収集属性の追加

属性は、主に管理者によって定義され、多くの場所で使用される、ユーザー定義フィールドです。属性には、「日付」、「日時」、「リスト」、「数値」、「テキスト」および「True/False」といった異なる値タイプを指定できます。

収集には、データ収集期間の「開始日」や「終了日」など、日付計算属性を追加できます。また、既存のデータ・フォームで履歴ディメンション属性値を保持することもできます。

収集属性を追加するには:

  1. ホーム・ページで、「アプリケーション」をクリックし、「補足データ」をクリックします。
  2. 左側の「収集」タブをクリックします。
  3. 収集を選択し、「編集」をクリックします。収集の編集ウィンドウが表示されます。
  4. 「属性」タブをクリックします。次の列が表示されます:
    • キー識別子: 属性がキー識別子であるかどうかを示します。この収集にデータがない場合は、「キー識別子」および属性を変更できます。

      注:

      • エンティティの「キー識別子」および「ワークフローの割当」チェック・ボックス・オプションは、デフォルトで選択されています。属性を追加する際には、1つ以上をキー識別子として選択できます。
      • 補足データ・マネージャでは、タイプ「計算済」の属性は「キー識別子」属性としてサポートされていません。「キー識別子」としてこのタイプの属性を選択すると、収集で予期しない動作およびエラーが発生する可能性があります。
    • ワークフローの割当: 収集間隔で定義されたワークフローが表示されます。これは編集できません。
    • 保持: 参照先のフォームでディメンション属性の値を保持するかどうかを示します。この列は、「ディメンション参照」タイプの属性にのみ適用可能です。
    • 名前: 属性の名前。
    • ディメンション名: この列は、ディメンション属性にのみ適用可能であり、ディメンション名を示します。
    • 属性タイプ(既存の属性がある場合に表示されます): 属性のタイプを示します:
      • 入力
      • ディメンション参照
      • 計算済
    • データ型: 「日付」、「日時」、「整数」、「リスト」、「複数行のテキスト」、「数値」、「テキスト」、「True/False」、「はい/いいえ」
    • 合計: 属性の合計方法を指定できます:
      • 合計: 加算合計
      • 平均: データのある行の平均。データのない行は分母にカウントされません
      • : データのある行の数
      • なし: 合計は計算されません
  5. 「追加」アイコンをクリックした後、次のいずれかをクリックします:

収集の新しい属性の追加

収集の新しい属性を追加するには:

  1. 「新規属性の作成」ウィンドウの「プロパティ」タブで次のものを指定します:
    • 名前: 属性の名前を入力します。入力できる最大文字数は80文字です。
    • 説明: 説明を入力します。最大255文字まで入力できます。
    • 属性タイプとして「入力」または「計算済」オプションを選択します。

      「入力」がデフォルトであり、「検証」タブが有効になります。オープン済で、フォーム・インスタンスが作成されている期間には、変更された検証ルールは適用されません。行った変更は、新規のフォーム・インスタンスにのみ適用されます。

      「計算済」を選択した場合は、「計算」タブが有効になります。

      注:

      「入力」または「計算済」を選択して属性を保存すると属性が作成され、その後はこの設定を変更できません。属性タイプを変更すると、それまでに指定した検証または計算は上書きされます。
    • データ型: データ型として次のいずれかを選択します。データ型を選択した後、「必須」または「値を使用」、あるいはその両方のオプションを選択することもできます。
      • 日付
      • 日時
      • 整数
      • リスト: 「追加」をクリックして、属性の値を入力します。リストは収集に対してローカルであり、他の収集との間で共有することはできません。
      • 複数行のテキスト: このオプションを選択した場合、3から50行の間で「行数」を選択します。デフォルト値は3です。「複数行のテキスト」では、「アクション」ダイアログ・ボックスで、スクロールせずにフォームに表示できるテキストの行数を決定します。最大長は2000文字です。ただし、テキスト領域の幅は固定されたままです。

        データ型でこの値を保持することが必須の場合は、「必須」チェック・ボックスを選択します。「値を使用」チェック・ボックスを選択した場合は、「行数」に入力した値がデフォルトでここにも適用されます。これを超えると、スクロール付きテキストになります。

      • 数値: このオプションを選択してフォーマット・オプションを指定します。これにより、「システム設定」「プリファレンス」セクションのデフォルト設定が上書きされます。

        注:

        この属性には数値のみ入力できます。
        • 小数点以下の桁数: 表示する小数点以下の桁数を入力します。
        • パーセンテージとして表示: パーセント記号を表示します。
        • 3桁ごとの区切り文字の使用: 3桁ごとの区切り文字を表示します(例: 1,000.00)。ユーザーのロケール用の3桁ごとの区切り文字が表示されます。
        • 通貨: 通貨を選択します。
        • 負数のフォーマット: 負数の表示方法を選択します。
        • スケール: 数値をスケールします。範囲は1000から1000000000000までです。
      • テキスト: 最大255文字を入力します
      • True/False
      • はい/いいえ
    • 必須: 属性が必須の場合、データ入力中にこのフィールドに値を入力する必要があります。
    • 値を使用: この値を指定した場合、設計者が入力した値が、ユーザーが作成するすべてのレコードに適用されます。データ入力中にデフォルト値を変更できます。
  2. 「OK」をクリックして属性を保存します。「新規属性の作成」ウィンドウが閉じます。
  3. 収集の編集ウィンドウで、「保存」をクリックして収集を保存します。

    注:

    新しい属性および収集を保存する必要があります。このことを行った後にのみ、属性の「検証」タブまたは「計算」タブにアクセスできるようになります。
  4. 作成した属性を選択し、「編集」アイコンをクリックします。

    「属性の編集」ウィンドウが表示されます。

  5. 「入力」オプションを選択した場合(ステップ1)、「検証」タブで条件式を追加できます:
    1. 「追加」をクリックします。行が表に追加されます。
    2. 最初の行内の列をクリックしてドロップダウン・リストを表示し、「演算子」を選択し、それに応じて「値1」および「値2」を入力できます。
    3. 2つ目の条件が必要な場合は、「追加」をクリックして行をもう1つ追加します。
    4. 2つ目の行内の列をクリックしてドロップダウン・リストを表示し、「および」「または」などの「組合せ」を選択できます。
    5. 「OK」をクリックして条件を保存します。
  6. 「計算済」オプションを選択した場合(ステップ1)、「計算」タブで計算を追加できます。「計算タイプ」を選択します:
    • 値をリストに割当: 関連する「属性」を選択します。
    • 条件: 「計算式の定義」の条件を追加します。
    • スクリプト: 「計算式の定義」を指定し、属性および関数を選択します。
  7. 計算式を追加するには、次の表で説明されているデータ型と計算タイプを指定します。

    表32-2 データ型と計算タイプ

    「プロパティ」タブで選択したデータ型 計算タイプ 説明
    すべてのデータ型 「値をリストに割当」を選択し、「属性」値を選択します。

    リスト属性値を保存しておく必要があります。

    リスト・メンバーへの割当てに基づいて属性値を戻します。
    すべてのデータ型 条件 対象の属性に対して、指定された条件が一致している場合に属性値Aを戻します。条件が一致していない場合は属性値Bを戻します。
    リスト リストを値に割当て 属性の値に基づいてリストから関連するメンバーを戻します。
         
         
         
    整数、数値、テキスト スクリプト

    スクリプト関数を参照してください

    自由形式のスクリプト計算。「スクリプト」は、整数、複数行のテキスト、数値またはテキスト・タイプの属性に使用できます。
  8. 「OK」をクリックして属性を保存します。

    注:

    属性に対する変更が適用されるのは、後続のデータ収集期間のみです。

スクリプト関数

  • 絶対値: 指定された数の絶対値を戻します。数値が0未満の場合は、その数字の正の値が戻されます。指定した数値が0以上の場合は、指定した数値が戻されます。

    ABS(<Number>)

  • 月の追加: 開始日からの指定した月数の日付オフセットを返します。日付は常に指定した月オフセットに該当します。開始日に、オフセット月を越える日の値がある場合は、オフセット月の最後の日が使用されます。たとえば、EDate (31-Jan-2017, 1)は(28-Feb-2017)を返します。月の場合は、開始日の前または後の月数を入力します。月に対する正の値は将来の日付を生成します。負の値は過去の日付を生成します。

    ADD_MONTH(<Start Date>, <Months>, <Length>)

    例: ADD_MONTH(DATE(2017, 2, 15) 3)

  • 過去平均: 過去X期間の数量の平均値を算出します。

    AVERAGE_PRIOR(<Value>, <Number of Periods>, <To Currency*>

    例: AVERAGE_PRIOR( {Balance (Reporting)}, '2', 'EUR'

  • 日付: 年、月および日に対して指定された整数値に基づく日付値を返します。

    DATE(<Year>, <Month>, <Day>)

  • 日付差異: 2つの日付の差を日、時間、分または秒で戻します。たとえばDATE 1とDATE 2には、それぞれ現在の日付(時間コンポーネントなし)と日時を表すTODAYおよびNOWの値を使用できます。

    DATE_DIFF(<Date1>, <Date2>, <Type>)

    例: DATE_DIFF('TODAY', {Preparer End Date}, 'DAYS') or DATE_DIFF({Preparer End Date}, 'NOW', 'HOURS')

  • : 日付の日の値を整数として返します

    DAY(<DATE>)

  • テキストの抽出: 値内の指定した位置からの部分文字列を戻します。

    SUBSTRING(<Value>, <Location>, <Length>)

    例: SUBSTRING( {Name} , 5, 10)

  • If Then Else: 条件付きの計算をスクリプト計算に挿入できるようになります。IF_THEN_ELSE計算式は、ネストしてELSE IFタイプの計算式に対応することもできます。

    IF_THEN_ELSE(<Condition>, <Value1>, <Value2>)

    例:

    IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Low', 'Good',
    IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Medium', 'Better',
    IF_THEN_ELSE({Risk Rating} = 'High', 'Best','Bad')))
    
  • Length: パラメータとしてテキスト値を使用し、テキストの文字数である整数を返します。値が空/nullの場合は0を返します。

    Length ({<attribute>})

    例: LENGTH('Value')は5を返し、LENGTH({Name})はオブジェクトの名前の文字数を返します。

    SUBSTRINGを使用した計算を使用して、テキスト値の最後の4文字を抽出します。

    SUBSTRING( {MyString}, LENGTH ({MyString}) - 4

  • 小文字: 値を小文字で戻します

    LOWERCASE(<Value>)

    例: LOWERCASE( {Description} )

  • 最大: 属性リストの最大値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

    MAX(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

    例: MAX( TRANSLATE( {Source System Balance (Entered)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Reporting)}, 'USD', 'Accounting') )

  • 過去最大: 過去X期間の最大値を戻します。

    MAX_PRIOR (<Value>, <Number of Periods>)

    例: MAX_PRIOR( {Balance (Functional)}, '6', 'CAD', 'REC')

  • 最小: 属性リストの最小値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

    MIN(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

    例: MIN( TRANSLATE( { Balance (Entered)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Balance (Functional)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Balance (Reporting)}, 'CAD', 'REC') )

  • 過去最小: 過去X期間の最小値を戻します。

    MIN_PRIOR (<Value>, (<Value>, <Number oMIN_PRIOR( {Source System Balance (Functional)}, '6', 'EUR', 'Simplified')

  • : 日付の月の値を整数(1から12)として返します

    MONTH (<DATE>)

