メタデータ検証メッセージ

メタデータ検証チェックは、データ整合性問題、パフォーマンス問題またはその他の問題が発生する可能性のある状況に対して警告するために、メタデータ内の特定の関係を対象に適用されます。データ整合性の問題のリスクを最小限に抑え、ベスト・プラクティスのパフォーマンスに関する考慮事項を活用するために、検証エラーの推奨事項を適用することをお薦めします。

プライマリ・メンバーは共有メンバーの前に存在している必要がある

プライマリ・メンバーは、次のディメンションで共有メンバーの前に(階層内で共有メンバーより上に)存在している必要があります。

  • シナリオ

  • 期間

  • 勘定科目

  • 会社間

  • 増減

  • データ・ソース

  • 複数GAAP (存在する場合)

  • ユーザー作成済カスタム・ディメンション

検証メッセージの例:

共有メンバーは、プライマリ・メンバーより前に存在してはなりません。

解決方法:

共有メンバーを、プライマリ・メンバーより下の位置に移動します。

FCCS_No Data Sourceメンバーに対する共有メンバーの作成は許可されない

FCCS_No Data Sourceメンバーに対する共有メンバーの作成は許可されていません。

検証メッセージの例:

Shared instances for FCCS_No Data Source are not allowed.

解決方法:

FCCS No_Data Sourceメンバーの共有インスタンスを削除します。

FCCS_OpeningBalanceはClosingBalance階層で「共有」にできない

増減ディメンションでは、FCCS_OpeningBalanceがClosingBalance階層で「共有」になっている場合、換算および連結中に為替レートに関するエラーが発生する可能性があるため、検証エラーが発生します。

検証メッセージの例:

FCCS_OpeningBalanceは、FCCS_ClosingBalanceの下で「共有」にできません。

解決方法:

FCCS_OpeningBalanceがFCCS_ClosingBalance階層の下で「共有」になっていないことを確認します。

カスタム・ディメンションの保管または非共有の親メンバーは共有メンバーとして使用できない

保管または非共有データ・ストレージである親メンバーは、カスタム階層の共有メンバーとして使用できません。次のディメンションに適用されます。

  • 複数GAAP (存在する場合)

  • ユーザー作成済カスタム・ディメンション

検証メッセージの例:

保管または非共有のプライマリ親メンバーは、共有メンバーとして使用できません。

解決方法:

代替階層から共有メンバーを削除し、代替階層に新しい親を作成して、新しい親の下でレベル0のメンバーを共有します。

レベル・ゼロのメンバーのデータ・ストレージ・タイプは有効である必要がある

データ・ストレージ・タイプは、すべてのレベル・ゼロのメンバーに対して有効である必要があります:

  • エンティティ、増減ディメンション: 「保管」「共有しない」または「共有」

  • 勘定科目、データ・ソース、複数GAAP、ユーザー作成済カスタム・ディメンション: 「保管」「共有しない」「共有」または「動的計算」

検証メッセージの例:

レベル0メンバーのデータ・ストレージは「共有」,、「保管」「動的計算」「共有しない」である必要があります。

解決方法:

前述の説明に従ってデータ・ストレージの選択を変更します。

注:

現在、メタデータ・バリデータでは、シード・メンバーを除き、増減ディメンションのレベル0のすべての動的計算メンバーに対してエラーが表示されます。

将来のリリースでは、FCCS_Closing Balance階層を除き、有効なメンバー式がメンバーにあるかぎり、動的計算が許容されることになります。この変更に向けた最初のステップとして、簡易ディメンション・エディタのレベル0増減メンバーの有効なデータ・ストレージ選択オプションのリストに動的計算が追加されています。

複数GAAPおよびカスタム・ディメンションのすべての親メンバーは、「動的計算」データ・ストレージであることが必要

複数GAAPおよびカスタム・ディメンションの親メンバーには、「動的計算」データ・ストレージ・プロパティが必要です。

「動的計算」に設定されていない場合は、これによってアプリケーションに問題が発生する可能性があることをアラートする警告メッセージが表示されます。

「データ・ストレージ」が「動的計算」のメンバーのみを「2パス計算」に設定する必要がある

「動的計算」以外のメンバーを「2パス計算」プロパティで設定しないでください。

ハイブリッド・アプリケーションについては、「2パス計算」ではなく「解決順」を使用することをお薦めします。

会社間ディメンションのレベル・ゼロのメンバーは「動的計算」に設定できない

会社間ディメンションでは、レベル・ゼロの会社間メンバーを編集し、メンバー式なしでデータ・ストレージを「動的計算」に設定した場合、検証エラーが発生します。

レベル・ゼロのメンバーは式のない動的計算メンバーにはできない

有効なレベル・ゼロ(0)の動的計算メンバーには、有効なメンバー式が必要です。

検証メッセージの例:

