アプリケーションを作成するとき、期間および増減を密ディメンションにするオプションを選択するか、勘定科目を密ディメンションとして使用できます。既存のアプリケーションを期間および増減ディメンションが密ディメンションであるアプリケーションに移行することもできます。「アプリケーション概要」画面から移行ユーティリティを使用できます。期間および増減が密ディメンションであるアプリケーションを作成または移行すると、シード・メンバーおよびメンバー式に対して必要な変更がシステムによって加えられます。
注:
このオプションは、ハイブリッドが有効なEssbaseで実行されているアプリケーションにのみ適用されます。
期間および増減ディメンションが密であるアプリケーションの作成
アプリケーションを作成すると、「期間および増減を密にする」オプションがデフォルトで選択されます。勘定科目が密ディメンションであるアプリケーションを作成する場合は、このオプションの選択を解除します。
アプリケーション機能の説明を参照してください。
勘定科目が密であるアプリケーションの期間および増減を密にするものへの変換
事前移行に必要なステップ
移行プロセスを開始する前に、次のアクションを完了する必要があります:
ノート: ライフサイクル管理のバックアップ・プロセスでは、データ管理のワークベンチ・データが含まれません。ただし、クローニングを実行したとき、またはEPMAutomateコマンドを使用したり、UIからスクリプトを実行することによって、ワークベンチおよびデータ管理環境全体のスナップショットを取得できます。
次のEPMAutomateコマンドを参照してください:
移行ステップ
ホーム・ページで「アプリケーション」、「概要」の順にクリックします。
「アクション」から、「期間および増減を密にする」を選択して移行ウィザードを起動します。
移行プロセスを開始する前に変換前アクションを完了したことを確認し、「次」をクリックします。
「構成可能な連結」ルールをデプロイしている場合、換算後にそれらを確認する必要があることについて警告が表示されます。
「起動」をクリックして、移行プロセスを起動します。
プロセスが開始されると、既存のすべてのユーザーがログオフされ、すべてのアクティブな要求が停止されます。
移行プロセスが終了するのを待って、アプリケーションからログアウトして再度ログインします。
重要なメタデータ変更
移行プロセスの結果、メタデータは次のように変更されます:
ビュー・ディメンション
FCCS_YTD、FCCS_QTD、FCCS_HYTD、FCCS_YTD_RULE、FCCS_QTD_RULEおよびFCCS_HYTD_RULEメンバーは動的計算です。
_RULEメンバーおよび対応する_RULEなしメンバーは、同じメンバー式を持ちます。
増減ディメンション
すべてのシード親メンバーは動的計算です。
増減は現在は密ディメンションです。
期間ディメンション
期間は現在は密ディメンションです。
データ・ソース・ディメンション
次のデータ・ソース・ディメンション・メンバーは、移行プロセス後は連結に使用されなくなります:
FCCS_RateOverride (親メンバー: FCCS_SystemTypes)
FCCS_AmountOverride (親メンバー: FCCS_SystemTypes)
FCCS_PCON (親メンバー: FCCS_SystemTypes)
アプリケーション詳細
期間および増減が密ディメンションであるアプリケーションには、期間データのみが保管されます。
これらのアプリケーションで計算の表示の更新ルールを使用しないでください。
期間および増減が密ディメンションである新しいアプリケーションを作成する場合、累計の保管の管理オプションを有効にすることはできず、累計ビューの管理ルールは使用できません(選択したビューによる連結、選択したビューによる強制連結、選択したビューによる換算、選択したビューによる強制換算)。
勘定科目が密ディメンションで累計の管理オプションが有効な既存のアプリケーションを、期間および増減が密ディメンションであるアプリケーションに移行する場合、連結、換算、それぞれの「選択したビューによる」およびそれぞれの強制ルール(単一通貨または複数通貨に基づく)は表示されます。これらのルールすべてで期間データのみが生成されます。
期間および増減ディメンションを密に変換する方法についてさらに学習するには、次のビデオをご覧ください:
Oracle Financial Consolidation and Closeでの期間および増減ディメンションの密への変換.
アプリケーションを期間および増減を密として変換した後のステップ
アプリケーションを期間および増減が密ディメンションであるアプリケーションに変換した後で、次のステップを実行します:
ノート: 「期間別拡張組織」を有効にすることを予定している場合は、ユーザー定義式およびルールを確認して更新することが特に重要です。ルールに対して必要な変更が未処理で残っているときに「期間別拡張組織」を有効にすると、アプリケーションを使用できなくなる可能性があります。
勘定科目
: 親勘定科目のメンバーすべての解決順序を58に設定する必要があります。
増減
: 親増減のメンバーはすべて「動的計算」である必要があります。以前に設定したメンバーの解決順序は削除します。
データ・ソース
: 以前に設定したメンバーの解決順序は削除します。
注:
取得のパフォーマンスを向上させるために、このドキュメントでDSOの解決順を確認してください: Financial Consolidation and Closeの取得パフォーマンスのトラブルシューティング。
メンバー式に別の動的計算メンバーが含まれる場合、メンバー式のConsol解決順を、式で参照されるConsol解決順が最も大きいメンバーよりも1つ上位にします。
メンバーが親の動的計算メンバーであり、データがYTDで取得される場合は、メンバーに対する自分の解決順がYTDメンバーよりも上位であることを確認してください。
変換後、すでに連結されている期間の再連結は必要ありません。DSO変換中にYTDデータが削除されます。前の期間がロック済の場合は、ロック解除して再連結しないことがベスト・プラクティスです。
期間および増減が密ディメンションである場合のメンバー式の記述のベスト・プラクティス
疎ディメンション間参照を含む式を記述する前に、@NONEMPTYTUPLE();ディレクティブを使用します。
直接定数を返すことは避けます。かわりに、次のように定数を追加します:
+ "Scenario"->"Years"->"Period"->"Entity"->"Account"->"FCCS_Entity Input"->"FCCS_No Intercompany"->"FCCS_No Data Source"->"FCCS_No Movement"->"FCCS_Periodic"-><No members of your custom dimension>
元の式の例
変更された式の例
式を含むリーフ動的計算勘定科目メンバーまたは動的計算勘定科目の親を2パス計算として設定することは避けてください。かわりに、解決順序を使用します。2パス計算オプションでは勘定科目は最後のディメンションとして計算されますが、これは不要な場合があります。
このトピックで説明した関数をメンバー式内で使用することは避けてください: https://docs.oracle.com/en/cloud/saas/enterprise-performance-management-common/ecalc/working_with_essbase_hybrid.html。これらの関数は、ハイブリッドEssbaseではサポートされていません。
比率など、集約後に計算可能な式を確認します。解決順序を高くして動的に計算します。
集約前に計算する必要がある式を確認します。パフォーマンスが低い場合は、保管済メンバーにすることを検討し、計算スクリプトを使用します。
ローリング予測など、多数のデータ・ブロックからデータを取得する必要がある式を確認します。パフォーマンスが低い場合は、保管済メンバーにすることを検討し、計算スクリプトを使用します。
式内で#MISSINGを返すことを避けます。
カスタム・ルールの記述のベスト・プラクティス
カスタム・ルールの記述の一般的なベスト・プラクティスを確認し、同じ概念を期間および増減が密ディメンションであるアプリケーションに適用します。
増減メンバーがアンカー・ブロックとして使用されるルールでは、アンカー・メンバーを疎ディメンション・メンバーに変更する必要があります。
親の増減メンバーは「動的計算」のみであり、「共有しない」にすることはできません。親の増減メンバーにFIX文があるルールでは、親メンバーを変更し、レベル0メンバーのみを使用する必要があります。