Financial Consolidation and Closeの取得パフォーマンスのトラブルシューティング

次のトラブルシューティング・ステップが、Financial Consolidation and Close環境での取得パフォーマンスに役立つ場合があります。

環境内でのSmart Viewヘルス・チェックの実行

パフォーマンスを最適化するために、環境でヘルス・チェックを実行できます。Oracle Smart View for Officeユーザーズ・ガイドシステムのヘルス・チェックの実行を参照してください。

Smart Viewアド・ホック動作の確認および変更

「アプリケーション設定」タブで、設定したSmart Viewアド・ホック動作を確認できます。Smart Viewアド・ホック動作をネイティブに変更すると、ズームのパフォーマンスが向上する場合があります。Oracle Smart View for Officeの使用EPM CloudでのSmart Viewの動作オプションを参照してください。


Smart Viewの設定の確認

アプリケーション・メタデータ分析

メタデータが有効であることを確認するために、「アプリケーション概要」タブから「メタデータの検証」をいつでも実行できます。メタデータの検証を参照してください。


メタデータの検証プロセス

可能な場合は、メタデータ・エラー、特に、式のないレベル0の動的計算があるメンバーを修正します。必要に応じて、次に説明するように、保管済の子プレースホルダ・メンバーを追加します。レベル0の動的計算メンバーにはメンバー式が必要であり、ない場合はパフォーマンスに悪影響を与えます。

シード済のレベル0の動的計算勘定科目ディメンション・メンバーのチェック

ディメンション・エディタの勘定科目ディメンションで次のFCCSシード・メンバーを確認し、それぞれに「データ・ストレージ」が「保管」に設定された子メンバーがあることを確認します。

次のFCCSシード・メンバーのいずれかについて、アプリケーションで子メンバーが必要ない場合は、保管済のダミーまたはプレースホルダ勘定科目を作成する必要があります(FCCSシード・メンバーを直接「保管」に変更できないため)。

  • FCCS_Cash And Cash Equivalents
  • FCCS_Acct Receivable
  • FCCS_Inventories
  • FCCS_Fixed Assets
  • FCCS_Other Long Term Assets
  • FCCS_Acct Payable
  • FCCS_Other Current Liabilities
  • FCCS_Long Term Liabilities
  • FCCS_Sales
  • FCCS_Cost of Sales
  • FCCS_Operating Expenses
  • FCCS_Other Income Expense
  • FCCS_Provision for Income Tax
  • FCCS_Other Equity

たとえば、FCCS_Cash And Cash Equivalentsに保管済の子メンバーがない場合、FCCS_Cash And Cash Equivalents_Placeholderという名前で作成します。


プレースホルダ・メンバーの例

「メンバーのプロパティ」タブと「メンバー式」タブの両方で、「データ・ストレージ」を「保管」に設定してください。


「メンバーのプロパティ」タブ

「メンバー式」タブ

動的計算ディメンション・メンバーの適切な解決順の確認

次の表は、密ディメンションとしての勘定科目という標準オプションを使用している場合の「Consol解決順」の値を示しています。


標準オプションでの解決順の表

次の表は、期間および増減を密ディメンションとして使用する密/疎最適化オプションを使用している場合の「Consol解決順」の値を示しています。


DSOアプリケーションの解決順

注:

解決順の競合が、Parent Totalメンバー式およびYTD式で発生する可能性があります。FCCS_Parent Totalメンバーは、複数通貨アプリケーションの親通貨にのみ適用されます。可能であれば、親の合計ではなくエンティティの合計を使用することをお薦めします。そうでない場合は、FCCS_Parent Totalの解決順を51に変更してから、データベースを更新してください。必ずデータを確認してください。

解決順の変更のスクリーンショットの例

「アプリケーション」「概要」の順にクリックし、「ディメンション」タブを選択します。列を右クリックして「デフォルト・モード」の選択を解除します。次に、「Consol解決順」列にスクロールして編集します。見やすいように列をクリックしてドラッグできます。


