エージェント・クラスタの理解

クラスタを使用して、統合ジョブを分散できます。

次に、複数のクラスタを定義するビジネス・シナリオの例をいくつか示します:

  • ソース・システムは地理的に分散されています。ネットワーク遅延を避けるために、各データ・センター・ロケーションに1つ以上のエージェントをデプロイできます。

  • 組織内の様々なビジネス・ユニットは、ジョブを独立して保護および管理します。

  • 組織では、様々なタイプのソース・システムを使用します。たとえば、E-Business Suite (EBS)およびPeoplesoftが異なるデータ・センターに配置されます。セキュリティおよびデータ量は異なり、データ抽出プロセスを独立して管理します。

  • 各種ソースのデータ・ロード頻度は異なります。レポート作成およびドリルダウンのソースとして、データ・ウェアハウス・ステージング・システムを使用できます。データは対話型モードで毎日ロードされ、ドリルダウンがサポートされます。月末の連結プロセスのみのソースとして別のERPシステムを使用でき、すべてのデータ・ロードはバッチ処理されます。これらのデータ・ソースごとに異なるクラスタを定義できます。

クラスタ割当てを定義することにより、統合を複数のクラスタに割り当てることができます。次のエンティティ・タイプ別に、統合を適切なクラスタに割り当てることができます:

  • 統合(データ・ルール)
  • ロケーション
  • ターゲット・アプリケーション

統合ジョブが開始されると、システムでは、ジョブが割り当てられた場所をチェックし、クラスタを判別して、ジョブをそのクラスタに割り当てます。ジョブを実行する優先順位は、エンティティ・タイプによって決まります。統合はロケーションより優先され、ロケーションはターゲット・アプリケーションより優先されます。

各クラスタ内で複数のエージェントを使用して、ロード・バランシングおよび高可用性を向上できます。エージェント構成INIファイルで、エージェントをクラスタに関連付けます。EPM統合エージェントを開始すると、エージェントがクラスタに自動的に関連付けられ、クラスタに割り当てられたジョブが実行されます。クラスタ内のロード・バランシングの手順は、実行モードが同期か非同期かによって決まります。

同期モードでは、ラウンド・ロビン・プロセスが使用され、クラスタに属するエージェントにジョブが割り当てられます。詳細は、同期モードの構成を参照してください。

非同期モードでは、エージェントが異なる時間に開始するように設定して、高可用性を実現します。たとえば、間隔を10分に設定し、別のエージェントを1時間5分後に開始すると、別のエージェントは1時間10分後に開始されます。その結果、エージェントは5分ごとにチェックされます。

注:

選択したエンティティ(ロケーション、アプリケーションまたは統合)が別のクラスタに再割当てされると、前のクラスタ割当ては削除され、新しい割当てに自動的に置換されます。

統合ジョブを抽出しても、ジョブのインポートおよび検証ステータスに影響しません。次に示すように、抽出が正常に実行されても、インポートおよび検証は失敗します:

イメージは、「プロセスの詳細」で、エージェントの抽出は正常に実行されるが、統合のインポートは失敗することを示します。