メンバー関数を使用すると、データ権限に含めるメンバーのセットを選択できます。この選択方法により、データ権限の柔軟性と管理性が向上し、保守が容易になります。
「メンバーの選択」ダイアログ・ボックスの関数アイコンは階層内のすべてのメンバー・レベルで使用可能で、データ権限に含めるメンバーを選択するための関数として次のメンバー関数が提供されています。
Member — 選択したメンバーのみにデータ権限を割り当てます。
Children — メンバーの子のみにデータ権限を割り当てます。メンバーは含まれません。
IChildren (Inclusive Children) — ターゲット・メンバーとその子にデータ権限を割り当てます。
Descendants — 選択したメンバーの下のツリー全体にデータ権限を割り当てます。メンバーは含まれません。
IDescendants (Inclusive Descendants) — ターゲット・メンバーと選択したメンバーの下のツリー全体にデータ権限を割り当てます。
Bottom — ターゲット・メンバーの下の、子を持たないすべてのメンバー(最下層の階層メンバー)を含めます。
次の例は、サンプル・アプリケーション内の「Fiscal Year」ディメンションに基づいてそれぞれの割当済関数を実行した結果を示しています。
表14-1 メンバー関数の例
Member | 関数 | 影響を受けるメンバー | 結果 |
---|---|---|---|
Fiscal Calendar | Member | メンバーのみ | Fiscal Calendar |
Fiscal Calendar | Children | 子のみ(メンバーは含まれない) | Q1、Q2、Q3、Q4 |
Fiscal Calendar | IChildren | Fiscal Calendarとその子 | Fiscal Calendar、Q1、Q2、Q3、Q4 |
Fiscal Calendar | Descendants | Fiscal Calendarの下のツリー(メンバーは含まれない) |
|
Fiscal Calendar | IDescandants | Fiscal Calendarとツリー全体 |
|
Fiscal Calendar | Bottom | Fiscal Calendarの下の、子を持たないすべてのメンバー | Jan、Feb、Mar、Apr、May、Jun、Jul、Aug、Sep、Oct、Nov、Dec |
自動更新の例として、ディメンション・メンバーをChildrenまたはBottomとして設定した場合、ディメンション・メンバーを追加または削除すると、関数によってそのタスクが設計どおりに実行され、データ権限に対して関数の最新のメンバーが選択されます。変更はそれらの階層内の場所に基づいて自動的に取得されるため、個々のメンバーをモニターする必要はありません。
たとえば、ManagerにProjectチームの全メンバーのカレンダへのアクセス権があり、データ権限がメンバーProjectに対してBottomに設定されている場合、チーム・メンバーがチームに加入するかチームから離脱するたびに、データ権限により最新のProjectチーム・メンバーとそれらに関連付けられているカレンダが常に正しく反映されます。チーム・メンバーを追跡する必要はなく、プロセス自体が変更されるまで変更は不要です。ManagerにはProjectチームの最新メンバーのカレンダのみが表示されるため、セキュリティが維持されます。