スナップショットを使用したOracle Analytics Cloudの移行

ダウンロードおよびアップロード機能を使用すると、スナップショットをローカル・ファイル・システムに保存して、クラウドに再びアップロードできます。これらの機能を使用して、2つの異なるサービス間でコンテンツを移行し、開発、テスト、本番環境間で移行し、Oracle Cloud Infrastructure ClassicでデプロイしたサービスをOracle Cloud Infrastructureに移行します。

Oracle Analytics Cloudの移行について

コンテンツと設定は、スナップショットを使用して1つのOracle Analytics Cloud環境から別の環境に簡単に移行できます。すべてのものを移行したり、特定タイプのコンテンツを移行できます。

移行の前提条件

スナップショットを使用してユーザー・コンテンツを移行する前に、ソース環境とターゲット環境を検証します。
  • ソース環境とターゲット環境の両方でOracle Analytics Cloud 5.1.x以降が使用されていることを確認します。以前のバージョンから作成したスナップショットでは、環境全体を取得できません。

    よくわからない場合、オラクル社の担当に問い合せてください。

  • まだOracle Cloud Infrastructure上でターゲット・サービスを作成していない場合は、作成します。

    Oracle Cloud InfrastructureでのOracle Analytics Cloudの管理(Gen 2)Oracle Analytics Cloudによるサービスの作成に関する項を参照してください。

  • ファイルベースのデータを移行する必要がある場合は、ソース環境とターゲット環境が稼働中であり、有効なストレージ資格証明を使用して構成されていることを確認します。

    ストレージ・アクセスの問題によって、スナップショットを使用してデータ・ファイルを移行できない場合があります。そのような場合は、データ移行ユーティリティを使用して、別々にデータ・ファイルをダウンロードしてからアップロードできます。

移行されない項目

一部のOracle Analytics Cloudアーティファクトはスナップショットに含まれていません。Oracle Analytics Cloud以外のアーティファクトも含まれていません。

移行されない項目 詳細情報
ウィルス・スキャナ構成 ソース環境で使用されているウィルス・スキャナ構成を記録し、同じ情報を使用してウィルス・スキャナをターゲット環境に構成します。ウィルス・スキャナの構成を参照してください。
メール・サーバー構成 ソース環境で使用されているSMTPメール・サーバー構成を記録し、その情報を使用してメール・サーバーをターゲットに構成します。レポート配信のためのメール・サーバーの設定を参照してください。
ソース環境のその他の保存済スナップショット

必要に応じて、移行する個々のスナップショットをダウンロードし、ターゲットにアップロードします。スナップショットのインポートを参照してください。

ユーザー(およびグループ)

Oracle Cloud Infrastructure Identity and Access Management (IAM)アイデンティティ・ドメインからの移行

Oracle Cloud Infrastructureコンソールのエクスポートおよびインポート機能を使用して、アイデンティティ・ドメイン間でユーザーおよびグループを移行します。Oracle Cloud Infrastructureドキュメントのデータの転送を参照してください。

Oracle Identity Cloud Serviceからの移行

Oracle Identity Cloud Serviceコンソールのエクスポートおよびインポート機能を使用して、アイデンティティ・ドメイン間でユーザーおよびグループを移行します。Oracle Identity Cloud Serviceユーザーの管理およびOracle Identity Cloud Serviceグループの管理を参照してください。

組込みWebLogic LDAP Serverからの移行

スクリプトwls_ldap_csv_exporterを使用して、ターゲットOracle Identity Cloud ServiceにインポートできるCSVファイルにユーザーおよびグループをエクスポートします。組込みWebLogic LDAP Serverからのユーザーおよびグループのエクスポートを参照してください。

アイデンティティ管理構成

ターゲット環境でOracle Cloud Infrastructureコンソールを使用して、ソース環境で構成したユーザー(またはグループ)アプリケーション・ロール割当てを再構成し、シングル・サインオン(SSO)などを再構成します。

ネットワーク構成 必要に応じて、ターゲット環境にネットワーク要件を設定します。

Oracle Analytics Cloudへの移行の一般的なワークフロー

スナップショットを使用して、Oracle Analytics Cloudを他の環境に移行します。次に、必要な作業を示します。

タスク 説明 詳細情報
スナップショットを使用した移行方法の理解 スナップショットで移行できる内容と移行できない内容、および前提条件を理解します。

Oracle Analytics Cloudの移行について

ターゲット・サービスの作成 Oracle Cloud Infrastructureに新しいサービスをデプロイするには、Oracle Cloud Infrastructureコンソールを使用します。

Oracle Analytics Cloudによるサービスの作成

ユーザーおよびグループの移行

Oracle Cloud Infrastructureコンソールのエクスポートおよびインポート機能を使用して、アイデンティティ・ドメイン間でユーザーおよびグループを移行します。Oracle Analytics Cloudのユーザーを移行する方法は、アイデンティティ・ドメインが自分のクラウド・アカウントで使用可能かどうかによって異なります。不明な場合、ユーザーおよびグループの設定についてを参照してください。

