次の例は、アプリケーション、ディメンション、ノード・タイプおよび階層セット・レベルの承認ポリシーを示し、様々なポリシー設定を使用して承認がどのように処理されるかを表しています。
例1: アプリケーション・レベルの承認ポリシー
まず、承認が基本的なレベルでどのように機能するかを示す単純な例を見てみましょう。この例では、GL Governグループの少なくとも2人が勘定体系へのすべての変更を承認する必要があることを示すアプリケーション・レベルの承認ポリシーがあります。
表29-1 例1: アプリケーション・レベルのポリシー設定
Fusion GL Application | ディメンション | ノード・タイプ | 階層セット |
---|---|---|---|
ポリシーA
|
勘定科目ディメンション | 勘定科目ノード・タイプ | 勘定科目階層セット |
GL GovernグループはBarry、JulieおよびJaneで構成されます。Tomは、Fusion GLアプリケーションの所有者です。
承認ワークフロー:
例2: デッドロック・エスカレーション
もう一度同じ例を見てみましょう。ただし今回は、BarryとJaneはGL Governグループから移動されています。
表29-2 例2: デッドロック・エスカレーション・ポリシー設定
Fusion GL Application | ディメンション | ノード・タイプ | 階層セット |
---|---|---|---|
ポリシーA
|
勘定科目ディメンション | 勘定科目ノード・タイプ | 勘定科目階層セット |
GL GovernグループはJulieでのみ構成されています。Tomは、Fusion GLアプリケーションの所有者です。
承認ワークフロー:
ポリシーではGL Governグループの承認者が2人必要ですが、そのグループに含まれるのはJulieのみです。ポリシー要件を満たすために必要な承認者が他にいない場合、この結果はデッドロックとなります。結果として、要求は、アプリケーションに対するデータ・マネージャ権限を持つユーザーにエスカレーションされます。Tomはアプリケーションの所有者であるため、この所有者権限にはデータ・マネージャ権限が含まれます。
例3: ディメンション・レベルのシリアル承認ポリシー
次に、ディメンション・レベルのシリアルタイプ・ポリシーを見てみましょう。この例では、Joshは要求を承認し、次にFrank、最後にAccountingグループの誰かが承認します。
表29-3 例3: ディメンション・レベルのシリアル・ポリシー設定
アプリケーション | ディメンション | ノード・タイプ | 階層セット |
---|---|---|---|
Planningアプリケーション |
勘定科目ディメンション ポリシーA
|
勘定科目ノード・タイプ | 勘定科目階層セット |
AccountingグループはJamesおよびHeatherで構成されます。
承認ワークフロー:
例4: ノード・タイプおよび階層セット・レベルの承認ポリシー
アプリケーションおよびディメンション・レベルの承認ポリシーはすべての要求アクションに適用されますが、ノード・タイプおよび階層セット・レベルのポリシーは特定の要求アクションにのみ適用されます。ノード・タイプのポリシーは、ノードを追加または削除する要求、またはノード・プロパティを更新する要求にのみ適用されます。階層セットのポリシーは、階層セットにおけるノードの挿入、除去、移動または並替えの要求、またはノード関係プロパティの更新の要求にのみ適用されます。
これらの原則を表すために、ノード・タイプと階層セットの両方に対するポリシーのある例の2つの要求を見てみましょう。最初の要求はノード・プロパティを更新するため、ノード・セット上のポリシーのみが適用されます。2番目の要求は勘定科目を追加しますが、これはノード・タイプと階層セットの両方に影響するため、両方のポリシーが適用されます。
表29-4 例4: ノード・タイプおよび階層セット・レベルのポリシー設定
アプリケーション | ディメンション | ノード・タイプ | 階層セット |
---|---|---|---|
Planningアプリケーション |
勘定科目ディメンション |
勘定科目ノード・タイプ ポリシーA
|
勘定科目階層セット ポリシーB
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これらの要求のその他の背景:
まず、ノード・プロパティを更新する要求を見てみましょう。ノード・プロパティの更新は、ノード・タイプのポリシーによってのみ影響されます。
要求1承認ワークフロー:
注:
ノード・プロパティの更新は階層セットに影響を及ぼさないため、EssAdminsグループは承認要求を受信しません。次に、2番目の要求(今回はノードの追加)を見てみましょう。前回と同じように、ノード・タイプのポリシーが適用されますが、これは要求アクションによりノードが追加されるためです。ただし、この要求では、追加アクションにより階層ベースのビューポイントにアクションが挿入されるため、階層セットのポリシーも適用されます。
要求2承認ワークフロー:
注:
Jamesはノード・タイプに対する暗黙的な参加者(読取り)権限を持っていますが、階層セットに対しては持っていないため、要求インスペクタで要求を承認する必要があります。ポリシーおよび権限を参照してください。注:
Rachelはノード・タイプに対する暗黙的な参加者(読取り)権限を持っていますが、階層セットに対しては持っていないため、要求インスペクタで要求を承認する必要があります。ポリシーおよび権限を参照してください。注:
EssAdminsグループは階層セットに対する暗黙的な参加者(読取り)権限を持っているため、ノード・タイプに対する暗黙的な参加者(読取り)権限も付与されます。ビューを開き階層セットを参照して、要求を承認できます。ポリシーおよび権限を参照してください。例5: エンリッチメントが有効な承認
承認ポリシーでエンリッチメントが有効になっている場合、要求のビュー内の任意のデータ・オブジェクトに対して参加者(書込み)アクセス権を持つ承認者は、承認する前に要求を変更できます。
この例では、一般会計、Planningおよび連結の3つのアプリケーションのビューポイントがあるメンテナンス・ビューで要求が実行されます。各アプリケーションには、アプリケーション・レベルの承認ポリシーがあり、GLおよびPlanningのポリシーのエンリッチメントが有効になっています。
表29-5 例5: エンリッチメント可能な承認
一般会計アプリケーション | Planningアプリケーション | 連結アプリケーション |
---|---|---|
GL承認ポリシー
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Planning承認ポリシー
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連結承認ポリシー
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承認ワークフロー: