FCCSImpactStatus関数

@FCCSImpactStatus関数を使用すると、特定の計算に基づいて、指定したシナリオ、年、期間およびエンティティの組合せのステータスを手動で「影響」に変更できます。たとえば、特定のエンティティの実績シナリオの純利益値がシステムで計算される場合、「予測」と呼ばれる別のシナリオで同じ年と期間の同じエンティティに影響を与えることができます。関数によって、現在のステータスに関係なく、計算ステータスが「影響」に変更されます。

@FCCSImpactStatus関数は、構成可能な計算(挿入ルール)およびオンデマンド・ルールで使用できます。構成可能な計算の操作およびオンデマンド・ルールの操作を参照してください。

構文:

@FCCSImpactStatus(Scenario, Year, Period, Entity)

関数に対して次のパラメータを選択します:

  • シナリオ - 1つのメンバー。選択するのは、レベル0のメンバーである必要があります。

  • 年 - 1つのメンバー。選択するのは、レベル0のメンバーである必要があります。

  • 期間 - 1つのメンバー。選択するのは、レベル0のメンバーである必要があります(Q1、HY1などの親ではない)。

  • エンティティ - 1つのメンバー、関数またはリスト。レベル0のメンバーおよび親メンバーの両方がサポートされています。

@CURRMBR、@PREVSIBLING、@NEXTSIBLING、@LISTなどの関数をサポートしています。

エンティティの場合、@CURRMBR("Entity")のかわりに、特定のメンバー名を使用するリスト・タイプのメンバー・セット関数がサポートされています。例:

  • 子孫(含む)

  • 子(含む)

  • 祖先(含む)

  • 兄弟(含む)

  • 親(含む)

  • レベル0の子孫

  • 左兄弟(含む)

  • 右兄弟(含む)

  • 前のレベル0のメンバー

  • 次のレベル0のメンバー

  • 前の世代

  • 次の世代

  • @List

シナリオ、年、期間およびエンティティ・ディメンションでは、処理対象の現在のメンバーと同じであることを示すために@CURRMBRがサポートされています。

シナリオ、年、期間およびエンティティ・ディメンションでは、@NEXTSIBLINGおよび@PREVSIBLING関数は、@CURRMBR関数と直接組み合せた場合のみサポートされています。次の3つの組合せは、@CURRMBR(..)関数を使用してサポートされています:

  • @CURRMBR("Scenario/Years/Period/Entity")

  • @PREVSIBLING(@CURRMBR(…))

  • @NEXTSIBLING(@CURRMBR(…))

エンティティ・ディメンションでは、アイテムが@CURRMBR("Entity")または有効な組合せの場合に@LIST関数がサポートされています。たとえば、Entityフィールドの次の文は有効です:

  • @LIST(@CURRMBR("Entity"), "LE-0011-EUR" @SIBLINGS("LE-0016-BRL"))

  • @LIST(@PREVSIBLING(@CURRMBR("Entity")),

  • @NEXTSIBLING(@CURRMBR("Entity")), @IAncestors("LE-0011-EUR"));

現在の計算ステータスに関係なく、@FCCSImpactStatus関数に指定したシナリオ/年/期間/エンティティに影響を与え、適用可能なすべての親および祖先に影響を与えます。データを含む将来のすべての期間が影響を受けます。

エンティティに共有エンティティがある場合、プライマリ・エンティティとそのすべての共有エンティティが影響を受け、対応する親および祖先も影響を受けます。ロックされているエンティティには影響を与えません。

構成可能な計算(挿入ルール)で@FCCSImpactStatus関数を使用すると、影響ステータス・バリデータがエラーを検出し、スクリプト生成時に連結プロセスが失敗する場合があります。デフォルトでは、DisableImpactStatusConsolValidationという名前の代替変数が有効で、影響ステータス・ルール・セマンティック・バリデータでは検証エラーを無視して連結ルール実行を続行できます。「代替変数」値を「False」に設定すると、バリデータでは詳細とともに影響ステータス・エラーが表示されます。

例: 構成可能な計算での@FCCSImpactStatus関数の使用
構成可能な計算でのサンプル関数

次の例は、ImpactStatus計算スクリプトのサンプルを示しています。


ImpactStatus関数スクリプトのサンプル

次の例は、シナリオ/年/期間/エンティティの様々な組合せに対する@FCCSImpactStatus関数の影響を示しています。

例1: 特定のシナリオ/年/期間/エンティティに対する明示的な影響

@FCCSImpactStatus("Budget", "FY16", "Jan", "GBP E2")