レベル0メンバーは、メンバー式のない「動的計算」にできません。

解決方法:

有効な式を動的計算メンバーに追加するか、「データ・ストレージ」プロパティを「保管」「共有しない」または「共有」に変更します。レート・キューブの勘定科目の場合、レート・キューブでその勘定科目が必要であるかどうかを確認します。不要な場合は、ディメンション・エディタを使用してレート・キューブからその勘定科目を削除するか、簡易ディメンション・エディタでレート集計演算子を「キューブに使用しない」に変更します。

親メンバーはメンバー式を持つことができない

親メンバーは、次のディメンションでメンバー式を持つことができません。

  • エンティティ

  • 勘定科目

  • 増減

  • データ・ソース

  • 複数GAAP (存在する場合)

  • ユーザー作成済カスタム・ディメンション

検証メッセージの例:

親メンバーは、メンバー式を持つことができません。

解決方法:

親メンバーからメンバー式を削除します。

ディメンション名のすべての子に対する集約演算子は「無視」または「なし」である必要がある

集約演算子は、メンバーがディメンション名の子である場合、「無視」または「なし」である必要があります。

  • エンティティ・ディメンション: 連結キューブとレート・キューブの両方に対して「無視」

  • その他のディメンション: 連結キューブに対しては「無視」または「なし」レート・キューブに対しては「無視」

検証メッセージの例:

ディメンション名のすべての子の集計演算子「無視」に設定する必要があります。

ディメンション名のすべての子の集計演算子「無視」または「なし」に設定する必要があります。

解決方法:

前述の説明に従って集約演算子を変更します。シード・メンバーの集約演算子は、すでに正しい状態であることに注意してください。

勘定科目タイプと集約演算子は一致している必要がある

勘定科目ディメンションの貸借が一致した貸借対照表内では、親と子の勘定科目の勘定科目タイプは、適切な集約演算子と一致している必要があります。親勘定科目タイプと子勘定科目タイプの組合せにより、集約演算子が「加算」または「減算」のどちらであるかが決定されます。勘定科目タイプと集約演算子を一致させることで、貸借対照表データが貸借の一致した貸借対照表に適切に集計されることが保証されます。

親勘定科目と子勘定科目の標準記号(借方または貸方)が同じである場合、集約演算子は「加算」である必要があります。親勘定科目と子勘定科目の標準記号が異なる場合、集約演算子は「減算」である必要があります。

親勘定科目タイプ 子勘定科目タイプ 集約演算子
収益(貸方) 収益(貸方) 加算
収益 費用(借方) 減算
収益 資産(借方) 減算
収益 負債(貸方) 加算
収益 資本(貸方) 加算
収益 保存された仮定 加算
費用(借方) 収益 減算
費用 費用 加算
費用 資産 加算
費用 負債 減算
費用 資本 減算
費用 保存された仮定 加算
資産(借方)

収益

減算
資産

費用

加算
資産

資産

加算
資産

負債

減算
資産

資本

減算
資産

保存された仮定

加算
負債(貸方)

収益

加算
負債

費用

減算
負債

資産

減算
負債

負債

加算
負債

資本

加算
負債

保存された仮定

加算
資本(貸方)

収益

加算
資本

費用

減算
資本

資産

減算
資本

負債

加算
資本

資本

加算
資本

保存された仮定

加算
保存された仮定 任意のタイプ 加算

検証メッセージの例:

勘定科目集計演算子は親と子の勘定科目タイプに基づく加算である必要があります

勘定科目集計演算子は親と子の勘定科目タイプに基づく減算である必要があります

解決方法:

親または子の勘定科目タイプを変更するか、集約演算子を変更します。

シード済貸借対照表の階層は、次の構造を反映している必要があることに注意してください。

シード済貸借対照表のグループ化勘定科目(FCCS_Balance Sheet)は、シード済のシステム勘定科目および為替レート勘定科目に続く最初のメンバーである必要があります。

FCCS_Balance Sheetの最初の子は、貸借が一致したシード済貸借対照表の最上位メンバーである必要があります。現在は次のいずれかです。

FCCS_Total Balance Sheet-Net Asset Approach

または

FCCS_Total Balance Sheet-Traditional Approach

これらの勘定科目の集約演算子は、「加算」「減算」または「無視」になります。「無視」は、グループ化メンバーからレポートを作成する場合を除き、推奨されます(ただし必須ではありません)。

