構成可能な計算ルール

構成可能な計算ルールは、「連結プロセス」ページから管理します。

「連結プロセス」ページの例

複数通貨のアプリケーション

複数通貨のアプリケーションがある場合は、「連結プロセス」ページに、「現地通貨」、「換算」および「連結」の3つのタブが表示されます。

これらのタブには、Financial Consolidation and Closeが従う連結フローが表示されます。最初に現地通貨の基本レベルのメンバーに対して計算が実行され、次に親通貨への換算が実行され、最後に連結が実行されます。

単一通貨のアプリケーション

単一通貨のアプリケーションがある場合は、「連結プロセス」ページに、「現地通貨」および「連結」の2つのタブが表示されます。

計算行

「連結プロセス」ページの各タブには、実行される計算のフローを示す複数の行が順番に表示されます。各行は次のアイコンのいずれかでマークされています。

  • システム・ルール・アイコン - システム。この計算がFinancial Consolidation and Closeによって実行されることを表しています。
  • 人物アイコン - ユーザー定義ルールの挿入位置。Calculation Managerから独自の計算を挿入できるプロセス内の位置を表しています。

リストでいずれかのルールを選択すると、右側に「プロパティ」パネルが表示され、ルール名、そのルールの処理対象の連結メンバーおよび上書き指定(該当する場合)などの情報が表示されます。

ユーザー定義計算を挿入できる行をクリックすると、ブラウザの別のタブにCalculation Managerが開きます。

例:

  1. 「現地通貨」タブで、「期首残高の繰越し後」または「財務計算」をクリックします。

    Calculation Managerが開きます。

  2. Calculation Managerに、次のようなFCCS Consolのシード済ルールが表示されるまで、左側の「Planning」フォルダを展開します。

    • FCCS_10_After Opening Balance Carry Forward_LocalCurrency

    • FCCS_20_Final Calculations_LocalCurrency

  3. Calculation Managerのルールは、構成可能な計算の行に対応します。例:

    • Calculation Managerルール: FCCS_10_After Opening Balance Carry Forward_LocalCurrency

      は、独自の計算を追加できる「期首残高の繰越し後」行に対応します。これらは、期首残高の繰越し計算の後、貸借対照表の貸借一致前に実行する計算です。

    • Calculation Managerルール: FCCS_20_Final Calculations_LocalCurrency

      は、貸借対照表の貸借一致後に実行される独自の計算を追加できる、「財務計算」行に対応します。

次の表に、各タブのFinancial Consolidation and Closeの行および対応するCalculation Managerのルールを示します。

構成可能な計算ルールのサマリー

表19-3 複数通貨の計算

FCCSのタブ FCCSの行 Calculation Managerのルール
現地通貨 残高の繰越し後 FCCS_10_After Opening Balance Carry Forward
現地通貨 財務計算 FCCS_20_Final_Calculations

現地通貨挿入ルールは、エンティティ通貨/エンティティ入力/エンティティ消去調整/エンティティ連結に制限されます

連結ディメンションのエンティティ入力に加えて、有効な連結メンバーとして「FCCS_Amount Override」または「FCCS_Rate Override」も指定できます。

ノート: 「FCCS_Amount Override」または「FCCS_Rate Override」を使用する場合は、最初に、連結キューブの次の代替変数を設定して有効にする必要があります。CONFCALC_ENABLE_RATE_AMOUNT_OVERRIDE = True

代替変数の作成および値の割当てを参照してください。

   
換算 外国為替(FX)の計算前 FCCS_25_Before FX_Calcs
換算 期首残高の繰越し後 FCCS_30_After Opening Balance Carry Forward
換算 財務計算 FCCS_40_Final_Calculations

換算挿入ルールは、親通貨/エンティティ入力/エンティティ消去調整/エンティティ連結に制限されます

   
連結 期首残高の繰越し後 FCCS_50_After Opening Balance Carry Forward
連結 財務計算 FCCS_60_Final_Calculations

連結挿入ルールは、親通貨/消去に制限されます

   

表19-4 単一通貨の計算

FCCSのタブ FCCSの行 Calculation Managerのルール
現地通貨 残高の繰越し後 FCCS_110_After Opening Balance Carry Forward
現地通貨 財務計算 FCCS_120_Final_Calculations
連結 残高の繰越し後 FCCS_130_After Opening Balance Carry Forward
連結 財務計算 FCCS_140_Final_Calculations

CALC DIMロジックの無効化

挿入位置の構成可能な計算スクリプトを作成すると、Financial Consolidation and Closeによって親レベルでデータが自動的に生成され、これらの親メンバーが次の挿入位置で使用可能になります。システムにより、入力したデータをロールアップするCALC DIMロジックが追加されます。この追加されたCALC DIMロジックを処理するプロセスは、階層の複雑さに応じて時間がかかります。後の挿入位置で再計算された親メンバーを参照する必要がない場合は、挿入位置に追加されたCALC DIMロジックを無効にすることで、連結プロセス全体を高速化できます。

複数通貨アプリケーションに対してCALC DIMロジックが生成されないようにする場合は、次の代替変数を作成し、値をTrueに設定する必要があります:

  • CONFCALC_FCCS10_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS20_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS25_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS30_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS40_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS50_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS60_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS70_DISABLECALCDIM

たとえば、FCCS_10およびFCCS_20の構成可能な計算ルールでカスタム・ロジックを記述したとします。FCCS_20についてはCALC DIMロジックを無効にし、FCCS_10については無効にしない場合、CONFCALC_FCCS20_DISABLECALCDIMという名前の代替変数を作成し、値をTrueに設定する必要があります。

単一通貨アプリケーションに対してCALC DIMロジックが生成されないようにする場合は、次の代替変数を作成し、値をTrueに設定する必要があります:

  • CONFCALC_FCCS110_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS120_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS130_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS140_DISABLECALCDIM
  • CONFCALC_FCCS150_DISABLECALCDIM

CALC DIMロジックを無効にすると連結スクリプトの生成に影響するため、連結結果を慎重に確認する必要があることに注意してください。