「実績/FY16/1月/EUR #1」を選択して、オンデマンド・ルールを実行します。

関数は、「予算/FY16/1月/GBP E2」および「予算/FY16/1月」の「GBP2 E2」の祖先に明示的に影響を与えます。

パラメータ・メンバー「EUR D1」も影響を受けます。


影響ステータス例1

例2: 別のシナリオだが、同じ年/期間/エンティティへの影響

@FCCSImpactStatus("Budget",@CURRMBR("Years",@CURRMBR("Period"),@CURRMBR("Entity")

「実績/FY16/2月/EUR E1」を選択して、オンデマンド・ルールを実行します。

「予算/FY16/2月/EUR E1」および「予算/FY16/2月」の「EUR E1」の祖先に明示的に影響を与えます。

2月についてはパラメータ・メンバー「EUR D1」も影響を受けます。


影響ステータス例2

例3: 現在のシナリオ/年/期間だが、@List関数を使用する別のエンティティへの影響

@FCCSImpactStatus("@CURRMBR"("Scenario"), @CURRMBR("Years"), @CURRMBR("Period"),@LIST("EUR E3", "USD E4")

「実績/FY16/3月/EUR E1」を選択して、オンデマンド・ルールを実行します。

「実績/FY16/3月/EUR E3およびUSD E4」および「実績/FY16/3月」の「EUR E3およびUSD E4」の祖先に明示的に影響を与えます。

3月については、対応する親の「USD D2」も影響を受けます。


影響ステータス例3

例4: 現在のシナリオ/年/エンティティだが、次の期間への影響

@FCCSImpactStatus("@CURRMBR"("Scenario"), @CURRMBR("Years"), @NEXTSIBLING(@CURRMBR("Period")),@CURRMBR("Entity"))

「実績/FY16/4月/EUR E1」を選択して、オンデマンド・ルールを実行します

「実績/FY16/5月/EUR E1」および「実績/FY16/5月」の「EUR E1」の祖先に明示的に影響を与えます。

5月については、対応する親の「EUR D1」も影響を受けます。


影響ステータス例4

例5: Calculation ManagerのRTP値を使用するシナリオ/年/期間/エンティティへの影響

FIX("FCCS_Periodic", "Custom1", " Custom2", "FCCS_No Intercompany", " Custom3", "FCCS_Data Input","FCCS_Entity Input","FCCS_No Movement")
        "Account"(
                @FCCSImpactStatus({Scenario},{Years},{Period},@IDESCENDANTS({Entity})) ;
        )
ENDFIX

このスクリプトでは、オンデマンド・ルールの実行中に提供された計算の実行時プロンプト値からのシナリオ、年、期間およびエンティティの値を使用します。

これは、親エンティティおよびそのすべての子孫を持つエンティティに影響します。

その他のユース・ケース

次の例は、@FCCSImpactStatus関数とその結果の別のユース・ケースを示しています。


影響ステータスのユース・ケース

このエンティティ階層を使用し、「実績/FY19/11月/P02」を連結して、@FCCSImpactStatus関数を使用するとします:

ユース・ケース1: @FCCSImpactStatus("Actual", "FY19", "Nov", "E03")

エンティティE03はP02の子孫なので(シナリオ、年および期間は同じ)、影響はありません。

ユース・ケース2: @FCCSImpactStatus("Actual", "FY19","Nov", "E04")

エンティティE04はP02の子孫ではありません。影響はあります。

ユース・ケース3: @FCCSImpactStatus("Actual", "FY19","Dec", "E03")

エンティティE03はP02の子孫ですが、12月は11月より後の期間なので影響を受けます。

ユース・ケース4: @FCCSImpactStatus("Actual", "FY19", "Oct", "E03")

影響はありません。「実績/FY19/11月/P02」を連結します。これは、P02とそのすべての子孫(E03を含む)が「実績/FY19/11月」でOKになることを意味します。

ユース・ケース5: @FCCSImpactStatus("Actual", "FY19", "Oct", "E04")

影響はあります。エンティティE04はP02の子孫ではありません。