FCCS_Balance Sheetグループ化の他の子に対する集約演算子は、「無視」が適切ですが、グループ化メンバーからレポートを作成する必要がある場合は、「加算」または「減算」も使用できます。

FCCS_Balance Sheetの直属の子の子孫は、「加算」または「減算」である必要があり、子と親の勘定科目タイプの組合せに一致している必要があります。

この検証は、FCCS_Balance Sheetグループ化メンバー内のすべての階層に適用されます(シード済の現金および非現金階層を除く)。この検証チェックが適用されない代替階層を作成する場合、その階層をFCCS_Income Statementグループ化勘定科目の下に配置できます。

会社間消去メンバーおよび消去合計メンバーを階層で移動しない

会社間消去メンバーは消去合計階層から移動しないでください。

消去合計メンバーはデータ・ソース合計階層から移動しないでください。

検証メッセージの例:

会社間消去メンバーは消去合計の外部に移動できません。

消去合計メンバーはデータ・ソース合計の外部に移動できません。

解決方法:

会社間消去または消去合計のメンバーを階層の正しい場所に移動します。

カスタム・メンバー式を合計貸借対照表階層の下に追加しない

カスタム・メンバー式を合計貸借対照表階層の下に追加しないでください。勘定科目ディメンション合計貸借対照表階層のメンバー式を使用して動的計算メンバーを作成すると、メタデータの検証中に、貸借対照表の計算に関する潜在的な問題をアラートするエラー・メッセージが表示されます。

データ・ソース・ディメンションでは、「出資比率の管理」が有効になっている場合、対応するS_メンバーが各エンティティに必要である

アプリケーションで「出資比率の管理」を有効にすると、新しいシード済のS_Entityメンバーがデータ・ソース・ディメンションに追加されます。エンティティにS_メンバーがない場合は、検証エラーが発生し、データ・ソース・メンバーを作成する必要があります。たとえば、TestEntityという名前のエンティティ・メンバーがある場合、S_TestEntityという名前のデータ・ソース・メンバーをFCCS_Source Entitiesの下に作成する必要があります。

注:

唯一の例外は、FCCS_Global Assumptionsメンバーです。

検証メッセージの例:

このエンティティ・メンバーにS_のデータ・ソース・メンバーがありません。データ・ソース・メンバーS_ENTITYNAMEをFCCS_Source Entitiesの下に作成してください。

解決方法:

データ・ソースのS_EntityNameメンバーをFCCS_Source Entitiesの下に作成します。

エクイティ・ピックアップ増減メンバーは親メンバーにはできない

所有権のエクイティ・ピックアップ機能では、増減メンバーについて、FCCS_Mvmts_Subtotal階層の下の親メンバーを選択できません。選択できる増減ディメンション・メンバーの事前定義済リストは、FCCS_Mvmts_Subtotal階層のレベル0のメンバーです。

検証メッセージの例:

XXXXは、増減小計のレベル0の子孫ではありません

解決方法:

エクイティ・ピックアップの増減ディメンションでは、FCCS_Mvmts_Subtotal階層のレベル0のメンバーのみを選択します。

勘定科目ディメンションの解決順の検証

この検証は、期間および増減を密ディメンションとして使用する密/疎最適化オプションを使用している場合にのみ適用されます。ストレージ・タイプが「動的計算」である勘定科目ディメンションのすべてのメンバーの「解決順」プロパティを58にする必要があります。

検証メッセージの例:

Solve Order for this member should be 58.

解決方法:

適用可能な場合、指定されたメンバーの解決順プロパティを設定します。

連結ディメンションの解決順の検証

期間および増減を密ディメンションとして使用する密/疎最適化オプションを使用している場合、次の検証は適用されません。

拡張連結が有効になっていない場合、次のメンバーの解決順を26に設定します。

  • FCCS_Contribution Total

  • FCCS_Contribution

  • FCCS_Parent Total (機能の有効化に基づく)

  • FCCS_Proportion

親入力が有効になっている場合、次のメンバーの解決順を26に設定します。

  • FCCS_Contribution Total

  • FCCS_Contribution

  • FCCS_Parent Total

検証メッセージの例:

Solve Order for this member should be 26.

