勘定科目の定義

勘定科目ディメンションは、アプリケーションの勘定体系を定義します。アプリケーションを作成すると、アプリケーションに対して有効になっている機能に一部基づいて、システムおよびシード・メンバーの階層を持つ勘定科目ディメンションが作成されます。シード済勘定科目は、FCCS_IncomeStatementなど、FCCSという接頭辞付きで作成されます。

注:

ほとんどのシード済メンバーのメンバー・プロパティは変更できません。ただし、必要に応じて勘定科目ディメンションのシード済メンバーの勘定科目タイプおよび連結演算子のプロパティを変更して、カスタマイズできます。変更できるのは、連結キューブのメンバーのみです。変更した後、メタデータ検証を実行して変更が有効であることを確認します。

シード済メンバーに変更を加えた場合、ディメンション・エクスポートCSVファイルを使用してそのメンバーをエクスポートまたはインポートすることはできません。モジュール・カスタマイズの移行アーティファクトを使用する必要があります。CSVファイルをエクスポートしてからインポートすると、シード済メンバーに対する属性の変更は保持されません。

勘定科目タイプおよび集約オプションを参照してください。

デフォルトでは、システムにより次の勘定科目メンバーのタイプが作成されます。

  • シード・メンバー

    基本の貸借対照表および損益計算書はシード・メンバーとして作成されます。

    貸借対照表の構造は、「動的計算」親メンバーを使用して作成されます。様式には、「従来」様式(資産 = 負債 + 自己資本)と「純資産」様式(資産 - 負債 = 自己資本)の2種類が用意されています。

    貸借対照表の下位レベルの勘定科目は再編成できますが、上位レベルの初期構造(資産合計、負債合計および資本合計までを含む)は変更しないことをお薦めします。その他のシード済アーティファクト(シード済連結ルールなど)は、システムによって作成される貸借対照表の基本構造に依存します。


    収益勘定科目
  • オプションのシード・メンバー

    これらのメンバーは、有効になっているアプリケーション機能に基づいて作成されます。たとえば、比率計算の実行に必要な比率勘定科目は、オプションのシステム・メンバーです。アプリケーションの一部として含める必要のある比率に応じて、これらの勘定科目は事前にシードされます。その他には、売上高収益率と総利益マージンがあります。

    出資比率の管理機能が有効になっている場合、シード済連結ルールで要求される基本(レベル0)勘定科目が必ず存在するようにするため、貸借対照表の基本構造が拡張されます。

  • 共有メンバー

    一部のシード・メンバーは、共有メンバーとして代替階層にも追加されます。たとえば、キャッシュ・フロー・カテゴリに対して設定された損益計算書または貸借対照表システム・メンバーの下にリストされているすべての勘定科目メンバーについては、キャッシュ・フローの選択したカテゴリの下に共有インスタンスが作成されます。

システム勘定科目

次の勘定科目は、アプリケーションの作成時にデフォルトで提供されます。

  • FCCS_CSTATUS - システムが使用する計算ステータスの値が保管されます
  • FCCS_CSTATUS FILTER - データ・フォームに表示する計算ステータスのテキストが保管されます。

損益計算書勘定科目

勘定科目ディメンションは、損益計算書に事前に作成された階層を提供します。階層には、組込みの計算で使用されるシステム・メンバーがシードされます。子メンバーを親メンバーに追加する、または追加の兄弟メンバーをシード・メンバーに追加することができます。

損益計算書は、自己資本の現在の利益剰余金勘定科目内の階層として作成されます。

貸借対照表勘定科目

勘定科目ディメンションは、貸借対照表に事前に作成された初期階層を提供します。階層には、組込みの計算で使用されるメンバーがシードされます。

アプリケーションを最初に作成する際、次の3種類の貸借対照表様式から選択できます:

  • 「従来」様式(資産 = 負債 + 自己資本)

  • 「純資産」様式(資産 - 負債 = 自己資本)

  • 「基本」様式(資産 - 負債 - 自己資本 = 貸借対照表合計)

従来様式と純資産様式には、最も一般的な2つの構造でフォーマットされた、よく使用される勘定科目が含まれます。

基本様式には、システム勘定科目計算/移入に必要な勘定科目のみが含まれます。

貸借対照表および損益計算書のすべての勘定科目に「フロー」勘定科目タイプが割り当てられている必要があります。これらすべての勘定科目で、期首残高が計算されていること、および期間の変化を反映するための増減メンバーが関連付けられていることが必要です。FCCSシステム・ルールによって、フロー・タイプの勘定科目すべてに期首残高増減メンバーが移入されます。増減を参照してください。

従来および純資産のシード済勘定科目ディメンションには、動的計算として定義されたレベル0のメンバーが含まれます。これらのメンバーには、子として追加された1つ以上のメンバーが含まれる必要があります。

  • FCCS_Cash And Cash Equivalents

  • FCCS_Acct Receivable

  • FCCS_Inventories

  • FCCS_Fixed Assets

  • FCCS_Other Long Term Assets

  • FCCS_Acct Payable

  • FCCS_Long Term Liabilities

  • FCCS_Other Equity

  • FCCS_Sales

  • FCCS_Cost of Sales

  • FCCS_Operating Expenses

  • FCCS_Provision for Income Tax

前述のメンバーごとに、次のプロパティを持つプレースホルダ(ダミー)勘定科目メンバーを追加する必要があります。

  • データ・ストレージ・デフォルト = 保管

  • データ・ストレージ連結 = 保管

  • 集計演算子 = なし

取得時換算勘定

取得時換算勘定グループには、履歴オーバーライド勘定とみなされる勘定科目が含まれます。取得時換算勘定は、現在の期間の期末レートで換算されるのではなく、一定期間の増減の加重平均で換算されます。オーバーライド勘定は、換算用のレート・オーバーライドまたは金額オーバーライドとして指定されます。オーバーライド勘定では、デフォルトの換算を上書きするレートまたは金額を入力できます。これらの履歴オーバーライド勘定は、プライマリ・メンバーに対して選択されている為替レート・タイプに基づいて、取得時換算勘定グループに共有メンバーとして作成されます。選択したアプリケーション作成の設定によっては、シードされた履歴オーバーライド勘定が存在しない可能性があるため、当初、この階層にあるのはプレースホルダ勘定科目のみの場合があります。プレースホルダ勘定科目は、親勘定科目が親勘定科目として扱われることを保証するために移入される基本メンバーであり、基本勘定科目に間違えられることはありません。FCCS_Investment In Subは、オプションのシード済レート・オーバーライド勘定の例です。

勘定科目が取得時換算勘定で、オーバーライド(FCCS_Retained Earnings Priorなど)が含まれない場合は、取得時換算勘定階層に含まれません。

勘定科目が履歴バーライド勘定であることを指定するには、履歴レート・オーバーライドまたは履歴金額オーバーライドを為替レート・タイプとして割り当てる必要があります。

取得時換算勘定に金額オーバーライドまたはレート・オーバーライドを指定すると、換算には、勘定科目に適用可能な上書きエントリが使用されます。上書きレートまたは金額を入力しない場合、履歴オーバーライド勘定はデフォルトの換算に指定されているレートを使用して換算されます。これにより、取得時換算(非オーバーライド)勘定と同じ換算結果が得られます。

取得時換算勘定階層からは「Override Rates」という名前の事前作成済のシステム・フォームが生成され、各通貨のエンティティごとに上書き金額または上書きレートを入力できるようになります。事前定義済フォームを参照してください。

比率勘定科目

アプリケーションの作成時にこのオプションを有効にすると、比率勘定科目が、別の勘定科目階層の下に作成されます。勘定科目には、計算に関連付けられているすべてのメンバー式も作成されます。また、独自の比率勘定科目を作成することも可能です。

会社間勘定

会社間勘定を標準システム消去に使用する場合は、消去に使用する調整勘定を選択するだけでなく、会社間勘定として識別するための属性値も割り当てる必要があります。調整勘定として選択する勘定科目は、最初に調整勘定属性を選択して調整勘定に指定する必要があります。

勘定科目の階層順序

「貸借対照表」グループは、FCCS_System AccountExchange RatesEntered Exchange RatesおよびExchange Rates System Members階層の下の最初の階層であることが必要です。

勘定科目ディメンションに追加階層を追加して、共有の貸借対照表勘定科目や必要なその他の勘定科目を含めることができます。たとえば、シード済の貸借対照表の現金および非現金階層は、貸借対照表勘定科目の共有コピーが含まれる追加階層です。

注:

ベスト・プラクティスとしては、階層の深さを20レベルに制限することをお薦めします。

作成する貸借対照表の追加階層はすべて、FCCS_Total Balance Sheet - Cash and NonCashの後に作成する必要があります。

収益勘定科目の代替階層はすべて、「損益計算書」グループに配置できます。