「解決順」列

メンバー・プロパティの解決順

前述の変更をすべて行った後、「メタデータの検証」を再度実行し、「データベースのリフレッシュ」を実行します。


メタデータの検証プロセス

取得最適化分析

HSGetValue式を使用しない

HSGetValueスプレッドシート取得をアド・ホック取得に変換します。変換すると、取得サイズが大きくなることでパフォーマンスが向上し、メンテナンスが簡単になります。HSGetValue式がサポートされています。これは、必要な場合にのみ、小規模から中規模サイズの取得に使用します。

期間ビューから開始

累計ビューの管理を使用する場合、保管されたビュー・ディメンション・メンバーYTDは#missingです。YTD_Ruleメンバーを使用して取得時にYTD残高を動的に計算します。ノート - 密/疎最適化オプションを使用している場合に、YTDまたはYTD_Ruleメンバーを使用できます。

最適化分析では、迅速な分析のためにビューをYTD_Ruleから期間に変更します。最適化されたら、必要に応じてYTD_Ruleに戻すことができます。

遅いメンバー式について勘定科目ディメンションを分析

スプレッドシートのすべての勘定科目、特にメンバー式を含むものについてのパフォーマンスをチェックします。メンバー式を含む勘定科目をスプレッドシートから除いて、取得を実行します。取得が速くなった場合は、メンバー式を含む勘定科目のグループを取得に戻して、遅いメンバー式を分離します。分離したら、メンバー式を最適化し、適切な「Consol解決順」を確認し、スプレッドシートに戻して最適化されていることを確認します。

メンバー式をなくし、期間ビューを使用しても取得が遅い場合は、勘定科目メンバーの分離を続けて、どれが遅いかを判別できます。このことが発生するのはまれであり、通常は、式を含まないレベル0の動的勘定科目に関するメタデータの問題または解決順の問題です。

必要に応じて累計の管理機能を有効化

アプリケーションが現在、密/疎最適化オプションを使用しない拡張ディメンション・アプリケーションで、年合計およびQTD取得が遅い場合は、累計の管理機能を有効化します。この機能を有効化すると、式がより効率的な式に置換されます。

必要に応じて遅いメンバー式について他のディメンションを分析

スプレッドシートのディメンション、特にメンバー式を含むものについて、1つずつパフォーマンスをチェックします。分析するディメンションがPOVダイアログ・ボックスにない場合は、ディメンションをPOVダイアログ・ボックスにドラッグします。次に、POVメンバー・セレクタで次のレベルにドリルダウンして、取得プロセスを実行します。取得を遅くしているメンバー式またはレベル・メンバーが見つかるまで、これを繰り返します。見つかったら、メンバー式またはレベル・メンバーを最適化し、適切な「Consol解決順」を確認し、取得プロセスに戻します。

期間からYTD_Ruleへ

前述の分析および最適化後、期間ビュー取得が速くなった場合は、必要に応じてビューをYTD_Ruleに変更します。YTD_Ruleビュー・メンバーのパフォーマンスが向上します。そうでない場合は、すでにYTD残高があるため貸借対照表勘定科目のほとんどについては期間ビューを戻し、損益計算書勘定科目のYTD残高についてはExcelで期間を合計することを検討します。取得を含む追加のワークシート・タブをいくつか作成し、Excelの合計式を追加する必要がある場合があります。次に、他のワークシート・タブのExcelの式およびデータを参照するサマリーYTD残高レポートのワークシート・タブを作成できます。完了したら、Smart Viewメニューですべて取得をクリックするだけで、複数の取得およびサマリー・タブをリフレッシュし、式を計算できます。

「累計ビューの保管の管理」オプションの取得パフォーマンスを最適化する計算の表示の更新ルールの実行

「累計ビューの保管の管理」オプションを使用すると、保管されたビュー・ディメンション・メンバーYTDは#missingであり、計算の表示の更新ルールを実行しないかぎり計算および保管されません。YTD_RuleメンバーによってYTD残高が動的に計算されます。可能な場合はこれを使用してください。