密/疎最適化オプションを使用していて、親入力機能が有効になっている場合、FCCS_Parent Totalおよびその親メンバーの解決順プロパティは51にする必要があります。

密/疎最適化オプションを使用していて、「出資比率の管理」機能を有効にしていない場合、FCCS_Proportionメンバーおよびその親メンバーの解決順プロパティは51にする必要があります。

解決方法:

適用可能な場合、指定されたメンバーの解決順プロパティを設定します。

データ・ソース・ディメンションの解決順の検証

次のメンバーの解決順プロパティは28にする必要があります。期間および増減を密ディメンションとして使用する密/疎最適化オプションを使用している場合、これは適用されません。

  • FCCS_Total Data Source

  • FCCS_TotalInputAndAdjusted

  • FCCS_Total Eliminations

注:

データ・ソース・ディメンションのFCCS_Total Eliminationsメンバーでは解決順を変更しないでください。

検証メッセージの例:

Solve Order for this member should be 28.

解決方法:

適用可能な場合、指定されたメンバーの解決順プロパティを設定します。

増減ディメンションの解決順の検証

標準オプションの解決順の値(密ディメンションとしての勘定科目)

密/疎最適化オプションを使用していない場合、次のメンバーの解決順プロパティは53にする必要があります。

  • FCCS_OpeningBalance_Cash

  • FX_Total_NonCash

  • FCCS_ClosingBalance_Cash

FCCS_ClosingBalance_Varianceの解決順は55にする必要があります。

次のメンバーの解決順プロパティは25にする必要があります。

  • FCCS_Mvmts_Operating

  • FCCS_Mvmts_Investing

  • FCCS_Mvmts_Financing

  • FCCS_CashFlow

  • FCCS_CashFlow_Operating

  • FCCS_CashFlow_NetIncome

  • FCCS_CashFlow_AdjustmentsToNetIncome

  • FCCS_CashFlow_DepreciationAndAmortization

  • FCCS_CashFlow_NetAssets

  • FCCS_CashFlow_AccountsReceivable

  • FCCS_CashFlow_Inventories

  • FCCS_CashFlow_OtherCurrentAssets

  • FCCS_CashFlow_AccountsPayable

  • FCCS_CashFlow_OtherCurrentLiabilities

  • FCCS_CashFlow_Investing

  • FCCS_CashFlow_Acquisitions

  • FCCS_CashFlow_Disposals

  • FCCS_CashFlow_CapitalExpenditures

  • FCCS_CashFlow_ProceeedsFromSalesOfPPE

  • FCCS_CashFlow_OtherInvestingActivities
  • FCCS_CashFlow_Financing

  • FCCS_CashFlow_IssueOfStock

  • FCCS_CashFlow_ProceedsFromDebt

  • FCCS_CashFlow_RepaymentOfDebt

  • FCCS_CashFlow_OtherFinancingActivities

検証メッセージの例:

Solve Order for this member should be 25.

密/疎最適化オプションの解決順の値

密/疎最適化オプションを使用している場合、次のメンバーの解決順プロパティは59にする必要があります。

  • FCCS_CashChange

  • FCCS_OpeningBalance_Cash

  • FX_Total_NonCash

  • FCCS_ClosingBalance_Cash

  • FCCS_ClosingBalance_Variance

次のメンバーについては、累計ビューの保管の管理オプションが有効になっている場合、解決順を53に設定します。

  • FCCS_CashChange

  • FCCS_OpeningBalance_Cash

  • FCCS_FX_Total_NonCash

  • FCCS_ClosingBalance_Cash

解決方法:

適用可能な場合、指定されたメンバーの解決順プロパティを設定します。

期間ディメンションの解決順の検証

期間および増減を密ディメンションとして使用する密/疎最適化オプションを使用している場合、次のメンバーの解決順は53にする必要があります。

密/疎最適化オプションを使用していない場合、次のメンバーの解決順プロパティは52にする必要があります。

  • YearTotal

  • HY1

  • HY2

  • Q1

  • Q2

  • Q3

  • Q4

検証メッセージの例:

Solve Order for this member should be 52.

解決方法:

適用可能な場合、指定されたメンバーの解決順プロパティを設定します。

ビュー・ディメンションの解決順の検証

期間および増減を密ディメンションとして使用する密/疎最適化オプションを使用している場合、次のメンバーの解決順は53にする必要があります。

YTD、HYTD、QTD、YTD_RULE、HYTD_RULE、QTD_RULE

密/疎最適化オプションを使用していない場合、次のメンバーの解決順プロパティは27にする必要があります。

YTD_RULE、HYTD_RULE、QTD_RULE

検証メッセージの例:

Solve Order for this member should be 27.

解決方法:

適用可能な場合、指定されたメンバーの解決順プロパティを設定します。