ソース・システムでアイデンティティ管理に組込みWebLogic LDAP Serverを使用している場合は、wls_ldap_csv_exporterスクリプトを使用して、ユーザーおよびグループをCSVファイルにエクスポートします。

データの転送(IAMユーザー)

Oracle Identity Cloud Serviceユーザーの管理

組込みWebLogic LDAP Serverからのユーザーおよびグループのエクスポート

ソースでのスナップショットの作成

移行するコンテンツをソース・システムで取得します。

スナップショットの作成

スナップショットのエクスポート

ローカル・ファイル・システムまたはOracle Cloud Infrastructureのストレージ・バケットに移行するスナップショットをダウンロードします。

スナップショットのエクスポート

ターゲットへのスナップショットのアップロード

ターゲット・システムにサインインし、スナップショットをアップロードします。

スナップショットのインポート

スナップショット・コンテンツの復元

保存済スナップショットのリストから新しくアップロードしたスナップショットを選択し、スナップショットのコンテンツを復元します。

スナップショットからの復元

データ・ファイルの移行

データ移行ユーティリティを使用して、データ・ファイルを環境間で移行します。

次の場合のみ必要です:
  • 別のリージョンに移行する。
  • Gen 1のOracle Analytics CloudまたはOracle Cloud Infrastructure ClassicからGen 2のOracle Analytics Cloudに移行する。
  • 復元プロセスが、ネットワーク接続またはストレージ・アクセスの問題により失敗した。

ファイルベース・データの移行

ウィルス・スキャナの再構成 ソース環境のウィルス・スキャナ構成を記録し、それを使用してウィルス・スキャナをターゲット環境に構成します。

ウィルス・スキャナの構成

メール・サーバーの再構成

ソース環境のSMTPメーター・サーバー構成を記録し、それを使用してメーター・サーバーをターゲット環境に構成します。

レポート配信のためのメール・サーバーの設定

(オプション)他のスナップショットの移行 必要に応じて、移行する個々のスナップショットをダウンロードし、ターゲット環境にアップロードします。

スナップショットのエクスポート

スナップショットのインポート

アイデンティティ管理構成の移行 ターゲット環境でOracle Cloud Infrastructureコンソールを使用して、ソース環境で構成したユーザー(またはグループ)アプリケーション・ロール割当てを再構成し、シングル・サインオン(SSO)などを再構成します。

空白

ファイルベース・データの移行

ユーザーは、スプレッドシートなどのデータ・ファイルをOracle Analytics Cloudにアップロードしてデータセットを作成します。新しいOracle Analytics Cloud環境に移行するとき、このファイルベースのデータを取得できます。場合によっては、ネットワークの接続性またはストレージ・アクセスの問題により、スナップショットのデータ・ファイルを移行できないことがあります。そのような場合のために、Oracle Analytics Cloudには、新しい場所へのデータ・ファイルの移動を可能にするCLIユーティリティ(コマンドライン・インタフェース)が用意されています。スナップショットCLIユーティリティで、データ・ビジュアライゼーション用にユーザーがアップロードする可能性のあるマップ関連のプラグインおよび拡張ファイルも移行されます。

データ・ファイルを含むスナップショットを復元するときに、Restore succeeded with errors - data restore failed(または類似の)メッセージが表示された場合に、データ移行CLIユーティリティを実行します。これは、次の場合に発生します:
  • コンテンツを別のリージョンから移行する。
  • Gen 1のOracle Analytics CloudまたはOracle Cloud Infrastructure ClassicからGen 2のOracle Analytics Cloudにコンテンツを移行する。
  • 復元プロセスが、一部のその他のネットワーク接続またはストレージ・アクセスの問題により失敗した。

CLIユーティリティを使用すると、1回のステップでデータ・ファイルを環境間で移行できます。または、2回のステップで、ファイルベース・データをZIPファイルにダウンロードし、選択した環境にデータ・ファイルをアップロードすることもできます。

  1. 環境の詳細を確認します。
    • ソースとターゲットの両方のシステムで、Oracle Analytics Cloud 5.3以降を使用していることを確認します。以前のバージョンではCLIユーティリティを使用できません。

      よくわからない場合、オラクル社の担当に問い合せてください。

    • ソースとターゲットの両方のシステムが稼働中であり、Oracle Analytics Cloudが有効なストレージ資格証明を使用して構成されていることを確認します。

    • ローカル環境を確認します。CLIユーティリティを実行するには、Java 1.8以上が必要です。

    • CLIユーティリティを実行する予定のローカル環境から、ソース環境およびターゲットのOracle Analytics Cloudにアクセスできることを確認します。

    • ファイルベースのデータが含まれている、以前にダウンロードしたスナップショットの名前および場所を確認します。たとえば、/tmp/20190307095216.barなどです。
  2. CLIユーティリティをダウンロードします。
    1. ターゲットのOracle Analytics Cloudで、「コンソール」「スナップショット」の順にクリックします。
    2. 「ページ・メニュー」ページ・メニューをクリックし、「データ移行ユーティリティのダウンロード」を選択します。
      指示に従ってmigrate-oac-data.zipファイルをローカルに保存します。
  3. migrate-oac-data.zipを解凍します。

    ZIPファイルには次の3つのファイルが含まれます:

