8.2 データ・ポンプ・コマンドの構文と引数

データ・ポンプ・コマンドは、dpまたはdatapumpを使用して呼び出すことができます。

構文

dp help [examples|syntax] | export [<optional-argument>,...] | import [<optional-argument>,...] |

SQLclのデータ・ポンプについてヘルプ情報を表示するには、次のように入力します。

dp help

構文をすばやく表示し、その他の詳細を除外するには、次のように入力します。:

dp help syntax

ヘルプ内の例のみを表示するには、次のように入力します。

dp help examples

<optional argument>: 次の表に、使用可能なオプションの引数とそれぞれのデフォルト値を示します。

表8-1 オプションの引数

ファイル引数 説明 デフォルト
-credential、-c Oracle Object Storeでのダンプ・ファイル・アクセスの資格証明。 クラウド・ストレージ・コマンドで使用されたとおり
-directory、-d ダンプ・ファイルとログ・ファイルの読取りと書込みのための、デフォルトのデータベース・ディレクトリ。 DATA_PUMP_DIR
-dumpdirectory、-dd ダンプ・ファイル用のデータベース・ディレクトリ。 -directory (指定されている場合)またはDATA_PUMP_DIR
-dumpfile、-f <file-name>[,…]

データベース・ディレクトリを使用する場合のダンプ・ファイル名。

並列処理が有効かどうかに関係なく、複数のファイルを指定できます。指定するファイルの数は、並列度以上である必要があります。

<jobname><n>.DMP
-dumpuri、-u

[<uri>[,...] | <qualified-name>[,...]]

<uri>: クラウド・ストレージ・コマンドでデフォルトが設定されていない場合は、Oracle Object Storeファイルの完全なURI。

<qualifier>: オブジェクトの名前。オプションで、ネームスペースおよびバケットで修飾します。クラウド・ストレージ・コマンドで指定されたURIにこの修飾名を連結することで、オブジェクトのURIが完全に特定される必要があります。

Autonomous DatabaseからOracle Object Storeに直接読取り/書込みアクセスするには、資格証明を設定する必要があります。データベース・ディレクトリとOracle Object Storeの間の-copycloudの場合、OCI PROFILEを設定する必要があります。

並列処理が有効かどうかに関係なく、複数のURIを指定できます。指定するファイルの数は、並列度以上である必要があります。

デフォルトのオブジェクト名は<jobname>.DMPです
-logdirectory、-ld ログ・ファイル用のデータベース・ディレクトリ。 -directory (指定されている場合)またはDATA_PUMP_DIR
-logfile、-lf データベース・ディレクトリ内のログ・ファイル名。 <jobname><n>.LOG

表8-2 コマンド引数

コマンド引数 説明 デフォルト
-noexec、-ne

[TRUE | FALSE]

TRUE: PL/SQLを検証し生成しますが、実行はしません。

FALSE
-verbose、-ve

[TRUE | FALSE]

TRUE: 追加の診断出力を表示します。

FALSE

表8-3 共通引数

共通引数 説明 デフォルト
-copycloud、-cc

[TRUE | FALSE]

TRUE: データベース・ディレクトリとOracle Object Storeの間でダンプ・ファイルをコピーします。

エクスポートの場合は、データ・ポンプ・ジョブの完了後に、データベース・ディレクトリからOracle Object Storeにダンプ・ファイルをコピーします。

インポートの場合は、データ・ポンプ・ジョブが開始される前に、Oracle Object Storeからデータベース・ディレクトリにダンプ・ファイルをコピーします。

OCIコマンドまたはCLOUDSTORAGEコマンドを使用して、OCI PROFILEを設定します。CLOUDSTORAGEコマンド、SET DATAPUMPコマンドまたはDATAPUMPコマンドを使用して、クラウド・ストレージURIを設定します。

FALSE

-encryptionpassword、-enp

<password>

パスワードが指定されていない場合は、パスワードの入力を求められます。

エクスポートの場合、ダンプ・ファイルはパスワードを使用して暗号化されます。インポートの場合、エクスポートに使用したパスワードと同じパスワードを指定します。

なし

-excludeexpr、-ex

<object_type_expression>

ジョブから除外するオブジェクト・タイプまたはオブジェクト・タイプのセットを識別する式を指定します。例: -excludeexpr "IN ('GRANT','INDEX','TRIGGER')"

なし

-excludelist、-el

<object-type>[,...]

