3 設定のベスト・プラクティスについて学ぶ

Oracle Account Reconciliation Cloud Serviceなどの勘定科目照合コンプライアンス・ソリューションの実装は、科学というよりはむしろ技法です。1つの正しい方法があるわけではありません。この項では、実装メソドロジとフォーマットの設計という2つの難易度の高い実装の問題に対するベスト・プラクティスを提示します。

実装メソドロジ

実装メソドロジは、組織でAccount Reconciliationをどのように導入するかについてのオプションです。できるだけ短時間で測定可能な成功を収めることにフォーカスすることをお薦めします。ほとんど企業にとって、これは、照合の必要な各勘定科目が実際に照合されるということです。追跡のみの実装を使用することで、ビジネスに大きな支障もなくすぐにこの目標を達成できます。

追跡のみの実装

追跡のみの実装では、照合方法を変更する必要はありません。実行されていることを単に追跡するだけです。主に影響するのはフォーマットの設計です。これらの実装では、初期導入に1つまたは2つのフォーマットのみ準備します。これらの単純なフォーマットは、完了した照合(通常はExcelで実行)を添付するためのものです。製品で提供される標準フォーマットにはサンプルの追跡フォーマットが含まれています。追跡のみの方法を実装すると、照合プロセスのステータスが完全に視覚化され、照合自体に一元的にアクセスできます。

フォーマットの設計

ユーザーがこのプロセスに慣れてきたら、実行される各照合が必ず有効な照合であるようにするなどの2次目標に向けた取組みを始めることができます。これは、効果的なフォーマットの設計によって達成します。照合フォーマットの設計に最適なのは、勘定科目タイプ・レベルです。買掛金、売掛金、固定資産などの補助元帳に対応した勘定科目は、追跡のみのフォーマットからカスタム・フォーマットへの移行が最も簡単な勘定科目です。この種の勘定科目の移行は、補助元帳の残高のロードの自動化と同時になるようタイミングを合せると最もよいです。このようにすると、ソースとサブシステムの残高を照合する際自動照合のメリットがユーザーからすぐに認識されます。

前払、経過勘定、引当金、準備金などの補助元帳に対応しておらず、勘定科目分析方法を使用して照合を行う必要がある勘定科目は難易度がより高くなります。こういった勘定科目に対するベスト・プラクティスは、必要な分析をユーザーが実行できるようガイドし、質の高い照合が行われるようなフォーマットを設計することです。フォーマットの設計によって、照合アイテムまたは残高の説明が入力される際にどのような情報が含まれる必要があるかを厳密にカスタマイズできます。

データを検証したり、添付を必要とするルールを追加することもできます。たとえば、無形資産の場合、残高を構成する項目の概要を求めるのではなく、項目の質を評価する質問をし、それを勘定科目の残高とするのが適当であることを確認できます。勘定科目タイプ・レベルでカスタム・フォーマットを導入することで、最もリスクの高い勘定科目をターゲットとし、それほど必要性の高くない分野での混乱を最小限にすることができます。

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