スナップショットについて

スナップショットはある特定の時点の環境の状態を取り込んだものです。スナップショットには、外部データ・ソースでホストされるデータは含まれていません。

バックアップと復元

何か問題が発生しても環境を復元できるように、ユーザーがシステムを開始する前と、その後一定の間隔で環境のスナップショットを作成します。スナップショットをローカル・ファイル・システムまたはクラウド・ストレージにエクスポートして保存しておき、コンテンツの復元が必要になったときにそれらをシステムにインポートにできます。ダウンロードするスナップショット・ファイルは、圧縮されたアーカイブ・ファイル(BARファイル)です。

オンラインで保持できるスナップショットは最大40で、必要なだけオフライン・ストレージにエクスポートできます。スナップショットのエクスポートを参照してください。

Oracle Analytics Cloudでは、ユーザーがセマンティック・モデルに変更を公開するとスナップショットが自動的に作成され、旧モデル・バージョンに戻す必要が予期せずに生じた場合に備えて、最新の5つのスナップショットを保持します。自動的にスナップショットが生成される最小間隔は、1時間です。

注:

コンソールまたはREST APIを使用して、スナップショットを作成および復元できます。コンソールの「スナップショット」ページには、コンソールを使用して作成したスナップショットがリストされます。スナップショットの作成および情報の復元を参照してください。REST APIを使用して作成および登録したスナップショットは、「スナップショット」ページには表示されません。REST APIを使用したスナップショットの管理を参照してください。

コンテンツ移行

スナップショットは、コンテンツを別の環境に移行する場合にも役立ちます。たとえば、次を行うとします:
  • 開発環境またはテスト環境で作成したコンテンツを本番環境に移行します。
  • 別のOracle製品で作成し、スナップショット(BARファイル)にエクスポートしたコンテンツを移行します。

    複数のOracle製品からBARファイルを生成して移行できます。

    • Oracle Analytics Cloud
    • Oracle Analytics Server
    • Oracle BI Enterprise Edition

別の環境で作成したスナップショットをリストアする時:

  • スナップショットは、ターゲット環境と同じバージョン(またはそれより前のバージョン)の環境で作成されている必要があります。

    たとえば、2022年5月の更新を含むOracle Analytics環境のスナップショットを作成した場合、2022年5月以降の更新(2022年7月など)を含む他のOracle Analytics環境にそれをリストアできます。このスナップショットを、それより前の更新(2022年3月など)を含むOracle Analytics環境にリストアすることはできません。

  • ターゲット環境でサポートされないカタログ・オブジェクトは移行されません。

  • ほとんどの場合、データセットに関連付けられているデータをターゲット環境にアップロードする必要があります。

除外

スナップショットに含まれない項目がいくつかあります:
  • データ・ファイル - データセットを作成するためにユーザーがアップロードするXLSX、XLS、CSVまたはTXTファイル。実際のファイルではなくデータ・ファイルの参照を含めることができます。
  • マップ・レイヤーと背景 - ビジュアライゼーションやレポートを拡張するためにユーザーがアップロードするカスタム・マップ・レイヤーおよびマップ背景。
  • スナップショット・リスト - 「スナップショット」ページに表示されるスナップショットのリスト。

スナップショットの作成時のオプション

スナップショットを作成するとき、スナップショットに含めるコンテンツを選択します。環境全体のスナップショット(すべて)を作成したり、バックアップまたは移行する特定のコンテンツのみ(カスタム)を指定できます。

  • すべて - 環境全体をスナップショットに保存します。このオプションは、次の場合に役立ちます:
    • 障害が発生した場合に、すべてをバックアップします。
    • 新しい環境にすべてを移行します。
    • 既存の環境をクローニングします。
  • カスタム - スナップショットに保存するコンテンツを選択します。コンテンツ・タイプによって、常に含まれる場合と、オプションの場合があります。
    スナップショット・オプション 説明 オプションか
    データ ユーザーが作成するデータ・ビジュアライゼーション・コンテンツ(「データ」タブ)。 空白
    • データセット
    データ・ビジュアライゼーションおよびデータ・フロー用にユーザーが作成するデータセット。 常に含む
    • ファイルベース・データ

    データセットを作成するためにユーザーがアップロードするファイルベース・データ。例: スプレッドシートからアップロードされたデータ。このオプションはデータ・ファイルの参照をキャプチャします。実際のデータ・ファイルはスナップショットには含まれません。

    オプション
    • 接続
    ユーザーがデータをビジュアル化できるように作成するデータ接続。 常に含む
    • データ・フロー
    データ・ビジュアライゼーション用にユーザーが作成するデータ・フロー。 常に含む
    • シーケンス
    データ・ビジュアライゼーション用にユーザーが作成する順序。 常に含む
    • データ・レプリケーション
    データ・ビジュアライゼーション用にユーザーが作成するデータ・レプリケーション。 オプション
    • セマンティック・モデルとサブジェクト領域
    ユーザーが開発するセマンティック・モデル(SMML)とユーザーがデプロイする(RPDs)。 常に含む
    機械学習 ユーザーがデータ・フローから作成する機械学習モデル。 常に含む
    ジョブ