ジョブから除外するオブジェクト・タイプのカンマ区切り値リストを指定します。

例: -excludelist GRANT,INDEX,TRIGGER

なし

-includeexpr、-ix

<object_type_expression>

ジョブに含めるオブジェクト・タイプまたはオブジェクト・タイプのセットを識別する式を指定します。一致するオブジェクト・タイプとそれに依存するもののみがジョブに含められます。依存オブジェクトを除外するには、-excludelistまたは-excludeexprを使用します。例: -includeexpr "IN ('TABLE','VIEW')"

なし

-includelist、-il

<object_type>[,...]

ジョブに含めるオブジェクト・タイプのカンマ区切り値リストを指定します。一致するオブジェクト・タイプとそれに依存するもののみがジョブに含められます。依存オブジェクトを除外するには、-excludelistまたは-excludeexprを使用します。例: -includelist TABLE,VIEW

なし

-includemetadata、-im

[TRUE | FALSE]

TRUE: ジョブにメタデータを含めます。

TRUE
-includerows、-ir

[TRUE | FALSE]

TRUE: ジョブにデータを含めます。

TRUE
-jobname、-j

データ・ポンプ・ジョブの名前。

ジョブ名には、データ・ポンプで生成された番号が付加されます(ジョブ名の末尾が数字である場合を除く)。jobname<n>は、データ・ポンプ・ジョブの発行時に使用され、ダンプ・ファイル名およびログ・ファイル名、またはオブジェクト名のデフォルトとして使用されます。

ESQL_<n> | ISQL_<n> ここでのnはデータ・ポンプで生成された番号です。

-nameexpr、-nx

{<object-type>=<name-expression>}[;...]

指定したオブジェクト・タイプについて、ジョブに含めるオブジェクト名のセットを識別する式を指定します。例: -nameexpr TABLE="IN ('EMPLOYEES', 'DEPARTMENTS')";PROCEDURE="IN ('ADD_JOB_HISTORY','SECURE_DML')"

なし

-namelist、nl

{<object-type>=<name>[,...]}[;...]

指定したオブジェクト・タイプについて、ジョブに含めるオブジェクトのカンマ区切り値リストを指定します。例: -namelist TABLE=employees,departments;PROCEDURE=add_job_history,secure_dml

なし

-parallel、-p

<degree_integer>

複数のプロセスを同時に許可するジョブ内の並列度を調整します。並列度と同じ数のファイルを指定します。そうしないと、一部のプロセスがアイドル状態のままになる可能性があります。

1

-schemas、-s

<schema>[,...] - 処理するスキーマまたはスキーマ・リスト。

たとえば:
-schemas schema1,schema2
エクスポートの場合は、現在の接続のスキーマ。インポートの場合、デフォルトはFULLであり、ダンプ・ファイル内のすべてのオブジェクトがインポートされます。

-version、-v

{<nn.n> | COMPATIBLE | LATEST}

<nn.n>: 特定のデータベース・バージョン。たとえば、11.0.0。

Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降からOracle Database 12 cリリース1 (12.1)にエクスポートする場合は、値12を指定して、既存のすべてのデータベース機能、コンポーネントおよびオプションをエクスポートできるようにします。これは、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)または非CDBに適用されます。

COMPATIBLE: データベース互換性レベルおよび機能の互換性リリース・レベルからのメタデータ・バージョンを使用します。

LATEST: メタデータのバージョンはデータベースのバージョンに対応します。

COMPATIBLE

-wait、-w

[TRUE | FALSE]