YTD_Ruleメンバーを使用した取得がまだ遅すぎる場合は、密ストレージ・オプションへの移行または一部のエンティティでのYTDの事前連結および保管を検討します。階層内でのレベルおよびサイズに基づいて消去のプロセスを使用することで、どのエンティティが最も遅いかを判別でき、それらのエンティティに対して計算の表示の更新ルールを使用して、YTDを保管して再テストできます。

この機能を使用してPOV内のそれらのエンティティに対して連結すると、連結された値はYTDビュー・メンバーに保管されます。計算の表示の更新機能を使用して連結されたエンティティのみがYTDビュー・メンバーの値を持ち、その他のすべてのエンティティ値は#missingになります。その他のエンティティ値については、YTD_Ruleビュー・メンバーを使用する必要があります。レポート内で有用であるため、YTDおよびYTD_Ruleビュー・メンバーを混在させて組み合せることができます。これを実行できずYTDビュー・メンバーのみを使用するレポートの場合、計算の表示の更新機能を使用してレポート上のすべてのエンティティを忘れずに連結する必要があります。

期間に対して期間の連結を再度実行するたびに、その期間およびエンティティに対して以前に実行した計算の表示の更新を再度実行し、YTD値で最新の期間の連結を反映する必要があります。

計算の表示の無効化

Financial Consolidation and Closeには、計算の表示を無効にするための「アプリケーション設定」オプションがあります。このオプションは、YTD、HYTDおよびQTDメンバーへのデータ入力(フォーム、データ・インポート、データ管理などを介して)とレポートについて、YTD、HYTDおよびQTDデータの計算と保管を無効にします。この設定を「はい」に設定すると、データ・ロードおよびレポートのパフォーマンスの向上に役立ちます。詳細は、計算の表示の無効化を参照してくださいFinancial Consolidation and Closeの管理

スプレッドシート設計の確認

非対称

対称レポート設計は、非対称よりも大幅に高速です。アクティビティ・レポート内のnOdometersの数が多いことは(たとえば次のサンプル・レポートを参照)、非対称レポートが非効率的であることを示します。理想的には、対称レポートはnOdometers:1になります。

15秒を超過した低パフォーマンスのEssbase問合せ上位10件


Essbase問合せレポート

列の中で、メンバーが変化するディメンションは1つのみ(たとえば、期間(Jan-Dec))であることが理想的です。ディメンションを追加し始めることに伴い(たとえば、年(FY15、FY16など))、グリッドの非対称性が高まり、取得が遅くなる場合があります。同じ概念が行にも当てはまります。

パフォーマンスのために必要な場合は、それぞれが特定のより小規模な取得を行う複数のワークシート・タブを作成します。その後、Excel機能を使用して、特定のより小規模な取得のワークシート・タブを参照するデータをサマリー・シートにまとめることができます。作成したら、Smart Viewメニューですべて取得をクリックするだけで、複数のワークシート・タブおよびサマリー・シートをリフレッシュできます。

その他の考慮事項

適切な計算のために多数のデータを必要とするメンバー式がアプリケーションにある場合、そのメンバーが「累計ビューの保管の管理」で勘定科目ディメンションになく、かつ密ストレージ・オプションの増減および期間ディメンションにない場合は、動的計算に対してデータを保管すると有用であることがあります。

スプレッドシートのワークシート・タブの数を減らし、動的POVを使用してSmart View問合せを適切に定義すると、あらゆる種類の様々なデータおよびテキストが含まれた大きいスプレッドシートよりもパフォーマンスが高くなります。

従来のOracle Essbaseハイブリッド取得最適化手順を適用します。

代替変数の使用

密/疎最適化オプションを使用するアプリケーション(期間および増減が密ディメンションの場合)のパフォーマンスを向上させるために、ParallelCustomDimDSOおよびParallelCustomDimTranslation代替変数を追加できます。パフォーマンスを向上させるには、これら両方の代替変数をTrueに設定する必要があります。

密/疎最適化オプションを使用するアプリケーションで、複数期間の連結のパフォーマンスを向上させるには、EnableYearlyConsolという代替変数を追加し、その値をTrueに設定します。

Financial Consolidation and Closeの代替変数を参照してください。