    データ・フロー、順序、データ・レプリケーションおよびピクセルパーフェクト・レポートに対してユーザーがスケジュールするジョブ。

    オプション
    プラグインと拡張機能

    カスタム・ビジュアライゼーションおよびカスタム・マップを実装するためにユーザーがアップロードする拡張機能。

    オプション
    構成と設定

    コンソールを使用して構成されたサービス構成と設定。例: メール設定、データベース接続、安全ドメイン、データ接続構成など。

    ノート: システム設定はスナップショットには含まれません。

    オプション
    Day By Day

    自分用フィード、リマインダ、コメント、共有カードなどのDay by Dayコンテンツ。

    オプション
    アプリケーション・ロール
    • コンソールを使用して管理者が作成したユーザー定義のアプリケーション・ロール。
    • 各アプリケーション・ロールのメンバーシップ詳細(ユーザー、グループ、各アプリケーション・ロールに割り当てられているその他のアプリケーション・ロール)。
    常に含む
    資格証明
    • データ接続: 資格証明およびホスト、ポート、ユーザー名、パスワードなどの他の接続パラメータ。資格証明を除外した場合は、スナップショットを復元した後に接続詳細を再構成する必要があります。
    • クラウド・ストレージ: ユーザーがアップロードするファイルベースのデータが格納されているクラウド・ストレージにアクセスするために必要な資格証明。スナップショットにファイルベースのデータを含めるときに、コンテンツを別の環境に移行する予定である場合、ストレージの資格証明を含めます。資格証明を除外する場合、データ移行ユーティリティを使用して、データ・ファイルを個別にダウンロードしてからアップロードできます。
    オプション
    クラシック・コンテンツ

    Oracle Analytics Cloudにユーザーが作成するコンテンツ(ワークブック、分析、ダッシュボード、ピクセルパーフェクト・レポートなど)。

    常に含む
    • カタログ・コンテンツ
    将来使用するためにユーザーが作成して保存するコンテンツが含まれたカタログ(ワークブック、分析、ダッシュボード、レポート、配信、エージェントなど)。 常に含む
    • 共有フォルダ(ワークブックを含む)

    共有されるコンテンツ、つまり、アクセス権がある全ユーザーが表示できるコンテンツ。

    これには、共有フォルダに保存されたすべてのワークブックが含まれます。

    常に含む
    • ユーザー・フォルダとパーソナライズ(ワークブックを含む)

    ユーザー・フォルダに保存されたコンテンツ。ユーザーが個人的に使用するために作成して保存するコンテンツ。

    これには、ユーザーがプライベート・フォルダに保存したすべてのワークブックと、これらのワークブックに対して行ったすべてのパーソナライズが含まれます。

    オプション

スナップショットの復元時のオプション

スナップショットからコンテンツを復元するとき、いくつかのオプションがあります。スナップショット内にあるコンテンツのみの復元、環境内のすべての復元、またはスナップショット内の特定の項目セットの復元(カスタム)を実行できます。

  • スナップショット・コンテンツのみの置換 - 環境でサポートされているスナップショット内のすべてのものが復元されます。スナップショットから除外されたコンテンツ・タイプは、変更されずに環境内に保持されます。
  • すべての置換 - スナップショット内の情報を使用して、環境全体を置換します。

    スナップショットから除外されたコンテンツ・タイプは、デフォルト状態(つまり、コンテンツなし)に復元されます。たとえば、スナップショットにジョブを含めないことにした場合、スナップショットを復元すると、システムに存在するジョブはすべて削除され、ジョブの機能はデフォルト設定で復元されます。例外として、スナップショットにファイルベース・データセット、プラグインまたは拡張機能を含めない場合、これらの項目は変更されずに保持されます。

    このオプションは、次の場合に役立ちます:

    • 障害が発生した後に、すべてを置換するとき。
    • 別のサービスから移行するとき。
    • 既存のサービスをクローニングするとき。
  • カスタム - 復元するコンテンツを選択します。特定のコンテンツ・タイプを復元しない場合は、復元する前にそれらを除外します。
    ほとんどの場合、復元に関するオプションは、スナップショット作成時のオプションと同じです。コンテンツ・タイプによって、常に復元される場合と、オプションの場合があります。

    注:

    スナップショットからカタログ・コンテンツを復元する際、配信スケジュールは自動的には復元またはアクティブ化されません。このため、都合のよいときに、配信を復元してアクティブ化できます。配信スケジュールの復元および有効化を参照してください。

    スナップショットに、環境でサポートされない項目が含まれている場合は、「この環境ではサポートされません。」というメッセージが表示されます。

別の製品で作成したスナップショットの復元

複数のOracle製品でスナップショットを作成できます: Oracle BI Enterprise Edition 12c、Oracle Analytics CloudおよびOracle Analytics Server。

  • サポートされていないコンテンツ

    ある製品でスナップショットを作成し、別のOracle製品でそれをリストアする場合、スナップショットに、ターゲット環境ではサポートされていない項目が含まれている場合があります。サポートされないコンテンツがOracle Analyticsによって検出された場合、「カスタム」ページに警告アイコンが表示され、リストアされないスナップショット内のサポートされない項目が強調表示されます。サポートされていないアイコン

    たとえば、Oracle Analytics Cloudでスナップショットを作成し、データ・レプリケーション、ファイルベースのデータセット、プラグインおよび拡張機能をスナップショットに含めるとします。そのスナップショットをOracle Analytics Serverでリストアした場合、これらの項目が「サポートされていません」とマークされていることがわかります。Oracle Analytics Serverでは、データ・レプリケーション、ファイルベースのデータセット、プラグインおよび拡張機能をOracle Analytics Serverスナップショットに含めたり、他の製品で作成したスナップショットからインポートすることを許可していません。