ドライブに一体化します。 このレベルでは、データの冗長性やパフォーマンス上の利点はありません。 1つのドライブの障害で配列が使用できなくなるため、リジリエンスは低下します。
- RAID-0 (ストライプ化)
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パフォーマンスは向上しますが、データ冗長性は提供されません。 データはユニット(ストライプ)に分解され、すべてのドライブに配列で書き込まれます。 1つのドライブの障害で配列が使用できなくなるため、リジリエンスは低下します。
- RAID 0+1 (ストライプ化したディスクのミラーリング)
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パフォーマンスの向上とデータ冗長性の両方を提供するように、ストライプ化した配列をミラーリングしてRAID-0とRAID-1を組み合せたものです。 1つのディスクに障害が発生すると、そのディスクを交換してデータを再移入するまで、ミラーの1つは使用不可になります。 1つのミラーのみが使用可能な間は、リジリエンスが低下します。 多くの場合、コスト面ではRAID 0+1はRAID-1と同等か若干高くなります。
- RAID-1 (ミラーリング)
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各ドライブに同一のデータを配列で書き込み、データ冗長性およびリジリエンスを提供します。 1つのドライブに障害が発生した場合も、ミラーによりI/Oリクエストに対応できます。 ミラーリングは、同じ情報がすべてのディスクに配列で書き込まれるため、高コストなソリューションです。
- RAID 1+0 (ミラーリングしたディスクのストライプ化、またはRAID-10)
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パフォーマンスの向上とデータ冗長性の両方を提供するように、ミラーリングした配列をストライプ化してRAID-0とRAID-1を組み合せたものです。 1つのディスクに障害が発生すると、そのディスクを交換してデータを再移入するまで、1つのミラーは部分的に使用不可になります。 1つのミラーのみがデータの完全なコピーを保持している間は、リジリエンスが低下します。 多くの場合、コスト面ではRAID 1+0はRAID-1と同等か若干高くなります。
- RAID-5 (分散パリティ付きストライプ化)
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ストライプ化を使用することで読取りパフォーマンスを向上し、データ冗長性を提供します。 パリティはすべてのドライブ全体に配列で分散されますが、完全なミラーリングほど多くの領域は使用しません。 パリティ情報を計算し、データに加えて情報を書き込む必要性があるため、書込みパフォーマンスがある程度低下します。 配列のディスクの1つに障害が発生した場合は、パリティ情報を使用してデータが再構築され、I/Oリクエストに対応します。 このモードでは、障害が発生したドライブを交換して新しいドライブにデータおよびパリティ情報を再移入するまで、読取りパフォーマンスおよびレジリエンスは低下します。 コスト面では、RAID-5はRAID-0とRAID-1の中間です。
- RAID-6 (ダブル分散パリティ付きストライプ化)
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RAID-5の改良型で、よりリジリエンスがあり、配列内の2つのドライブの損失から回復できます。 ダブル・パリティは配列内のすべてのドライブに分散され、RAID-5よりも多くの領域を占有しますが、冗長性が確保されます。 たとえば、4つのディスクの配列で、配列内の2つのディスクに障害が発生した場合、パリティ情報を使用してデータを再構築します。 使用可能なディスク数は、ディスク数から2を引いたものです。 RAID-6は、データ冗長性とリジリエンスが重要で、パフォーマンスはそれほど重要視しない場合に使用します。 コスト面では、RAID-6はRAID-5とRAID-1の中間です。