    • migrate-oac-data.jar
    • config.properties
    • readme
  4. 1回のステップで、ソース環境に保存されているデータ・ファイルをターゲットに直接移行する場合は、config.properties[MigrateData]セクションを構成します。
    [MigrateData]
    # Migrate data files from a source Oracle Analytics Cloud environment (OAC) to a target Oracle Analytics Cloud environment.
        # Specify the source environment as Oracle Analytics Cloud.
          SOURCE_ENVIRONMENT=OAC
        # Source Oracle Analytics Cloud URL. For example: https://sourcehost.com:443 or http://sourcehost.com:9704
          SOURCE_URL=http(s)://<Source Oracle Analytics Cloud Host>:<Source Port>
        # Name of a user with Administrator permissions in the source environment. For example: SourceAdmin
          SOURCE_USERNAME=<Source Administrator User Name>
        # Location of the source snapshot (.bar file). For example:  /tmp/20190307095216.bar
          BAR_PATH=<Path to Source Snapshot>
        # Target Oracle Analytics Cloud URL. For example: https://targethost.com:443 or http://targethost.com:9704
          TARGET_URL=http(s)://<Target Oracle Analytics Cloud Host>:<Target Port>
        # Name of a user with Administrator permissions in the target environment. For example: TargetAdmin
          TARGET_USERNAME=<Target Administrator User Name>
  5. 最初にソースのOracle Analytics Cloudからローカル環境にデータ・ファイルをダウンロードし、次にターゲットのOracle Analytics Cloud環境にデータ・ファイルをアップロードする場合、config.properties[DownloadDataFiles]および[UploadDataFiles]セクションを構成します。
    [DownloadDataFiles]
    #Download Data Files: Download data files from Oracle Analytics Cloud storage to a local repository
        # Specify the source environment as Oracle Analytics Cloud.
          SOURCE_ENVIRONMENT=OAC
        # Source Oracle Analytics Cloud URL. For example: https://sourcehost.com:443 or http://sourcehost.com:9704
          SOURCE_URL=http(s)://<Source Oracle Analytics Cloud Host>:<Source Port>
        # Name of a user with Administrator permissions in the source environment. For example: SourceAdmin
          SOURCE_USERNAME=<Source Administrator User Name>
        # Location of the source snapshot (.bar file). For example:  /tmp/20190307095216.bar
          BAR_PATH=<Path to Source Snapshot>
        # Local data file directory. Make sure you have enough space to download the data files to this directory. For example: /tmp/mydatafiledir 
          DATA_FRAGMENTS_DIRECTORY=<Data Files Directory>
         # Data fragment size. Data files are downloaded in fragments. Default fragment size is 500MB.
          MAX_DATA_FRAGMENT_SIZE_IN_MB=500
    [UploadDataFiles]
    #Upload data files: Upload data files to the target Oracle Analytics Cloud. 
        # Target Oracle Analytics Cloud URL. For example: https://targethost.com:443 or http://targethost.com:9704
          TARGET_URL=http(s)://<Target Oracle Analytics Cloud Host>:<Target Port>
        # Name of a user with Administrator permissions in the target environment. For example: TargetAdmin
          TARGET_USERNAME=<Target Administrator User Name>
        # Local directory containing the data files you want to upload. For example: /tmp/mydatafiledir
          DATA_FRAGMENTS_DIRECTORY=<Data Files Directory>
        # Location of the source snapshot (.bar file). For example:  /tmp/20190307095216.bar
          BAR_PATH=<Path to Source Snapshot>
  6. ローカル環境でmigrate-oac-data.jarファイルを実行します。

    構文:

    migrate-oac-data.jar [-config configfile] [-d] [-help] [-m]  [-u]

    ここで:

    • -config configfile : config.propertiesファイルの名前

    • -d : config.propertiesの情報を使用して、データをローカルにダウンロードします

    • -help : ヘルプを表示します

    • -m : config.propertiesファイルのソースおよびターゲット情報を使用してデータを移行します

    • -u : config.propertiesファイルの情報を使用してデータをアップロードします

    たとえば、1回のステップでデータ・ファイルを移行するには、次のように指定します。

    java -jar migrate-oac-data.jar -m -config config.properties

    たとえば、データ・ファイルをローカルにダウンロードするには、次のように指定します。

    java -jar migrate-oac-data.jar -d -config config.properties

    たとえば、データ・ファイルをアップロードするには、次のように指定します。

    java -jar migrate-oac-data.jar -u -config config.properties
  7. ターゲットのOracle Analytics Cloudにサインインします。
  8. Oracle Analytics Cloudでデータ・ファイルを公開するには、2回目の残りのコンテンツの移行で使用したスナップショットをリストアする必要があります。今回は、「カスタム」復元オプションを選択する必要があります。
    1. コンソールを開き、「スナップショット」をクリックします。
    2. データ・ファイルが含まれるスナップショットを選択します。
    3. 「カスタム」復元オプションを選択し、「ファイルベース・データ」オプションを選択します。
      他のすべてのオプションを選択解除します。
    4. 「リストア」をクリックします。
  9. データ・ファイルが使用可能であることを確認します。