TRUE: データ・ポンプ・ジョブが終了するまで待機し、サマリー結果を表示します。

FALSE: 待機も結果表示もなしでデータ・ポンプ・ジョブを発行します。

TRUE

表8-4 エクスポート専用の引数

エクスポート専用の引数 説明 デフォルト
-compression、-cm

{ALL | DATA_ONLY | METADATA_ONLY | NONE}

ユーザー・データおよびメタデータに圧縮が必要かどうかを示します。

ALL: ユーザー・データとメタデータを圧縮します。

DATA_ONLY: ユーザー・データのみを圧縮します。

METADATA_ONLY: メタデータのみを圧縮します。

NONE: ユーザー・データもメタデータも圧縮しません。

METADATA_ONLY

-estimate、-e

{BLOCKS | STATISTICS}

表のサイズの見積り方法を指定します。これは、ジョブを開始する前に実行する必要があります。

BLOCKS: 見積りは、ユーザー表に割り当てられたブロックの数を使用して計算されます。

STATISTICS: 見積りは、各表の統計を使用して計算されます。表に使用可能な統計がない場合は、BLOCKSが使用されます。

 

-encryption、-en

{ALL | DATA_ONLY | ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY | METADATA_ONLY | NONE}

-encryption NONEを指定していない場合、暗号化オプションを指定すると暗号化がオンになります。

NONE、または他の暗号化オプションが指定されている場合はALL。

-encryptionalgorithm、-ena

{AES128 | AES192 | AES256}

使用する暗号化アルゴリズムを識別します。

AES128

-encryptionmode、-enm

{DUAL | PASSWORD | TRANSPARENT}

暗号化および復号化で使用するセキュリティ・タイプを指定します。

PASSWORDは、指定されたパスワードを使用してダンプ・ファイルを暗号化します。

TRANSPARENTは、Oracle Encryption Walletが使用可能な場合に暗号化を有効にします。

DUALは、Oracle Encryption Walletまたはパスワードを使用したインポートを有効にします。DUALを使用する場合、-encryptionpasswordを指定する必要があります。

TRANSPARENT、または-encryptionpasswordが指定されている場合はPASSWORD。

-filesize、-fs

{<n>{B | KB | MB | GB | TB}}

ファイルのサイズを制限します。

500 MB

-flashbackscn、-fb

[TRUE | FALSE]

TRUE: 実行の開始時のシステム変更番号(SCN)に基づいて一貫性のあるデータベース・コンテンツを使用します。

FALSE

-reusefile、-r

[TRUE | FALSE]

TRUE: 既存のダンプ・ファイルを新しいファイルで置き換えます。

TRUE

表8-5 インポート専用の引数

インポート専用の引数 説明 デフォルト

-columnencryption、-ce

[TRUE | FALSE]

TRUE: 表メタデータに列暗号化句を含めます。

FALSE 列暗号化句を省略します。

データベースでサポートされている場合はTRUE

-objectid、-oid

[TRUE | FALSE]

TRUE: エクスポートされたOIDを割り当てます。

FALSE: 新しいOIDを割り当てます

TRUE

-remapschemas、-rs

{<oldSchema>=<newSchema>[,…]}

ジョブ内の<oldSchema>オブジェクトは<newSchema>に移動されます。例: oldschema1=newschema1,oldschema2=newschema2。

該当なし

-remaptablespaces、-rt

{<oldTablespace>=<newTablespace>[,…]}

ジョブ内の<oldTablespace>記憶域セグメントは<newTablespace>に再配置されます。例: oldtablespace1=newtablespace1、oldtablespace2=newtablespace2

該当なし

-segmentattributes、-sa

[TRUE | FALSE]

TRUE: セグメント属性句(物理属性、記憶域属性、表領域、ロギング)を含めます。

TRUE

-skipunusableindexes、-sui

[TRUE | FALSE]

TRUE: 行は、使用できない索引を持つ表に挿入されます。

TRUE

-storage、-st

[TRUE | FALSE]

TRUE: 記憶域句を含めます。

TRUE

-tableexists、-te

{APPEND | REPLACE | SKIP | TRUNCATE}

インポート中に表が存在する場合に実行する処理です。

APPEND: 新しい行は、表内の既存の行に追加されます。

REPLACE: 新しい表が作成される前に、古い表が削除されます。

SKIP: 既存の表が変更されることはありません。

TRUNCATE: 行が既存の表から削除された後に、インポートによる行が挿入されます。

-includemetadata trueの場合はSKIP。それ以外の場合は、インポート中に表が存在すればAPPENDアクションが実行されます。

-tablecompression、-tc

[TRUE | FALSE]

TRUE: 表圧縮句がサポートされている場合はそれが含まれます。

FALSE: 表には、表領域のデフォルトの圧縮が適用されます。

TRUE