  • 指数: 一方の数字を他方の数字の回数掛け合せます。

    POWER(x,y) where x=BASE NUMBER,and y=EXPONENTの場合、xとyは数値であるかぎり属性または計算にすることができます。

    例: POWER(3,4)=81

    注:

    分数値では、べき根になります。たとえば、POWER(27, 1/3) = 3 で、立方根です。

    負の値では、指数計算の逆数になります。たとえば、POWER(2, -2) = 1 / (2^2) = 1 / 4 = .25です。

  • : 指定された前期間の値を戻します。

    PRIOR(<Value>, <Number of Periods Prior>)

    例: PRIOR( {Source System Balance (Entered)}, '1', 'EUR'')

  • 丸め処理: 指定された小数点以下の桁数で丸めた値を戻します

    ROUND(<Value>, <Decimal Places>)

    例: ROUND( ({Scripted Translate} /7), 4)

  • 過去の合計: 過去X期間の合計値を戻します。

    SUM_PRIOR(<Value>, <Number of Periods>)

    例: SUM_PRIOR( {Balance (Reporting)}, '3', 'EUR')

  • テキストの場所: 属性値内の部分文字列の場所(1が最初の位置)を戻します。

    INSTRING(<Value>, <Value To Search>)

    例: INSTRING( UPPERCASE( {Name} ), 'TAX' )

  • 換算: 指定されたレート・タイプを使用して、通貨属性を数値属性に変換します。

    TRANSLATE(<Value>, <To Currency>, <Rate Type>)

    例: TRANSLATE( {Balance (Entered)}, 'EUR', 'Acct')

  • 大文字: 値を大文字で戻します。

    UPPERCASE(<Value>)

    例: UPPERCASE( {Name} )

  • : 日付の年の値を整数として返します。

    YEAR (<DATE>)

計算属性を追加する例

  1. 次の属性で収集を作成します:

    Int1: 属性タイプとして「入力」「データ型」として「整数」「OK」をクリックし、収集の編集で「キー識別子」としてInt1を選択します

    TextInput: 属性タイプとして「入力」「データ型」として「テキスト」

  2. データを保存します。
  3. 属性タイプを「計算済」として、「データ型」を「テキスト」として指定して、TextCalcという属性を作成します。
  4. 「計算」タブで、次のように指定します:
    • 計算タイプ: 「スクリプト」を選択します。
    • 関数の追加: 「TextLocation」を選択して、「追加」をクリックします。

      INSTRING(<Value>, <Value To Search>)が「計算式の定義」に追加されます。

    • <Value>をクリックし、値を(一重引用符で囲み、大文字と小文字を区別して)入力するか、「属性の追加」でTextInput属性を選択して、「追加」をクリックします。

      <Value>{TextInput}に変更されます。

    • <Value to Search>'tion'で置き換えます。

      ノート: <xxx>は必ず一重引用符付き('xxx')で置き換えます。例: INSTRING({TextInput}, 'tion')

  5. 「OK」をクリックして属性を保存します。

ディメンションからの属性の追加

「ディメンションから属性を追加」ウィンドウで:

  1. 「ディメンション」を選択します
  2. 「使用可能な属性」リストから属性を選択し、「選択された属性」リストに移動します。

    ディメンションのキー属性が選択された属性として含められます。キー属性はクリアできません。

  3. 「OK」をクリックします。

    「ディメンションから属性を追加」ウィンドウが閉じ、選択した属性が収集の編集ウィンドウに表示されます。

  4. 「保持」列のチェック・ボックスを選択して、参照先のフォームで属性の値を保持するように指定できます。ディメンション属性が更新されても、属性が参照されているフォームでは変更が更新されません。このチェック・ボックスを選択しない場合、参照されている属性は最新の変更で更新されます。収集を保存した後、この設定を変更することはできません。
  5. 「保存」または「保存して閉じる」をクリックします