フォームの設計に関する考慮事項

これらの設計ガイドラインを使用して、効果的なフォームを計画します。

フォームの設計の概要

データ入力やサマリー・レベル・レポートをサポートする様々なフォームを構築します。フォームの内容は、データの収集および計算に使用するテンプレートに類似しています。レイアウトは、スプレッドシートで使い慣れているものとは異なる場合があります。

ユーザビリティを向上させるには、「収益」、「報酬費用」、「その他費用」などの主要カテゴリにフォームを分類します。データ入力をサポートするフォームや、サマリーおよびレビュー用のフォームを作成できます。ユーザーが結果を分析する際に役立つチャートを挿入することもできます。

フォームのパフォーマンスは、ネットワークおよび環境要因、構造、レイアウトなど、様々な要因に基づきます。

設計に関する考慮事項

ユーザーが収益、費用、仮定などの情報を入力できるようにフォームを設計します。

ベスト・プラクティス:

  • 勘定科目を論理的にグループ化しますが、1つのフォームに含まれる勘定科目が多くなりすぎないようにします。

  • 入力フォームの数を、エンド・ユーザーの負担にならない量に制限します。1つのフォーム上の勘定科目の数とプロセスをサポートするために必要なフォームの数の間で微妙なバランスを取る必要があります。

  • 詳細フォームを使用して、ユーザーがすべての関連情報を入力できるようにします。入力を必要とするすべての勘定科目がフォーム上にある必要があります。勘定科目を複数の異なるフォームに分割できます。

  • フォームを構築する際には、フォームの設計を向上させるための適切なオプションをすべて選択していることを確認します。たとえば、精度、表示およびメニューを制御したり、適切なルールをフォームに関連付ける設定を使用します。

  • 年などのディメンションを参照するには、代替変数を使用します。

  • 「無効なシナリオ時間/期間の抑制」オプションで、フォーム上の行または列の期間をシナリオに設定された開始および終了期間に設定します。この機能は、年の代替変数のかわりに使用できます。

  • 有効な交差を設定して、様々なディメンション間の関係を設定することを検討します。有効な交差のみがエンド・ユーザーに表示されるように、無効な組合せの抑制を行または列で設定できます。ページの選択でディメンションが設定されている場合、デフォルトでは、有効な交差のみがエンド・ユーザーに表示されます。

  • メンバーを個々に選択するかわりに、関係を使用してメンバーをフォームに組み込みます。

  • エンド・ユーザーのディメンション選択を軽減できるように、エンティティやシナリオなどのディメンションにユーザー変数を使用することを検討します。

  • アプリケーションで複数通貨がサポートされている場合、ユーザーが基本通貨を定義できるようにユーザー変数を設定することを検討します。

  • フォームをフォルダに編成します。

  • 代替変数を使用して、フォームの保守を軽減します。

  • 勘定科目や期間などの密ディメンションをフォームの行および列に配置します。エンティティなどの疎ディメンションをページ軸に配置します。

  • シナリオ、バージョン、年などのディメンションは、POV、列または行に配置できます。ユーザーがフォームを開いたときに列または行がどのように返されるかを適切に判断することが重要です。

詳細収益フォームと詳細費用フォームの構築

詳細フォームでは、ユーザーが収益および費用関連のすべての情報を入力できることが必要です。入力を必要とするすべての勘定科目がフォーム上にある必要があります。

ベスト・プラクティス:

  • 勘定科目を論理的にグループ化しますが、1つのフォームに含まれる勘定科目が多くなりすぎないようにします。

  • 入力フォームの数を、エンド・ユーザーの負担にならない量に制限します。1つのフォーム上の勘定科目の数とプロセスをサポートするために必要なフォームの数の間で微妙なバランスを取る必要があります。

  • 詳細フォームを使用して、ユーザーが収益関連のすべての情報を入力できるようにします。入力を必要とするすべての勘定科目がフォーム上にある必要があります。勘定科目を複数の異なるフォームに分割できます。

  • フォームを構築する際には、フォームの設計を向上させるための適切なオプションをすべて選択していることを確認します。たとえば、精度、表示およびメニューを制御したり、適切なルールをフォームに関連付ける設定を使用します。

  • フォームの構築を反復的に行うことで、ユーザーとプロセスをサポートできます。

フォームへのルールの関連付け

フォームにルールを関連付けることにより、適切なアクセス権を持つユーザーは、関連付けられたビジネス・ルールをフォームから起動し、値を計算して導出できます。

キューブによって、複数のビジネス・ルールをフォームに関連付けることができます。フォームを開いたときまたは保存したときに、フォームに関連付けられたビジネス・ルールが自動的に起動するように設定できます。「フォームのメンバーを使用」を選択すると、ルールの起動時にユーザーに入力を求めるプロンプトを表示するかわりに、現在のフォームから実行時プロンプトに値を移入できます。

ベスト・プラクティス:

  • 実行に時間がかかるルールについては、アクション・メニューから起動するか、単にフォームへの関連付けによって起動するように設定します。

  • ビジネス・ルールに実行時プロンプトがある場合、ユーザーの作業を簡単にしておくためにプロンプトの数を制限します。

フォームへのメニューの追加

フォームにメニューを関連付けることができます。アクション・メニューを使用すると、ユーザーはフォーム内の行または列をクリックして、メニュー・アイテムを選択できます。たとえば、実行時プロンプトの有無にかかわらずビジネス・ルールを起動したり、別のフォームに移動できます。

メニューはコンテキスト依存です。表示されるメニューは、フォームの設定や、ユーザーがフォームで右クリックした場所によって異なります。

ベスト・プラクティス:

  • フォームの設計時に、「その他オプション」を使用して、フォームのメニュー・アイテム・タイプに可能なメニューを選択します。

  • アプリケーションを更新するとき、それに適切なメニューが更新されます。たとえば、メニューで参照されているビジネス・ルールを削除する場合は、そのルールをメニューから削除します。

データ検証フォームの構築

データ検証は、ビジネス・ポリシーに適合していることをユーザーが確認するための視覚的な手がかりとして使用できます。条件に応じた色コーディングをフォームに追加したり、入力したデータが検証ルールに違反している場合や条件を満たした場合に検証メッセージを生成できます。

データ検証ルールの定義には、次のメイン・タスクがあります:

  • 条件を満たしたときに検証メッセージとともに表示したり別の色で表示するデータのセルまたは場所を指定します。

  • ルールの評価に関与させる必要があるセル、列または行を指定し、適切にルールを定義します。

  • 指定した場所におけるデータ検証ルールを作成します。

フォルダへのフォームの編成

アプリケーションでフォームを整理するための手段としてフォルダを使用します。プロセスまたはユーザー・タイプ別に、あるいは単にユーザーがフォームをすぐに見つけられるように、フォームをフォルダにグループ化できます。フォームをフォルダに移動したり、フォルダ階層を作成できます。また、フォルダを作成すると、割り当てられたアクセス権限がフォルダ内のすべてのフォームに継承されるため、アクセス権の割当てが容易になります。

サマリー・レベル・フォームの構築

通常、サマリー・レベル・フォームにはユーザーのプランまたは予測のすべての部分がまとめられます。ユーザーは、これを使用して結果をレビューおよび分析できます。

さらに、ユーザーが結果を効果的に分析するための方法として、ダッシュボードを使用することもできます。

財務諸表の構築

財務諸表を使用すると、ユーザーはパフォーマンスを分析し、各自の仮定を確認できます。財務諸表には、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フローなどが含まれます。

財務諸表には通常、ユーザーが差異を分析できるように比較情報が含まれます。一般に、財務諸表にはサマリー・レベルの情報が組み込まれ、メニューを使用してフォームをリンクすることにより、詳細データを表示できます。

フォームとキューブ

フォームを作成する際、それをキューブに関連付けることにより、フォームの有効なメンバーが決まります。たとえば、フォームを「収益」キューブに割り当てた場合、「収益」キューブに有効な勘定科目のみを追加できます。入力したデータは、選択したキューブのデータベースに保存されます。

注:

  • 割り当てた後でフォームのキューブを変更することはできません。

  • ソース・キューブがフォームのキューブと一致する場合にのみ、フォームの勘定科目を編集できます。

  • 勘定科目のソース・キューブ以外のキューブに関連付けられたフォームに勘定科目を追加した場合、そのフォームでは勘定科目が読取り専用になります。

フォームと権限

設計(レイアウトや手順など)の変更やデータの入力を行うことができるユーザーを判別するには、フォームに権限を割り当てます。ユーザーは、保護された1つのディメンションのメンバーに対する権限を持っている場合にのみ、フォームを編集できます。たとえば、ユーザーがEurope (欧州)エンティティに対する読取り専用権限を持っている場合、Europe (欧州)エンティティを含む行と列は読取り専用です。ユーザーは、書込み権限を持っているメンバーについてのみデータを変更できます。

フォームと通貨

単一通貨のアプリケーションでは、すべてのエンティティではアプリケーションの作成時に選択された通貨が使用されます。標準複数通貨のアプリケーションでは、フォームで選択された通貨メンバーによって、値が表示される通貨が判別されます。通貨メンバーが「ローカル」である場合、通貨換算は行われず、ユーザーはネイティブ通貨でデータを入力できます。「ローカル」以外の通貨メンバーが選択されている場合、値は、その行または列について選択された通貨に換算され、フォームは読取り専用になります。データは「通貨」または「ローカル」を選択したメンバーとして持つ行または列に入力できます。

フォームとバージョン

ボトムアップ・バージョンでは、レベル0メンバーを持つ行および列でデータ入力が可能です。親メンバーに設定された行または列は読取り専用となります。ボトムアップ・バージョンでデータ・エントリを許可するには、さらに視点をレベル0メンバーに設定する必要もあります。ターゲット・バージョンにより親および子のメンバーでデータ・エントリを許可できます。

属性によるフォーム・メンバーのフィルタ

属性を使用して、メンバーを選択できます。たとえば、エンティティ・ディメンションでは、South (南部)などの特定の地域によってメンバーを選択できます。その結果として生成されるグリッドには、South (南部)属性を持つメンバー(TX、NMなど)のみが含まれます。属性によってフィルタされた行および列に値を入力し、保存できます。

フォームと共有メンバー

共有メンバーは個々に選択できないため、関係機能を使用して選択します。たとえば、代替の機能ロールアップを選択して、そのロールアップの下にすべてのメンバーを含めます。ユーザーは、共有メンバーを表示する行または列に値を入力でき、データはデータベースの基本メンバーに保存されます。

フォームと計算

計算を最適化するには、個々の子を選択するかわりに、関係(子孫や子など)を使用して行メンバーを選択します。たとえば、個々の親レベルの合計を計算するには、複数のパスが必要になることがあるため、かわりに関係を使用します。